※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回、戦況があのお頭ファンの方々が喜ぶかもしれない形で動き出します。


218 望む形で叶うとは限らないのが策謀

 〇秦始皇9年(紀元前238年) 什虎攻防戦四日目夜 楚国北西部 什虎地方 什虎城付近 白漂軍側陸橋 同軍占拠陸橋中間点山城 兵器管理区域〇

 

「…そうか、これでここ什虎城周辺での湿地帯における…水深や小島の詳細な情報で必要な分が揃ったか…」

 

 マイに女心も満足させる褒美を与えてから十数分後、白漂は自軍で管理が厳しい区域の一つである兵器管理区域を地図片手に回っていた。

 

「ええ、今回の大戦を聞いてあなたの意見を参考に用意したこれらの装備…、中々に面白いですがこの地のような湿地と小島が入り組んでいる地ではないと使えませんね。使用している部品は既存のものの応用ですからチャチャっと出来上がりました。あとはどのようにすれば所定の位置に敵味方を引き込むかどうかですが…」

 

 そこでは夜になっても警備兵や整備兵で常に人の気配は絶えず、その中でこれから今回の什虎攻略戦で決め手となる予定のその兵器を、白漂は杏橋と共に調整して回っていた。

 

「…各(・)船(・)壁(・)の連結部分の強度は大丈夫かな?」

「はい、そのための錠の耐久性はシトモネ達で事前に調査済みです。ほら、やり方を覚えればハメ方と外し方は簡単でありながら、決められた以外の方法では極めて強固です」

「あー、これは確かに強固だね。僕と君が心だけじゃない方で繋がっている時みたいだね」

 

 その見回りや調整が終わりに差し掛かろうとした頃、白漂は周囲から人の気配は消えて視界が遮断されやすい状況になるのを見計らうと、杏橋の説明に合わせて品のないジョークを掛けた。

 

「…白漂様、今ここでそれは…あ❤️」

 

 長く濃密な付き合いからそれの意味するところを理解して頬の熱を感じながらも杏橋は眉をやや八の字にして注意しようとするも、そこで自身の臀部に白漂の腰を当てられ、自身の下の方の肉の合間に衣服や装甲越しながら愛しい肉の棒を当てられてその熱で理性を急速に溶かされてしまう。

 

「…まだ自身の寝所に戻った後ですべき書類もありますから…お早めにお願いします…❤️」

 

 その肌と胎内から広がってくる熱に杏橋は眉を八の字にしつつも赤らめた顔で心身を委ね、その左右のスリットが深く赤い膝丈スカートの後ろ部分をめくり、その黒のストッキングと杏色のハイレグショーツに包まれつつも、旦那の熱に反応して即座に滲み出てきた愛液で濡れた足の付け根を立バックの姿勢で突き出してきた。

 

「…ふアアアァ…、錠の点検もあれだけの数になるとぉすごく時間がかかるなぁぁ~~~」

 

 十数分後、シトモネが兵器管理区域の一角を帰り道で歩いてきた。

 今回の作戦では彼女とそれが持つ技術が要になっていたので、給金は唸るが最近は夜遅くまで働くことが多かった。

 

「…これはまあ明日は一応非番だからゆっくり休んだ方がいいな―――」

「…っ❣ ああ…❣ そ、そんなあまり強く突かれるとぉ…❣ 声はどうにか我慢できてもぉ…❣ 肌を打ち合う音でぇ…❣」

「―――あ…ぇ!?」

 

 その事情でさっさと自身のゲルに戻って寝ようと早歩きしていたシトモネだが、そこで再び彼女の鼓膜を尊敬する上司の声が艶を帯びた状態で振るわせてきた。

 

(…う、こ、この艶を深く帯びたあの人達の声…あの人達の…)

 

 それに心臓の鼓動が速まったシトモネが嬌声の聞こえてきた方向に向かうと、想像通り立ちバックで野外の睦言に興じている杏橋と白漂の姿があった。

 

(…う、ううう…軍に工人班として入ってからこういう場面は何度も見てきたし…、他の人達にそういう誘いを掛けられるのは何度かあったけど…!?)

