※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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ヒロインの容姿が自由すぎるだろうという意見もあるとは思いますが、以前に晏嬰氏から自由にしていいという感じの返答を貰いつつも、本編と矛盾が生じない範囲で皆さんに面白く思ってもらえる内容にして行こうと思っています。


002 砂漠の技巧

 ○始皇3年(244年) 秦国北西部 砂漠地帯 某砦○

 

 紅華との婚姻から2週間後、漂は今度は秦国から見て北西部に位置する砂漠混じりの草原地帯の部族との交渉に出払っていた。

 

「これが砂漠か。河川沿いに位置する草原などとは非常に対照的だな……」

「ここは秦趙燕の北方の遠くに存在する砂漠地帯の西のはずれです。趙や燕の兵が来ることは少ないですが、先日に匈奴の脅威という抑止力が低下した事でそれまで押さえ込まれていた中小部族による覇権争いが起きています。最も燕や趙の北辺りでも同じ事が起きていますが…」

「高台から登ってみてみると幾つか緑が固まって存在している箇所が見受けられるな」

「この地域ではああして定住民が暮らして灌漑農業をしていたり、もしくは暗黙の了解で家畜を肥えさせる時以外は無人の状態が保たれているオアシスが点在しているのです」

「(歴史の本で見たことがある中東等のオアシス農村みたいな場所だな…)さしずめ砂漠に点在する宝石の如き存在という事か―――!?」

 

 漂は砂漠に近い高原の麓に設けられた砦の望楼より初めて生で見る砂漠に威圧感に似た感動を覚えていたが、地平線の一角より何か薄らとした黒煙が登り始めたのを見ると目が細まる。

 

「里甲、あそこに見えている黒煙が引き出ている場所の所属はわかるか!?」

「たしかあの地は白漂将軍が来られる前より秦の北方守備隊と通商関係にある部族の領域です。それと林胡とは古くから交流がある地です」

「今すぐ動かせる兵を連れて行ってもいいかい?」

「構いません。寧ろ今後の関係を考えますとそれが堅実ですな」

 

 漂は里甲の了承を取り付けると、直ちに林胡からの志願兵を含めた騎馬二千騎を率いて砦を出発した。

 半刻掛けて煙を吹き立たせる地にたどり着くと、そこには前世で言うアラブ系の遊牧民が用いる頑丈さよりも通気性や即応性が求められる簡易テント系の村が、吹き出す黒煙と豪火で水面を黒と赤で染め上げていた。

 

「この村は西方との交易で生計を立てている月氏系の部族の村ですな。恐らく先の雁門戦で働き手を失い困窮した部族による略奪にあったものか…!?」

 

 村にたどり着くと里甲は野に伏せる老若男女の遺体から状況を推測するが、その最中に漂はある気配に気づき馬を走らせ村の中心部を目指す。

 

(この感じは狙撃手! だけど今まで味合わされてきた殺気とは違うけれど洗練さは…!?)

 

 漂が燃え盛る天幕の角を曲がるとそこにその殺気の正体がいた。

 

「何者だ!」

「…………」

 

 漂の実年齢離れした威圧にも動じなかったその正体は、中東系の軽やかな装飾が施された金属主体の複材合成弓で矢を向ける一人の騎兵だった。

 苛烈な日光より肌を守るために全身を覆う白主体に藍色の楔文字風の意匠がある長衣はアラブ系の甲冑と合わさっており、動きからして両手は細いが濃縮された筋骨で出来ていて、数少ない地肌が見える目元には獣を思わせる鋭い瞳孔と褐色の肌が見えていた。

 

「漂! また一人で先行するなと何度も―――!?」

 

 河了貂が黒煙より飛び出てその場にたどり着くが、それと同時に騎兵の矢が放たれて漂の手元より短剣が瞬時に投げ放たれた。

 矢は漂と河了貂の頬の真横を紙一重の差で通り抜けると、真後ろより短い悲鳴と着弾音を生じさせる。

 

「―――これは…!?」

 

 背後を振り返った河了貂の目に映ったものは、短槍程のサイズはある矢が正確に急所へ一本ずつ撃ち込まれて絶命している西アジア系の顔立ちをした騎馬民族の男。

 視点を前に戻すと、似た風貌をした男が眉間に漂の短剣を投げつけられて絶命した状態で煙より姿を覗かせていた。

 

「……旗からして秦軍…それも里甲殿のご同輩とお見受けする。貴殿らは援軍と見て間違いないだろうか?」

 

 そして、白衣の騎兵より研ぎ澄まされた業物による剣戟を思わせる凛とした声が放たれると、遅れて里甲が到着してきた。

 

「そなたは藍蘭殿! 無事であったか……」

「里甲殿、貴方が共にいるという事はそちらの彼は新しく北方守備に派遣された青年か?」

「ええ、正確に言えば私達古参も含めて統括する北方守備長に先日就任された漂将軍です」

「この若人が……あ! 化粧と衣装が違うので最初気付かなかったが…あの婚礼の場の主役だった白漂殿か。これは失礼した」

「思い出されるのはいいが今はこの状況の鎮圧が最優先だな」

 

 どうやら白衣の騎兵は藍蘭という名で里甲の知人であり敵ではないようだが、その確認中に周囲の黒煙より味方と敵が姿を現してきた。

 

「とりあえず細かい話はこれを終わらせてからだな。シッ!」

 

