○秦始皇6年(紀元前241年) 合従軍大戦函谷関攻防戦二十三日目夜(蕞防衛戦七日目) 秦国中央部 蕞○
「うらー! まだ私たちと酒で張り合える猛者はおらんおかー!?」
合従軍別働隊が退いた後、蕞では秦人と山の民が勝利を祝っての祝宴を開いていた。
その中で一番盛り上がっているのが、完全に酒が入った状態の秦国外西方山界西方王楊端和であった。
「い、一週間も走り通して戦にも出た後であの飲みっぷり…」
「う、うちの女王もそうだが…あの二人もすげえ…」
それに付きあわされている秦人と山の民には、酒宴の中心となっている楊端和以外にも驚愕している存在がいた。
「…すみませーん、もう一杯ー」
「御摘みも追加でお願いしま~~~~す」
その楊端和の主要接待役に選ばれた玲花と王京というダークホース酒豪の存在である。
二人の背後には空になった酒樽が転がっており、それすらも飲み干しつつも経歴が色々不祥な玲花は全く酔っておらず、(紫夏の配慮で生娘のままだが)軍に入る前は水商売をしていた伝で酒に慣れている王京は酔いは若干のままであった。
その二人に酌をさせながら楊端和は白漂に絡んでくる。
「全くな~~~~!? お前達がもっとしっかりしてれば~私達もあんだけ攻め取った土地捨てずにここまで強行軍する事も無かったんだよ~~~!? 本当に悪いと思ってんのか~~~~!?」
「は、はい…え、えーーーーっと大変申し訳なく思っております……」
「じゃあ、何か面白い芸をしろ」
完全に酒が入っている楊端和は白漂に絡んでおり、それは完全に酔って愚痴りまくる女上司に振り回されるサラリーマンの気分を彼に味わわせていた。
「…なあ、楊端和は酔うといつもああなのか…?」
「…マアナ……」
それに数刻前までは冷静で理知的なまま晩酌を楽しんでいた楊端和を知る嬴政はややだが顔を珍しく引き攣らせており、巻き添えを恐れてか城壁の望楼の影より伺うようにしており、側近で面を付けたままだが彼女の側近たるバジオウも言いづらそうな調子をしていた。
「よし、ちょっと上の上着を脱いで体見せろ」
「え、あ…その…ここには妻二人がいて貴方とそのようなことをするのはー…」
「男ならグダグダ言わずに見せろゴラァ!!」
「のわーーー!?」
「「「「「えーーーーーーー!?」」」」」
二人の密談の間も楊端和の無茶振りは進み、仕舞いにはパワハラからセクハラに進んで周囲に悲鳴を上げさせた。
そのまま親に脱がされる子のようにシャツを巡り上げられた白漂。
露になったのは、大小多くの傷痕が残る細身だが綺麗に八つに割れた腹筋を始めとする肉体美で、集っていた群衆の女性陣の幾つかに唾を飲ませた。
「むう? むうむうむうむうむ? むーーーーーーーーー…」
「え、えーーーーーっと…もう良いですか―――」
「!!」
「―――っっっっっっっ!!!??」
「「「「「あーーーーーーーーーー!!?」」」」」
その美麗な筋骨を悩ましげな表情で見詰めたり撫でたりを暫く繰り返した後、楊端和は結構な速度と重圧を込めた拳を白漂の股間に打ち込み、服で隠れているが彼に悲鳴すら上げられない悶絶の顔をさせて周囲の丹田を冷やして悲鳴を上げさせた。
「…お、さっきのでもやっぱ潰れてないな~。よ~~~し、この肉体気に入った~~~! 私が今晩もっと綺麗に鍛えてやろう~♪ 寝所でな~~~~~♪」
『『『『『な、何だってーーーーーーーー!!?』』』』』
それからぐったりと倒れた白漂を両脇から抱え上げ、色々とまずい発言をして彼を引きずり出した楊端和に山の民は自らの言葉で裏切られたかのごとく絶叫を上げてしまった。
『な、なりませんぞー姫様ー! 山界の王の尊き血に平地のそれが混じるなどあってはなりませぶ!?』