 

 シトモネがそれに羞恥と欲情を覚えつつも魅入られ始めたその時、彼女の身に生温かいあの液体の感触が小さな手の感触も加えて触れてきた。

 

「…ああ❣❓ も、もう来てしまいま―――」

「キャアああああああああああ!? 医療兵の人おおおおおお!?」

 

 その数秒後に杏橋が今宵にて最初の極みに近づこうとしたその時、シトモネの悲鳴交じりの絶叫が周囲の大気を震わせてきた。

 

「何だ!? どうした…ぁ…」

「へブ!?」

 

 その直後、ナクタが近場の陣幕を払いのけて現れ、その弾みで傷を負って血まみれになった子供に倒れ掛かられているシトモネが鼻っ面から倒れてきてしまった。

 

「―――あ…え…何が…ああ❣❓」

 

 そこでようやく周囲の変化に気付けた杏橋が甘く蕩けつつも困惑した顔を上げるが、それは胎内で爆ぜるように生じた極みの証で短くも飽きることのない果てで仰け反ったものへと変わった。

 

 

 

 

 

 〇秦始皇9年(紀元前238年) 什虎攻防戦五日目正午前 楚国北西部 什虎地方 什虎城付近 白漂軍側陸橋付近 什虎側奴隷作業場〇

 

「サッサトホリダセ!」

「…あ、ああ…」

 

 そんな白漂軍では珍しくない痴態な夜が過ぎて次の日、什虎地方を支配する猩族が管理下に置くその集落では例のごとく強制労働が行われていた。

 

「ふむ…ここがあの昨晩に助けを求めてきた子の集落か…」

「ええ、話からして間違いないかと…」

 

 その集落を隣の小島の茂みより、迷彩柄の特殊部隊風装備の白漂達と桓騎軍から派遣されてきた那貴達が盗み見ていた。

 そして、その中には昨晩に白漂軍の野営地へ忍び込んで、この集落の解放を求めてきた村長の息子である小さな少年マタグの姿があった。

 

「は、白漂様…ど、どうか…僕の集落の皆…お願いします…」

「わかっている。君(・)が(・)あ(・)そ(・)こ(・)の(・)皆(・)を(・)助(・)け(・)る(・)ための仕込みは惜しまないよ」

「…だ、大丈夫かなぁ…」

「………………」

 

 白漂に優しく頭を撫でられている少年マタグの姿に、桓騎軍から来た兵士たちは怪しさを禁じ得ない表情を浮かべていたが、那貴は白漂の言葉に違和感を覚えてそれから彼に対する興味を更に強めていった。

 

「…で、あ、あのー…白漂様ー…聞きたいことがあるんですけどぉ…」

「ん? 何かね?」

「…何で僕…これをこんな風に持たされてるんでしょうか?」

 

 その証拠に、その戸惑いを見せるマタグの手には、白漂達よって短剣がテーピングで巻きつけられている途中であった。

 

「ど、どうかお許しください! もう少しで戻ってくるはずです!」

「あ! ああ! お父さん!」

 

 そうしている間に、マタグの父が猩兵達によって手ひどい姿で引きずり出されるのを一行は目にしてしまう。

 今現在、マタグの集落で残忍な行為を働いているのは、今現在この什虎の地を統べるアンドリューの子息の一人で、猩軍の有力な武将の一人で最も残忍と言われるアドルフであった。

 

「あ! 什虎猩軍の主要な将の一人が姿を現しました!」

「よし、じゃーさっそく…伍鬼!」

 

 そのアドルフの姿を見て白漂達はすかさず動きだす。

 

「…え、な、何で…? 皆さん…僕をこんな風に…!?」

 

 だが、何故か伍鬼の太く大きな手で持ち上げられてマタグは戸惑い嫌な予感を覚える。

 

「…行ったはずだとマタグ君。この集落を救う存在には君がなるんだと。僕らはその手助けをすると…」

「…え? は、白漂様…!?」

「あ、あれ? 那貴さん…あの人…今度は何をするつもりっすか?」

 

 それに那貴の部下の一人である呂敏もまた戸惑って微妙にやばい気配を感じた。

 

(…何かお頭がとんでもないことをやろうとしている時に似た感覚が―――!?)