 藍蘭は敵の姿を確認すると袖の内側に仕込まれた隠しポケットより円錐状の鉄球を取り出し、それを指で弾いてまさしく機関銃の如く周囲の異民族目掛けて連射しだした。

 

「すごい…全員の片目を潰す勢いで打ち出して…しかも毒でも仕込んでいるのか皆数秒と持たずに倒れていく…」

 

 襲いかかってくる敵兵に近い順から高速で鉄球を撃ち込み、近づけられる事もないまま仕留めていく藍蘭に漂は目を丸くした。

 最も彼も襲いかかってくる敵兵の何割かは脇見もせずに切り捨てていっているので、周囲の味方からはあまり大差が無いように見られていた。

 一刻も立つと、村を襲っていたトルコ系騎兵は不利を悟って逃走し、村の消火と救援を飛竜隊が生き残りと共に進める時刻になると、漂は里甲を仲介人として藍蘭との交渉に持ち込んだ。

 

「藍蘭殿、このような事態で族長の身だというのに直接の会談を早々に開いてくれるとはありがたい」

「此度の危機を抜けられたのは其方の協力もあるのでこれではまだ一部しか返せません。村の方は周辺の村落より集まってきた同族も手伝ってくれて被害も比較的軽微で済みました。それとこの衣装のままだというのは少々不躾似すぎる。ん……」

 

 藍蘭は火災にあわずに済んだ大きな天幕の中に漂達を案内すると、そこで鎧付き長衣と口元を覆うマスクを外し素顔を見せるが、それは彼らを驚かせるには十分な代物だった。

 

「貴方は! 確か漂と紅華達の婚礼で出席していたあの…」

「憶えていてくれて嬉しいな河了貂殿。そう、あの時に出席していた部族代表の一人に出ていた身だ」

 

 藍蘭の素顔はこの時代の中華とは大きく人種が異なるが、微かながら二千二百年後の記憶を持つ漂の眼にはそれ故にオリエント風と表現できる美女だった。

 多様な色でバビロニアの楔形文字風の刺繍が縫われた機能的な男物衣装に包まれた女体は、女性ながら漂よりも拳一つ分以上は高い長駆であったが、均一に焼かれた褐色の肌は小麦色を思わせて服の上からも分かるスポーツモデル風肢体を覆って妖艶な色気も醸し出し、中性的且つ怜悧な美貌は猫科動物を思わせるエメラルド色の瞳と短く癖はあるが輝くような金髪と組み合わさって引き立てあっている。

 

「…な、何か毛並みちげえけどまたすげえ美じ…いでぇ!?」

(…………中華とは人種が全然違うのに…何故か思わず後退りしたくなる空気してる…ていうか紅華以上に背もでかいけどその分以上に育ってるというか…)

 

 その正体を把握した河了貂は思わず目付きが厳しくなり胸焼けしたような思いを抱きつつ、後からやって来て黄色い声を上げかけた信の脛を抓る。

 信が痛む脛を撫で始めると里甲が藍蘭の紹介を始めてきた。

 

「白漂将軍、こちらの方が月氏と林胡の混血大部族藍族の現族長である藍蘭殿です。そして、貴方の側室の一人として入る形で盟を結ぶご予定にあります」

「この若い女性がそのような大役を……………え、側室!?」

「正確にはまだこちらの希望という形もありまして、それに最終的な決定権はそちらにありますがね」

 

 だが、その紹介内容に漂は思わず目を見開かせ、それを見て藍蘭は少し口元を緩ませるもまだ話を深めようとはしない。

 

「藍蘭殿は今年で十九になる先代藍族族長の長女殿で、器量も良いので私が白漂将軍の元に来ないかと誘われたら、自分の目でもっと知ってから決めたいと言われましたのでこの視察に託けて彼女にも来てもらいました」

「(……う、前の記憶の隅に残るあの町で出た霊的次元に居を置く褐色美女みたいなこんな色気のあるお姉さんがまだ予定とは言え僕なんかの側室に…? しかも性格は大人の余裕をたっぷり感じさせるし…一つ年上なだけなのに…。まあこの時代の中華周辺の異民族は西方と草原の道を介して交流をしていたようだから…アラビア系やヨーロッパ系の血筋も若干無理はあるけど混じっている人がいてもおかしくないか…。だけど身長がおかしくない? 僕もこの時代の同年代の男性平均よりかは高くなってる方だと思うのに…それよりも拳一つ分くらい女性なのに高いって…あのキャラも170センチ越えしてたらしいけど、彼女は僕より一つ年上だからってこの時代の女性の平均を離れすぎ……)こっほん、藍蘭殿、恩義があるというのなら一つお頼みしたいことがあるのだが宜しいか?」

「何でしょうか?」

「この地域で最も大きいオアシスを正体を秘した上で案内して頂きたい」

 

 里甲の説明に漂は内心で微かな記憶に残る創作物キャラと絡めて揺れ動きつつも、それを直ぐに一息入れて抑えると真面目な顔で藍蘭に話を持ちかけた。

 

「……ほう、そういう事ですか」

「「………え…?」」

「………」

 

 その話に藍蘭は興味を浅からぬ生じさせた笑みを浮かべ、信と河了貂は拍子抜けした表情をし、里甲は声こそ発しなかったが深い笑みを口元に浮かべた。

 

 

 

 

 

 ○5日後 秦国北西部 砂漠地帯 某オアシス都市○

 

「……これが砂漠の中にある都市…秦の平均的な都市の規模とさして変わらない…」

 