何時からか紛れ込んでいたのか不明な山の民の長老の一人が悲痛な諫言をするが、楊端和に見向きもされないまま腹部から蹴り飛ばされてそのまま吐血して倒れる。
「お待ちなさい」
「おい、うちの金なる木…じゃなくて亭主を略奪婚するなど許さんぞー」
「む!?」
「あ、来た女房二人組!!」
そのまま楊端和に両脇から引き摺られていきそうになる白漂だが、そこでいつもの無表情だが語気に静かな圧力が強まっている杏橋と目元が暗くなっている藍蘭が彼の両脚を掴んで引止めに掛かった。
「放せ~~~~小娘共~~~!!」
「誰が放すか~~~~~!!」
「貴女こそ手を放しなさい…」
「あ…あ…ああぁぁぁぁぁぁ……」
「あーー!? 漂から明らかに断末魔っぽい悲鳴が漏れてるー!?」
「お、おい! あの娘っ子うちの女王と二人掛りとはいえ張り合ってるぞ!」
「い、いや、それは確かにすげえけど…」
「な、何か子供の頃に見た車裂の刑みたい音がしてるような…」
「お、おい! 止めないと不味くねえかこれ!?」
「そ、そうだがどっちも美女の皮を被った猛獣だぞ!?」
それから美女三人のキャットファイトの皮を被った壮絶な綱引きならぬ人引きが始まり、それは望楼で様子を伺っていた陣営にも伝わっていた。
「お、おい左丞相、これはどうすれば…?」
「し、心配は無用です大王様。こういうときはどちらかが相手の限界に気付いて自然と手を放すもので…」
「っ!?」
「がは!?」
珍しくオロオロした様子の嬴政に昌文君が安心させるように答えたその直後、杏橋と藍蘭の頭が城壁の内側を叩き割る音が響いた。
「ふん、馬鹿な小娘共め」
彼女達の背後にある城壁に気付いた楊端和がそれを見計らって白漂の身を一時解放して起きた現象であった。
「おい!? また楊端和が漂を引きずり出したぞ! この場合どうするのだ―――」
「左丞相閣下なら先程止めるための手勢を集めてくるといって他所の方向に行きましたぞー」
「―――あって何ぃ!?」
もっとも信頼している側近の逃亡が叙加の口から告げられて嬴政の声音に珍しく悲鳴が混じる。
「さー、邪魔できるのはいなくなったしー行くぞ―――」
「お待ちなさい!!」
「―――おって…む!?」
そのまま邪魔者がいなくなった楊端和は白漂を奥の屋敷まで引きずり込もうとしたところで、再び邪魔が入った。
「女、女王様…こんな公衆の面前で妻持ちの方を剛腕任せに連れ去ろうなど外聞が悪すぎませんか!?」
楊端和が一旦白漂を解放して掴み取った、その襲い掛からんとした両腕の持ち主は王京だった。
「んんん!? 何だ~~~貴様も邪魔立てする気かこの大女ぁ!?」
「あ、貴女様こそそんな変わらないでしょう!?」
そのまま互いの指を絡め合って遠目では秀麗に見える手からは想像出来ない両手より圧迫音を鳴らし、互いの額も打ちつけあって唾ぜり合う両者。
「お、おい! 今度出てきた娘は一人で女王と張り合いだしたぞ!?」
「このメキメキって音は女に出せる音じゃねえ!?」
「な、何か額を打ちつけ合うたびにガゴンって衝車みたいな音まで出してるし!?」
再び周囲から悲鳴と困惑にある種の賞賛が混じる声が昇りだすが、それを止めたのは意外な乱入者であった。
「はい、そこまで」
「んぐ!?」
胸に晒しを巻いた状態のステラが楊端和の口に眠り薬の丹薬を指で撃ち込んできたのだ。
完全な不意打ちで思わず飲み込んでしまった楊端和もへなへなと力なく指を解いて両膝を地に着かせた。
「…た、助かった…後数秒遅ければこっちが指を圧し折られてた…」
続けて安堵を隠さない表情で王京も尻餅を付いた。
「お、おのれ~~! 恩知らずの平地の馬鹿にこれ以上姫様に触れさせはせ…あ、後もう少しであの下の中身が…」
