※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回は北の地での情勢安定化事業に絡みつつも、それに翳を及ぼしている不穏な動きが中心になります。


186 戦争の現場は剣戟が交わる場だけではない

 ○秦始皇9年(紀元前238年) 秦国北部 匩涼系領域内 オアシス都市水階 仮政庁○

 

 白漂がハイルを抱きながら中国東北部地域及びそのキーになりつつある満州族に付いて聞き、咸陽で嬴政がそれも含めた今後の国内統治及びそれに必要な人材で頭を悩ませていた晩の次の日の朝、白漂に想定外の報せが入ってきた。

 

「燕側使節団の到着が最低でも一カ月は遅れそうだと?」

 

 情事の後の名残など残さない正装で執務室にいた白漂は、その報告の怪訝な顔を浮かべた。

 

「は、どうやらこちらにまで続く道中の途上でまだ態度を鮮明にしていない部族らの間で、大雨で生じて起きた堤防決壊による水害が広範囲に広がってそれを起因とした紛争が起きたらしく、それが燕側と交友が深い勢力なので、その両者間の仲介役として直ぐに向かうようにと燕王に命じられたようで…。そもそもその水害でそれ以上先に進むことも難しくなっているとも…」

「更に、その紛争に巻き込まれて当分現地を動けなくなった部族長らに、今回の宴会の重要な賓客が多数いるため、宴会自体の予定もずらさざるを得ない模様です」

 

 自然現象も流動的且つ突発的に変化しやすい北の大地では、こうした類の行事変更の報せは珍しくないが、白漂はこのタイミングでのそれに不可解さを覚えた。

 

「…ちょっと調べたい事が幾つか出来たから何かあったら…」

 

 故に、白漂はそうした情報に一番詳しいだろう場所へ向かう事を側近達に告げると、すぐさま歩き出した。

 

「…え、いない…?」

 

 数十分後、宴会の延期に伴うスケジュール再調整に関わった捷璘が報告書とついでに朝食を持ってきた頃には、夫の姿は仮政庁の執務室には無かった。

 

「は、今現在は何名かを連れて…」

 

 警備のものから行き先を聞きだすと、捷璘はその場所が近場なのもあってすぐさま向かい出した。

 

「…ここは挑筋人*1達の宿営地…。相当に大きいけど中では何が…!?」

 

 仮政庁と小道を挟んだ先にあるその大型ゲルの一つに捷璘が入ると、そこには崩れて山となった本の群れと、その中から僅かに見える人間の爪先が見えた。

 

「…え、な、何が起きて!?」

「申し訳ない。近頃この辺りでの物品および通貨の流通量で気になる事があって共に調べて貰いたい事がーーー…って何だこれ??」

 

 それに口がポカンと丸くなった捷璘の背後から、新たに藍蘭が現れて同じ表情を浮かべるが、そこでかすかに見えている爪先が僅かに動き出した。

 

「…だ、誰かぁぁぁ…助けてぇぇぇぇぇ…」

「「……!!??」」

 

 続けて(一応は)愛する男の声が弱々しい状態で発せられ、耳にした二人は大急ぎで本の山を掻き分け始めた。

 

「…い、いやアアアァアア~~~助かったよー。調べ物をしてて彼方此方の帳簿とかを調べていたらゲルの外がどんって大きく揺れてそれで山のように積んだ書類が崩れてきてさー…。朝食もまだとってなかったから上手く押し上げられなくてー」

 

 数十秒後、掻き分けられて生じた書類で出来た海の中にポツンと浮かぶ小島のようなスペースで、白漂がほっと一息を付けた表情で謝意を見せていた。

 

「…あーもう、ご多忙の身なのは理解しているつもりですからとりあえずこちらをお召し上がりください」

 

 その姿に捷璘がようやく嫌な意味で慣れた表情を向けつつも朝食を差し出すと、白漂はそれを大急ぎで口にしながら帳簿の精査を再開した。

 

「…そっちも気になっていたか…?」

「ああ、今回の宴会で使用されるはずだった物品の量を考慮しても…この辺りで細分化されて別の名義がありはするけど、それを考慮してもこの辺りの地域でのやり取りされている物品が他の地域のそれに比べてやけに多い」

「遠い所では燕及び、その沿岸部を介して他国からも来ているものもある模様です」

 