 アラブ系やトルコ系など様々な人種の異民族が行き交う市場を、河了貂は三階建て建築の屋上にある酒場の展望席より驚いた顔で見下ろしていた。

 大通りの両側を犇めいて並ぶ屋台には中華の産物、周辺異民族の遊牧民の毛織物等の製品、または中華やその近隣地域では見られない野菜や果実など実に多彩な品が並び、秦の半両銭を始めとする七国の通貨や見た事もない人の顔が刻印された貨幣で取引されている。

 

「金髪に赤い髪…青い瞳に中には髪から素肌全てが真っ黒の男……本当に人間かと思える人ばかりだ」

「(あーー、国際交流や訪日観光客等で外国人を見るのがさして珍しくなかった前の故郷とは違って、この時代は各文明の距離が離れていて交通が難しかったから、河了貂には珍しく見えたんだろうなー……)貂、あまりキョロキョロしていると不審がられる―――」

「おい聞いたかよ、あの父無し子の女がこの街にお忍びで来てるらしいぜ」

「え、マジかよー」

「―――ん…?」

 

 初めて見る異色の光景に年相応の好奇心を出した河了貂を漂が窘めたその時、人を嘲る新しい声が酒場に響いた。

 

「…………………」

 

 その時、髪の色を染めて変えていた藍蘭の表情が乏しくなり、まるでその声を意識的に聞かないようにする色が生じるのを漂は見逃さなかった。

 

「なあ、蘭殿、街の中は十分に見て回らせてもらえた。次は周辺の村落とその施設を案内してもらいたい」

「……畏まった」

 

 そのため、漂が次の行き先を上げると藍蘭は流し目で彼に感謝の意を送った。

 

「……………何だか通り過ぎる時も見た事もない野菜や木ばかりだとは思っていたけどよ~。こうして間近から見るとどんな味なのかよくわかんねえものがたくさん育てられてんな~」

 

 農場に移ると信の眼には珍しい植物が、漂の眼には懐かしい野菜や果物の類がオアシス特有の集約化された農場を敷き詰め合っていた光景が広がっていた。

 

「……………………………」

「ん? この農場がどうかしたのか漂」

「……この地の農場、無駄というものがない…」

「…………え…?」

 

 細い農道を進む一行の中で河了貂は漂が周囲に広がる田園に真剣な眼差しを向けている事に気付く。

 続けて藍蘭が少し驚いた顔を浮かべて問いを発した。

 

「それでは漂殿、何が無駄でないのかお答えしえもらえませんか?」

「高山の雪解け水を利用して山の裾より引っ張られている水道と農園と水路は蒸発を防ぐべく地下を走るか溝を石版や日干し煉瓦で覆っていて、畑も雑多そうに見えて一部の隙もなく多種多様な作物が栽培されているようで、細かい線上に作物は分かれていて連作障害が起きないようにしている。他にも強すぎる日光から作物を守るため、実も食べられる椰子系植物を植えて影を作っている。他にも余分な草木は取り除くと家畜の餌にするなど無駄なものがない。何より、砂漠の中でこれだけの都市がそう新しいうちに生まれるはずがない。つまり長年このように土地を扱っても枯れさせる事がないだけの技術力があるという事だ」

「……短い案内で東方の緑地の者がそこまで見抜くとは…だがそこまで誇れる理由ではありませんよ。水源と肥えた土地が限られているから使えるものは徹底して使っているだけです」

 

 漂の細やかな推測は相当の割合で正解を当てていたらしく、藍蘭は静かに感心した表情で少し自嘲気味なジョークをかました。

 

「あーーー貧乏は知恵を絞るってやつかー…っいでぇ!?」

「だから何でお前はそうそう相手の気を逆撫ですることばかり素でやってのけるんだよ……」

 

 途中で信が悪意なしに喧嘩を売るように聞こえる発言をしたり、河了貂が引きつった顔でその脛を蹴りあげたりするが、概ね藍蘭のオアシス案内は順調に推移していった。

 

 

 

 

 

 ○秦国北西部 砂漠地帯 某オアシス都市 人造湖○

 

「……………昼間に見たけどすごい規模のダムだな。山の雪解け水を狭道でせき止めて作り上げたと言うけど…水車や風車もあるし…」

 

 藍蘭による白漂軍幹部向けへのオアシス案内が終わったその日の夜、漂は改めてオアシス都市の生活を支える近くの山の麓に設けられたダムの水辺に来ていた。

 

「鄭国が見れば研究したがる代物だな。寧ろ列国と比べて山や痩せた土地が多い秦にも導入した―――」

「ははは、ああした大国に師事したいと言われるなら技術者は冥利に尽きるね」

「―――藍蘭殿? どうしてここにー……いぃい!?」

 

 夜空で満面に輝く星空で照らし出される水面に映る好奇心を浮かべた自身の顔を見る漂であったが、背後から来た藍蘭に振り返るやいなや赤面した表情に切り替わる。

 現れた藍蘭の格好は、無駄な装飾や刺繍はないが上質の白い薄絹だけで構成された寝巻きとサンダルだけという格好で、その小麦色の肌に覆われたスポーツモデルのように引き締まりながらも女性としての凹凸が豊満且つ妖艶についた肢体を曝け出していたのだ。

 

「はっはっは、君でもそうした表情が出来るんだな。男というのはやはり色事絡みの事象が好きらしい」

「い、いや……藍蘭殿程の女性なら反応しないと可笑しい気がするけど……」

「そこまで言ってくれるとい嬉しいよ。ここは私の秘密のお気に入りの水浴び場所でね。貴方はここに偶々いただけだ」

「……そうか。嘘じゃないようだ…」

 

