色々な作品の影響を受けてしまってます。
○秦始皇8年(紀元前239年) 黒羊争奪戦六日目正午 趙国西部 黒羊 秦軍(白漂軍)左軍前衛一角○
「…あれは…!?」
「何とものう…!」
バトゥと鋼仲は激しく剣戟の音を奏で合いながら、自分達の間近でもう一つ繰り広げられているその演武に時折目が奪われていた。
「「!!!!!!」」
二人が視線を向ける白漂と姫昭の死闘には、自分達のような自然災害じみた轟音と荒々しさは見受けられない。
されども静かなまでに濃密で速く、それでいて美しいまでに能率化された殺人術に基づく武技の応酬が繰り広げられていた。
「す、すごく速い!」
「どっちの得物も霞程度にしか見えぬ!!」
そう周囲が評する剣舞の演者たる二人は、勘と理詰めが混沌とした読み合いを四肢の高速運動と並行し組み合わせていた。
「!!」
ある時に姫昭が馬の足元の岩石を石突で打ち飛ばし、それを両眼が狙われていると気づいた白漂が打ち払うと、その煽りで十星戟が降りぬかれた後の空白を狙い槍の穂先が彼の脇腹へ突進する。
「チィッ!!」
「なっ!?」
それを白漂は白銀に輝く装甲に包まれた片足を振り上げて軌道を逸らして躱し、その勢いを乗せたブーツより飛び出た隠し飛刀で姫昭を狙うが、驚かれつつも寸前で躱されて首筋をうっすらと斬られるに留まられる。
そうして互いの隙をこじ開けるべく、読み合いとそれに対する反撃が繰り返される一騎打ちはしばし続いた。
○趙国西部 黒羊 秦軍(白漂軍)左軍本陣○
「何ぃ!? 漂将軍自らが趙右軍大将姫昭と一騎打ちの最中だとぉ!?」
一方、自軍総大将の軽挙にしか思えない行動に秦軍左軍本陣で左軍全体の総指揮を執る甲が悲鳴じみた声を上げていた。
「は! 白漂将軍は適当な頃合いで切り上げて本陣に戻るから心配ないとの事で…郭備将軍達は慶舎が茶々を入れてこないように左を固める事に専念せよとの事で!!」
「何だと!? 幾ら情報が少ないからと言って自分で調べに出るなど何を考えているのだ…!?」
甲と他の左軍参謀達が憤りだしたその時、彼らの前に行方不明になっていたある男が戻ってきた。
「あ、貴方は右軍で行方不明になっていた…!?」
「すまない! 負傷して隊と離れ離れになった後で川に流されて右軍影響圏内の左のかなり外れまで流されていたから戻るのにだいぶ時間がかかった! 白漂将軍にご報告したい情報があるのだが…!?」
「そ、それが白漂将軍はー…」
近くの茂みより飛び込んできたその男であったが、彼は名を上げた男の現状を秦左軍参謀達に説明されると顔が大きく強張った。
○趙国西部 黒羊 秦軍(白漂軍)左軍前衛一角○
「ぬおおおおおお! 今度は縄に振られて漂様の十星戟がぁ!?」
「た、隊長! 我らも姫昭様のご支援を…!」
「ならん! 我らが行くとかえって邪魔になってしまう!」
秦左軍本陣が二重の意味でどよめいていた頃、白漂と姫昭の一騎討は周りの危機感と歯がみを強めながらも未だに続いていた。
だが、その中で紅華は夫の異変を普段との微細な違いから感じ取っていた。
(…可笑しい。あれだけ打ち合っているからいつものあの人ならもう慣れて四肢から順に潰していってもうそろそろ仕上げに入るはず。いや…もう動き自体は読めているのに思考に体が追い付いていってない感じがするというか―――)
「っ!!」
「―――あ…」
その紅華の疑問は、姫昭が瞬時に打ち込んできた長槍の連撃を得物を大きく回すように振るって無駄なくさばいたものの、その際に使用した腕の根元がビクッと一瞬だが震えて少々歯を食いしばる白漂の表情を見て嫌な意味で解消する。
(…あの右腕…確かあのすっぽかしの日の夕刻にあの人を私が蹴り飛ばした際に、落ちた先であの人が岩に打ち付けてしまった箇所だったっけ―――!?)