 

 那貴もそれに似たような何かを感じて注視し始めるが、それで目にしたものは予想の斜め上を行く光景であった。

 

「さぁ! 背中は押してあげるからあのくそドラ息子をぶっ倒して村の皆を助けてあげてこい! やるんだ!!」

「は! ぶううん!!」

 

 そして、その場の白漂一行に混じっていた伍鬼がその剛腕で握る石撃*1を思いっきりぶん回した。

 

「え…あビャアアアアアアアアアァアアアアアアアアアァアア!!??」

「―――あなぁ!?」

 

 但し、その行為で投擲されたのは石ではなく、白漂達に助けを求めた農奴集落の少年であるマタグで、その小さな身が豪速で投げ飛ばされていった姿に那貴は本来の時間軸では観測者たちに見せなかったあんぐりと顎が大開する顔になった。

 

「Hmm? What's that...Abubee?!」

 

 マタグ少年が上げた悲鳴に、村で農奴達に暴行をしている猩兵の一人が気づいて視線を変えたその時、その彼の身にマタグの小さな身が叩きつけられた。

 

「「「「「Huh!!!?!?!」」」」」

「「「「「んなぁ!!??」」」」」

「「「「「…………………」」」」」

 

 それに周囲の猩兵達や農奴達は言語の違いこそあれど同時に驚きをあらわにし、茂みの中から盗み見ていた白漂一行は黙っていたが話を事前に聞かされていなかった何名かは顎が大開していた。

 

「…い、いででっでええええええ!? な、何なんだよあいつぅ…う、上手く村の罠へ引き込められたと思ったのに…!?」

 

 一方、マタグは投げ飛ばされた驚きとそれで生じた痛みで悪態を付いていたが、そこで彼は短剣をテーピングで縛り付けられた手に生温かい液体の感触を覚える。

 

「…マ、マ…マタグ…お、お、お前…なんて事を…!?」

「…え? と、父さん…何をそんな顔をして…!?」

 

 そこで村の長の凍り付いた声を聞いてマタグは戸惑いながらもその指さすものを見るが、それを目にした瞬間から彼の顔もまた青ざめていく。

 

「…………」

 

 そうして気付いた生温かい液体の正体は、マタグを先ほど投げつけられてその手に括り付けられたナイフが急所に突き刺さって絶命している、アドルフの身から流れ出ている鮮血であった。

 

 

 

 

 

 〇秦始皇9年(紀元前238年) 什虎攻防戦五日目正午 楚国北西部 什虎地方 什虎付近 某所〇

 

「…えーーーーっと、我々は何を見に来たんでしょうか…?」

 

 什虎城近辺にある農奴作業場の一つでそのようなことが起きてから少し後、桓騎軍参謀で将軍の一人摩論は理解に苦しんでいる表情を浮かべていた。

 

「「「「「Chase it!!!」」」」」

「さあ、次はこっちだぁ!」

「のわぁ!?」

「は、白漂様ー! いくら何でも速すぎー!?」

 

 摩論が望遠鏡越しに覗き込んでいるその先には、逃走中の白漂達、それを憤懣且つ必死な表情で追っている猩兵達の姿があった。

 

「あ! 呂敏! そっちの木の赤い縄を逃げながらでいいから引っ張って!」

「え!? ええーい!」

「Guaaaah!?」

「何か木の上からデカい石がいくつも落ちて猩兵共をやったー!?」

「ははは! こんな楽しい逃走は初めてだな!」

「楽しそうっすね那貴さん!?」

 

 どうやら白漂一行が選んでいる逃げ道は事前に彼らが罠などを設置しておいたものだったらしく、それに猩兵達は嵌められて足を鈍らされながらも必死に追跡中であった。

 