「ひ、姫様の手当て我らがするぞ…ぐ、ぐふふふふ…」
『長老が何時の間に復活してる!?』
『何か息と手付きが怪しい!?』
魘された寝顔で横たわった勢いで衣服が着崩れている楊端和に長老遠征同行組が冷静さを取り戻したか秦語でにじり寄ってきた。
「!!」
「「ごばぁ!?」」
だが、再び楊端和の剛脚で壁までその老体を蹴り飛ばされた。
「おいいいいいいい!? 眠らせたんじゃないのかよステラ!?」
「い、いや、呼気からして寝てるはずよ信…ま、まさか反射で…!?」
『フーーーーニャーーーーーーーー!!』
『うわー!? 今度は妙な寝息たてながら猫みたいな色っぽい動きをしながらこっちにきたー!?』
そのまま戸惑いだす秦国人の前で自軍に襲い掛かって殴打音と悲鳴を上げさせだした楊端和。
「……あ、ああ…か、勝った後で色々な意味で凄い目に遭ったわ…」
数分後、蕞の中央部にある役所の一角を接収して立てられた野戦病院の一室に王京が白漂を背負って現れた。
ちなみに同じ部屋で薄布のカーテンだけをしきりに後頭部強打で寝込んでいる藍蘭と杏橋も寝入っていた。
二人を起こさない様に音を殺しながら隣の寝台に魘されたままの白漂を横たわらせる王京。
「…ふう、私は追跡組には編入されなかった分…残りの机仕事を済ませに…?」
それから部屋を後にしようとした王京であったが、そこで白漂の指が彼女のそれに絡められてきた。
「…て、手当ては済んだけど…まだ体温が低いし…温めた方が良いかも…」
そのしなやかな堅さを持つ男の手に、王京は理屈に密かな女性的思慕も上乗せして自身も肌着一枚だけとなり、白漂の寝台に潜り込んだ。
(…お、思ってみれば…身内以外の殿方と同じ寝台に入るなんて…生まれて始めてねこれが…!?)
妓楼に務めていたといっても音楽や舞踊に徹せられていた故に男性に言い寄られる事はあっても深い繫がりになりはしなかったその身が、白漂に突如として抱き寄せられた。
「ひょ!? 漂さむ!?」
「…しーーー、大声を出すと他の子に迷惑だよ?」
それに驚き思わず大きく開きそうになった王京の唇だが、そこで白漂は人差し指を当てて静かにさせる。
白漂の瞳は眠らせるために酒混じりの薬湯も飲まされていた影響で朦朧としていたが、確かな情愛の輝きが静かに燃え上がりだしていた。
「しょ、将軍…た、確かに大身なのは分かりますが…側室とはいえ奥方二人がいるここでこのような…そ、それに…まだ私は婚姻も結ばれて無い身で…」
「…そうだね、終わった後で…隣にいるあの子達と…北に残してる彼女に謝って殴られなくちゃいけないね僕…本当に心配のほうが上なら…跳ね除けてほしい…」
「…あ…う…そ、それは……」
情愛を密かに向ける対象である男の抱擁の前に、王京は今にも捻じ切れそうな理性の糸を辛うじて繋ぎながら押しのけようとするも、両手の動きを雌の本能が阻害して弱々しい抵抗しか許さずにいた。
それに雄の本能に後押しされた白漂の嗜虐心が刺激され、彼は自身の下肢をより深く王京へ接触させる。
「…こ、これは…んぐ!?」
下穿きすら穿かれてない、寝巻きを押しのけてその火傷するような熱を直に当ててくる白漂の雄の象徴に王京が息を呑むが、その硬直を見計らったように白漂の唇が彼女のそれにそっと被せられた。
「……ん…ん…く……んんん…❤️」
それは始め唇を触れさせ合うだけの穏便なものだったが、少しずつ互いのそれに熱気と唾による湿り気が帯びてきて、やがて王京の方から無意識に舌が伸ばされてきた。
「んく…ん…ちゅ…むく……❤️(た、確か…妓楼の先輩達はこんな風に…)」