 相手より虚言が無いのを感じ取った二人は身を近づけて桟橋に腰を下ろし、足を水面に遊ばせながら雑談を始めた。

 

「あそこの風車と水車にそれらを繋げる水道の仕組みはすごいね。あれなら一度敷設すればわざわざ水汲みに行く手間が省けるし農業も大きく発展できる」

「ああ、あの風車や水車等の設計や細かい部分の作成は高山に住む杏族のものなんだ」

「このオアシスのとは別の部族のものなのか」

「特にその杏族の今の族長が戦だけでなく物作りにおいても天才的でね。私の知人なんだ」

 

 お互いが信を大分寄せ合っていることを感じた漂は彼女個人に話を切り込む事にした。

 

「酒場で嫌な話を耳にしたんだけど、あれは君の事かな?」

「…っ何故そう思うんだい?」

「一瞬だが君の表情に曇が生じたのを見たんだ」

「…会ってまだ数日のうちにそこまで見分けがつくようになるか、これならもう少し話を深めたほうが良さそうだな……」

 

 嫌悪感を抱かれる事を承知の上で身の上を尋ねる漂の言葉だが、彼の瞳に真剣な光が宿っているのを見た藍蘭は隠し事や疎外は害になると判断した。

 

「私の母は………元々藍族の人間ではなかった。父が他所の民族の小部族を征服した際に戦利品として連れ帰った族長の娘で、しかも征服直前に病死したとは言え夫もいた身だった。そして征服し連れ帰った母が十月と五日の後に生んだが私なんだ」

「遊牧民で古くからある略奪婚か……」

「中華でも春秋以前では異民族を中心に根強く残っていたと聞くぞ」

「まあ、そうだね……(そうか、遊牧民の女性は部族の血筋を残すためにより強い男の元に嫁ぐ。今の後世に当たるチンギス・ハンも母親が別の部族より父親とされるイェスゲイが略奪した女性で、彼女は攫われる前より既にチンギス・ハンを宿していたという説があるのを聞いたことがある……)」

 

 藍蘭は思案げな表情になった漂より顔を一時背けると、水面の映る自身の姿に自嘲の色を浮かべながら話を続けた。

 

「誤解がないように言うが父は実の娘として愛してくれていた。だが、一方で部族の将来を守るための人員としても見ていた。それだから割り切れない部分もあったんだ。父も私も……」

「血筋はどうあれ矛盾に悩みながら相手を考えようとしているのは家族たる人物でなければできないと思うよ」

「はは、そういう曖昧だけれど考える余地を残してくれる言い方はこの西域ではないよ。環境がこれだから皆が機会が有れば答えを急ぐ性分があるからね」

 

 話を続けつつも藍蘭は徐に帯を外して寝巻きを落とすと、静かにその身を水に浸し泳ぎ始めた。

 

「何ならここで泳がないかい? 冷たくて気持ち良いよー。一時でも欝になる記憶を薄れさせてくれるし、気持ちも解れて互いに普段聞けない事も聞けるかもしれないよ?」

「…………………文字通り裸の付き合いと言うものだね……まあ良いか…」

 

 星の光に薄らと照らし出される水滴る褐色の美女の誘いに、漂は赤面し少し苦笑げにしつつも水面に誘われていく。

 

「…………あ…」

 

 今度は逆に漂の理想的な数値が取れた筋骨に藍蘭が見惚れ、その真横に漂は勢いよくダイブした。

 

「うわっぷ……人の間近で飛び込むのは少々無作法だぞ」

「君もそんな拗ねた可愛い顔を見せられるんだね」

「減らず口を……まあ、続きは泳ぎながらしようか…」

 

 そのまま二人は初めこそ文句を叩きあったが、ゆったりと水面を彷徨う葉のように泳ぎまわりだした。

 

「ここは子供の頃から幼馴染との憩いの場所だったんだ。その頃からよく裸で泳いで回っていたよ。おかげでばれた時には飲み水にも使うから汚すなと怒られたよ」

「童心も忘れない擦れにくい気持ちを持ってるね。待てよ……幼馴染って……?」

「ああ、死んだよ………雁門の後の撤退戦で…2年間だけだが夫だった……」

「時々、懐かしそうな眼差しを向けてきていたのはそれのためか…」

「嘘をつけないね。やっぱり昔の男と重ねて見られるのは…それも使われた女に向けられるのは嫌なのか―――?」

 

 話が深まりだした途中より藍蘭は静寂としつつ深い悲しみを帯びた瞳で星空を見上げるが、漂は水中に身を沈め彼女の背後へ水中より近づきだした。

 

「………綺麗だよ」

「―――え……?」

 

 そして、藍蘭の顔の真横に顔を浮上させると、そのまま二の上で彼女の胸部を抱きしめて自身の顔をその染み一つない褐色の首元に預けて囁いた。

 

「苦海に身を投じ続けても……この芯を曲げない生き方を貫く美しさが浮き出た輝きは誰にも否定できない。それを口にしたとしてもそんなのは只の僻みからくるものだ」

「……………言っとくけど、未亡人で幼少から男兄弟がいないせいで戦場や隊商に身を投じ続けて女らしい事は殆ど出来ない身だよ?」

「出来ないことは出来る身近な人に頼れば良い。今の僕に必要なのはこの地域の今を勝ち取り未来へ続く道を共に支えてくれながら歩いてくれる仲間なんだから。それに…………まだ恋愛事は初心を少し越したばかりの身で言うのもなんだけど……、自身の好きな部分しか見ないのは豎子の夢想だ。絵画を見るにおいてその表面だけではなく、それを書き上げるために使用された道具や部屋に書き手と整合し合うのが本当の恋愛だと思うよ」