「ギャハハハハ! 昨晩に呂敏がおもしれーのを見れるッて白漂のガキが言ってたって言いやがったから来てみりゃー確かにありゃー腹がいてー!!」

 

 それを摩論達と共に高所の茂みから望遠鏡で盗み見ている桓騎は爆笑中であった。

 

「いや! たしかにあのホイホイ罠にかかる猩兵共はともかく状況は笑えねえっすよ! もし白漂が間違って討たれでもすりゃあ俺らの右側も危なくなりやすぜ…!?」

 

 桓騎とは対照的に連れられてきた側近の一人である雷土は別の時間軸といくらか違う様子を見せるが、その途中で彼は桓騎の眼差しが爆笑しながらも敵の嫌がるところに近づきつつあるときに見せる光を帯び始めているのに気づく。

 

「(…あー、なるほどなーあれは…)おい、雷土ー今から言う連中を大急ぎでここへ連れてこい」

「っ! おお! お前らすぐに動けるようにしろ!」

 

 桓騎軍もトップの命令が出ると即座に動き出した。

 

「ギャアアアアアアアアアアァ!? 死ぬ死ぬ死ぬゥウウウゥウ!?」

 

 一方その頃、桓騎を爆笑させていたその白漂一行に抱きかかえられながら共に逃走中のマタグは、アドルフ死亡の時からずっと今に至るまで泣きまくっていた。

 

(馬鹿なこいつらを罠に引き込んで生活を楽にするはずがどうしてこうなってんだよおおおおおおおお!!??)

 

 逃走中の伍鬼の脇に抱えられながらマタグはどうしてこのような状況になっているのか必死に思い返していた。

 マタグはこの時代の奴隷にしても過酷で悲惨な部類に含まれる生活を過ごしてきたが、それは閉鎖された環境で生まれた時からずっとであったので本人達にそれは当然であった。

 今の戦争が始まった時も、解放のチャンスが来たという喜びよりも、今回の軍役増加のために税などが重くなったので逆に秦韓側を恨んだくらいである。

 そもそもどちらかというとマタグの家は猩族に比較的忠誠心が高いとみなされ、農奴作業場の管理を任されるなど他よりかはマシな扱いだったので、むしろ今のままの方が良かった。

 それ故に、作業場の長をしている父とそこの担当の猩兵が助けを求めるのを装って白漂をおびき寄せろと言った時には、褒美に目も眩んだのもあって躊躇いなく参加したくらいである。

 だが、そんな皮算用は呆気なくぶち壊された。

 あろうことか秦の連中は自分に武器を持たせ、演技もあるけど普段に近い感じで家族を嬲っていたアドルフにぶん投げて殺させるというふざけた真似をしやがったのである。

 当然、そんな行為を目の当たりにした作業場の家族含めた農奴達は恐慌し、猩兵達側は絶句した。

 幸いにも、大混乱してすかさずに白漂軍が不意打ちな奇襲を喰らわせて同作業場での猩兵達は他所の駐屯地へ逃げられた数名を除いて討ち死にし、それを目の当たりにした現地の農奴達は混乱に駆られるままに逃げだし、マタグ少年もアドルフに投げられる前のいつの間にか括り付けられていた縄で、殺害後に大急ぎで白漂達にそれで引き戻されたので捕まらずに今は共に逃走中であった。

 だが、そうして逃走中でも白漂達はわざわざ逃げながらその道中の近くにある各奴隷作業場の頭たちを狙撃で殺したり、そうして怒って追ってきた猩兵達の夜のうちに仕掛けた罠で損害を与えつつも更に怒らせて追わせてきたので、付かず離れずの距離を保ちつつも追っ手はどんどん増え続けていっていた。

 

「…何やってんだあいつら…?」

 

 その光景は比較的近い桓騎軍の右側からも見えており、同軍の将軍の一人で整っているが鋭さが過ぎている面貌をした女武将黒桜(こくおう)も唖然とした顔を浮かべていた。

 

「…何か聞きたそうな顔を俺に向けんな…ん?」

 