 姿こそ口周りにご飯粒などが付きまくる見苦しいものだが、怜悧な眼孔を浮かべて書類を調べていく夫に、同様の懸念及びに新たな資料を持ってきた藍蘭と捷璘もそれに付随しているとみる情報を伝える。

 そこへ、此度のキーマンと言うべき存在との仲人が現れる。

 

「失礼します。今後の南方との大規模取引の都合であの一族の巴蜀分家の方々は本日に予定通り来られるようです。今現在の貴方様のお悩みにも残念ながら関係しているようで~…」

 

 普段通りチャラそうな感じの笑みを浮かべつつも、冷え切った金貨のように輝きつつも温かみを感じさせない瞳で譜孝も加わってきた。

 

 

 

 

 

 ○秦国東部*2 太行山脈 軹関陘 険水関○

 

 白漂の元に只事ではない出会いが再び近づこうとしていた頃、紀彗達は何度繰り返しても慣れない緊張感にあった。

 

「…そういうわけで、滏口陘方面を治める説家は、現当主である兄の方は趙への忠誠から想定通りこちらへの帰順を拒んでいる模様ですが、弟及びに豪商らの方が不満を…」

「…そうか…ならば…」

 

 その原因は今現在自分達の上司となっている、王翦の存在とその得体が知れない眼光にあった。

 白漂が急且つ不安定な拡張期に入っているの秦北部方面に向かわされ、その波及で対趙北部及び燕国方面が主業務になったので、趙西部攻略を担う秦国東部方面軍は王翦の管轄となった。

 その為、秦東部で主要な拠点となって強化されている離眼の紀彗達もその指揮下に加わっていたが、どれだけ何度も職場を共にしても今の上司の眼光には慣れる予感が無かったのだ。

 

「…それでは、我々は本日の任地に向かいますがよろしいでしょうか…?」

「うむ、構わぬ」

 

 故に、この場からの退席の許可が出る時は内心でいつもホッとした境地に至ってしまうのである。

 

「…朔方侯とは違う具合にやり辛いっすね今の大将…あの眼付…側近連中に対しても終始あの味方に向けるもんじゃねえもんのままでしたよ…」

 

 王翦のいる本陣から自軍へと帰る途中で、馬呈がその剛力を宿した巨躯で肩を落として疲れた表情でボソッとそう囁いた。

 

「そういうことをここで迂闊に言うな。前回でも我らだけで良い所まで攻めつつも最後の所で本陣を吸収されて総崩れしそうになったところ、それを見抜いていただろう動きで最後はあの男が再びひっくり返した時の手腕を考えれば…何処で誰が聞き耳を立てているかわからん…?」

 

 それを劉冬が何度目かの注意をしていたところ、彼らが進む小道と天幕を挟んで見える隣りの道を、先ほどの軍議の場には居なかった人物が反対方向より通り過ぎた。

 

「今、第(・)五(・)将(・)殿が戻られました」

「遅い!」

 

 数十秒後、王翦の本陣に辿り着いてその側近の一人である第三将田里弥が叱責を飛ばしたのは、近年の対趙西部攻略で立て続けに軍功を上げて王翦傘下第五将に昇進した江殊幡だった。

 

「先に伝令を送って伝えたとおりの調べ物をして、相応の成果が出たら相応に時間がかかるのは当然でしょうが田里弥第三将」

 

 江殊幡は先輩の叱責に仏頂面のまま一瞥すると、今現在の上司王翦と向き合う。

 

「…例の北での不審な人と物に金の流れですが、どうやら西域から伝わってきた四年に一度の金と暇を無駄に持て余した連中による例(・)の(・)擂(・)台(・)賽(・)が開かれるようです」

「そうか」

 

 その異様に鋭い慧眼で拾い上げた、これまで見てきて集めた者達の中で最(・)巧(・)と言うべき才女のその言葉に、王翦はまずいつもの平静で感情の無い軽い言葉を放つ。

 

「それと成都の方の貴方の従弟姪がその催し物で彼に接触を図っている模様…」

「…ほう…」

 

 そして、江殊幡が北の地に戦場を移した彼女自身の同期に絡めて話を進めると、本日初めで王翦の口元が軽くだが“への字”の逆状に変化した。

 

 

 

 

 

 ○秦国北部 匩涼系領域内 オアシス都市水階 白漂軍駐屯地○

 

