今回から、晏嬰氏も続投を断念した著雍編より後の章の話となりますが、それに同氏作品で生じた原作からの変化も交えてあの戦が大幅に早まって変化も生じます。
それと、今回は原作以上に成長しているあの子のこういった強かな面も成長しているんじゃないかという想定も盛り込んでいます。
○秦始皇8年(紀元前239年) 景城防衛戦三日目朝 秦国東部 対魏国境付近 景城○
「…んーーーーーーー…」
「どうしたの信? そんな産気づいたのになかなかその続きが来なくてイラついてる犬のようなうなり声をあげて…」
近づきつつある魏軍に備えての準備を着々と備えている秦の景城防衛軍野営地の一角で、信が奇妙に顔を顰めさせてステラに怪訝な表情をさせていた。
「…いやなー、それがよー昨日の館へ帰るときにまた慰撫と視察のためにここ来るっていう翡翠が約束の時間を越してもまだ来てねーんだよ」
「あ、坊主ーあの話まだ聞いてねーのかその面―」
「ん?」
長椅子に座りながら愚痴っている信を見て、攻防戦一日目にて翡翠を城主の一族とは知らずに連れ去ろうとして信に影からの投石で阻止されていた縮れ毛の秦軍将校が声をかけてきた。
「どうやら今回は魏軍と面合わせはするだろうけど実際に殺り合いまではせずに済みそーだって話だ」
「は? 何で?」
「今現在近づいてきてる魏軍の大将がよー、兵を退かせる代わりに翡翠様を嫁として引き渡せと要求をつけてなー。景城側も戦にならずに済むのならってその条件飲む方向で話進んでるんだよ」
「はあ!? 何でそうなってんだ!? つーかそんなふざけた条件で話進めてるのはどいつだ!?」
秦側将校の口から出た只ならぬ内容に信は長椅子より跳ね上がって彼ににじり寄って語気を強める。
「こ、今回の魏軍を率いてる蛾牛という男と今この城の実権を握ってる氷雷って奴が合意して話を進めてんだ」
年下だが積んできた軍歴と覇気の違いを感じさせる信に、将校は仰け反りながらも言葉を進めてそれが彼の記憶の琴線に触れた。
「確かそれって陳城の蛾牛か!?」
「し、知ってんのか!?」
「この辺りでは負け知らずだがそのほとんどが交渉などを装った騙し討ちで成り上がった功績なもんで魏王都まで自国の対面と信頼に関わるという理由で昇進と称してここまで飛ばされたもののそんなことにも気づかないまま同じこと繰り返してあちこちの女を強奪しまくってるていう脳味噌半分腐敗して四六時中発情期の鈍牛みてえな奴の!!」
「そ、そう! その蛾牛だ蛾牛!!」
「あんたなんか罵る系の言葉は難しい単語色々知ってそうだなー」
「つーか氷雷って確か翡翠の家の家臣だろ! 何でそんな条件で話進めてんだよ!?」
「あ、後から来た氷一族は財力に物言わせて大人がいない翡家の弱みに付け込んで景城の実権を握ったんだが、城内の人望では昔から城を治めてた翡家の翡翠様が圧倒的に勝ってるからまた実権が向こうに戻るんじゃないかと不安なんだ。それで蛾牛が出してきた提案は良い厄介払いなんだよ…」
「…………………………………」
その信が剣幕にものを言わせて押しまくる話を、隣の天幕で机仕事に取り掛かっていた玲花は静かに聞いていた。
○秦始皇8年(紀元前239年) 景城防衛戦五日目朝 秦国東部 対魏国境線 論平野○
「「「「「……………………」」」」」
秦軍陣幕での信が声を荒げていた日より二日後、秦軍と魏軍は合戦が予定されていた国境線のその地で講和のために武器を置いたように見えている状態で対峙していた。
「…くくくくくくくく………やれ!!」
そして、魏軍を率いる肥満気味の巨体と狡賢さそうな面貌が特徴の魏軍将軍の蛾牛は翡翠を乗せた馬車が自軍の到着したのと同時に命令を発した。
「…え!?」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」