「…………貴方という人は…一つだけとは言え私よりも年少のくせして言うじゃないか」

 

 漂の突然の行動は藍蘭の顔つきを少し強ばらせて鼓動を早めさせる切っ掛けになったが、続けて掛けられた言葉は彼女にとって鼓動を更に早めつつも表情を和らいだものにするには十分だった。

 

「そこまで言うのなら男として女に自身の技量が安心できる事を色々と見せて貰いたいな。幸いにも貴方の竿ももう既に元気になってこの状況は私的な男女の相性を確かめるには遜色ないものだし…」

「里甲から話は聞いていたけど遊牧の民は夜になると大胆だね…。けれどまだ会って数日しか経っていない男性に身を預けるのに不安は感じないのかい?」

「相性が良いなら側室入りの前払い。悪くても旅の恥は掻き捨てと言うだろう。何ならそちらの私が持ってきていたガラス瓶入りの葡萄酒で酔いの夢という事にすればいい……」

「準備が良いね。もしかして初めからこうなる事も予測の範囲に入れてた?」

「女の勘というものだよ。それとも………中古は嫌かな?」

「藍蘭程の女性ならそういうのも一種の魅力に変わると思うけど?」

「嬉しい事を言うじゃないか。それじゃ今回のは救援や愚痴を聞いてくれたことへのお礼もあるから……まずはそこの桟橋に腰掛けてくれるかい?」

 

 そして、互いの体温が冷水に浸かっているにも関わらず徐々に熱を強め出している事に気付くと、漂は桟橋に上がって腰掛け、藍蘭はその両足の合間に割って入って水で濡れた漂の男根を優しくて手に取った。

 

「すごいなぁ、私の亡くなった夫より5歳近くは歳下なのに…ここは優にご立派じゃないか❤️」

「…うっく…、ただ握られているだけなのにスベスベとした感触が気持ちいいね…」

「もしかして女の子に責められるのは初めてかな?」

「正室の紅華はいるけど…まだ互いに日が浅いから繋がり以外はこんな本格的なものには…あ、ごめん…少し不躾だったね……」

「ふふふ、これ程の男を巡って競い合えるなら女としても冥利につきるよ。それに言い方からして…口や舌に胸を用いての愛撫は私が君の初体験相手になるということだね」

「え、それって―――!?」

 

 少し頬に薄らとした朱色を生じさせつつも慣れた動作で自身の男根を扱う藍蘭に漂は今になって羞恥を強めるが、それは彼女が誇る豊満且つ美麗に整った褐色の萃香を漂わす双乳で男根を力強くも優しく包み込まれた事で思考諸共止まってしまう。

 

「(―――パ、パイズリ!? 紀元前の房中術には既にこれまで存在していたのか!? というかこの感触は膣とはちが)あぁ…あっ!」

 

 漂は内心でひどく混乱し何をどうすればいいか分からず硬直しかけるが、そこから藍蘭は双乳で男根を穏やかに刷り上げ始めて現実に引き戻した。

 

「はっはっは、女の子みたいな悲鳴を上げるとは戦場の凛とした様子やこの肉槍の猛々しさだけじゃなく可愛い所もあるじゃないか❤️」

「ちょ…藍蘭、乳の上から僕の竿を指圧して何を…うぉっ!?」

 

 自身を襲う未知なる性感に背を仰け反らせつつもその攻勢の正体に気づいた漂の男根に、藍蘭は今度はその巨乳からも出ている亀頭に朱色の舌を蛇の様に絡め始めた。

 まずは舌先で尿道口辺りを穿り返すように始まり、次にカリ首に沿って舌を長く伸ばし一周すると味わうように躍動させだした。

 

「…し…いぃたが長いん…だね…! まるで……蛇のよう…うおぅ!?」

「…れろ…ちゅ…ぷ……むうぅ……凄いなぁ❤️ 前の旦那と貴方の二人しか知らないのもあるだろうが……、私の胸に包まれて亀頭のみならず竿もここまで突き出しているのは初めてだ❤️」

「あの……藍蘭、まだ未熟な身で言うのもなんだけど………僕からも君を感じさせたい……」

「うむ……君の技量もどれだけあって…今後どうなるかも見ておきたいね…ちゅ❤️」

 

 藍蘭は軽く漂の男根を己の舌と胸で少し扱いてその反応を楽しむと、最後に一つ亀頭の先に接吻をして桟橋に上がり漂の身をその上へゆっくりと寝かしつけた。

 そして、藍蘭は男根に顔を寄せて俗に漂の前世の時代で言うシックスナインの姿勢を取った。

 

「……すごい、まるでハイビスカスのようだ…」

 

 当然のごとく漂の眼前に藍蘭の秘所が突き出されるが、彼女のそれは紅華のまだ色事に染まりきってない事からくる淡い薄桃色ではなく、若さ特有の張りを保ちつつも妖艶に蜂を誘う赤花を思わせていた。

 

「見惚れてくれるのは嬉しいが、もう既に最初の準備は整っていて且つ男の技を欲している状態だから貴方も動いてくれ♪」

「あ、ごめん…じゃあ早速……」

 