 王翦が珍しく人に彼自身にとっても不確定要素込みで興味を他人に抱いた日の翌日も、白漂軍本軍は水階に駐屯していた。

 

「…やっぱり、こちらが取り寄せている量とは別に相当な鉄がこの地域に流れてきているな。一つ一つは細かい取引に分かれて小さいが…纏め上げると一日に動いている平均値は…うわ、僕達で使用している分の一割くらいはあるな…」

「ですが、特にこの辺りで抵抗を続けている勢力の武装が強化された気配もありません」

 

 そこで治安回復任務に務めつつも、白漂は近頃の惣流における不審点を今も調べており、今回は工兵部隊など技術系将兵を纏めている杏橋が加わっていた。

 

「え!? 前の残党兵掃討で壊れた俺の鎧がまだ直ってないだなぁ!?」

「あれだけ壊す頻度が多ければ直す方の士気にも関わりますよ信五千人将」

 

 ちなみに、二人がいる工兵部隊の宿営地で信と能面の立花誾が文句を言い合っていた。

 その中で立花誾が口にした通り、信は個人単位で見ると兵装の破損や損耗が断トツで高いため、兵站や工兵担当には疎まれていた。

 

「あんだけ一般兵用の武具防具やその交換部品が多いのに俺ら隊長級以上で使ってるあの鋼線多用の新型甲冑が限られてるなんておかしいだろ!? どっちも素材は同じだろうが!!」

 

 信が指さした先には白漂軍では一般兵が来ている甲冑やそのパーツ類がずらっと並んでいたが、その素材の大半は鋼鉄であった*3。

 戦国時代で中華は鉄の時代に入り、鉄製農具の普及があって農業が拡大して人口規模も拡大するようになったが、兵器として見れば本来の時間軸では未熟であった。 

 実際、本来の時間軸では技術が確立して原料産出地を多く抑えていた秦が信用性の高い青銅製兵器で、技術が未熟だった鉄製兵器頼みの六国を滅ぼしたりしている。

 だが、この世界の秦は白漂がその目利きの鋭さと交友の広さで、革商など腕の高い工人達を集めたり、そうした工人が働きやすい環境を整え得ていったため、マンガン鉱を用いた合金鋼製の兵器が一般兵の末端まで普及するようになっていた。

 敵国からすれば、自分達の武器は秦兵の鎧には中々通用しないのに、秦兵のは自分達の鎧や盾を普通に破壊してくるのだから悪夢である。

 

「あれは一般兵用の鋼製板金主体の甲冑です。あなた達に回している鋼線主体は製造が難しいのです」

 

 だが、信が求めていて且つ立花誾が渋い顔を見せている鎧とは、それと同じ合金鋼製だが板金ではなく、鋼線及びに特殊皮革を中心にした新型甲冑である。

 これは同サイズの一般兵用甲冑の半分以下の重量だが、防御力はそれ以上に高くて且つ機能性も高いという代物だった。

 だが、鋼線と言うこの時代では非常に難しい加工品を使用するため、技術を確立させている秦でも竜騎等の精鋭部隊や、信などと言った一定以上の階級に至っているものでしか普及は進んでいなかった。

 

「ここまで細い鋼線一本を作るのに普通の鎧に用いる板金5枚分の時間と費用が掛かるんだからそうそう作れるわけないでしょうが。規格が複数あるだけでもそれを用意する側には苦労は倍増しなのよ」

 

 間者の他にも工人班にも兼務している結羅も信への抗論に加わる。

 先ず、軍隊の兵士達は古今東西問わずその多くが兵器に対して求めるのは、“性能”よりもまず“信頼性”である。

 たとえ性能が高くても粗雑な扱いをすると壊れやすかったり、補充がしにくかったりする兵器などは現場で戦う兵達は嫌うのだ。

 兵器の信頼性を上げるには、長期的に使えて且つ耐久性を上げる必要があるが、それで最も有効なのが兵器の構造などを単純化させることであった。

 逆に、兵器の種類を複数に分けるとその分の補給や必要な事務作業の手間、修理の方法も複数憶えなくてはいけないため、現場の兵達の負担も増えるのである。

 

「じゃあ、今の新型甲冑で規格を統一すればいいじゃん」

「……あなたはわかりやすい分に無理難題も過ぎますね…」

 

