※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回より、嬴政の北での巡行の姿とそれを支える裏側での働き(?)が中心になります。


229 派手な行事とその裏での生の営み

 〇秦始皇9年(紀元前238年) 秦国中北部*1 朔方群 朔方城付近 黄河某水上 秦国水軍〇

 

「…お、空が白くなりだした頃だけど…小さいけどもう僕らの町が見えてきたね」

「やっぱり、私達から見てもあなたの眼って良すぎるどころじゃないわね」

 

 中華やその周辺を活動範囲とする大型隊商兼移動型妓楼西遊の船団に乗り込み、秦国水軍と再合流して秦王嬴政と斉王田建の護衛を続けてから十数日後、白漂は己が両目で自身の居城を見捉えて、同じ寝台で添い寝していた紅華に突っ込まれていた。

 

「追い風や最新式の櫓の効果もあるけど、やっぱり大きいのは…」

「それー! 引っ張れー! 予定通り着けば特別手当を払うぞー!」

「がんばれー!」

「ヒヒーン!」

「モ~~!」

 

 その二人が乗る船も含めた秦国水軍の大型船の多くは、対岸から縄で繋がれた多くの牛馬に引かれており、それらを北の民の牧者が指揮していた。

 

「あなたも関わっていた運河の開通で行き来する船も増えましたから、それを速く進ませるためにもああした引手業も需要が増加したんですよ。特にあなたの龍城でのぶん投げで増えた北からの失業者も多く吸収していまして…」

「あーもうそろそろ着くんだから鳥を出して予定通り着くってことを城の皆にお伝えしなくちゃねー。秦斉二大国の王様が通るんだしー」

 

 その様相の理由を紅華のジト目付きで話されると、白漂は普段と違って接待系の仕事に大急ぎで取り掛かった。

 

「わー! 大王様ー!」

「ご訪問ありがとうございますー!」

 

 数時間後、朝日が地平線から離れて明るくなった黄河からその支流に入って白漂が自らの居城がある朔方城の外港区でまず聞いたのは、自分とほぼうり二つの盟友を出迎えて歓声を上げる民衆の姿であった。

 

「ハッハッハ、山の国に関しては結構にやかましい港町ではないか秦王にその影武者よ」

「斉の港はこれよりもやかましい、もしくは賑わしいということか」

「ハッハッハ、賞賛と受け止めさせてもらう」

 

 その光景に、嬴政とその真横に覆面で顔を隠しているが他国からの重要な客人という形で出席している田建は軽口を叩き合っていた。

 だが、その軽い雰囲気は次に斉王が言い放った言葉で不穏を帯びる。

 

「もしこの歓声とそれを上げているこの群衆が秦ではなく趙や楚のものになるとしたらどうする?」

「…!?」

 

 それは嬴政は少し眉を顰め、周囲の秦側の面子をギョッとさせる。

 

「…父上、それは受け入れがたいことです」

 

 そして、その彼らの田建の問いに対する意思を田共召は顰めた表情で代弁した。

 

「…そうであろうな…」

 

 その答えに田建は娘の成長を感じつつ、深い憂慮を宿した表情で東方と南方を見やった。

 

 

 

 

 

 〇秦始皇9年(紀元前238年) 秦国中北部 朔方群 朔方城 内城 大寝所〇

 

「…ぶっはぁ! あー疲れたー! 式典は何度やってもどれだけ受けてもしんどー!」

 

 朔方城外港に到着して数時間後、秦王の北への巡行における朔方城訪問での式典と各種接待の到着した今日その日の分を終えて、白漂は居城にある窓から暗くなり始めた空が見える自身の寝台へ勢いよく寝転んでいた。

 

「…あーもー、群衆の前ではそんなだらけた姿は見せないで上げてくださいね。色々ともう手遅れな感じもしますけど…」

 

 その白漂のだらけた表情を、魏亶は自身の膝の上からやれやれとしつつもまんざらでは無い様子で見下ろしており、その彼女の腹部は白漂の種で相当に膨らんでいた。

 周囲には他の女性達も大きな寝台の上で寝転んだり座ったりして休んでいたが、その全員が大小の程度はあってもお腹が膨らみを見せ、そうでない女性もお腹を大事そうに撫でていた。

