○秦始皇9年(紀元前238年) 秦国中央部 王都咸陽 白一族宗家咸陽別館○
「……ん…く……ぁ…ここは―――?」
「くぅ…すぅぅぅ…」
「―――あ…」
白漂との初めての逢瀬を共にしてから数時間後、薙鍛は寝所の大きな寝台の上で目を醒まして初め自分が何でここにいるのかも忘れていたが、直ぐに隣りから上がる白漂の寝息から思い出して、顔が再びその赤い瞳のように赤く染まっていく。
(…私にもこのような女としての情を抱くことがあるとは…、前にこの魂を持っていた…“スカサハ”にも…このような時期があったのかな…?)
隣で静かな寝顔を見せる白漂の頬に自身のそれを寄せて緩んだ表情を薙鍛は浮かべつつ、彼女は自身の足の付け根より零れ出てくる目の前の男に愛された証を指で摘まみ取り、指と指の間で濃厚な白濁の橋を架ける子種汁の命の強さを感じ取っていた。
「…よーし、ぐっすり寝てるから今のうちに別の寝所に運びましょー」
「ナミさん、そっち持ってー」
(…そして、あのセタンタと呼ばれていた彼がこうして他の女に運ばれていく場面も目にしていたのか…?)
だが、その甘くも火傷するような余韻は隠し部屋で情事を覗き見ていた他の白漂女中によって、愛しい男が運ばれていく光景に、薙鍛は再び微妙そうな表情を浮かべた。
「何を他人事みたいに話しているの。これからあなたも他の子が爆睡中のあの人に跨る姿を見ながら夜の勉強よ」
「…デスヨネー…」
一方で、その両肩を背後より紅華にがっしりと掴み取られたので、自身もまた当事者であることを認識させられて乾いた笑みがこぼれた。
「…んん…ちゅプぅぅ…❤️」
「ふぁぁぁ❤️ 今日もあれだけぇ精を注がれた後でぇぇ…❤️」
「ちゅるるるるる…これなら、私達全員分の種は今日も残ってそうだな…はむ❤️」
「…ぷはぁ❤️ 逞しいですね…❤️」
数分後、まだ寝ているままの白漂を仰向けにして女性達は群がり、その雄々しさを取り戻した男根の穂先にはセレーナが大きく開いた唇で加え込んでカリ首に舌を這わせ、幾重にも青黒い血管が脈打つ大蛇の如き肉の刀身にはレベッカが吐息を吹き掛けながら唇で裏筋を吸い取り、未だにズッシリとした重量を保っている陰嚢は左側をマーティカが唇で吸い続け、右側の睾丸を袋越しにミナイが舌の上でコロコロと転がしていた。
「…ほーらよく見なさい。私はあの人しか男は知らないけど…男の武器のあれってカリ首とか裏筋の溝をああやって優しく舐められると喜ばれるの。上手くなったらもっと激しく舐め上げたり吸うのもありだけど…、あなたはまだ初夜を過ごしたばかりで上手くないからああいう風にゆったりと…」
「は…はい…ごく…(…つ、つい先ほどまで…あれだけ大きいものが私の中に…それを、あんなに美味しそうに慣れた表情で口を運んで…❤️)」
その様子を紅華など既に子を身籠っている面子は見守りながら、今宵の先ほどにて女になったばかりの薙鍛に解説を交えながら色事の勉強をさせ、彼女に羞恥で顔を真っ赤にさせつつも雌としての好奇心もまた否応なしに掻き立てさせた。
「…あ❤️ この竿と玉袋の繋ぎ目の震え…また近づいて来てるわね…❤️」
「じゃー皆ー一旦止めてー、美食の趣味はないけどこんな荒淫生活になってから相応な大飯食いになってそれ以上の体力馬鹿になり続けてるけど、それでも種の無駄撃ちは負担を掛けるから…先にした籤引きどおりにね」
その並みの男なら陰部を消化されたと錯覚して卒倒してしまいそうな快楽をしばし与え続けた果てに、再び子種が迸ろうと陰嚢と陰茎の繋ぎ目に集まり出したのを女性達は身の震えで鋭敏に感じ取る。
「あ、じゃー…私が行きます…」
「さー、私達もあの二人の繋ぎ目に近づいてもっと旦那様を悦ばせられるようになるための勉強よー」
「譜、譜孝さん…」
「早い内に慣れておかないと付いていけないわよ」
直ぐに愛妾達は白漂の男根を己が胎内へ向かえるための準備に取り掛かり、既に孕んでいる面々に導かれるままに薙鍛はその淫蕩な繋ぎ目へ真っ赤になった己が顔を近づけさせられた。