「ビヒィ!!」
「「!!?」」
「―――え…!?」
紅華がその事を思いだして冷や汗をかいたその時、白漂が乗る白く美しくも大きくがっしりした体つきをしたその愛馬が姫昭の乗馬に勢いよく体当たりされ、そのまま主たち諸共傍にある崖へと吸い込まれてしまった。
「がは!?」
「うぐ!?」
そして、二人はそこまで高くはなかった崖の下にある泉に絡まった状態で落ちてしまい、派手な水飛沫を立ち上らせた。
「…ぶっは! ひどい目に遭った…!?」
急いで水面から顔を振り上げた白漂であったが、そこで彼は自身の手に男としては嬉しくありつつもこの状況にはそぐわぬ感触を覚える。
(ん…何この男の子の大半なら喜ぶだろうあの女の子の首の下についてるあの感覚…? 大きく実りつつも弾力のある硬さもあって形良く整いつつも指が引っ付くような吸い付き感があって―――)
「んん…! あ…やああ…な、何この感覚…!?」
「―――え……!?」
白漂がその手に納まる柔らかくも心地よい肉の感覚に、妻達にしている指の運動を無意識に起こしてしまうと、聞きなれないながらも中々に初心な色気を醸し出している女性の艶ある悲鳴が立ち上ってきた。
「…は、こ、これ…って!?」
白漂がその悲鳴がした方角に顔を向けると、自身に覆いかぶさられる形で仮面が兜ごと外れた姫昭がほんのり赤く染まった悶え顔を仰向けで晒してしまっており、その胸元は落下の衝撃で一部壊れた鎧の穴から今にも内部から弾け飛びそうな盛り上がったサラシを見せつけていて、彼の手はそれをしっかりと掴んでいて指が沈み込んでいた。
「な、何ですか…何が起きて―――」
「え、この声は…?」
「―――え…は……?」
そこで姫昭が顔に付いた雫を払って視界を取り戻すと、自身に覆いかぶさっている白漂のむき出しの顔が間近にあり、更に自身の手にドクンドクンとした熱い脈動と硬度を高めていきつつある肉の感触を覚えた。
「「…………」」
兜と一体になった仮面が外れ、露わになった顔を掴み合い横倒れしたままの状態で見つめ合う白漂と姫昭。
相手の顔つきと緩んだ鎧の胸元に見える陰に、白漂は大きな違和感を覚える。
姫昭が目を覚ました時、その自身の鎧が壊れて露わになった戦場には似つかわしくないが大きくも形良い質量の二つある肉の塊が、自身に覆いかぶさってしまっている白漂の手に掴まれてしまっており、逆に白漂の股間には自身の手が強く押し付けられてしまっていた。
そして、白漂の股間には雄の本能を刺激する肉の感触で躍動しだした血液が集まりだし、それはビクンと硬くなりだした陰茎の熱さを通して姫昭に伝えられていた。
「…………………………………………!!!!??」
数十秒ほど自分達でも上手く説明できない沈黙が流れた後、姫昭は間近にある白漂の相貌の細やかな特徴と自身が初めて手にする男性の象徴の熱さをしみわたるように感じさせられた後、瞬く間に顔が真っ赤に染まっていく。
「…え、その顔つきに体つき…おん…!?」
「!!??」
白漂がそれを言葉にしようとしたところで、姫昭は双眸を大きく見開かせて彼を跳ねのけるように押し飛ばして離れた。
「「…………………」」
そして、今度は困惑の表情を見せる白漂と、それと共に羞恥の朱色の表情を浮かべて胸元を抑えている姫昭の間で沈黙が再び走る。
「白漂将軍! こちらですかーーー!?」
「っ! この声は…!?」
その沈黙を打ち破ったのは部下たちと再会してこの場に駆けつけてきた里了であった。
続けざまに反対側から鋼仲が馬を引き連れて現れる。
「城主ここは危ないです! それと再び秦左軍が勢いを取り戻し始めてきております!!」
「っ! わかりました!!」
瞬く間に増えだしてくるこの場での秦兵の数を見て、ここで白漂を討つのは不可能という理性の判断にも手伝われて姫昭は現実に戻り、味方が連れてきた馬に乗りなおして背を見せて場を後にした。
(!? な…何でまた女としてのこの悪寒に似た危機感が…!?)