 今現在、白漂は自分の子を妊娠している身の女性達による(比較的健全な)慰労で身を癒されており、魏戦に膝枕をしてもらっていた。

 

「本当に色事以外もふしだらな方ですね。まあ、そのふしだらさも仕事に組み込むような方ですから」

「…あ、酒ありがとう…けれどもその身で飲んだりはー…」

「白漂様ほどふしだら優先の方はそうはいませんのでご安心ください。それと大王様の北への巡行を御拝見しようとしている方々に紛れて怪しい方も色々混じっていますので単独行動は禁止です」

 

 その妊婦集団で(監視されながら)癒されている白漂にシャンディは突っ込みながら馬乳酒*2を飲ませる。

 

「…それとですけど、そちらの皆さんはいつまでそちらに立ったままなのですか?」

 

 そんな中、魏亶は部屋の隅で固まっている女性達を気に掛けた。

 

「…いや、まあ…私達としては…元々こんなお高い場所に来るつもりなんてー」

「たしかにまーあたし達ー、大将に抱かれた時期には他の男のそういう客を取ったりはしてないしー…」

「そもそもまさか身籠るとは思っていなくてー…」

「ぶっちゃけ誰の子かなんて口では何とでも言えるのに…」

「よく上げられるというかー」

「というかそもそも商売や身の安全からしてせいぜい隠して産んで育てるつもりだったのによく調べられましたね」

「今でも、昔は客を取ってた時期に避妊に失敗して出来たら産まれないようにしてたから…今更産んで育ててもいいのかなって…」

「自分達は生まれと経歴がー…」

 

 その部屋の隅に集まっている女性達は皆が美女だが、身に纏っている侍女服は派手ではないけど譜孝の趣味を感じさせる質の良い新品であったものの、着慣れていなさそうでそもそもこの場にも居づらそうな感じであった。

 彼女達は、北方平定の時にて指揮下に加わっていた女傭兵団花禽獣で白漂に手付されていた、茶房・橙季・紫紺・水翔・藤摩・緑埜・黄夏・青鍄の八人と、その一環で平定された自由都市(ユラス・アプラス)にあった彩兎館で、紆余曲折あって迷い込んだ白漂を匿った時にそのお代として情を結んだバニーガール達である、ルーシア・白兎・桃兎・赤兎・黄兎・緑兎・青兎・紫兎・銀兎・金兎・黒兎の11名であった。

 立っているままの彼女達もお腹の膨らみが侍女服の上でも見え、誰の子であるかはこの部屋の状況からして明らかであった。

 

「…いや、そんなの今さら言われても…僕が影武者をしている相(・)方(・)なんて今現在実質禁固中のお母さんが舞妓だし―――」

「ぼかしても触れること自体が危ないからお止めください」

「―――いもがぁ…」

 

 その彼女達の遠慮がちなのが見え透けている感じに、白漂はそんなことかという感じを向けるが、口にしている内容のまずさから魏亶に口を塞がれた。

 

「…男というのは夜になるとここまで凄いものなのか?」

「いいえ、ここまでなされるのは少数派ですし、主様も今回は偶然です…多分…」

 

 この光景を成した主君で夫でもある男の雄としての強さに、薙鍛は雌としての畏怖混じりの情欲と女性としてのヤキモキから薄朱色になった顔を浮かべ、捷璘は微妙そうな苦笑いを浮かべつつも視線は宙を彷徨っていた。

 

「…ご安心ください。あなた達の身元や健康状態は調べられるだけ調べましたが、敵対勢力との内通や性病など不穏要素がないことはこちらで確認済みです」

「その時の動きと言い感情表現が豊かになったわねあんた…」

 

 その彼女達を調べたナイチンゲールは他人から見ればいつも通りの無表情だが、身内である彼女達から見れば瞳には確かな嫉妬の色が浮き出ていた。

 

「…何と言うかー、こうして見ると俺がここにいるのは何か凄く場違いな感じがするんだけどー…?」

「そんな図体じゃ隠れても無駄だから止めろ」

 