それに翡翠が嫌な予感を覚えて背後を振り返った瞬間、魏軍の最前列が一斉に屈んで、次列が隠し持っていた弓を取り出し矢を番えて即座に得物を手にしていないように見える秦軍目掛けて一斉に矢を放った。
「な!? ここれは―――」
《big》「来たぞー! 直ちに盾を構えろー!!」
「「「「「わ、わあああああああああ!!」」」」」
「―――あれ…!?」
氷雷はその突然生じた矢の雨に驚愕し顔面蒼白となるが、隣にいた秦軍将軍は別に慌てる様子を見せずに地面から盾を掘り起こして構え、一瞬遅れで周囲の将兵も若干混乱しつつも同様にして盾を構えて矢の雨を防いだ。
「な!? し、秦の連中も武器を隠していたのか!?」
「突撃―! 講和の場を汚した姑息な魏軍を許すなー!」
「「「「「ウオオオオオオオオオ!!」」」」」
それに驚愕し狼狽しだした蛾牛の前で、加えて真横の茂みに伏せていた秦の騎馬隊が横腹から魏軍を突き崩してきた。
「しゃあああああ! テメエら行くぞぉぉぉぉ!!」
先陣を行くのは信で魏軍は彼が振るう矛で只でさえ不意の反撃と横陣弱点への急襲で端から瞬く間に崩されていく。
「が、蛾牛様ぁ駄目です! 完全に流れが向こうに傾きました! しかも横腹から迫ってきているのはあの白漂軍の信です!」
「報告ー! さらに前面の薄くなった箇所よりその副長玲花が突破して同じくここ本陣に迫ってきています」
「な、何い!? こんな容易く…く、くそ!
「………え…!?」
瞬く間に悪化していく戦況に狼狽を強める蛾牛達であったが、その内容に翡翠は思わず戦を忘れてその原因で自分目掛けて近づいてくる二人を見やる。
(…二人が…孤児と…奴婢……!?)
その昨晩に諦観に近い覚悟と嫁入り道具を目にしていた時に突然忍び込んできた二人の、初めて耳にした生まれ育ちに翡翠は身が震え始めていく。
(…二人とも……あなた達は…私よりも遥かに苦海にいた身からここまで来た…それなのに私は…昨晩に訪ねてきた貴方達の問いと叱咤を…怒りに駆られて突き放して…それでもなお…私を…)
諦観とその怒りで突き放した自分を見捨てなかった二人の雄姿に、翡翠は自分に対する情けなさと謝恩の情で顔を伏せて涙を抑えきれなくなっていく。
「え、ええい! こうなったら逃げるぞぉ! 翡翠も連れていく…ぶびゃああ!?」
勝機が完全に消滅したのを覚えた蛾牛は兵の大半を見捨てて逃げようとするも、そこで矢の雨が降り注いできてその肥満体に何本も突き刺さり落馬してしまう。
「…はーい、まーだ落とし前は取り立ててないから待ちなさーい♪」
河了貂の策で夜中に魏軍の退路を断つべく、彼らの背後に位置している茂みに待機していたステラとその弓隊は矢の雨を降らせてきたのだ。
蛾牛がその事態にわけもわからず矢の痛みで地面をのたうち回っている所へ、敵陣を駆け抜けた信が矛を振りかぶって近づいてくる。
「しゃーーーーーーー!!」
「ぽびゃーーーーーーー!!?」
そして、得意の騙し討ちを封じ込められて矢傷でのた打ち回っていた蛾牛は信の矛の一閃であっけなく死んだ。
「く、くそおお! こうなったら翡翠だけでも殺せぇ!」
「おおってぶぅ!?」
自棄を起こした魏兵が翡翠を殺そうと仕掛けるも、そこで玲花が信に続いて駆けつけてきてそのナイフ付きブーツを彼らを踏み刺して倒しながら横入りしてきた。
「駄目! 間に合わな―――」
「!!」
「―――い…!?」
だが、まだ仕留めきれない魏兵の槍が何本か翡翠目掛けて投げ槍されようとしたところで、翡翠は花嫁衣裳のままその合間を飛びぬけて玲花の胸に飛び込んだ。
「……は…? な、何だあれ…ぐふ…」
そのまま二人が地面に転げ回った姿が、魏軍の矢で針鼠状態となっていた氷雷のこの世で最後に見た光景であった。
