○秦始皇9年(紀元前238年)
「…駄目だぁ! これ以上は無理だぁ!」
「損害が大きすぎる!」
白漂とレキシントンが昔の坑道から
「昨日から何故だぁ!? この前に石の都から来た傭兵共は上手くいってたのに…」
「そんな事を言っている時間があるなら早く退け! さもないと死ぬぞ!」
どうやら2日前の趙遷のそれを除けば都市側の攻撃は上手くいっていないらしく、今回の都市側部隊は這う這うの体で引き上げていった。
「昨晩の夜襲に続き今回も上手く撃退出来ましたねー」
「まーねー昨日の昼の石や矢の撃ち合いに紛れて中から
その様子を秦軍側の本陣が構えられている丘から見ていた河了貂達の手には、
「…くくくく、残念だったなぁ
「…ちょっと待て、何を言ってんのかわかるんだけどどうしてそうなってんのか理解出来ねえ…」
それと敗走していく敵の部隊を見比べて河了貂が浮かべた引き攣った笑みとだらだらと流れている脂汗に、信の口から周囲の至極真っ当な本音が漏れ出ていた。
○秦始皇9年(紀元前238年)
『…ちょっとお客さん! そんな乱暴なお求めは困ります!』
『うるせぇ! この町を守ってやってんだからそれぐらいまけろ!』
秦側が上層部で微妙な影に覆われつつも戦況を優位に進めているのに対し、都市側の内部は空気が落ち込んで揉め事が彼方此方で生じており、敗走してきた都市側の兵士達は癒しを求めて雪崩れてきたその町で揉め事を起こしていた。
『おい、旦那方ぁその辺にしときなぁ?』
その歓楽街にある大きな店の一つの前で、そうして荒れている都市側の兵士達の乱暴を抑え込んでいる存在がいた。
『アア!? だったらテメエが相手しろ…お…!?』
腕を掴まれて止められた兵士の一人が苛立った顔を向けるが、その赤くなった顔は瞬く間に血の気が引いて怯えに満たされていく。
『そこまで体力が余ってんのなら“体”で付き合ってもいいんだぜぇ? 兄ちゃん達ぃ?』
そこにいたのは、彼らを悠に凌ぐ2メートル以上の巨躯を包帯で固め、その手に掴んでいる彼らの腕からメキメキと骨よりひびが入っていっている音を鳴らしている巨漢であった。
『い、いいえー! 結構です!!』
『すすすすみませんでしたー!!』
その巨漢の口から出る“体”の意味と身から伝わってくる絶対的な戦闘力の差を瞬時に悟り、都市側の兵士達は情けない謝罪を口にしながら退散していった。
『…うーむ、相変わらず小さい子だったら立ったまま気絶して失禁を起こしても可笑しくない迫力だ…』
『…ぐ、大将…じゃなくてクハ坊ちゃん…わざわざ言うなよ…』
それを物陰より盗み見ていた青年が一人いたが、そのクハと呼ばれた青年は髪色と顔辺りの傷を塗り替えて他人に変装しきっている白漂であった。
そして、彼に苦そうな眼差しを送っている全身包帯だらけの巨漢の正体はレキシントン。
『はいはーい、うちの子達を守ってくれているのは嬉しいけど…これ以上は“悪目立ち”になりそうだから早くお店の中での仕事に戻ってねー』
その二人がいる大店の入り口より、親しんでいる声で呼び戻そうとして来ている女性が現れた。
『…いやーごめんねー夜蘭~、戦火の悪影響でこっちにまで流れてきちゃってーお世話になってー』
『あーはいはい、どっちみちこっちで貴方達とはお互い丁度い感じの手打ちに持っていけるように後押しする予定だったけど…まさか貴方自らがこんなにも早く私の所へ来るなんて思ってなかったわ…』
少しばつが悪そうな顔で頭を掻く白漂に、夜蘭は珍しく少々ながら引き攣った笑みを返しつつも彼とレキシントンをこの町での自身が抱える店へと引き入れる。
今現在、夜蘭は預かっている燕での大店と秦からそれを預けさせてくれている香泰率いる秦の本店を結ぶ経済網を、東海貿易圏に繋げる商談のために