妓楼で何度か覗き見てしまったり、盗み見したりした嘗ての同輩の接吻を見よう見真似で思い出し、王京は白漂の唇をなぞったり、ゆっくりとだがその内に舌先を潜らせて白いエナメル質を舐めたりして、自らの瞳の光もまた薄れさせていく。
その間に白漂の赤黒い肉の穂先もまた彼女のモジモジトした脚の付け根に押し当てられてきており、その濃厚な雄肉の熱さと堅さに王京の秘裂も申し訳程度の小さな捻りを示す程度で、自ら蜜を滲み出させて準備を自然と進ませつつあった。
「(…な、何だが…丹田辺りが何か鈍い痛みに似た熱が…)あ…!?」
自身の身で内外問わず起きつつある変化に王京が戸惑いを覚えたその時、彼女の片足が突如として持ち上げられて掛け布団もその勢いで除けられた。
「……もう、君の身ももの欲しそうだね……」
王京の片足はもう肉食獣の笑みを浮かべた白漂に持ち上げられてしまっており、彼女は彼の前世で言う松葉崩しという姿勢で、その男をまだ知らない薄い陰毛に覆われた秘所に昂ぶっている雄の証しの先端を触れさせられている事に気付いて身を強張らせた。
「…あ、ひょ、漂様…せ、せめて…今からでも別の部屋で…」
「……………」
始めて明確に目にして感じた雄の象徴に下腹部の疼きの強まりを覚えつつも、王京は今にも泣きそうな生娘の怯えた顔で見上げるが、そこで白漂は彼女の片足を持ち上げたままにその秀麗な背に回りこんで白いうなじに頭を埋めて優しげにこう囁く。
「そういうのって逆効果だよ♪」
「え…っっっっっ!?」
その優しげな口調とは裏腹な内容に途惑った瞬間に、王京はその男を知らなかった秘裂へ一気に白漂の剛直を捻じ込まれた。
「…っ!! っ…っ~~~~~~~~~~~~~!!? く…はぁ……!?」
稽古や戦地での負傷とは異質なその身を裂かれるような痛みに、王京は唇から漏れそうな悲鳴を甘い裏切りを吐いた白漂のそれで塞がれ、ようやく最初の痛みが退けてじくじくとした鈍痛に変わったところで自由になった口から大きく息を吐いた。
「…しょ、将軍……!!」
「僕の所の三人のうち二人もそんな始めは未知の痛みって顔をしてたね…けれどね…今ではもう逆に火に油を注ぐだけだよ……」
「あ…っ! っぐ…!?」
激痛が退いて思考に余裕がある程度戻った王京は恨めしげな流し目を向けるが、白漂は普段見せない小悪魔的な笑みを浮かべて、彼女の胎内の中腹まで進んだ男根をその深さのままで横へ慣らすように回したり捏ねたりして、彼女の身に自身の形を覚えさせる作業をしてより深まろうとし始める。
初めて味わう王京の胎内は、処女特有の血の滑り気とぎこちなさを持ちつつも、まるで細かいミミズが濃縮して出来た蛸の足が何本も折り重なって出来たような、強靭で勝つ吸い付くような締まりを伝えてきて、それは白漂にとっても始めての感覚だった。
「…っ! まるで…蛸の足のような襞肉だね…こちらの雄の証しが…肉を吸い削がれてなくなってしまいそうだ…っ!」
白漂は胎内でゆっくり男根を動かしてそれを悦ばせながら、王京の秘所の性感各所の強弱を正確に測っていき、彼女の身も解れていって蕩けるだろう緩急や抉り方を身に付けていく。
他にも、彼女の震えるクリトリスを指でコリコリと嬲って脚の付け根に小気味よい震えも増させ、その三人の妻達にまだ16の身で劣らない質量と形を持つ双乳も腰と並行して丹念に揉み解すのも忘れなかった。
「っ! っ! っ! っっっっ~~~~!? ひょ…う…しょ…んんんん…!?」
始まって二十分以上経過する頃には、既に王京は鈍痛も快楽の一部に組み込むまでに肉体が男に慣れさせられてしまい、嬌声を防ぐために白漂のそれに嵌め合わされていた唇も今では自身にもっと快楽を与えるのを催促するような貪欲な動きを見せていた。