「あ、氷一族最後の男が死んだ」
「…お主、まだ若い身でよくこんな黒い策を思いつくな…」
その近くの前線で指揮を執っていた河了貂は気づくも何気ない言葉しか吐かず、それを今回の秦軍総指揮官は微妙にひきつった顔を浮かべていた。
ちなみに氷雷は河了貂と今回の秦軍指揮官の調査で魏国と秘密取引をしていた事が秘かに気づかれており、蛾牛の騙し討ち情報は伏せられていたので手柄欲しさで同行していた関係者諸共表向き騙された被害者という形で矢の雨で処刑されたのであった。
○秦始皇8年(紀元前239年) 景城防衛戦七日目夜 秦国東北部 某都市 白漂軍宿営地○
「…ほー、信たちが景城での戦いを実質一日で終わらせたか…予定通り黒羊で合流できるな」
機動力故に東北部の南端部に差し掛かった白漂軍はそれなりに規模の大きい都市で宿営しており、その一角にある山中の温泉付き楼閣にて白漂は昼間の国境付近での掃討戦の疲労を癒していた。
「…この地域で一番大きくなるだろう戦闘の主力を信さんに任せると言った時は驚きましたけど…見た感じ以上に成長してたんですね…貴方はこの事を見抜いていたのですか?」
「(まー著雍攻略戦直後の夢で思い出した記憶で…少年ジャンプ出張読み切りの内容を思い出したからね…原作よりかは数年遅れだったけど)信もそうだけど周りも連携込みで成長しているからね…。君たちもそうだしね…」
「あら、それって身のことも含めてかしら❓」
共に湯船に浸かっている王京の言葉に白漂は彼女の戦場での成長も含めて言葉を返すが、そこで王京とは白漂を挟んで反対側に浸かっている紅華が母になって良き形を保ちつつも質量をより増している双乳をその濃密な胸板にムニュリと押し付けてきた。
「…もう色事入りたてのあの初心な反応が懐かしくなったね…もうこれを目にしてもそれを覆うどころかすぐ切り込むようになってきたし…」
元々屹立しだしていた白漂の肉竿であったが、胸板に感じた女の柔肌に応じるようにキノコを思わせる肉の穂先が水面よりちゃぷんと顔を見せたところで、妖艶な笑みの紅華とやや羞恥が残りつつも愛しげなものを見る表情の王京が互いの豊かなる双乳でムニュンと包み込んできた。
「…ふふふ❤️ 戦の疲れが抜けきっていなくてもやはり殿方のここはいつも元気ですね…ちゅるり❤️」
「ふふふ❤️ これだと薬を使ってても4人目が生まれるのもそう遠くないかもね…はむ……❤️」
自分たちの柔肌にさらなる充血を見せる雄の象徴に二人は恍惚を顔に浮かばせ、白肉の谷間よりさらにメキメキと膨張を強めた男根の亀頭に紅華はしゃぶり付いて王京は裏筋に舌を這わせる。
「…ん、これは………っ…!」
自身の最も敏感な個所を襲う美女二人の肉の感覚に、白漂は能動的な行動は邪魔になると無意識に判断してゆったりと身を預け、男根への自制も抜き去る。
「…ちゅうううううう…くちゅうぅう…すごい❤️ 前よりもキノコみたいに膨らみが増して…ちゅるり♪」
亀頭に唇を被せている紅華はその朱色の花びらでカリ首を舌で嬲るようになぞりながら、舌で亀頭を舐め揉んで鈴口も舌先で広げて先走り汁を吸い上げ続ける。
「ちゅるるるるっる…ああ❤️ 舌でも貴方の脈動を強く感じられて…❤️」
一方の王京も朱色の蛇の如き舌を乳責めされても姿を覗かせ続ける男根の竿に這わせ続け、快楽神経の密度が高い裏筋を舐めてビクビクという震えを増させ、それを味覚で感じて潤いを増した瞳で収縮を微細に繰り返す無数の血管の証たる青筋を捉えて舐め続ける。
「…………本当に…房事においても……成長の幅が知れない子たちだ…っ!!」
戦中のために溜まりこんでいた男の火照りが燻る肢体は快楽への抵抗力を失っており、白漂がよりそれが強まるように彼女らの頭を撫でて誘導していたその最中、腰が一際強く振るえたと同時に本日最初の雄の奔流が生じた。
