今回は、本作品で初めての挿絵付きです。
○秦始皇10年(紀元前237年) 元陽暦1年5月17日正午前 中華西部 秦国西部 草原地帯某街道○
秦国の現最西端である車師郡を平定して十日後、白漂軍の騎馬軍本隊はその機動力から秦本国への帰り道を、急いではいないが他国に比べれば平均速度としては異様な速度で進んでいた。
「…いやー、ここ最近は草原と砂地に点々とした集落や小さな都市しか見なかったからいささか単調化してたなぁ。おかげで目の方は良くなったけど…」
「そうですかねぇ、こっちの素人目から見たらどこでも将軍は新しい発見をすぐ見つけて生き生きしていたように見えますけど…」
その先頭を白漂は側近や幹部と共に進んでおり、その中に白漂軍第六将康熙の姿もあった*1。
「…あ、なんかあっちの茂みから猛烈な勢いでこっちの隊列に旨そうだけど頭が大きくて丈夫そうな野良牛が三頭ー…」
「よし、じゃー僕が昼飯のついでに仕留めるよ」
そこで羌瘣のディナーセンサーが昼飯時に近いのもあって涎を示すと、康熙は馬を小走りさせて複合和弓型弭槍で一度に三本の矢を番える。
「…ん!」
そして、短く構えて狙いを定めた後に康熙は三本の矢を同時に打ち放った。
「ヴもオオ!?」
「ヴううう!?」
「ヴふうぅぅ!?」
「おお!」
「お見事!」
放たれた矢はそれぞれ位置と距離で離れているにも関わらず、間隔が離れて猛スピードで土煙を上げている三頭の牛の丈夫な頭蓋骨を正面から穿ち抜いて一瞬で絶命させ、見ていた面子を感嘆させた。
(…相変わらずすごい威力と正確さ、超遠距離での矢の打ち合いでは蒼源が上だけど…あれだけ高速で動き回って…、しかも姿かたちや地理からして…ヨーロッパバイソンかその近縁種だろうにあの分厚い頭蓋を矢の一本でぶち抜いて仕留めるとは…さすがは前々世では表の記録だけでも十五人力の弓を引いて狩場どころか裏歴史書では三潘の乱とか前線にもしょっちゅうこっそり行っててそれで手柄を上げちまってお忍びが発覚して臣下に怒られまくったというだけはあるな…)
「モおおおおおおおお!!」
こうして仕留めた野牛の嬉々とした解体作業に周囲が入った所で、白漂は康熙の前々世ネタも絡めて感心していたが、そこで近くの茂みより別の巨大な野牛が飛び出て襲い掛かってきた。
「お座り!」
「ヴもオオォ!?」
だが、その巨体と角が白漂の身にぶち当たる直前に、康熙の(本人としては軽い)飛び蹴りを、野牛は横っ面から浴びせられてそのままゴロゴロと勢いよく転げ回って適当な岩にぶち当たって目を回しながら地に倒れた。
「…んー…(女性になった分にしなやかさや素早さは増したけどー…男性じゃない以上は)やっぱり膂力は相応に落ちてるなー…」
(((((…いやいや、何処が…)))))
それにやや不安そうな顔を浮かべる康熙に周囲は白々しさを覚える。
「…あー、牛肉を食べられるのはいつぶりだろー。ここ最近は牛と馬は値上がりが続いてるからなー」
「まー、秦以外の国同士での戦争が激しくなってて牛や馬はそっちに買い集められてるからねー…」
「え? この流れで地味に大事なその話に入る?」
そんな空気お構いなしである羌瘣の涎を伴った愚痴に康熙の口から出た地味だが割と影響が広く深い話に、郭備はぼやくような反応を示した。
○秦始皇10年(紀元前237年) 元陽暦1年5月17日昼 中華中央部 楚国北部国境中央部 某戦場○
「「「「「…ウオオオオオオオオオオオ!!!!!」」」」」
羌瘣の食べ物ネタから話が派生してから数時間後、その牛馬がたくさん消費される戦場は、今現在の中華では秦の中華圏内国境ではなく、南方の大国楚と三晋の国境地帯に激戦地が集中するようになっていた。
「…ぬうぇええええええええいいい!!」
「「「「「ギャアァアアアアアァ!?」」」」」
そんな戦場であっても、戦争と老後の趣味が同一化するまでに老いてなお盛んな廉頗は楚軍を率いて、趙軍含めた三晋の軍を最前線で相手していた。
「殿ー! 東方で南下してきた趙軍五万をカルナとアルジュナのお二人が兵一万で撃破して千の損害で二万の首級を上げた模様です! 敵将趙忽は打ち損ねた模様ですが浅くない負傷をして趙領内に向けて撤退中です!!」