その際の仮宿にしているこの町で自身の傘下の一つにある大きな酒場にして宿屋“彩兎館”に出入りしていたところ、この町へレキシントンを連れて迷い込んでしまった白漂に発見されてしまった。
その結果、戦後の保証を餌に夜蘭は白漂を戦火に巻き込まれてここへ流れ着いてきた北の没落貴族の青年クハ、レキシントンを大火傷のために全身包帯巻きとなっているその従者アカキとして、戦が自分達にとって終わるまでは彩兎館のアルバイターという形で匿わざるを得なくなってしまい、笑顔の裏では久々に彼に寄って胃を滅茶苦茶痛めさせられている最中にあったのだ。
『麦酒5人前が三番の机から注文入りましたー!』
『黒麦酒は12番の机に運んでー!』
数分後、好ましくない乱暴な客を事前に追い出された彩兎館の店内は大区の客でにぎわい、その合間を料理や酒を運ぶ兎風の意匠の服装をした麗しい女性達が行き交っていた。
『…それでさー若者くーん! うちの旦那ってー最近の戦の状況が芳しくないって理由であたしにまでつらく当たって来て酷いのよー!』
『はいはい、そうですかい、それじゃー…』
その北の言葉を話す客の中に結構混じっているこの町の兵士の妻などの親族の女性も混じっていて、彼女達の愚痴を聞きながら酒を出しているバーテンダーにクハ(白漂)の姿もあった。
(…へーー、なるほどねー…この人の旦那さんはこの町のそういうところに務めて…店が閉店時間になったら確かめに行こう…)
クハ(白漂)はその洞察力と悪知恵に比例して成長している口の上手さで彼女達の愚痴を聞きとり、戦争中に置いてこの町で調べるべき場所の目星を掴んでいっていた。
「…よーし、この辺なら…今も戦闘中で秦からの袋攻撃とこの町側からの投石や矢の攻撃が行われているし…」
数時間後、彩兎館も閉まって住民の相当数が寝静まりつつも、白漂の指示で夜中も秦側主体で遠距離攻撃の応酬が続いていた中で、クハ(白漂)とアカキ(レキシントン)は闇に紛れて動いていた。
但し、秦側は白漂が市内にいるということと、彼からの指示もあって、直接的な殺傷力の高い石や矢などではなく、色々と
『ぎゃあ!? 今度は糞や小便を詰めて撃ち込んできやがった!』
『こっちはスズメバチの巣だ! 畜生! いてええ!』
『こっちは蝿や蛆がめっちゃついてる腐った麦や肉だ!』
但し、秦側のその贈り物は瞬間的な威力では刀剣には及ばないが、嫌がらせ指数で言えば高いものが主体で、それらを撃ち込まれるたびに都市側からは悲鳴や罵声が巻き起こっていた。
「おうよ…あの辺りはーーー…味方もいないから良いな…ふん!」
そうした声を聴きながらもクハ(白漂)が安全と見定めた町の高所に登ったアカキ(レキシントン)は、彼が暗号文でこの町の情報などを記した大石をハンマー投げの要領で、秦側陣地の人がいない箇所へ町側からの投石に紛れて投げ込んだ。
「…よし、今夜も無事にこっちの味方には当てずに出来たね。偉い偉い」
「た、大しょ…じゃなくてぼっちゃーん…あんまりこういうのはむず痒いからあんまり~…」
それを視認したクハ(白漂)は適当な木箱に乗ってアカキ(レキシントン)の頭を撫でて彼女を悶えさせた。
「わかってるよー、今夜もお礼はするよ。正直…今は君しかいないから君に受け止めてもらわないと…。まあ、君一人しかいないし明日も仕事はあるから加減しないといけないけど…」
「ッ~~!!」
次にクハ(白漂)が発したその言葉の意味を身体で学ばされているアカキ(レキシントン)は包帯越しでもわかるレベルで顔を赤くし、内またになって膝が地面へ付きそうになっていた。
○秦始皇9年(紀元前238年)
「…う…?」
「? どうしたのです?」