「むぐ…ぐ…っ~~~~~~~~…ぷは❣❓」
「ああ❣❓」
それを事前に察知して亀頭を飲み込んで全て飲み干そうとした紅華だがその爆ぜるような勢いと量に堪えきれず途中で唇を外し、残りの白き飛沫が飛び掛かって王京を驚かせた。
「……ふう、これで落ち着いた………とはならないよね…」
自身の精管から血肉を変えたような快楽の噴火も十秒以上後に収まり、極みで朦朧としていた視界も戻ると白漂はまだ顔についた子種汁でほうッと恍惚の表情を続けていた王京と、もう意識が戻って自身に対面座位でまたがって隆々としたままの男根を掴んで自身の女陰を被せようとしている紅華に気付く。
紅華はクチュリと男根を女陰に触れさせた後、空いた手で白漂の頬を撫でて妖美な微笑みを近づけて囁きかける。
「…奥の序列からして、私が先に子を宿しやすい情けを真っ先にもらうのは当然よね❓」
「駄目だと言ってももうこの状態じゃ独断でするんだろ…っ!」
「っあぁ❣❣」
白漂の情欲と諦観が混ざり合った諦め顔を愛しそうに鑑賞した後、紅華は勢いよく腰を下ろして久方ぶりに胎奥で感じた雄の熱で軽く背を仰け反らせた。
○秦始皇8年(紀元前239年) 景城防衛戦九日目朝 秦国東部 対魏国境付近 景城○
「…申し訳ありません。急な状況でお礼を言うことしか出来なくて…」
「いいえ、いつも請け負っている任務の一環ですから気に病むことはありません…」
論平野での合戦を終えて戦後処理の引継ぎも終えたのち、北へ先に帰還した本軍と合流すべく出発を始めていた信隊の外れで翡翠と玲花は別れの挨拶をしていた。
翡翠の背後には氷雷の戦死とそれに伴う氷一族の失墜で実権を取り戻した彼女を前より慕う人々が集っていた。
「…やはりここには残って下さらないのですね…」
「ごめんなさい。まだまっすぐな戦以外は上手くない人がいるものですから―――」
「おい、もうそろそろ城を離れるぞー」
「―――あ、もう行きますね…この辺りもまだ安定していないし本部の戦略もありますから数年のうちにまた会う機会がありますよきっと」
まだ話がしたらなさそうな翡翠との会話中に信の号令が掛かってきて、玲花は瞬時に馬に飛び乗ると颯爽とその後を追っていった。
その後姿を勿体無さそうな顔で翡翠の近侍の女性達が見送る。
「本当にあの品が薄い男の副長をさせるのは勿体ない子でしたねー。翡翠様ー良い婿になってたんじゃないですか?」
「良いのよ皆、どっちもここにとどめてちゃいけない二人だったのだから…それに初めて出来た同じ女の子の友達の邪魔はしたくないし…」
「…翡翠様…本当に良く出来て…え、今…何と…?」
だが、その翡翠によって女性達は抱いていた腹案を否定する言葉を発されて顔が引きつる。
「あ、話してなかったわね。私も違和感覚えたのはあの合戦で胸を触った時で本当のこと知ったのは終わった日の晩だけど…玲花さん…綺麗な男の人の格好してるけど信殿とは幼馴染で女性らしいわよ」
「「「「「!!!!!!!??」」」」」
続けて発せられた翡翠の言に、周囲から声すら出ない驚愕、特に女性達からは深いショックを混ぜたそれが大気を大きく振るわせた。
「あ、そういやー玲花は何で今回は男の格好してたんだ?」
「今回の総指揮を執ってたこちらの将軍に景城代表の護衛をするのが副長でも女性というのは侮られやすいから男にしておいてくれって言われたの」
ちなみに同時刻、隊に戻る途中にて玲花は近場の林で今回の男物の甲冑から普段の高機動重視の鎧に着替え直してから信の傍に戻っていた。
今回は次の章に急ぐために翡翠氏系の話はだいぶ省略して、さらに内容も我ながらかなり微妙な内容となってしまいました。
次回から原作と違い合従軍戦では良い所が無かったあの市松模様氏との話に入る予定です。