※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回、例のアンケート(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=280174&uid=48501)で取り上げられていたキャラが少しだけ触れられます。


250 海が繋ぎ手繰り寄せる吉凶

 ○秦始皇9年(紀元前238年)秦国使節団到着後11日目夕刻 中華南部 楚国北部 王都郢(旧名寿春) 王宮 正門前○

 

「…道を開けよぉ! 倭国からの使節団ぞぉ!」

「おい! “倭”なんて字は使うな! 連中の前でそれを下手に使うと目を付ける口実にされかねん!」

「おい! 秦や趙の連中も道から遠ざけろ!」

 

 白漂に記憶を大きく刺激させた倭国からの使節団である“黒船”が郢の津*1に接舷すると、それを見た楚の人々は他国人には恐れすら見える迅速さでその受け入れのため動き出した。

 

「おい! あんたたちも早く道を開けてくれ!」

「あ、失礼。じゃー僕らもさっさと屋敷に帰ろう」

「っ! お、お待ちを…! まだ彼(・)女(・)からの誤解を解いて…!?」

 

 その流れで秦趙両使節団も楚人らによってその場から押し出されるように動き出し、白漂はこれ幸いに立ち去ろうとするのに対し、李牧は何故か落ち着きのない様子で食い下がろうとするが、その理由だろう本人に指さされてこう突き付けられる。

 

「李牧殿、あなたの政策はあなたが決めることですが、このままいくと知り合いの知る歴(・)史(・)書(・)同様、秦(・)檜(・)並みの評価最低になりますよ」

「!?」

 

 その時、その言葉を突き付けられた時の李牧の心情は、顔を合わせたばかりの明君に知られたくない本音をあっさり見透かされた佞臣のようで、後は側近や楚人に通りから引きずられていくだけであった。

 

 

 

 

 

 ○秦始皇9年(紀元前238年)秦国使節団到着後11日目夜 中華南部 楚国北部 王都郢(旧名寿春) 秦国用迎賓館○

 

「…いやー! まさかあの時に紫夏殿がお連れしていて才気を感じさせたり、まだ一纏めになっていなかった満州でやけに人を集めていたとはいえ…あの頃はこれくらいの子供だったお二人がここまで大身になるとは世の中はわからないものですなー」

「いやー、それを言うならあの時は城主と言っても梁城は五千いるかどうかだというのに今や遼河一帯の盟主まで育て上げた方こそー…」

「あーはいはい、齢を超えた男子の友情は良いけどお酒は程々にねー…」

 

 数時間後、楚での宿泊先に戻った秦側は蔡沢の尽力で同盟関係が復活した燕国からの使節団の訪問を受けて歓迎パーティーを開いており、その中で燕国上級大臣梁渓と秦国大将軍第三将白漂は、傍から見て緩さすら感じさせるまでに接近しあっており、康熙はそれにやれやれとしつつも慣れた感じで酌をしていた。

 

「…でもですなー、こんな酒の場とは言えそんなお大事そうな話をしてよいのですかなー? いくら合従軍の時を除けば楽毅様以来からの友好関係とはいえー…」

「いやー、僕らの国って海を手に入れたっつってもーついこの前までは山の国でしたからーそういう系の経験はまだまだなんですよー。それにー地理の都合で冬場になると流氷で使えなくなることもしばしばですしー、それにーこれからの成長を考えると満州の皆だけをあてにすると彼らへの負担もすごいしでー…」

「おい、漂よいくら対燕方面では大きな権限を認められてるからって勝手にそんな話をー…おおろろろろ~~…♪」

 

 そんな状態でも割と軽くない内容の話が混じったりもして、昌文君はそれを止めようとしたりするが、当人もかなり酒が入っていたため強制力は低かった。

 

「あ、このおつまみを今度はあちらの方にー…」

「は、はい! かしこまりましたー!」

 

 その中で侍女や侍従は忙しく動き回っていたが、その中に王元姫はきびきびとした動きで混じっていた。

 