「…いや…今さっき…何か急に…レキシントンの顔を急に思い出して…?」
レキシントンがその巨躯に似合わない敏感な女体で白漂の夜の集中攻勢を再び一人だけで浴びせられるのが決まった頃、その上官で先輩であるナクタは魏亶たちと共に眠りこけている白漂の子供達の様子を見に来ていた。
「…彼女も同じ殿方を愛する身ですし…何よりその殿方があの人ですから妙な感が冴えてくる晩もありますが…あまり現場の同僚の皆さんを気に掛けていますと子供の不測の事態が起きても対応が遅くなりますよ?」
「…ああ、そうだな魏亶殿…もう、この子の兄君達や姉君達の様子も見終えたし、この子も横にしてあげようか…!?」
それを今も遠い戦地で戦う戦友への遠慮と判断したナクタは、主君からの預かり物を腹部に宿している女性達の中で、今もっとも膨らんでいる自分のそれを優しく撫でながら寝床に戻ろうとしたが、そこで腹の内より焼けて裂けてしまいそうな痛みが立ち上ってきた。
「…ッ…!? こ、これは…!?」
「!? まさか…!? だ、誰かー!?」
「何ですか!?」
そのまま腹部を抱えつつ苦悶の表情で蹲ったナクタを介抱した魏亶の助けを求める叫びで、夜勤中の侍女や侍従達が集まり出して今宵も朔方城は賑やかになり始めた。
○秦始皇9年(紀元前238年)
「…はむぅぅ…❤️ すっべえぇ…あんだけ濃いのを6回もぉたくさん出してええぇぇ…ここはまだこんな…じゅちゅうぅうぅぅ…❤️」
後方の地で上官が愛する男の子を新たに生もうとしていた頃、アカキ(レキシントン)がその同僚に種付けを行った愛しい男の太く長い愚息を西瓜真っ青な己が赤黒い乳房で挟み込んでグニュグニュともみほぐし、それでも大きく突き出ている亀頭を大きく開いた唇で咥えて舌と歯を駆使して子種汁の残滓をなめとりつつ、まだ奥底で寝ている分をどうにかひねり出させて大人しくさせようとしていた。
「…ん…く…力強い吸引だけじゃなく…まだ荒いけど力強さを上手く生かしてる下捌きまで…ここも成長しているね…」
当然、その感触を己が足の付け根より生えている愚息を通してクハ(白漂)は味わって心地よさげに寝転がっていた。
仰向けで寝ているクハ(白漂)の愚息に自身の顔と胸を預けているアカキ(レキシントン)の下半身は逆V字状に寝台へ大きく投げ出され、その足の付け根は愛する男の好みだが衣服で隠している分には動きやすいと彼の閨の女性の多くからは割と好評な前面ハイレグ後ろTバックのマイクロショーツで固められていたが、布面積が少ないので注ぎ込まれていた子種汁は僅かな隙間からボコボコと零れ出てシーツを汚していた。
「…で、でもぉ…旦那ぁ…これぇいくら何でも元気すぎねえか❓ もう…6回は出してるのにぃまだぁ収まる気配がしないんだけどおお…❓」
「…あーー、やはり君じゃあもうこれくらいで限界が来たかぁ…紅華はこの前は久々に一対一で愛し合った時…17回くらいは受け止めてくれたんだけどぉ…」
「…あ、姉御もある意味で人間じゃねえ…」
その惨状を作り出した愛しい男の雄としての証しに、アカキ(レキシントン)はウットリとしつつも明日の任務もあって今宵の体力はもう限界であったが、その証の本体の口から出たその言葉に畏敬と畏怖双方の感情が呼び戻された。
「…あのう、情愛を交わされるのは構いませんけど…もう少し声を抑えて貰えませんか…? この辺りは壁が薄いので…」
第三者が現れたのはまさにその時であった。
「…な!? だ、誰だ…よ…あ…」
その普段の夜伽では互いに秘部を見合っている同性の戦友とは異なる声に、アカキ(レキシントン)は羞恥と同時に警戒の色を浮かべて瞬時に身構えるが、その第三者の姿を見ると目が丸くなった。
(…バニーガール?)