「…あ、あの皆さん…特に薙鍛さん…そんな…まじまじと見ないで…」
「そう言いながらさー御汁が垂れ流しになってるわよー」
周囲から集まり淫蕩な視線に、白漂の腰の上に跨っているミナイは悶え苦しんでいる表情を浮かべるが、ニヤニヤしたセレーナが言う通りその淫裂は太い愛液の糸を白漂の亀頭に垂らしていた。
「そ、そんなの言わなくていいから―――!?」
「じれってえな、ふん!」
その指摘にミナイが声を荒げた直後、レキシントンが彼女の肩を掴んでその身を勢いよく下へ振り下ろさせ、既に開いていた淫裂はジュポンと白漂の男根へ被せさせられた。
「―――ァアアアア❣❓」
思わず雄の証しに雌穴を穿ちぬかれた感触に、久方ぶりで溜まっていたらしいミナイの身は無意識のうちに胎奥まで待ちわびていた雄を一瞬で受け入れてしまい、彼女を仰け反らせて悲鳴じみた嬌声を上げさせた。
「!?」
その結果、ミナイの淫裂より勢いよく噴き出た潮を薙鍛は鼻っ面から真面に浴びて言葉にならない驚きを示した。
○秦国中央部 王都咸陽 咸陽大学院○
淫蕩極まりないが白家ではさして珍しくない夜が明けた次の日、白漂達はこの国の知が集まって研ぎ澄まし合う場にいた。
「どうだシトモネ? 開きそうかな?」
「あーはい白漂様ー、ちょっと待ってー…あ、これも開いた」
そこの無事な建物の一つに集められたのは、大量の錠前などが付けられた金庫や箱等で、それらを暗い茶髪と青く大きな瞳を中心とした絶世ではないが可愛く整った面貌の女性シトモネが開けていっていた。
シトモネは今現在北の地で妊娠のため後方に専念している藍蘭と同じ林涼藍種族の出で、白漂軍の工兵隊所属で鍵師として働いていた。
「いやー助かりましたよー、先の謀反による火災で焼失した鍵も多かったものですからー」
「まーお礼はこの子に言えばいいから。あーそれよりも僕達もあと何日かしたら北に戻らなくちゃいけないけど他に開けられない錠前はないかい?」
「大丈夫です。他の金庫や錠前はこちらの学者達で既に解錠済みで、残りはこちらに集められている分だけですので、失礼ながら私達は他にも残った資料の整理や焼失したそれらの復元もありますのでこの辺で…」
その場には大学院所属の職員もいたりしたが彼も姿を消し、それから少々して最後の錠もガチャンと解錠された。
「…あーーー! やっと終わったー!」
「前よりも更に腕が上がったねー。給料も弾むよー…ッ…」
最後の解錠も終わって大きく背伸びしたシトモネの傍らで白漂は急に目を細めた。
「はいそこ」
「ごぼべぇ!?」
続けざまに二人がいる部屋の壁のひび割れより瞬時に朱槍が突き出てきて、別の壁の罅に吸い込まれるように突き込まれると中から悲鳴が出てきた。
「あーこっちにいたいた。薙鍛殿ー今日もご苦労様でーす」
「ぐ、グガァ…ハ、放せぇ!」
続けざまに大学院の警備兵が出てきて槍が突き込まれた方の壁の裏側に隠れ潜んでいた不審者を捕え、縄で縛り上げてそのまま運び出していった。
「また隠れてたんですね。怪しい視線は感じてましたけど…」
「西域やそれより西方の中華とは違う異文明圏との交流網は秦がほぼ独占状態にあるからね。普段は列国で一番厳しいと謳われる法治社会でも反乱が終わってからそう日日が経ってない状態だと付け入る隙は否応なしに出てくるから、その間に役立ちそうな知恵や技術は少しでも持ち出そうなんて何処も考える」
「あー朔方侯、咸陽叛乱の時に戻られた蒙毅殿達が持ち帰られた新たな西域の品の検査をするのですけど、良かったら見ていきますかー?」
「あーうん、あれ楽しいからするするー」
そうした日常業務の一環をこなしながら白漂は大学院内を移動する。
「あ、お久しぶりです白漂殿、今回も何やら珍しい品が手に入りましたよ」
「お久しぶり、この前に送ってくれたナツメヤシに高粱とか黒麦は特に北が大きく助かってるよ」
大学院内で無事な建物にある農学者達が集っているその部屋には既に蒙毅も集まっており、彼らが囲んでいる広い机上には今回の西方帰りで持ち帰られた品々が図解や説明文付きで並べられていた。