(…酒の席での軽い自慢話に傍からは聞こえるけど…いずれも軽く見ていい内容の話じゃない…聞き逃してはならないものばかり…! けれど…側室入り予定とはいっても…いや、入りした後も韓の間者としての業務を続けるのは明白な私にこの場へいることを許されているのは…私に聞かれてもかまわない…流された方が都合のいい情報なのは明白…! この場で糸口をつかめば…より深い情報に触れられるのだけど…それには、やはり…今この場の中心にいる彼に近づくのを許されることだけど…)

 

 忙しなく動き続ける中で王元姫は周囲の人の状況を観察し、一通り見定め終えると酒と飾りを用意してにぎやかな場から少し離れた縁側で涼んでいるその男に向かう。

 

「…賑やかな場よりも静かな場がお好きなようですね。けれども隣で楽しまれていると酒が欲しくなるのではありませんか?」

「…物好きなガキだな。酌だけが目的じゃないだろう」

 

 王元姫が接触を図ったのは、白漂軍の第四将である粛尤で、その巨体とほとんどのものに素肌をほとんど見せず表情も伺い知れない黒革のマスクからわずかに見せる冷たくも鋭い双眸に臆せず、彼女は迷迭香*2の花弁で飾られた杯を用意して酒を持ってきた。

 

「…はい、これからは馬蹄を並べてともに闘うだろう方に死の気配が感じられたので…」

「どういう意味だ?」

「…燃える水…そちらで言う石油の臭いです。それをそのままではたとえ姿を隠すべき時でも気づかれるかと…この花は臭い消しに使えますので…」

 

 そのやり取りを見て感心している者がいた。

 

「…あの子、まだ付き合いは短いのによく人を見ているし…上手い…」

「どういうことだ紅華?」

「漂はこの場では適当に人によってお喋りをしているようで、その実は重要度の高い人から話をしていってる…その中に粛尤は高いけれど彼以外の人との付き合いは多いわけじゃない…そろそろ彼とお話しできて且つ他に邪魔される可能性が低い場と時が来る可能性が高いと見込んで…あ」

「あ! マジか…」

 

 信がその理由を聞かされていたその時、粛尤のいる縁側に王元姫が目当てとしていた人物がとうとう来た。

 

「…あんまりにも近寄られるのが嫌い空気を放ちすぎだなー。たまには混じった方が静かな時のありがたみがわかるよー」

「それ大勢集まるのが嫌いなのはそのまんまで良いって聞こえるぞ漂さん」

(やはり来た!)

 

 その目標の人物である白漂の縁側への侵入に、王元姫は内心で齢相応のガッツポーズを浮かべつつも表層は冷静なままで、彼から声をかけられるのを待つ。

 

「しかしこの場でいきなり近づく相手、それも他を目当てにしているだろう状況で粛尤を経由しようだなんて度胸のある子だなぁ」

「(ってこんなにも早く私に声を!? 予想よりもまた速かったけど…けれど対処できない速さじゃ…)あら、このような場でお褒めにあずかっても酒の場だと…」

 

 あまりにあっさりとその当人に声をかけられると、内心で驚きつつも王元姫は即座に切り替えて白漂に向き合う。

 

「何か聞きたそうな顔をしているね。聞こうとしている形以外にあってもいいから聞いてごらん」

「……っ…それは…」

 

 その白漂に澄みすぎているが却って底が見えない深さを感じさせる水面のような瞳を向けられると、そこでようやく王元姫は初めて少しながら口籠った後、今のこの場で彼の関心を最も惹けると判断したその言葉を放つ。

 

「…白標様は…誰に対する憧れで今の道に入られたのですか?」

「……………」

 

 それは王元姫の韓人としての目論見もあるがそれ以上に彼女自身の興味がにじみ出た言葉で、それを向けられた白漂は静かになり、然れども冬場で目覚めたものが新雪に降り積もられた外からの空気に触れられたような緊張感が周囲へしみ込むように広まっていく。

 

「…………」

 