 藍蘭が少し物寂しそうな顔を向けつつ尻を軽く振ると彼女のクレバスより浴場を示す蜜が一雫垂れて漂の鼻先に落ち、彼は顔を上げ指と舌をその彼女の秘肉へと触れさせた。

 

「……………ん…く…つぅ………………………ふぅぅ❤️ 初心者ではないし何より女体に対しても洞察力が高い動きを感じさせる…。けれど……やはり経験の差は拭いがたいね……ちゅ♪」

「…うっく…!?」

 

 漂の舌は藍蘭の女陰の入口を少し越したところで器用に曲がり、無数に蠢く襞肉をやんわりと舐め解しつつ徐々に性感が強い奥へ奥へと進ませていく動きを見せた。

 藍蘭も口元に笑みを浮かべて心地よさそうにしているが余裕綽々という体で、彼女はいきり立ったままである漂の男根を再びその豊満な胸で挟み込んだ。

 

「……ふふ…ちゅるる…はむぅ……❤️ 大きくても反応が可愛らしいね…♪ これは仕込みがいがありそうだ…はっぷ……❤️」

 

 既に汗でしっとりと濡れていた巨乳は漂の男根の表面を滑らかに擦りつつも肉同士の接着力で引っ張ったりしており、上下されるたびに男根を震わせて角度を深めさせていく。

 更に、口より唾液をたっぷりと垂らして胸の滑りをより高めつつ、それを滴らせる舌を長く伸ばしまるで蛇のような動きで漂の亀頭から纏わり付き舐め回しだした。

 

「………う…くぅぅぅぅ……! これが…経験の力か……ふぅぅぅあっ!?」

「うっぷぷぷ…ぷはぁ……❤️ 新婚ホヤホヤの若人にしては良い線を行くが……やはり拙いね…まあ、先にイっても受け止めてあげるよ…♪」

「……う…ぐ…ぬぅぅぅっいぃ…! なん……と…か……ここから挽回できる方策は…………!?」

 

 玄人といってもいい胸と口の動きに漂の男根は脳髄に快楽を伝え続けて一瞬でも早い射精許可を下ろそうとするが、藍蘭の余裕綽々とした態度に男としての矜持を刺激された漂は掠れがちな思考でどうにか逆転の機を見つけようとして彼女のある箇所に目が止まった。

 

(……そう言えば、僕が前にいた時代とは比べ物にならないほどにこうした情事で子作りが求められてたこの時代の人々は、ここへの刺激にはなれているのかな……?)

 

 藍蘭の蜜を溢れさせる膣口の真上にある肛門に意識が向いた漂は、そこを自身の唾と彼女の膣液で濡れさせた指先で軽く撫で上げた。

 

「―――っ❣❓」

 すると、情欲で頬を朱に染めつつも目元は余裕がにじみ出ていた藍蘭の顔つきが驚いた風に硬直し、背は少し海老反りとなって肛門は慌てたように穴を収縮させ始めた。

 

「やっぱり慣れていない……ならば………!」

「…あ…あぁ……!? ち…ちょっと待ってくれ白漂殿! そこは―――!?」

 

 本来、生殖とは関係ない菊門への奇襲に藍蘭は初めて生娘のように慌てた顔を向けるが、それが制止になりきる前に漂は濡らした指先で肛門の周囲を撫で上げたり門に浅く吸い付かれる程度に指を差し込み始めた。

 

「―――あぁ…! く…(…そ、そんな関係のない所から責めてくるなんて聞いてない…こっちも早めに…)つ…ちゅぅぅぅぅぅ…❣」

 

 思いもよらぬ箇所からの奇襲に藍蘭は面食らったが、どうにか集中力を取り戻し口を大きく開いて漂の亀頭を思いっきり口内に含ませた。

 

「…づぅ!? これは……あい…歯が……!」

 

 飲み込まれた漂の亀頭は藍蘭の白く綺麗に並んだ歯でしっかりとホールドされてしまうが、痛みを与える触れ方や圧力ではなく、寧ろ歯の凹凸を利用しカリ首を器用に穿り返しつつ敏感な箇所に軽く歯を立て始めた。

 そこで、舌が蛇の様に亀頭と徐々に飲み込まれていく竿により深く纏わりついて揉みほぐし血管沿いを器用に舐めあげまでしていく。

 

「……う…ぐぅぅぅ…ぁあ! あ…ぃ…蘭…! そこまで激しくされると…もうぅ……!」

「ぢゅううううううう…む…こっぷぅ……❣ ひ…ひみぞ…! 私が…しゅべて………受け止めてあ―――❣❓」

 

 どうにか最初の内は意表を突けられた漂であったが、小刻みに震え出しつつもそれ以上になりそうには見えない藍蘭の手馴れた口淫に遂に限界を迎えさせられてしまう。

 

「…うぅっ! ぐ…ぢゅ…ううぅぅぅぅ…………!? ぐっぷ…!」

 

 漂の尿道口より吹き出た白濁は藍蘭の喉の奥を口が狭まったホースから出た水のように叩き、彼女を噎せかけさせた。

 

「―――(…なんて勢い…! それに…まるで出来立ての柔らかいチーズのようにネットリとしていて…熱い…! ああ……もう口の中が満たされて……)ぁぁ…ぐ…ぷ…ぢゅううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ❣ う………ぷごっぱ…❣❓」

 