「…へー、今回も珍しいけど上手く使えば役立ちそうなのが多そうだなーーー…え!?」
それらの机上に並べられているもので白漂は特に植物類の種子に目が行くが、その中には彼の記憶にある限り
「…え--っと蒙毅君、こちらに何やら珍しい果実や根の絵が付いた種子があるんだけど…これってどうやって手に入れたのかね…?」
「ああ、それですか? バビロニア国にいた時に同国を訪れていたフェニキアと呼ばれる東海三国や倭国と同等以上に航海技術に優れている地域の使節団から入手したもので、何やら西域の西に面する大海を更に超えた先にある海峡の向こうにある別の大海も超えた果てに別の大陸を発見して、そこにはまた我々や西域とも更に違うけど引けを取らない巨大な文明があって、そこの主要な作物になっているらしいですが…!?」
その問い掛けに蒙毅はいつもと同じ様子で説明するが、途中で白漂にガシッと両頬を掴まれて鼻先がギリギリ触れない距離で顔を引き寄せられた。
「さ、朔方侯!?」
「みーんなよく聞け、今回この持ち帰られた作物だけど…これは直ぐに昌文君とか内政面子も抱き込んでことを進める」
「え?」
「それと咸陽だけじゃなくって
「ええ!?」
「それとこれらの作物を敵国へ大規模に流したりしたら、最低でも当人は2度と外に出られない終身刑連中が働く鉱山の危険な所に流刑とかで。理由は昌文君込みで詳しく説明するから」
「「「「「ハ、ハイ!!」」」」」
普段はギャグシーンばかりが目立つ残念イケメンな姿が目立つ白漂の、その戦場で時折見せる冷酷で且つ怜悧な無表情のドアップ顔での睨みに、学者達は必死に肯くほかなかった。
○秦国中央部 王都咸陽 王宮○
「…ふーー、大分日も沈んできたなー」
「おーい、大王様達が市民の居住区の復興を優先していて且つこっちは再設計やら移転に拡張やらで遅れているけど王宮なんだからこっちはまだだー」
大学院で不穏な出会いがまた一つ生じた日の夕刻、夜も大分近くなって市内各所の復興工事も多くが一旦鳴りやもうとしていた頃、本殿が焼失した王宮区画は多少小さくなることはあってもまだ物音は続いていた。
これまでは国の大きさの割に軍事予算ばかりに財政が割かれていた事で、中原の王宮に比べれば幾分か見劣りする王宮だったが、近年の国の拡張と貿易増加に伴う交流先の増大に伴って手狭になったので、これを機会に王宮自体を移転して拡張する事になっていたからだ。
「…ん? この音色は…?」
「聞き慣れたことが無い楽器だけど…」
「久しぶりだなー。琵琶に似てるけどなんか違って…けれど別な意味で安らぐというか…」
それは後宮にある無事な建物から流れてきている音色で、中華由来の物と似た感じをさせつつも異国情緒も漂うもので、聞く者には安心させて眠りを深めさせるものをしていた。
(…この音色は…前々の世界の同時期にまだなかった
その王宮復興現場の資材を変装中ながら白漂が何となくブラブラと散歩していた。
「昼間にもよく見ていたけど…やっぱり何処も被害が大きすぎて復興には時間がかるねー」
「ええ、その通りです。雍なんかも宗廟を中心に市街地の半分くらいが焼けちゃったみたいですよ」
白漂の傍らには数週間前の雍攻防戦に白漂の子を新たに生んだ譜孝もおり、彼女も商売における伝手の広さと深さで咸陽の復興事業に深くかかわっていることから、加冠内戦における被害は詳しく把握しておるので悩ましい表情をしていた。
「これは秦中で材木や石材が動くなぁ…あ、でも待て…今現在、北は僕がぶっ込んで広範囲が実質無政府状態だから…それに伴って、石材や木材を扱っている勢力はそれを売り込む対象も、運ぶのに必要な流通路が喪失した状態だから…」
「そうですね。私も含めて大勢の秦の行商達が同じことを考えています。必要はそれらを纏めて合理的に運用出来る責任者と、許可だけで…ッ…」
その復興事業に関する会話をしていた最中、譜孝は両眼を冷たく細め、白漂はその辺に立てかけられていた木材を蹴り倒して、それからドミノ倒し法則で周辺の木材を倒壊させた。
「「「「「ウワアアアアアァ!!??」」」」」