「おお! さすがは殿が見込んだ新たなご逸材だぁ!!」
そんな中で廉頗は亡命中なのを感じさせない様子で矛と策のどちらでも敏腕を振るっていた。
「…あのー殿ー、西方の戦線に入った
「何じゃあ?」
その廉頗に顔を顰めさせるのは主に
「…今後の関係改善を阻害する怨嗟を増やすような追撃をあの二人には減らすようにと制止を掛けてほしいとー…」
「そんなみみっちい連中の恨み愚痴なんぞ知らん」
「…ですよねー…」
「報告ー! 西の方の韓軍ですが什虎城から冬史が水軍四万人を率いて出撃しましたー! どうやら先週にこちらの北部要所の北紀城を急襲して占領した洛亜完と合流して韓西部と繋げて恐らく御後輩殿を半包囲しようとしているようでー…!!」
「…仕方ないのー。おい、ここ正面の魏軍は今この場を守りに徹すれば十分で真正面から来れんようにしたからお前に任せるぞ介子坊ー」
「は、殿はどちらへ?」
「あの南原で一皮むけたのかここ最近はまたメキメキと伸び始めた洛亜完らを凹にしながらあの未練がましい頭が良い馬鹿の尻を蹴り飛ばしに行くわい!!」
「どうぞご武運をー」
そんな一部から上がってくる苦悩などお構いなしに、廉頗は今日も己が戦争衝動に正直であった。
○秦始皇10年(紀元前237年) 元陽暦1年5月20日夜 中華西部 秦国西部 草原地帯某街道○
「…とまあ、そんな感じで楚は三晋連合軍といい感じに深みにはまっていってるみたいだねー」
楚の最前線でのそんなやり取りから三日後、白漂軍は秦本土と西域を繋ぐ街道の途中にある宿場町の一つに停まり、康熙を含めた女性達はそこの浴池*2に浸かろうとしながら世間話をしていた。
「燕の方は昔から秦とは関係が深いのと、今は国内再編に集中したいとは言っても王様を中心に一本で纏まった秦よりも、王が馬鹿をやらかして倭寇を招いて内憂外患な斉の方が取りやすいと見て、中華同胞である斉人を倭寇から保護することを名目に南に向いているとー…」
「趙の方は今現在李牧が楚へ亡命中なのと、国内が一本化されていて且つ自分達を負かし続けていた秦よりも、宮廷内部はまとまっているけど王が幼少なのを受けて辺境が揺れ始めている楚の方が取りやすいという韓からの誘いに乗って共に南下、周囲には対秦戦で協調してくれる国が無くなった魏も後から加わって、今では三晋連合軍と楚が絶賛交戦中とー…」
「楚の方は
その彼女達は仲間内で見張りを立てつつも、当番制で体を洗ったり湯に浸かったりしながら、岩場の上に地図や書類に新聞を広げたりして情報を交換していた。
「…まー趙がこんなにも早く且つ積極的に韓の話へ乗ったのはー、今の宰相が郭開なのも大きいでしょー」
「ああ、未だに今の趙王が出した李牧討伐命令が撤回されてないから、早く討ち取って邯鄲に帰るためのお土産にしようとー…」
「たとえ討ち取れなくても両方の恨みつらみを重ねて向こうが帰りづらい状況にしようという魂胆でしょうねー」
「中原の戦争に対してこっちはどういう状況?」
当然、女性の身で戦場にも立つ男勝りの身ばかりなので話は戦争ばかりとなって、自分達の関与の有無にも話は及ぶ。
「とりあえず韓経由で三晋方面を多くしつつどっちにも軍需物資の輸出を拡大しているみたい」
「咸陽や朔方に成都だけでなく、道中の都市の景気も良いのはこれかー…」
「今現在の他所の前線には守備兵力を残しつつ、戦場での情報収集や練兵も兼ねて傭兵や義勇兵という形で三晋側へ援兵しているようね」
「蒙武軍が西南部と本土南側を行き来するとき、楚に入りはしないけど向こうとの国境に近い道を選んでいるのも向こうには圧力になって三晋方面が泥沼で押されている理由だろう…」
「楚はその風土から牛馬が死にやすい状況もあり、戦争で需要が増えているのもあってこちらから割高になっても馬の輸入を増やしているようだなー…」
「おかげで遠方が根城の私達もここまで来なくてはいけなくなったしな」
それで自分達や身内の損得にも話は広がるが、それには西方山界に所属しているヒッポリュテの浴池に浸かっている姿も加わっていた。
「ああ、そっちにも牛馬景気は及んでいるとー…」