「……んく…あ…もうそろそろ僕も今晩最初のが来たね…何処に欲しい?」
「っ~~~~~~~!!? そ、それはぁ…ま、まだ…千人将の身だけどぉ…女としてもぉ…けどぉぉおおおおぉ…!?」
「はい、残念だけど時間切れだね♪」
更に、白漂に囁かれたその提案に王京は武人としての栄達願望と女としての本能に苛まれて肉体の制御が覚束なくなった所で、理性の制御を離れた子宮がおのれの口を大きく開いて下に降ろし、そこを見計らった白漂が熱く膨張しきった穂先でそこを穿ちぬいた。
「っっっっっっっ❣❣❓」
初めて味わう身を立てにうがち抜かれたような極みに王京は唇を塞がれてなければ屋敷全体を震わせそうな嬌声を突き上げそうになり、さらに止めとばかりに流し込まれてきた粘ったシャーベットの如き子種汁によって思考を完全に焼ききられて脳が真っ白となった。
○秦始皇6年(紀元前241年) 合従軍大戦函谷関攻防戦二十四日目早朝(蕞防衛戦八日目) 秦国中央部 蕞○
「……………完全なる事後の状態だ…」
桶に入った水で真顔を洗っている白漂であったが、それは背後にある光景を見れば血の気が幾割りか退いた暗い表情に変わる。
自身が先程目を覚ました寝台には、王京が生まれたままの姿に薄布の敷布団だけを被った状態で心地良さげな寝顔を晒していた。
王京の脚の付け根から零れ落ちている愛液が染み付いたシーツの染みとそこから伝わる異臭に、白漂は昨晩の量としては少ないが質としては濃厚な彼女に全身から降り出した精気を幾度となく注ぐ甘美な感覚を思い返す。
「…この明確な状況証拠の数々…取るべき道は…」
とりあえず、白漂はまだ妻二人がカーテンの向こう側で寝たままの隙に自身と王京の身なりを整えた。
「…もう戻るのか」
数時間後、蕞の城外で嬴政は既に自軍を纏め終えて騎乗しておる楊端和と別れの挨拶に出向いていた。
「ああ、早く戻らないとバンコ族に全部取り戻されるからな。再戦して一度目よりもっと広げなくては」
(…マジっすかい…)
楊端和がサラリと言い放ったリベンジ宣言にシュンメンを始めとした大勢の山の民が仮面の下で表情を引き攣らせる。
ちなみに彼らの何人かが昨晩の騒ぎで更に傷を増やしており、楊端和は二日酔いしないと共にそれらの事は一切憶えていない。
更に、山民族軍と並行して既に白漂も自軍を編成して北方帰還への準備を終えていた。
「…そうか、ならこれからこちらも復興で色々動かなくてはいけないからな。もしかしたらそちらとも必要な資材などで交易の枠が広がるかもな…」
「ふ、転んでも只では起きない男だな政。それと漂、お礼としてこちらに援軍として一時派遣される信達もビシバシ使わせてもらう」
「おう、何なら手柄上げまくってこっちが振り回してやらぁ!」
「大王様!」
「さあ! 帰るぞ咸陽へ!!」
そして、短くも確かな信を向け合う会話を交し合った後、全員がそれぞれの帰るべき地に向かって歩を進めた。
(…よーし、とりあえず王京との件は彼女以外には知られてないな。北に帰ったら直ぐに里甲に打ち明けてそれに相応しい理由を後付して紅華に対する上手い言い訳を練り上げよう…!!)
(…ばれてないと思ってそのようなことを考えているでしょうね)
(城に着いたら腹が膨らみ始めてるだろう紅華に告げ口して一緒にいびって銭の種をもっと吐き出させよう…)
颯爽と去って行く者達の中で、静かな微笑みを浮かべてながら先頭を進んでいる白漂の背に、杏橋は微かにジト目を、藍蘭は金蔓を見つけた高利貸しの如き笑みを向けていた。
どうにか修羅場を描いた後、それと繫がる形で新たなヒロインとの夜の親睦会で久しぶりに大人向け話も描きました。
次回は、原作の主役君と周りの女性達の関係が進む予定です。