 藍蘭は経験したことのない精の奔流に喉を最大限に躍動させ飲み干そうとするが、後一歩という所で遂に耐え切れず咽せてひと雫をその唇の端より漏らしてしまう。

 藍蘭の唇より漏れ出た白い雫は月の光に照らされながら漂の男根を伝っていき、彼女の谷間へと溜まり小さな水溜りを作った。

 

「……う………くぅ…はぁ……! す……ごい……比べることは…出来ないけど……女の子の胎内とは異質な………?」

 

 腰から一気に精気が抜き取られていく感覚に、漂は意識が少し朦朧としつつも上体を起こすが、そこで彼が目にしたものは自身の男根より少し舌を離し淫靡な白い縄を垂らして繋げ、薄らと朦朧とした瞳を浮かべている藍蘭の姿だった。

 

「………………藍蘭、そういう表情も出来るんだ……(う…また腰に血流が……)」

「………………っ!?」

 

 先程まで見せていた余裕を感じさせるクールで飄々とした雰囲気からは想像しづらい蕩け顔の藍蘭に、漂は新鮮なものを見たという顔を浮かべた。

 それに気付いた藍蘭は少し驚いた顔を向けるが、数秒して苦笑いを浮かべると指先で自身の谷間を掬いそのまま漂の口へと運ばせた。

 

「……っぺ!? うっぷ………ちょ! 藍蘭どういうつもり!?」

「はっはっは、男なら自身の味くらい把握しておかねば自身の状態を知ったとは言えないだろう。それにしても本当にコクが有る子種汁だったよ。ん…………❤️」

 

 その動作で自身の味覚に藍蘭の唾液と混ざり合った精液を知覚させられた漂は経験したことのない苦味と行動に困惑するが、藍蘭は再び余裕を取り戻したという表情で彼と少し距離をとった。

 藍蘭は近くの水辺に聳え立つ椰子の樹皮に胸と両腕を預けると、その蜜が滴る花弁を添えた尻を漂に向けてゆっくりと突き出してきた。

 

「その証拠に私の女陰はもうこんなにも濡れてしまった。さあ、君の猛々しい雄花と私の濡れ切った雌花を交わらせてより深く体を知り合おうじゃないか♪」

 

 その美麗な小麦色一色に染まる綺麗な臀部を妖しげに揺らしながら、自身の罠へと誘う牝蜘蛛のように妖艶な微笑を向ける藍蘭に誘われて、漂は彼女の尻肉に指先をしっかと触れ合わせてその断続的に震える穂先を愛液を滴らせる女陰にそっと触れ合わせた。

 

「(……新しい女性との最初の逢瀬で…最初の後背位か…まあ、現実は小説より奇なりとは言うけど…)それじゃあ…………っ!」

「っ❣ く……ふぅぅぅあ❣」

 

 そして、亀頭の敏感な箇所より浸透してくる膣液の甘美な味わいに漂は自然と腰が前に動き、その猛々しい竿を一気に藍蘭の膣奥まで挿し込んだ。

 

「………うっ…~~~~~~~~~~~~~~~~~っ❣ はぁ………はは、ここまで積極的とは…経験薄い男とはこういう時は待ち望んでおきながらいざなると腰砕けになると老人たちより聞いたのに…、貴方のはまだ余裕があるのにもう子を育てる部屋の入口にまで達してきているよ…あぁ❣」

「……………そういう藍蘭こそ…僕と一つしか違わないのに……男に慣れた絡み方をしてく…るよぉ!」

 

 漂が子宮口手前まで突き込んで止まるとまず感じた肉襞の感触は、まるでミミズの群れで出来たような大蛇にじっくりと巻き付かれているような性感であった。

 襞の細かさと刺激の深さでは磯巾着というべき膣肉を持つ紅華が優っているが、藍蘭のは襞の細かさでは若干劣るものの平均女性のそれよりかは上であり、全体がまるで得物を締め上げて飲み干さんとする大蛇のように一体感のある動きを見せて、漂の男根に不規則的且つ適切な快楽を与えていく。

 

「ふふふ、竿師としての才能もあるようだが……まだ初心者ならそれ相応に素直によがってくれる方が嬉しいな…❤️」

「…お、男として女性に喜ばされてばかりなんて格好がつかないだ…あぁ!?」

 

 その動きにあまり激しい動きをせずに慣れていこうとする漂に藍蘭は微笑ましげな様子で振り向いてくるが、その彼女の穏やかな表情とは裏腹に膣肉は更なる動きを見せ始めてきた。

 それまで大蛇のように締め付けてくるようだった膣肉が、今度は巨大な手になったように漂の男根を強くだが痛くない絶妙な加減で締め付け出し、その動きで男根を胎内で漂の腰の動きとは別に前後左右上下に激しく揉みつつ運動させだした。

 

「…う…ぐ…うぅぅぅぅぅぅ……! ま…ずい…まだ本気じゃないけ…搾り出しにかかって来て…何かぁ策は―――!?」

 

 藍蘭の強襲に漂はどうにか腰を止めようとするが、姿勢を安定させるためにも両手は彼女の綺麗な尻に掴ませるしかなく、最後に男の意地(と快楽に対する引き上げられ続ける渇望)で抜く事も出来ず彼女の思うがままにされるしか無かったが、活発な運動を見せる彼女の尻を見遣った時に密着時では見づらかったその菊門が再び視界に明かされる。

 

(―――こ、これ以外に策はない!)