「その通りだ。最もー護衛が付いているとは言ってもこの身でここまで旅や商談で安全に遠出できる辺り、
西方山界から秦国内各所を回っている疲れを浴池で癒しているヒッポリュテの腹部は小さく膨らんでおり、彼女はそれを愛おしそうに撫でていた。
「ヒッポリュテ様、そのお腹の子はー…」
「あぁナクタ殿、君が産んだ白詳と父親は同じだ。紅華に彼を上手く
「そ、そうですか…」
女性らしい情愛と母性本能を感じさせつつも、族長としてのシビアな政治感覚も忘れないヒッポリュテに、彼女に種を仕込んだ男を愛して抱かれもしている女性達は畏敬を覚えた。
「…ふー、やっとこっちの番も回ってきたー。こんな時代からこんな辺境の地をお忍びの時の男じゃない身でも安全に回れるようになったのはありがたいねー…ん?」」
それから自分達の番が回ると康熙は自らの鎧と衣服を脱いでいくが、その肌面積が増えるに連れて周囲から懐かしいが何処か違う感じの視線が増えていくことに気付く。
「…ん? どうしたんだい皆ー?」
「あ、いいえ…どうぞ気にしないで康熙さん…」
「私達は特に気にしてないのでー…」
周囲は浴池の熱とは別な理由で頬の薄朱色を少し強めつつも、康熙に向けていたジト目をそそくさと他所へそらしていき、彼女の素肌を布や装甲が滑り落ちていく音は再開する。
「…ふ~~~~~♪ あー、確かにこれは効くねーーー…。道と宿場町が増えるのは安全が増してる証拠だけどー…こういう湯浴みできる場所が増えたのが良いよねー…」
数分後、康熙も生まれたままの姿となって温泉に浸かるが、その裸体は周囲の女性達の視界に晒される。
「…な、何つーかさー…康熙さん…やっぱ同じ女性から見ても凄く綺麗でかっこいいよねー…」
「う、うん…あの背の高さも却って魅力的というかー…」
「…それでさー、あの身長も美点に変える曲線美がー…特に首の下あたりのあの二つの大きなのがー…」
「あ、あれは女性としてもしゃぶりたくなるというかー…」
「今は白い湯気で見えないけど、古傷の痕もあの身ではもう一種の装飾に見え…」
「い、戦や仕事でもあれだけ出来るあの人がー…何であの割と大変な人の閨の一員にもなってるのかしらー?」
「いや、それさーあんた達が言う?」
それに女性達は同性の珍しくない嫉妬や羨望、もしくは倒錯した情欲も抱くようになっていった。
「…こんばんわー、漂ー今日まで通過した帰り道の道中諸地域の戸籍や治安についての状況の報告書だよー…」
「…く…くうううぅぅぅぅ…」
数十分後、風呂を終えて身を清めた康熙は下着を清潔なものに変えて衣服と鎧を着なおすと、今の主君のゲルの中に入るが、そこには大量の書類に囲まれた椅子の上で無防備そうに見える寝顔を晒している白漂がいた。
「…あーもー、まだ寒さがぶり返す時期に無防備に寝てー…あ」
警戒心など全く感じさせない無防備な主君にして前世からの友の姿に康熙は鎧を脱がして布団へ運ぼうとするが、そこである変化に今の身から気付く。
「…全く❤️ 毎日に渡って種をせがまれている身だからって…❤️」
白漂の雄の象徴は布越しながらそそり立っており、今この世界では女人である身から康熙は愛欲を生じさせたのと、今宵の夜の仕事の担当には彼女も混じっていたこともあり、当番時間が迫っているのもあっていち早くそれを務めることにする。
「…はふ❤️ ちゅるるぅ…む…はむぅぅぅぅぅ…❤️ 舌に…焼き付いちゃいそうだねぇ…❤️」
数分後、衣服より開放された白漂の男根は康熙の唇に加えられ、その舌に亀頭をしゃぶられて長大な竿も舐め上げられるようになっていた。
「…んん…く…あ、康熙……先に始めさせてしまったようだねー…」
自身の男根をアイスクリームのように舐めとかされて女性の口内へ巧みに吸われていくような感覚に、白漂は目を覚まして飽きない光景を目にしてその甘い感覚をより深く覚えるようになっていく。
「…んー❤️ これもこっちの仕事の範疇に含まれているからいいよー…おむぅ❤️ 僕も嫌いじゃないしねー…あ❤️」
康熙は自分の淫熱と潤いが強まっているのも覚えて口淫を更に強めていこうとするが、そこで彼女の身は掴み上げられて姿勢を変えられる。
「…ちょっと待たせたようだからここから僕も動くよ。君のも待ち遠しくなっていそうだし…」
