※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回は原作主人公氏と女性達の原作よりも早い進展の話です。
ちなみに水着ですが、S氏は容貌元ネタがカリブ海で着ていたもので、R氏はパチンコのムービーのものです。


第五章 蕞編後幕間編
025 本能が働く対象は人だけではない●


 ○秦始皇6年(紀元前241年) 合従軍大戦終結後 秦国北部 朔方郡 朔方城○

 

「「「「「…………………………」」」」」

 

 国中が合従軍との勝利に沸いた熱気も冷めつつも、その余韻で喜色に賑わう地の一つである朔方城の中枢の一室にて、城主及びその妻3人に1人の少女を痛いまでの静寂が包み込んでいた。

 

「…つまりー貴方ーはー先の戦の終わった直後にーその後ろにいる子に手を出したと?」

「…はい…先に密かに送られていた杏橋や…藍蘭の書簡の通りで…間違いないかと……」

 

 正室で真顔を保ったままの紅華の言葉に、白漂は冷や汗を搔いた俯き顔で途切れがちに答えた。

 

「…あ、あの…奥様…わ、私も独身で嫌ではなく納得した上ですし…将軍も殿方ですからそこまで咎められねばいけないことでは無いかと…?」

「あなたの表情を見ればそれに偽り無いのは分かるわ。それで…漂将軍はどうなさるおつもりですか?」

 

 その白漂の斜め後ろに待機している王京も緊張に耐え切れず口を開くが、それに紅華は意外と冷静な様子で彼女の今後の処遇に付いて尋ねる。

 それに対し、白漂は冷や汗を搔いた先程までの顔から打って変わって、真摯に女性に請う表情で面を上げた。

 

「…そうだね、僕は王京が良ければ公務では将としての関係のままに…新たな妻の1人として迎えたいと思う。彼女の剛毅さも感じさせる美麗に器量…生まれから来る繫がりの広さは僕達としても悪くないけど…」

「…私としても、妻として傍にいたい殿方は白漂様の他にはございません。不相応な身ですが…お許しいただければ貴女方様の一侍女として仕えます。もしもお許しいただけなければ一将に戻り、もし身篭っていたとしても将軍からの大事な預かり物として育てます事はどうか…」

 

 それに続けて王京が深々と頭を下げて真摯に願い出て、再び場を沈黙が包み込む。

 そこで、紅華がスッと白漂に近づき、その手を大きく振り被った。

 

(あ! やはり来る……!?)

 

 それに王京は望まずにいつつも最も確率が高いと予想していた最悪の答えに行き着くが、風を切る音を添えた紅華の張り手は夫の頬に触れる寸前でピタリと止まり、代わりにそれを軽く抓った。

 

「あいて?」

「…はぁ、全く…漂…この時代でこんな事で…そんなに畏まらなくてもいいのよ?」

「…え、それって……!?」

 

 自身の頬を走る久しぶりな痛みに白漂は堅くなっていた表情を可愛く崩し、それにやれやれという表情の紅華の言葉に王京は困惑と期待が綯い交ぜになった表情で身を上げた。

 

「そんなに堅いままだと慣れるのに苦労するわよ。これから今まで通りの仕事場の付き合いに加えて私達と義理だけど姉妹の付き合いまでしないといけなくなるんだからね?」

「…あ、ありがとうございます!!」

 

 そこで自身にはそっと触れられてきた紅華の温かい手の感覚に、我に返った王京は慌てつつも感激を隠しきれなくなった。

 

「…え、えーーーっと…これって夢…っていだい!?」

 

 その光景にポカンとした白漂であるが、そこで呆れ顔を添えた紅華の抓りがギュウッという強まりを添えると現実だと嫌がおうにも現実と認識させられる。

 

「…この男手がどんどん死んでく時勢で夫がそうした対策の一環をしてるのに妻が止める理由は無いわ。ここも管轄が広くなったけど他人に任せるには不安なのも増えたからもっと親戚付き合いも出来る一門が欲しいというのもあるし、何よりこの子を見れば邪念で来た訳じゃないのは分かるわよ」