 部屋の片隅にある箪笥の裏からレキシントンがその赤黒い肌からも分かる赤面でおろおろとしているのがわかる悶え顔を向けてきており、先日のこの地への帰りの船旅中での水上及び船上での交わりで身籠ったのが分かったレヴィが突っ込んだ。

 

「…本当にさぁ、男としては幸せ過ぎて贅沢言ったら罰当たる状況なんだろうけど…あとでめっちゃすごい振り戻しが史書にある女同士の暗い争いとかで来るんじゃないかって怖い…」

「「「「「そんなこと出来る余裕を悉く奪ってる貴方が何を言ってるんですか?」」」」」

「…あ、はい、すみません…」

 

 それに前世由来の歴史知識で中国史の女性の仁義なき死闘を知る白漂が何度目かになるその不安を覚えるが、その彼に滅茶苦茶苦労させられている一部である女性達は目元が暗いドアップスマイルで迫った。

 

「…しかしまあ、レキシントンまで孕んだのは正直驚いたな…」

「他に男を作れるような性格じゃないから白漂様の子なのはわかるけど…」

「こんな頭の中まで筋肉で出来てるような巨体馬鹿でも孕める腹をしてたんだなー…」

「馬鹿と背は関係ねえだろ関係は…!?」

 

 その勢いで部屋にいる女性全員が白漂を囲む形で寝台に上がって集まり、主人への怒りが収まるとこの場で一番妊娠が意外な顔へ集まるが、それに青筋が浮かんだところでレキシントンの下腹部に白漂はそっと耳を当ててきた。

 

「…恥ずかしがるな…とは無理だから言わないよ。けれど強がりでも良いから胸を張ってこの僕との子の一人を産んでほしい」

「…え…ぁ…ぃ…いや…!?」

「大丈夫、僕なんかを愛してくれた懐の大きい人の身だ。きっと恥になるような子は生まれないよ。皆ね」

「~~~~~~❣❓」

 

 そうして胎内からの静かにトクントクンと伝わってくる新たな命を、静かにだが深く感じ取る白漂の穏やかな艶のある微笑と心に深く沁み込んでくる声音に、レキシントンは気恥ずかしさから顔を真っ赤にしてカタカタ震え、彼の頭を掴んで離そうとするがそこにはいつもの怪力は全くない。

 

「…股間の御子息がめっちゃギンギンになっている状況でなければ絵にもなっていたのですが…」

 

 但し、捷璘が赤面しつつも微妙そうな笑みを浮かべながらここでの生活で身に着いた俗な言語表現も交えて口にした通り、白漂の男根は衣服越しでもその雄々しすぎさがわかる姿を見せていた。

 

「…いや、うん…僕も普段なら大人しくさせられるはずなんだけどどうしてか…は見当がつくけど…口にするのは憚られるというかぁ…」

「あ、はい。今回のそんなに肌を重ねていない子も含めた大勢の妊娠報告を受けて、奥様方ほどではないのに前から何度も肌を重ねつつもまだ貰えていないマルタさんが満面の笑みだけど怒気と殺気に青筋が尋常じゃない様子でビビる他の方も抱き込んでー、厨房での調理作業にはあちこちから入るようになった精が付く食材を大量に持ち込んで今の家中の食事を準備なさってるのでー…そのせいかと―…」

「…とりあえずー、このままだと人様の前には出られませんから一旦大人しくさせてくださいねー…」

「名残惜しいけど仕事部屋に戻りましょうねー」

「…え…あ、ちょっと待って…まだ君たちのお腹にいる他の子の気配をまだ感じてー…」

 

 その理由を知ると妊娠組はいつもの乾いた表情で大寝所を後にし、白漂は一人取り残された。

 

「…あ❣ あ❣ アアアァーーーー❣❓」

「…ゥウゥ…君さえ…君さえ余計なことをしなければぁぁぁ!!」

 

 数十分後、大寝所の中心にある大型寝台の上でマルタが普段の強気な姿などかけらもない嬌声と涙を流しながら身を揺らし、その彼女を後背位で悦ばせ乍ら白漂がその胎内の強くも甘い締め付けを味わいつつも悔し涙を浮かべていた。