「…あーもう…前の前の立場だったら色欲に溺れるなと怒られる状況だなー…❤️」
康熙は状況からくる弛緩もあって四つ足を付かされると、その下半身の装甲とボトムをスルスルと速やかに脱がされていき、再び下半身で覚える外気とそこへ愛しい視線が注がれる感覚で甘い苦笑を浮かべる。
騎馬民族の血筋と武人の育ちから美麗な引き締まりと豊満な質量を誇る康熙の尻は、面積が少なくてシンプルな黒の下着にしか身に付けておらず、もう汗と愛液で濡れているそのクロッチは先程まで彼女に愛撫されていた亀頭でずらされてしまう。
「…待たせて悪かったね。じゃあ、行くよ…んんん」
「…うん❤️ 君も同じなのはこの熱でわかるから…ああ、来てぇ…んんんんん❣」
そして互いの淫らな熱と逞しさを覚え合った二人は互いの下半身を近づけ合い、ジュポンと淫裂は男根を加え込んだ。
「…あ…んんんん❣ く…ふうぅぅぅ❣ 思えばこの格好で交わるのはそうないからぁ…何だかいつもと違う熱も感じるね…んんんん❣❣」
「…普段、その格好で勇ましく聡い戦ぶりを見ている身としてはね…んん!」
数分後、二人はまるで戦場に立つ馬上で荒馬を乗りこなす若武者のような力強さで且つ、玄人の老将のような器用な動きで腰をくねらせ合って激しく打ち合う。
お互いその表情は薄朱色に染まりつつも芯の冷静さは保っているもので、男根の焼いた鉄槍に自身の淫裂が焼き溶かされて神経を直に溶かされているような感覚を康熙は覚えつつ、白漂も彼女の淫裂から全てを押し流し込んで飲み干すような黒竜江の如き大きさと底の知れなさを感じていく。
両者の身は結合部分以外はまだ衣服に包まれているが、それ故に感覚は鋭くなって布や装甲越しに互いの熱と逞しさを確かに感じ合って、技巧と情愛を覚え合って最初の極みが近づいていくのを感じた。
「…んん! 康熙ぃ…君の中もぉ…強い震えを伴ってぇ亀頭が焼き切れそうになって…も、もう早速ぅ…!」
「ああぁぁぁぁあ❣❓ んん❣ ぼ、僕もオオォ…君のでええ子宮が…またああ突き破られそうだからぁぁ…もう来て…え…ぐううううううううううううぅ❣❣」
「んんんんん!!」
そうして激しく且つ細やかに下半身を打ち合って唇も重ね合わさったその時、二人の淫熱は性の濁流を伴って胎奥でぶつかり合った。
「…うわぁ❤️ あの二人…ひと早く始めちゃってるけどぉ…❤️」
「本当にぃ気があってると思うなぁ―――❤️」
「あーそこの君達ー、そんな所で無駄飯食いの視姦をしている暇があったらここに来なさい」
「―――あ…ぅ❤️」
「やっぱバレてたな」
その様子は今宵の夜の身辺警護要員も兼ねて来ていたナクタ達にも見えていたが、そこはさすが白漂でとっくに気付いていた様子の彼に呼ばれると、彼女らは内股気味でコソコソとゲルに入る。
「…あ、僕ーもう今晩の分は貰ったからー…もうお引きするよー…お…ぬ、抜けないー…❣❓」
そこは白漂との当世における性経験の差から気付くのが遅れていた康熙はぎこちなく赤面した笑みで抜けようとしたが、彼に腰をがっちりとホールドされていた状態で動きを止められてしまう。
「あー康熙ー待ちたまえ、君はこういう形の親睦会はそこまで経験ないし、彼女達も君の体に色々としたいことはあるらしいから今宵はご厚意に甘えよう」
「…え…あ…ちょっと待って―――!?」
それに嫌な予感とゾクッとした情欲を覚えた康熙はどうにか這って逃げようとするが、そこで外から続々と入ってきた女性達に掴まれて逃げ道を塞がれていく。
「いやいや康熙様❤️ これだけの逸品が一人にしか自由にされないなんてもうもったいなさすぎですよ♪」
「うわぁ、大きいだけじゃなくって何て堅さと弾力が合わさった逸品…❤️」
「尻の方も凄いぞ…ちゅるる❤️」
「―――え❣❓ ちょ…ま…僕…同性のそういうのは前々も含めて少なくて…あーーーーーー❣❓」
戦場や政略ではその魂の起源を思わせる才覚を見せ始めてメキメキと伸ばしている康熙も、今この場ではまだ同性に寄って集られて調理されるだけの極上の素材に過ぎず、それは嬌声混じりの悲鳴にも表れていた。
次回も、帰り道の様子と各国に様子が中心になります。