 その現実を踏まえての信の何度目かわからない迷案に、そうした現場に立つもの達は怒りを通り越して感心すら覚えていた。

 

「…はーーー、馬鹿ってのはなまじ無能じゃない場合は無能な意味での馬鹿よりも苦労させてくるから本当に疲れるわ~~~~。こういう時は美味しいものでも食べてやってらんないわよ…はむ❤️」

 

 十数分後、白漂軍の駐屯地から少し離れた茂みの中で、結羅が少し疲れた表情で膝立ちとなり、眉を八の字にしながら大きく開いた唇で大きくもまだ力ない長い何かを咥え始めた。

 

「はいはい、僕の身を貸すからあまりそう言うのは人前では言わないでねー…おう」

 

 その結羅の前で白漂は仁王立ちしており、彼の足の付け根はちょうど結羅の眼前に位置しているので、彼女が唇に含んだものは当然彼のまだ力ない愚息である。

 

「…はむぅ…❤️ ん…ちゅうウウゥうぅぅぅ…❤️ ぅっはぁぁ…❣ やっぱりぃ…このおチンポが一番良いィ…❤️」

「この世の人間の半分は男だからそんなことないでしょ」

「…アアァ…もうぅぅ❤️ そんなぁ卑下するようにしてええ…虐めないでぇぇぇ…❤️」

 

 だが、それも結羅の口が味わわせる東海のくノ一が持つ淫靡な舌の動きで、見る見るうちに力を取り戻していっていた。

 

「…ふふ❤️ 凄い…ついさっきまで義姉さん達にあれだけ吸われた後で…ここはまたこんな…❣」

 

 数十秒後、自身の眼前で隆々と血管を浮かせて奮い立った肉の刀に、結羅はその朱色の唇を軽く触れさせた。

 茂みの向こうに見える本陣の大将ゲルの中で、紅華など今回従軍している白家の閨の女性達が横になっているが、その全員が足の付け根から白濁の雫を垂らしながら寝息をたてていた。

 

「周りをこんな風にして色事で濡れられる君も逞しいと思うけどね」

 

 結羅の足元もまた足の付け根より滲み出てきた愛液で濡れてきているが、その周囲は赤く濡れていた。

 その血は、この茂みで結羅が見つけたので皆殺しにした他所の間者や偵察兵の死体から流れ出ているものだった。

 

「…だってぇ❤️ 戦場で血を流したらぁ身が火照っちゃうんだものぉ…❤️ それにぃ…こういうので出る悪霊ってのはぁ…命が生まれる時の力は嫌うものだからぁ…これだってれっきな供養ぉ…フン!」

 

 

 そうした死体を結羅は一瞥するがそれ以上のことがせず、指先から無数の黒い糸を伸ばすと周囲に飛ばし、糸を操っていく。

 すると周囲に散らばっている槍や木の枝などが飛び跳ねるようにして動いて集まり、それはブランコの形になった。

 

「…さあ、来てぇ…❤️ ナイチンゲールさんにぃ見てもらってぇ…病気も子もないのはわかってるからぁ…安心して種を付けられるなら付けられ…ああ❣❓」

 

 結羅はそれに乗って足をV字に大きく開いて、その淫靡な朱色に染まって大開きして蜜を垂れ流しにしている肉の薔薇を見せるが、その直後に足を白漂に掴まれて勢いよく最奥まで男根を突き込まれて大きく仰け反った。

 

「あれだけ口で味わっていたのだから、君の唇の中で一度果ててからでも良かったんだけど…」

「…ふうう…❤️ 私もぉ上の口でも味わいたいけどおお…一度あなたから精を貰ったらぁぁぁ…それで交代って決まってるんだも…のぉおおおお❣❓」

 

 久々なのもあって軽くいった結羅の意識が戻ってから、白漂はブランコの揺れやふり幅も生かして彼女の淫裂を大きく掘り出し始めた。

 故郷を取り囲む大海に住まう蛸を思わせる複雑で且つ強い吸い付きと締め付けをする肉壺は、ブランコからくる不安定さもあって深く不規則的に抉ってくる男根の強さに歓喜し吸い付き続けていた。

 

「ァアアアア❣ 脚がもげちゃいそうゥウウウゥウ❣❓」

 