「私達も文官筋との親戚付き合い出来る伝が欲しくなっていた所ですし」

「最近は不足してた役人の席に王京の親戚に昔の家臣が来てて助かってるからな」

「…本当に、君達は僕なんかには勿体無い女性だね…」

「こ、今後ともよろしくお願いします!!」

 

 自身の妻三人のこの時代を受け入れつつも腰を引かせない態度に、白漂は自身の知見の狭さを改めて覚え、王京は動揺を隠し切れない様子で謝意を示した。

 

「あ、でもー妻に無断で新たに女性囲った罰としてー今後生まれる子達とは私達の許可なしには会えない事にします♪」

「………え!?」

 

 しかし、感動直後に紅華が綺麗な笑顔で言い放ったその言葉に白漂は石になった。

 

 

 

 

 

 ○秦国外西方 山界 某高原地帯○

 

「しゃあああああああああぁ!!」

 

 主君が妻に対して将来の人質を取られてしまったその頃、部下で懐刀であり友でもある信は楊端和達と共に親秦国派勢力を広げる事にも繫がる西方の戦で気勢を上げていた。

 

「うっひょーーー! 偉い西まで来る羽目になっちまったなこりゃー!」

「やや肌寒いが空も秦以上に青く澄んでて空気も美味いな」

 

 そこで軽口が特徴な青年我呂と髭を濃く生やしていて無骨な印象を受ける岳雷も始めて見る中華の外の世界に感想を口にしながら戦っていた。

 二人は信の先の大戦での五千人将昇格を受けて、麃公軍から移ってきた千人隊を率いる者達だ。

 

『おお、あいつらもこの数日で山界に慣れたようだな。おかげでこちらも始めてここまで進められた』

『先にこっちがバンコの連中を弱らせていたおかげだ』

 

 その戦ぶりにバジオウは感心しているが、キタリは憮然とした様子で鼻を鳴らしていた。

 

「河了貂、この辺りはどの地域かしら?」

「ここから楊端和の勢力圏外で地図上の空白地帯だ…」

 

 ステラの問いかけで広げられた地図上では信達が入り口付近に差し掛かったその地域は、白漂の前世で言う中国青海省辺りであった。

 高原地帯に位置するため空気は時期がらで涼しい程度で済みながら空は青く澄んでおり、戦場を囲む高山の山頂には白い雪が冠の如く積もっていた。

 

「ん? 何だこの水の匂い…? 何だか妙に心地いい混じり気が有るというか…?」

「? 信君どうしたの?」

 

 その山々の合間の渓谷の向こう側から信は奇妙な匂いを嗅ぎ取り、自然と身が引かれて馬を走らせ、玲花は放っておく訳には行かないので手勢を連れて後を追った。

 

「……うわ、でっけえ湖が!」

「綺麗ー…鏡みたいになってて空を映し出してる……でもそれ以上に何かが違うような……」

 

 そして、信達が行き着いた先は巨大な鏡の如く済んだ水面に青空と雲海を映し出している広大な内陸湖であった。

 

「むう、戦があったばかりとは思えん光景だな。だが怪我人の治療には丁度良いな」

 

 岳雷の言う通り、清水は傷の治療などには効果が良いので戦を終えた彼らの身には信の発見は都合が良かった。

 

「ああ、そういえば玲花さっき投槍を足に受けたばっかだろ。血糊を洗い落とすには丁度良いな」

「あ、そうだね信君…んしょ」

 

 それを見計らって玲花は信の勧めに従い馬を降りて下のボトムの裾をめくって傷を露にする。

 

「はー、水を浴びれるなんてここに来てから久しぶりね。ここ最近は味方の集落でも小さな井戸ばかりで汗も満足に拭けない日が多かったし―――!?」

 

 だが、玲花が女性らしい安堵を零しながらその傷が見える生足を湖面に付けた次の瞬間に異変が起きた。

 