「ふふふ、あと持って少しというところかな―――!?」

 

 藍蘭は可愛い童を見るような温かい眼差しを向けかけるが、漂の指が再び自身の菊門に触れ当てられると思わず体が一瞬硬直し背を仰け反らせた。

 

「―――んぁああ❣❓ ちょ…そ……そこをされるとぉ…おぅぅぅああ❣」

「…ぐ、やっぱりここは弱いんだよね―――!?」

 

 漂は年相応の少女らしくよがり出す藍蘭に幾分か溜飲を下げようとするが、次の瞬間に亀頭が何かに吸いつかれて奥へとすごい力で引っ張り寄せられる感覚に襲われた。

 更に、先程まで激しい動きを見せながらも一定の間隔で小休止を細かく入れていた襞肉が、今度は漂の男根全体に満遍なく締め付けられてミミズの如き柔肉が猛烈な勢いで揉みだしてきた。

 

「―――ま、まずい! 膣肉と腸内は感覚が繋がってると聞くけ…あぁぁぁぁ!!」

 

 渾身の策が相手にも制御が出来ていない反撃を齎した事に漂は体を喜ばせられつつも後悔に駆られるが、時既に遅く漂の睾丸は決壊し精液は濁流と化して藍蘭の膣奥に叩きつけられた。

 

「……う…あああああああああああああああああ❣ あ…つい…の…が❣ こんなにも……出てるうぅぅぅぅ❣❣」

 

 漂の射精に遅れて藍蘭が歯を噛み締めて耐えようとするも一瞬で崩壊し、背を仰け反らせ全身を大きく震わせだすと膣肉も大きく蠢いて生じた隙間より白濁を調子の悪い水鉄砲のように所々へ吐き散らした。

 

「…………………う…ふぅぅぅぅぅぅぅ……、や…ぱり……生噛りの兵法は頼らないほうが良かったかな……」

 

 数十秒ほど立ち、吐精も落ち着いて力を幾分か失った男根が小刻みに痙攣し出すと、漂は力なく上体を藍蘭の背へと投げ出し自然と両者の顔が近づきあった。

 覆い被さられた藍蘭は未だに絶頂の余韻で今にも椰子からずり落ちそうな身を、残された握力を最大限に込め続けて押しとどめて息を何とか落ち着かせると、自身と体が密着し合わせる漂の存在に気づく。

 大きく疲労した顔で今にも瞼がとじそうな漂の顔を可愛く感じた藍蘭は、その長い舌を伸ばして彼の頬を一つ舐めた。

 

「……………ふあ、藍…………ら…ん……?」

「………全く、まだ色事を十分に学んでいない若人が此処まで食い下がってくるとは…けれどおかげでこれからの生活は外でも内でも退屈しなさそうに済みそうだよ♪」

「……………………え…それはつまり…あ……」

 

 漂が射精がもたらす解放感より意識が戻り眼を藍蘭と合わせると、再び彼女の胎内がゆっくりとだが蠢きだした。

 今度の動きは今までの精を男に吐き出させようとするものではなく、母親が優しく幼子を初めて立たせるように、疲れた男根を癒し血流を戻させるような種類のものだった。

 十秒ほど立つと漂の男根は膨張を取り戻し、藍蘭の膣肉との隙間を最大限になくして再び脳から再起動の号令が掛かるのを今か今かと待ち望む状態になる。

 

「……一年差とはいえ若いんだから、もっと出来るよね?」

「……お手柔らかにご教授お願いします…」

「ははは、その分の授業料はこれからきっちり取り立てさせてもらうよ……んん❣」

 

 こうして、楽しげな藍蘭と微妙にバツが悪そうな顔の漂の間で愛欲の語り合いが再開した。

 尚、翌日の早朝に待ちきれなくなって追ってきた紅華が信より話を聞いて、この人造湖にたどり着いてそこで汗だくとした裸体を晒しつつ眠りから覚めた漂と藍蘭の姿を発見し、珍しく冷や汗を流しだした漂及び楽しげな玩具を見つけた子供のような笑みを浮かべる藍蘭を相手に、少々修羅場となったのだがそれはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 

キャラクター設定②

藍蘭

容貌/ティア・ハリベル(BLEACH)

年齢/19歳(始皇3年(紀元前244年)時点)

出身/趙国北方隣接林胡領域内

身長/186センチ

体重/78キロ

3サイズ/B97W64H97

得物/弓矢 羅漢銭風投擲兵器

趣味/乗馬 銭感勘定

 本編で白漂の側室の一人となった子で、この作品内では側室一号。

 背丈は漂よりも拳一つ分前後くらいは高い。

 幼少より多くの人種や文化と接してきた女性で、そのため洞察力は高かったので漂の人格と器量を見抜いて、その地位に対する打算も込みだが彼にもそれは承知の上で縁を結んだ。

 現代では中東系もしくはラテン系美女という風に収まるが、この時代の中華では見るものが見れば妖艶という言い方も出来ないが一般的な美の基準から離れているため、醜くも無いが美しくも無い微妙線…という感じ。

 この時点では主に近距離乱戦での正確な連射攻撃を得意分野としており、またこの時代の女性にしては珍しく算術や商業にも詳しい存在。




本編でも一部喋ったりしていた以外はあまり描写がない子でしたので、思い切ってオリエント系褐色未亡人みたいな子に設定しました。まあ、この時代の中華は割りと現在の漢民族の先祖以外の異民族が内陸深くにまで混住していたようですし、近年の研究ではシルクロードに早期から進出していたのは白人だったらしいのでこういうのでもありだろうと思いました。
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