 その激しくも深い動きは白漂が結羅の両足を掴んで、それを軸に彼女の身を緩急や変化を付けて揺らしている事で可能となっており、彼女は淫裂を突き破る深さまで潜りながらも赤く溶かしていく男根で下半身が解けてしまいそうな快楽を味わわされていた。

 一方の白漂も、彼女の淫裂で蛸に飲み込まれて精巣ごと吸い上げられてしまいそうな肉の悦びを脊髄から登らされていて、それを受けた脳髄はその快楽をより強めようとブランコを主体としつつも様々な体位に移行して肉壺を楽しんで行っていた。

 

「アアアァアアアアアアアアアアァアア❣ すごおおおおおおい❣ 本当に天上へぇええエエ舞い上がっちゃいそううゥウウウゥウ❣❓」

 

 十数分後、白漂はブランコに仁王立ちする形で乗り込んで大きく揺らしており、結羅はその彼に腕を引っ張られる立ちバックの姿勢で責め上げられ、いつでも子宮のみならず今も内側から盛り上がっている下腹部の肌まで突き破りそうな快楽の噴出に狂いそうな快楽の最中にあった。

 当然、それを味わわされている白漂の男根も、これだけ強い責めを受けても快楽に変える強い女体に歓喜し、より確実に種を多く送り上げようと男根をより隆起させて陰嚢を膨らませていった。

 

「ッッ❣❣」

「ッッッッッッッッッッ❣❣❣❣❣❣❣❓❓❓❓❓」

 

 そして、その肉の打ち合いの如き責めは白漂が気を見計らってブランコを飛びだして着地した時、落下の衝撃も合わさって結羅は過去最大の男根で突き上げられる快楽を味わわされ、子宮のみならず意識が文字通り天へと打ち上げられたような極みに押し上げられて言葉すら失ってしまった。

 そうなれば結羅の胎内も荒れ狂う蛸足で出来た海原のような状態と化し、それらも押し流さんばかりの白濁の奔流が白漂の雄の証しより噴き上がった。

 

「………ふう…❤️ ありがとうね…いちいち…子を産めない女にまでここまでしてくれて……」

 

 数分後、極みの最高潮が過ぎてその甘い残滓を静かにかみしめる時間にて、結羅はブランコに乗り直した白漂の足の上で、その言葉を添えて寂しそうな笑みを見せていた。

 この医療技術が現代と比べて不十分な時代、くノ一や女間者となれば何度もしくじって独りだけの身ではなくなる時があるが、それが続くと間者働きが出来なくなるのでをさっさと終わらせるための処置を受けさせられるのが普通である。

 そうなれば、身には当然負担が押しかかって、女性としての最大の仕事が出来なくなる身になるのが自然であった。

 

「…他の子に比べれば少なくて不規則的だけど、まだあの日は何度か来ているだろう…簡単ではないけどね…」

「…まあね、けれどね…昔はさっさと処置を受けてもどうとも思わなかったけど…貴方に拾われて…皆と馬鹿みたいだけど退屈しない日々を送ってたら…、今さらその女としての最大の幸せを求めてたくなるけど…求めてもいいのかって感じになるの…?」

 

 結羅はその愛しい男の熱を味わえるブランコに揺れながら自身の下腹部に手を当てて、諦観と未練が混ざった笑みを向けていたが、それは茂みより現れた凶刃(?)によって遮られることになる。

 

「この数に任せて娘っ子を拉致して凌辱する不埒者め! この趙雲しりゅ…ではなく黒蝶仮面が成敗してくれよう!!」

 

 その何処か楽しんでそうな少女の声音を添えて、水色の髪を生やした女性を使い手として二股に分かれた赤い大槍が茂みより飛び出してブランコに乗る二人目掛けて襲い掛かった。

*1:
秦に流れ着いた東遷十支族の現在の主流な呼び名。彼らの戒律にある動物の太腿の腱を食するのはNGと言う項目から付いた。ちなみに、別時間軸における世界三大宗教のうち二つの大元となったあの宗教もこう呼ばれていた時期がある

*2:
靖涼の変後に秦北部が大きく広がったので東北部からこれに名称が代わった

*3:
見た目は映画でもよく見る帝政期ローマ軍の板札鎧(いたざねよろい)に似ている




果たして、今回出てきた新キャラは何処無双の愉快犯なのでしょうか?(棒)
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