 昌平君がその空気をいち早く感じ取って視線を向けるが、その沈黙は意外な形で終幕を迎えた。

 

「…ごめんなさい。ちょっといいかしら…」

「…え、あなたは…まだお話がー…」

 

 紅華が縁側に入ってきて王元姫の前で白漂と顔を近づけ合って、彼女の戸惑いと制止に構わず様子を見始めた。

 

「…この人、やっぱり今になって酒の効果が強く出て目を開けたまま寝だしてるわ…」

「…くー…すー…」

「……(何それ)!?」

 

 そして、少し呆れた表情の紅華が見せた、白漂の瞼を開けたまま虚ろな瞳を覗かせてだらしなく涎を一筋伸ばしながら小さな寝息を立てている姿に、王元姫は思わずズッコケた。

 

「気遣いだけじゃなく突っ込みとボケの両方の役込みとしてもこの娘は白漂軍(うち)と相性良さそうだな」

「…いや、そんな人員ばかり来られても…」

 

 そんな状況でも淡々としている粛尤の感心に、河了貂の微妙そうだがもう慣れた感じのある乾いた反応が返された。

 

 

 

 

 

 ○秦始皇9年(紀元前238年)秦国使節団到着後11日目深夜 中華南部 楚国北部 王都郢(旧名寿春) 秦国用迎賓館 白漂寝室○

 

「…ん…くぅ…! 今日は最初から後ろからしてほしいだなんて…!」

「…あなたのをより深く感じるにはこれが一番だもの…ああ❣ それでも全ては無理だけど…んん❣」

 

 数時間後、燕国からの使節団との交流も終わって向こうも自分たちの屋敷に帰り、迎賓館の中も見張りを除いて寝息が多くたつようになった頃、白漂と紅華は客人用に用意された華麗な装飾と大きさを備えた寝台の上にて後背位で交わっていた。

 

(…ってあの終わりの次は何なのこの状況!? あの場の終わりはともかく深夜の話し合いの場へ茶と茶菓子を持っていく仕事をあの譜孝って女の人に頼まれた時はまた機会が来たと思ったのに…何を警備の主責任者の一人が正室とはいえ女性をこんな間者やら刺客やらがいつ襲ってきてのおかしくない状況で普通に抱いてるわけー!? というかこの前に侍女に扮してこの館に来た時も似たような感じで刺客に襲われてたって話でしょー!?)

 

 その様子は柱の陰に隠れながらも運んでいる茶碗の揺れの音でばれないように身の震えを押し殺しつつ、真っ赤にした顔で盗み見ている王元姫に見られていた。

 今晩は月が欠けていて明かりも消されてはいるが、夜戦も経験済みで夜目もこの場へ来る前に慣らしている王元姫の目には、紅華の胎内を深く貫きつつも胎内には収まり切れていない白漂の肉棒の部分がしっかりと映し出されていた。

 当然、そのびちゃびちゃとした重くも淫靡な水音とパンパンとした肌を打ち合う音も聞こえてきており、鼓膜からも王元姫の羞恥心を攻撃していく。

 

「…ふぁあ❣❓」

「んん!」

(…ってこんな敵地なのに普通に中で決めちゃったー! 確かに子を宿して産むのが女性の仕事だけどー!?)

 

 そうして白漂と紅華は、淫肉の結合を起点にお互いの意識が白濁と愛液の混濁の奔流に流されていく飽きる気配のない極みに達し、王元姫はさらに顔を赤くしていく。

 

「…やはり、今後の海上での水軍編成を考えると、沿海郡以外の地域にも目を向けないといけないか…」

「…ええ、満州を含めた沿海郡をはじめ今の秦東北部だけでも木材は豊富で良質なのが多いけど…、海上に前から面している東海三国が現在持っている海上水軍の規模を考えると…、林涼含めた北涼のそれも考慮した方が…あ❤️」

「それなら今現在、柳宗が総監督の一人になってる…あの黄河と黒竜江を繋げる運河工事も重要になる。木材は陸路で運ぶよりも水路の方が速くて多く運べる…」

(…で、でも…口にしてる内容は色々と重要そうね…幸いにも気付かれていなさそうだし…聞けるだけ聞かせてもらいましょ…)