 ちなみに、炳(へい)蒐猘(しゅうせい)はその筒のような自身の得物を磨いて白漂達の姿にそっぽを向けていたが、その表情は何処かしら羞恥で朱色を浮かべているようにも見えかけたところで地響きが生じてきた。

 

「…ん? お前らは朱摩一家!?」

 

 それと同時に黒桜たちの布陣の合間を縫うようにして、鋭い顔つきで目元に入れ墨をした男の朱摩率いる朱摩一家が姿を現した。

 桓騎軍に所属する隊ではさほど大きくはないが、個々の力では桓騎軍全体でも首位を争う豪傑ぞろいであった。

 

「桓騎から直接お達しがあってきた。大きく道を開けろ」

「!? 何を言いやが…!?」

 

 その朱摩の言い分に黒桜が訝しんだ直後、炳蒐猘が感じ取った地響きが今度は彼女達の元に近づいてきた。

 

「お!? お前ら!?」

 

 近づいてきたその地響きの音源たちに黒桜達は慄く。

 

「どけやゴラァ!」

「こっちを誰の隊だと思ってやがるぅ!?」

「し、死にたくなけりゃあ道を開けろ!」

 

 そうした大きくなる地響きに怒号を加えながら姿を現したのは、赤錆が混じる鉛色をして悪魔的な意匠をした鎧を身に付けて刺青を彫った、獣のように気がたっている兵達で構成された数千人規模の隊であった。

 

「ゼ、ゼノウ一家!?」

「まだ五日目だってのに何でこいつらが!?」

 

 そうして現れた彼らゼノウ一家に黒桜軍所属の一家達は慄きを隠せない様子で道を開けていく。

 ゼノウ一家は主に秦北部を中心に中華北部で活動していた野盗団だが、実際は只の戦闘民族なのではないかと言われるくらいに獰猛且つ好戦的で、力業を求められる場面では一番活躍するので桓騎軍では奥の手の一つとされる一家だ。

 だが、気がたっているときは味方でもためらわず殺しに来るため、特にその一家の頭には桓騎も滅多に近づくことはない存在として知られていた。

 

「ベイジュウゼイは何処だ? ゴクオウ」

「んな!?」

 

 そして、その当人にして蒙武よりも更に一回り大きく、そり上げられた頭部に浮きだった血管と刺青が無数に浮き出て血走った両目がギョロっと大きく出た、一家の頭たるゼノウ本人が姿を現して黒桜を仰け反らせた。

 

「……え、えーーーっと…白漂様ー…こ、この状況って…どんな感じ…?」

 

 同じ頃、黒桜達と葦や水草が高く多く生い茂っている小島を挟んで近辺にまで進んだ白漂達の中で、マタグが震えるような声音で問いを発していた。

 

「…うーーん、周りの状況を見るにー…」

 

 問われた白漂は悩んだ顔で周囲を見渡す。

 今の自分たちたちは三日月状に浮かぶ小島の一角にある断崖に背を預け、その前は逃げ道の途中でチョッカイなどを出されてきて怒って加わり、道中の罠で損害を増しつつも怒りに火を注いできた猩兵達が嘲りも加えた笑みを大勢で固めてきていた。

 

「見た感じは完全に包囲されました♪」

「「こんな状況とその内容で使う声音じゃないでしょー!?」」

 

 それに白漂がよく漫画などでよく見る“テヘペロ”と自分で自分に拳骨をして舌を出すキャラのようにそう言い返すと、マタグと呂敏は泣き顔で叫んだ。

 

「クックックック、よく見ろ墨字猿…まずはあの白い猿を指先爪先から豚の餌にするぞ」

「だったらわざわざあんたがここまで前へ来ることはないように思うがねぇ…」

 

 その叫び声は相対する、自称ブリタニアの猩族を率いる大統領アンドリューまで響いてきて彼に嘲笑を浮かばせるが、それに墨字意匠の者達の一人が面倒くさそうにつき従っていた。

*1:
スタッフ・スリング




次回、この時代にはまだないはずの例の武器が大きく戦況を動かす予定です。
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