「―――っ痛ぅ!? な、何この湖水!? 傷に染みるわ!?」

「…え?」

 

 やや顔を顰めて足を慌てて自ら離した玲花に周囲は驚く。

 

「なーにをそんな大げさに反応してるんだよ。傷に染みる水なんざ今までに何度も有っただ…っ辛ぇ!?」

 

 それに呆れた顔で湖の水面を兜で掬い取って喉を癒そうとした信だが、唇を潜らせた直後にしかめっ面で大きく吐いて咽出した。

 

「ん? 河了貂あそこの湖岸…何だか広く白くなってない?」

「はぁ? 白色って目が可笑しくなったの…あ、本当だ! けれど何で……?」

 

 続けて目がいい軍師に弓隊隊長の二人が通常の湖岸には無いある特徴に気付き、偶々そこに最も近かった副長の1人渕が馬を下りてその砂利を掬い取る。

 

「…珍しいですね。白い砂利だなんて…ん…この感触は…え…こ、これって……………アイアーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?」

 

 それに始め物珍しげな顔を浮かべるだけの渕だったが、目元に近づけてその香りを嗅いだ次の瞬間、彼独特の絶叫が周囲を驚かせた。

 

 

 

 

 

 ○二週間後 秦国中央部 王都咸陽○

 

「…ししし失礼しますー! 山界王楊端和殿よりお礼の品です!!」

「お礼か…信達が予想以上に向こうで活躍しているらしいが…先の大戦で助けられたばかりで心苦しいな」

 

 信のある内陸湖発見より二週間後の王都に、楊端和達から再び使節が大勢送られてきた。

 その彼らが持つ土産の中で大半を占めているのが大量の俵であった。

 

「む? 何だこの香りは…? どうして秦よりも内陸に位置している彼らの荷からこの匂いが……?」

 

 それらから漂ってくる人間には欠かせない、けれども内陸国である秦では供給に気が大きく払われているその物の香りに嬴政はいぶかしむ。

 

「だ、大王様ー! こちらにある俵の中身は全てこれです!!」

「な、何じゃとぉ!?」

 

 接待役の文官の1人が枡で持ち出してきたその俵の中身に昌文君は驚愕する。

 

「おい、何故秦よりも内陸である彼らからこれが大量に届いてきた?」

 

 同じく冷静さを保っている風にしつつも内心では同じく驚きと困惑に満ちている嬴政が問いただすと、文官は報告を述べ始める。

 

「そ、それがー山民族達と共に西方の交易路拡大のための遠征に出向いていた信隊が…巨大な内陸湖を発見して…」

「それで…?」

「そ、その湖がどうやら真水では無くて…」

「それから…!?」

「その湖の周囲にこれらが自然に広がっていたと!!」

「「「「「!!!!!!!!????」」」」」

 

 その報告の内容にその場にいた全員から驚愕一色の絶叫が立ち上った。

 

 

 

 

 

 ○秦国外西方 山界 青海 某内陸湖湖岸○

 

「飲め飲めー!」

「おーい、そっちの料理はまだかー!?」

 

 咸陽の王宮が驚きに包まれていたその時、その原因である湖が発見されて楊端和が湖面に写し出された青空から東にあるという海に似ているという沿岸国出身者の言を受けて、青海と名付けたその地の湖岸の一角で戦勝の祝宴の準備の調理が進んでいた。

 

「おいー! ここの分がなくなっちまったぞー!」

「皆ー安心して! この前までとは違って困らないから! そこから持って行って!」

「何だったら岸から直に掬い取って来いー!」

 

 その厨房では料理に欠かせない、されども山界では入手にも本来一苦労するあるものが大量に詰まれていた。

 

「…しっかしよー、まさかなーこんな山奥の地に“塩(・)湖(・)”を見つけるとは思わなかったなー」

 

 我呂がそう言ったとおり、彼らが見下ろしている信に発見されたその内陸湖の正体は真水ではなく塩分濃度が高い水で満たされた塩湖であった。

 