 

 王元姫が柱の陰で悶々としている中で、紅華は胎内でビクビクと残り汁を出している竿と共に極みの余韻を味わいつつも自分の地元にも深く関わる政経の話をし、寝台に広げた地図を指さしながら藍蘭も難しそうな顔で加わる中、少々落ち着きを取り戻した王元姫は自分の仕事の一つを思い出して盗み聞きに集中しなおす。

 

「ちょっと待って、色々可能性が広がるから考えたり言葉にしたりしたくなるのはわかるけど…一番根本的な問題を忘れていませんか…んしょ❤️」

(…って何か女性のあれで男性のを挟み込んだー!?)

 

 だが、そこで白漂の男根が紅華の淫裂よりキュポンと抜け、王京が濡れつつもまだ元気なそれを自身の長躯相応以上に豊かで美しい双乳でムニュンと挟み込んだのを目にして、王元姫は動揺を再び引き起こされてしまう

 

「…えー? 何のことかなー? 今の上がり調子の秦でそんな根本的問題ってあったかなー…?」

「…ほう、お忘れですか…ちゅう❤️ そふぇであ…その分は貴方様にぃ…❤️」

「あ、思い出した。そうだ。人口だ」

 

 それに白漂は初めとぼけるが、王京に甘美なパイズリフェラをされながらもやや凄みのあるジト目で見上げられると、あっさり屈服して今の秦を悩ませる問題の根本を口にした。

 

(…当然ね。今の秦の問題は…土地の広さに相反して人口が少なく散らばっていること…楚を除けば列国最大だけど…)

 

 その答えに王元姫も羞恥を感じつつも思考も冷静に回りだす。

 今現在、単純な国土面積ではこの世界の秦はもう楚を抜いて中華最大だが、北は広大な草原が広がるが厳冬期が長く酷い北涼、西は巨利をもたらす交易路があるとはいってもオアシスを除けば乾燥している砂漠や高山地帯が多く占めるユーラシア内陸部である西涼、南は猛暑が長く未開の先住民や危険な動植物を抱える密林地帯が広がる蜀南など、把握できている人口の居住地はかなり偏在しており、それらの間の移動に支障をきたしているのだ。

 今現在、咸陽はすでに分かっている城邑を拠点として広大な国内の身把握地帯の人口や各種資源の調査を統一基準で進めているのは、使える労働力を増やしてそれらの行き来と未開地開発を円滑にするためのインフラの工事を進めたかったのもある。

 そうなれば人や物の移動が盛んになるので、韓はその動きに乗じて諜報網を広げていたので、同国の宰相を外祖父にもつ王元姫も知っているのは必然であった。

 

「そのおかげで旦那様が空けている朔方城の執務室にもまだ未処理の書類が山盛り状態になって今も現在進行形で増加中だぞ」

「…ふふふ…そうだろうねぇ藍蘭……机仕事という地味だけどゆえに苦労ばかりが目立つ仕事は…皆で分かち合わないと…何かあの柱の裏から似た気配を感じる…近日中に来る予定の子も含めてねぇ…」

(…!? 何この悪寒!? せ、戦場や刺客の時とは違っててけれどもやばい気配が劣らないのだけど!? ていうか何か私って気付かれてる!?)

 

 だが、その話題をこの場に降らせた白漂から乾いた笑い声とどんよりとしたオーラが広がり始まると、ほぼ高確率で自分のことを言われているっぽい状況に王元姫は初陣の時以上且つ得体のしれない恐怖を掻き立てられた。

 

 

 

 

 

 ○秦始皇9年(紀元前238年)秦国使節団到着後12日目朝 中華南部 楚国北部 王都郢(旧名寿春) 秦国用迎賓館 中庭○

 

(…うう、どうにか捕まらずに済んだ…というか見逃されていたっぽいからお縄にならなかっただけっぽいけど…あのすごくジメジメした威圧感を放ってくるおかげで要所要所の重要そうな部分はほとんど耳に入ってこなくて…ほとんど寝不足になっただけっというか…!?)