するとその倒壊の轟音に紛れて悲鳴も飛び出て、全身を布で隠して不審者オーラ全開の輩の何人かがそれらの材木を掻き分けて出てきた。
「くそぉ! バレたか!」
「死ねぇ! 白漂―――!?」
いつも通り刺客だったその不審者達はその手に暗器を構えて白漂に襲い掛かるが、その先頭を切っていた男を白漂が掠りもせず避けた直後、男は両足が膝より深く切り裂かれて地面を転げまわった。
「―――ぅぎゃあ!?」
「そーんなのんびりした表情で出歩いてるように振る舞わないでくださーい。私達が御姐さんに怒られるんですから~」
「な!? 何だ貴様ー…!?」
それに後から続く不審者達が驚愕した表情を見せた時、妙に抜けた女性の言葉が発せられ、その間に振るわれた妙にしなる薙刀のような大刀で、残りの者達の四肢が深く切り裂かれて呆気なく戦闘不能となった。
「おい! なんださっきの音は…ってええ!?」
「あー駆けつけてきた警備兵くん、変装しながら今後の街の復興について側近と共に話し合ってたら、材木に隠れてた刺客連中に襲われたんで返り討ちにしたんだ。結構多いからそれなりの人数を連れてきて」
木材倒壊の轟音と刺客の悲鳴で気付いて駆け付けた警備兵に白漂は正体を明かして説明したので、その場は直ぐに鎮静となった。
「…ふーーー、助かったわねーハイルちゃん。出産から一月も経ってないからまだ身が重くて…」
「大丈夫ですよー譜孝さ~ん、同じ人に仕える仲じゃないですかー」
それから帰り道に入って工事現場を出ようとしていた所で、譜孝は先ほど襲撃してきた刺客を軽く一蹴した言葉の主と会話していた。
おっとりとしたピンク色のタレ目と同色の短く切り揃えられたショートヘアーを中心に、整った面貌をしているが惚けた雰囲気が強い女性で、この時代の男性平均よりやや高い160センチの肢体を性差が分かりづらい白の男衣装で固めていた。
「ありがとうハイルー、真面目に考えごとしてる間はあんま邪魔されたくないから助かるよー」
白漂からも礼を述べられたその女性の名はイヘイ・ハイル。
燕東北部よりも更に北に奥深いツングース系狩猟民とある海洋民族の混血で、血筋の後者に当たるその海洋民族の大勢力による東方からの圧力を避けて、西方の秦北部付近に移住してきた狩猟民族の出自である。
見た目は抜けた感じがする美女にしか見えないが、先ほどの刺客集団を一人で難なく一蹴する常軌を逸した動体視力と反射速度に裏打ちされた戦技の持ち主である。
その素質から幼少に戦災孤児になっていた所を闇の組織に見込まれて拾われ、訓練させられていた同組織が潰れて放浪していた所を、白漂達に拾われて加わり、今では竜騎所属の一人である。
(…拾ったばかりの頃からしばらくの間はほわほわした見た目に似合わず刃交えた敵は笑いながら全員ぶっ殺しーな頃からは大分大人しくなったな…ん?)
そのハイルの変化を思い出しながら白漂が帰り道を進んでいたところ、足の付け根に色々な意味で慣れ親しんだ解放感が急に生じた。
「…ここしばらくは夜のお仕事が出来なかったので―さっきのご褒美も兼ねて貰っていいですかー?」
それはハイルが白漂の改装中の隙を突いて彼の裳(男向け漢服の下のスカート部分)の中に潜り込み、その下のボトムと下穿きをパパっと降ろして、露わになった陰部に髪色と同様に桃色となった頬をスリスリと寄せてきたことによるものだった。
「はい、ドーン」
だが、白漂も本気を出せば甲冑を付けた徒歩でもハイルや羌瘣に伯仲して素早く反射して動けるので、ましてや鎧という重みのないその手刀は視界も塞がれている彼女の首の後ろを難なく打ち据えた。
「…あう…」
「さあ、帰ろうか…」
「そうですねー。外での愛もそそりますけど今この町は人目が付きすぎますしー…」
パタリと裳の中から目を回した状態で転がり出たハイルに、白漂と譜孝は肩を貸して帰り道を急ぎ始めた。
連載終了して大分経ちますけど今だ人気ですよね東京喰種、その中であの子は復活フラグを幾つも漂わせながら、その前に連載がグッドエンドながら終わったのに溜息を吐いた方は多いと思います。