「楊端和も凄く綺麗な驚き顔を向けてー周りの連中なんか嘘だーって動き見せてたからなー」

「そんで実物見せたら高飛びして喜んでたよなー女王様以外ー」

「今頃は咸陽も驚いてるだろうなー」

 

 彼らの今現在最大の話題はこの新発見の塩湖地帯から採取されている塩にあった。

 中華は広大な割りに海岸線が東部に集中しているため塩の供給地は大きく偏っており、そのため内陸部は生活に欠かせないにも関わらず塩の供給に苦労しがちであった。

 特に中華極西に位置する秦は国境を接する4カ国と緊張状態にあるため、生活に必要な物資である塩の行き来を大きく制限されがちであった。

 その塩の大産地が友好勢力圏内で見付かったとなれば好影響は計り知れない

 

「うわー、何度見ても湖と同じく綺麗な塩ねーステラさん」

「そうね玲花ー、あ、そこの樽は日持ちするものが中心だからあそこの日持ちしないものから先にしてね」

「本当にねー机仕事も覚えるのが早い二人が入って助かったよー。あそこで調子にまた乗ってるあの馬鹿の世話は一人だけじゃ疲れるし…」

 

 宴会の裏側を仕切ってる女性三人組の関心は共に好いてしまっている男に今も傾けられていた。

 

「…ほほう、あの娘らめ…あの小僧の鈍さも有るがまだ踏み切れておらんようじゃなぁ。それでは今回のお礼にわしが一つ手を貸してやろうとするかの…」

 

 その様子を山界長老組では珍しく平地と古くから交流があり、悪感情は抱いてない老婆の女性が微笑ましげな顔で見守った後、彼女達が自分のためにとってある分の料理に狙いを定めた。

 

「…はー! 食った食ったー! さーてともう寝るか―――」

「あー、信君ちょっと待ってー。寝る前に身体を一緒に動かさない?」

「―――あん?」

 

 そして、宴にその片付けも終わって見張りを除いて大半が寝床に突き出しているその時間帯で、自身のゲルで寝ようとしていた信を玲花が止めてきた。

 

「久しぶりに湖も見つけたから水練をしてみない?」

「あ、ステラもいるのか」

「新しい献立で夜食も持って来たよー。一緒に味見しながら一泳ぎしよう」

 

 他にも河了貂の姿があり、4人は女性陣の案内で見張りの了解を得た上でその視界に入らない湖岸で久しぶりの水浴を楽しむ事になった。

 

「……うーー、何だかこの下穿きー…斬新で格好良いけどまだ何処か落ち着かねーこの“水着”ってやつ…」

 

 数分後、信は水浴用のショートボトムに着替え終えていた。

 それは水に強い繊維で織られた白漂の前世で言うトランクスタイプの男性用水着で、以前に白漂が酒を飲まされて自制心が弱った隙に、その発想を面白がった譜孝が言葉巧みに聞き出して生んだ代物である。

 

「あ、珍しい事に先に着いてたのね信君」

「うっせーぞ玲花、俺が先に着いちゃなんねーって法はねえだ…うおおおぉ!?」

 

 そこで珍しく彼より遅く着いた女性達の声に信が心外そうな声を上げるが、それは女性達の姿を目にした途端に驚愕に塗り替えられた。

 

「…う、うぅぅ…やっぱ皆…この譜孝が送ってきたこの勝負下着ならぬ勝負水着…恥ずかしくない…?」

 

 赤面した状態で内股歩きしている河了貂の今の衣装は、白漂の前世で言う日本文化圏のスクール水着でしかも胸元には白地に黒塗りで名前が書かれている代物。

 

「そんな事無いわよー、あなたの可愛く似合ってるわー」

 

 その小さな背を押しているステラは、深い胸の谷間から臍辺りまで割けている様に盾中心線が開いている前が大人びたワンピースで後ろがビキニタイプに見える水色の大胆なもの。

 ちなみに彼女は先の合従軍戦の終盤で信達に女性である事が知られてしまい、その性別を隠す素振りはもう見せなくなった。

 