クハ(白漂)もまたキョトンとした顔を向けたその第三者は、艶のある白い素肌で包まれたナイスバディを白いレオタードと網のストッキングで固めて、可愛い美貌と映え合う黒のウェーブがかった長髪から白いウサギ耳風の装飾を生やしている“バニーガール”であった。
「…こんばんわ。ここ彩兎館で踊り子の一人を務めている“白兎”で御座います。お二人の夜の言葉があまりにも元気が良過ぎて触発されて眠り辛くなってる子達が多くなってますので…、未だ眠る気配のないそのお坊ちゃまをもう少し静かにしてもらえませんか? ご主人様の夜蘭様にはあなた方に仕事を色々教えなさいと言われていましたので…この階層は壁が薄くて今のような声は周りに聞こえやすいのです…」
「…あ、あぅ…」
だが、当のアカキ(レキシントン)は自分達の交わりが周囲にバレていたことをそのバニーガールである白兎に伝えられると、警戒は戦意と共に消沈して代わりに羞恥心が蘇ってしまう。
「…えーーっとすみませんでした。気を付けて今夜はもう眠って明日からより一層働きます…」
「…殊勝なお気持ちで幸いですね。ですが…クハ(白漂)さんのそれはまだまだ精気が有り余っていて…落ち着かれるにはまだ時間がかかるように見えますが…? (…まあ、元から顔は良いのと営業時間中に品のないお客さんに絡まれていた時に周りにはほぼ悟られずに助けられた時の動きと、その時にわかった下の方の膨らみでご立派なのはわかってたけど…こっそり媚薬を少し入れただけでこのようになるとは…)」
「(害のある悪意はまだないけど…何かこの愚息に訳知りな目線を向けたな…でも今は取り上げないでおこう…)えーーっとすみません、ここへ流れてくるまでは道中を野盗や敗残兵などに追われて落ち着く暇もなかった反動でこうなって…」
白漂は白兎の僅かな動作や目の動きから彼女が今の元気溌剌な愚息に何かしら関わっているのは感づくが、それへ触れずに置くと彼女が近づいてきた。
「…それでしたら他の方のご迷惑にならないように私がこの子をお鎮めするお手伝いをしましょうか? あなた方の激しい愛の睦言のおかげでうずいてしまっているので…あなたに責任を取って鎮めて貰わないと眠れなくて明日の仕事にも(凄いわねぇ…普段は断る嫌なお客さん達のそれはもちろん、気になって肌を重ねた殿方のどれも比べ物にならない…匂いも含めて…まるで、これまでの夜はこの人に抱かれるための前座だったと思えてしまえそう…)❤️」
「いやー白兎さん、彼女の前でこんなのされたら困りまー…あ…」
そして、白兎が艶のある笑みを添えてクハ(白漂)の股間を直にスリスリと手で触れてきたが、躊躇うクハ(白漂)にアカキ(レキシントン)が彼の手を掴んで縋るように口を挟んできた。
「…ぼ、坊ちゃん…悪いけど…俺一人だけじゃあ…アンタの夜の相手は無理だぁ…怪しいことされないように…見張りは俺がしとくからぁ…」
「…あ、はい…どうもごめんなさい…」
もはや女としての独占欲よりも助っ人を求めるまでに弱らせてしまったらしい部下の様子に、クハ(白漂)は明日に備えるためにも今は逆夜這いしてきた色事が好きな
いつの世でも獣系仮装衣装、特にその元祖というべきこの存在には胸が高まるものがありますねぇ。
特に、某鬼畜戦士が王になった世界線で、その主人公たる王と激闘を繰り広げたあの方々は…(正史最終作の方でも出てほしかったくらいに…)。