 

「…マルタさん、いつにもまして強く責められていますねぇ」

「まあ、まだお腹とはいえお子さんたちを感じられる時を邪魔されたせいもあるし…」

「殿さまも色々と性格が豊かというか変わりすぎやすいというか…」

「まあ、半分はマルタ本人の腹いせと計画が上手く行ったような感じだけど…」

「精が付く食材ばかり選び、宗教上の理由で自分は扱えないものも抱き込んだ他の子を動員してしっかり使ったし…」

「まあ、本来なら侍女としてあの人の所に来て、跡取りとは言わずとも胤の一つでも持ち帰って、挑筋人達とこっちの関係を強化するのが目的で送られてきたけど、本人が内にこもるには到底向かない性分で子供の頃に親が止めるのも聞かずに戦士として修業と実戦重ねて、こっちでも竜騎にまで加わるほどだったし…」

「武功を上げてきても肝心の血縁強化の方は進む気配がなくて、実家に帰るたびにネチネチ言われるから今では実家にもあんまり帰らない日々が続いていたけど…」

「自分ほど肌を重ねているわけではなくてしかも後から来た子が先に行っちゃったって悔しさもあるだろうけど…」

「まあ、物理的にも関係を強める人が血縁者という形で生まれると、今じゃあ金融業で秦国のあちこちに根を張って東方六国まで伸ばし出している挑筋人との関係強化には都合が良いし…」

「今回の巡行を守るための情報もあの人達の伝手で多く入って来てるし…」

「何より、本人達も口ではどうこう言いつつも心身どっちの相性も良いし…」

「アアァアアアアーーーーーーーーーー❣❣」

 

 周囲の今回の夜伽担当の他の子達がその理由や背景についてきな臭い(?)話を交わし合っていると、その彼女達に見せつけるようにマルタの上の口から極みの証である嬌声が、V字に大きく開かされた足の付け根にある下の口から潮と子種が混ざり合った噴水を噴出させられた。

 

「アアアァアアアアアアアアァアア…❣ わ、わかりゅうううぅぅぅぅ…❣ こりぇええええええ…きっと出来てりゅうウゥぅぅ…❣ こ、こんにゃあああ獣みたいなぁァ姿勢りぇええええええ❣」

「…ほーれほれ、先輩として後から来た子達に夜のお仕事がどういうものか手本を見せて上げないとー」

 

 マルタは雌としての悦びと女性としての悔しさと愛しさが混ざった複雑なアへ顔と子種汁を滴らせている淫裂を他の女性達に見せつけさせられた後、優しく寝かされてシーツをその身に掛けられた。

 

「…お互い、喧嘩ばかりな親子になるだろけど悪くない意味で賑やかな関係になるよ」

「…ん…くぅ…❤️」

 

 よほど激しく濃密に責められていたのか寝かしつけられたマルタはすぐに寝入るが、白漂に優しく撫でられると複雑そうだが好感の強い寝顔を浮かべた。

 

「…じゃあ、さっきそちらが話したようにきな臭い分もあるけど、それでもいいという子なら…」

 

 そのさっきまでも子供っぽさの強い悔しそうな顔とは想像できない、世の不浄を知りつつも根底の澄みを忘れない、まるで水面は澱んでいるように見えて深部は奥が見えない澄んだ地下水を持つ湖沼のような瞳を白漂は他の女性達に向けた。

 

「「「「「………」」」」」

 

 女性達はその瞳で先ほどまで見せつけられていたマルタの情事で昂らされていた体の疼きを思い出し、静かにこくりと頷き合うと彼の身に群がった。

*1:
秦の北が現在のモンゴル方面に向けて大きく広がったのでこの表記に変わった

*2:
馬乳酒は酒に分類されるがアルコール度数は低くて栄養豊富なのでモンゴルあたりでは栄養ドリンクみたいな扱いもされている




次回より、大王様の北での巡行が中心になりつつも主人公の夜での他家との話し合いも描かれていく予定です。
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