「…信君……似合うかな?」

 

 最後に玲花が不安を一抹に混ぜつつも期待を滲ませた眼差しに、オーソドックスな黒地にフルバックの紐結び式のビキニ水着で自身の肢体を飾り気無く活かしながら現れた。

 

「お、おう…すっげー色っぽいぜば!?」

 

 傾向は異なるが美少女三人によるこの時代には本来無い艶やかな姿に信は顔が大きくにやけるが、その最中に河了貂の踵が彼の鼻に減り込んだ。

 

「…な、何すんだよ貂…?」

「どーせ他の二人に比べて凹凸少ねーなーみたいな事思ってたんだろ?」

「ま、まだ言ってねえだろ…」

「思ってはいたんだろ!!」

「わー! 二人ともたんまたんま!?」

 

 そのまま鼻血を噴かされた信の首を河了貂が締め上げようとしてきたが、玲花は慌てながらも止めに入り、それから4人は水遊びに興じだす。

 

「…あははは、こうしてるとまだ山で暮らしててその小川で遊んでた頃を思い出すわねー」

「かー、そん時からお前は野郎共の人気集めてたよなー」

「そうそう、それでー他所の貴族が古くなって捨てた鞠でこんな遊びをしてたんだよね」

 

 4人は浅瀬に足を付けながら、油紙に空気を吹き込んで膨らませた球を手で叩き飛ばし合って蹴鞠のように遊んでいた。

 

「あーもう信君ー力込めすぎ!」

「そんなバシバシ叩いたら直ぐ破けるよー!」

「う、うっせえ! こんなポヨンポヨンしたもの扱い上手くあっても意味ねえだ…ああ! また水面落ちちまった!」

「よーし、これでまた十銭貰いねー」

 

 ちなみに塩の砂浜には4人それぞれの球を落とした場合を基準とした失点を表す表が書かれていて、不器用な信が最も失点を稼いでいた。

 

「へへへー、凹凸が着いた身にばっか目がいくからそうなんだよーーー…うわぁ!?」

 

 再び遊戯が再開して河了貂が自分の所に向かってきた球を受け止めようと後ろ向きに背を仰け反らせた次の瞬間、彼女は踵から浅瀬ではない湖水と夜の闇に隠れた深まりに飲み込まれた。

 

(し、しまった! 浅瀬じゃないところまで足が動いてたんだ! ま、まずい! 俺まだ水練そんなに積んでない…!)

 

 山民族出身の内陸国育ちで更に原野戦主体の北方草原地帯が今の地元である河了貂にとって、水辺は慣れていない環境だった。

 もがき続けるが却って水を切るだけでその小さな身は沈んでいく一方である。

 

(あ…も、もう駄目―――)

「あんまもがくんじゃねえ! 掴み辛ぇ!」

「―――え…ぶっはぁ!?」

 

 酸欠で遠のく意識に釣られて動きが弱まっていく河了貂の手であったが、そこで信のそれが勢い良く彼女を反対側に引っ張り上げた。

 

「のわ!?」

「うわっぷ!?」

 

 その勢いで今度は浅瀬で河了貂が信に引き倒されてその勢いで絡み合ってしまう。

 

「あらあら」

「二人ともやると決めたら大胆ね」

「「!!?」」

 

 それは当然の如く他の二人にも容易に見られてしまい、ステラは意外そうな顔の口元を手で隠し、玲花は面白そうなものを見た静かな眼差しを向ける。

 

「あ…き、気を取り直して夜食に入ろう! おい、信もさっさと手を放せ!」

「ぐは!? お、お前が溺れたのが原因なのに何を言ってんだ…ま、まあ小腹が空いてたからいいか…」

 

 その後、河了貂が誤魔化しに走った夜食にそのまま移行する四人であったが、それが彼女達の関係を大きく変える事になるなど、この時点では誰も思いもよらなかった。




次回はようやく、原作主人公氏が大人の階段を上る予定です。
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