 

 翌朝、結局はほぼ寝不足になっただけの王元姫はとぼとぼと廊下を歩いていたが、そこで戦場でも早々は聞けない鋭く且つ俊敏な剣戟の交わりを中庭の方角から耳で感じ取った。

 

(この音は―――!?)

「しっ!」

「ひょい!」

「―――あ…!?」

 

 王元姫が武人の勘を音に刺激されたことで眠気を一時的に忘れて中庭へ駆けつけると、そこには道着だけを着た状態で、十星戟を持つ白漂と弭槍を装備した康熙が超高速で打ち合っている姿があった。

 

「…ちょ!? あれはどちらも真剣!? 何を考えて―――!?」

「あー落ち着け韓のボンボン娘、いつもの朝の体操兼の鍛錬だ」

「―――えむぅ!?」

 

 一歩間違えれば死人がおかしくない状況に王元姫は止めようと前に出るが、真横からひょいと出てきた羌瘣に朝食の肉まんを口に捻じ込まれた勢いですっころんだ。

 

「…!? あなたは確か当代蚩尤と同族の…!? 何を呑気に見てるの!? 真剣の状態であれだけ高速で打ち合ってたら死んでもおかしくないわよ!?」

「あー心配するな。マジで危ないのはすぐ避けるし、あいつらだって死にたくはないからな。それにあー見えて周囲を一(・)応(・)は気にかけてるし…おいしー♡」

「はあ!? どこが―――!?」

 

 そんな呑気に朝食を頬張っている羌瘣に王元姫は声を荒げるも、彼女の背後越しにそれぞれの得物を大きく振りかぶって飛びかかってきた姿勢をとる白漂と康熙を見やり、周囲がスローモーションのようにゆったりと動いているような感覚に陥る。

 

(―――あ…よくわかんないけど…私これ死んだ…)

「あぶぼぉ!?」

「…あ…え!?」

 

 それに王元姫が死の気配を濃厚に感じとるが、彼女を現実の時間間隔に引き戻したのは、彼女の至近で鼻っ面から二人の得物でみねうちをされてどこかへかっとんでいく老け顔だが傷だらけの強面の大男の悲鳴であった。

 

「…何か今さっきどこかからものすごい力で投げ飛ばされてきたっぽくて反射で思わず打ち返して塀の向こうの水路に落とした男…何か険水関あたりで見たような気がしたけどー…?」

「…くーん…」

「あれ? 何か茂みから僕の下着を咥えてるワンちゃんが出てきたけど…まさか!?」

 

 どこからか飛んできた大男に白漂は妙な既視感を覚えるが、そこで中庭の茂みより自身のスポーツウェア風のビキニショーツを咥えたけしから小犬が出てきて、それに康熙が白漂一向に合流してから過去最大の悪寒を隠せない顔を浮かべたその時、館の外だがそう遠くない場所より悲鳴と轟音、泣き叫ぶ人が混じる大きな土煙が立ち昇った。

 

「な、何じゃ!? この轟音に騒ぎはー!?」

「きゃー!?」

「何だー!?」

「…いない、セキト…何処…?」

 

 その轟音で驚いた様子で目を覚ました昌文君が寝室より出て、塀の向こうで恐慌を起こしている人々が蠢いている時、人混みの中にフードを深くかぶって姿を隠しているが赤い髪を時折覗かせる謎の人物の姿があった。

*1:
船着き場のこと。黄河や長江といった中国の大型河川は当時の技術では橋を架けるのは不可能なので、人や物の移動はこういう施設が必要だった

*2:
ローズマリーのこと。地中海沿岸地帯原産で、この世界では秦国内にめぐらした韓の情報網で入手した




果たして、今回のお話の最後辺りで触れられたっぽい存在は、何処姫無双のあの触覚系武将なのか…!?(棒)
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