それを崖上から駆け下りて夫の元に参ろうとしていた紅華は見て取り、何故か女としての警戒心を強く掻き立てられた。
○秦始皇8年(紀元前239年) 黒羊争奪戦六日目夜 趙国西部 黒羊 中央丘秦側某高所 秦軍(白漂軍)中央軍本陣○
「……やはりこの大気の変化…もう“明日”で…」
昼間での奇妙な戦闘とそれに対する周囲の諫言やお叱りの雨をどうにか切り抜けた後、白漂は自身の大型ゲルに籠り、盤上に広げられた黒羊各地の戦況及び大気状況とその変化を細やかに記した地図を注視し、それよりこれから起きるだろう戦況を左右する変化に対する計算を突き進めていた。
その合間に時折、天幕の隙間より見える中央丘を見やる。
そこからミシミシと伝わる苛立ちに近い殺気が、刻一刻と増していっていることも知覚していっていた。
それらを踏まえ、明日に起きるだろう
「……んく❤️ ちゅ…はむ♪ ふふふ……今晩もここはご立派ですわねぇ♪」
「……真面目な思考をしている最中なんだけど…?」
その一方で、精が溜まり毒とならないようにするためという名目で、机に隠れている白漂の下半身に譜孝が纏わりついていた。
彼女の手には白漂の開けた寝巻の隙間より伸びでている男根が握られており、既に塗布された唾液と先走り汁でテカテカと光る雄の穂先の表面を秀麗な指がクニュクニュと弄ってきていた。
この世界本来の人間の自然色では通常ありえない、絶妙に譜孝の小悪魔チックな微笑みと合わさっているターコイズブルーの髪もユラユラと触れさせられてくすぐったさを感じさせられていた。
「あーら、けれどこの知らない子の匂いが付いたままの一物で奥様が相手の晩を迎えると大変な目に遭うと思いますわよぉ?」
「…うぐ……それは…」
日中にて姫昭の違和感の真相の一つに気付いた証が付いた男根に、譜孝は楽しげな表情で頬をスリスリと擦り付けていた。
紅華は遊牧民主要民族の一角林胡の大族から嫁いできたという経緯と聡明さから、白漂の正室としてその奥の方を適宜に取り纏めているが、個人としてみれば情愛が深い分独占欲も強かった。
もしもその紅華の北の民育ちから来る鋭い鼻に嗅がれたらどうなるかを夫である白漂は嫌と言うほど知らされていた。
「夫と奥方の仲を支える事も側室の仕事ですからね~。えい♪」
「うぐ…こ、ここでそれ使うのは反則…」
その泣き所を上手くついた譜孝は他の白漂の女達には劣るが十分な質量をもつ美乳で雄々しい男根をムニュンと挟み込み、口と併用して白漂の一物をシュッシュと愛撫しだした。
繊細な織物を扱う技術はここにも生かされており、細い線を選り分けなぞるような譜孝の口淫に白漂はビクビクと身が喜びで震え、盤上の山地のミニチュアを見て正史と違いこの場にいないある奇人の姿を思い起こす。
(…うぐ、何故…一度目の合従軍の時に見た…あのニコちゃんマークみたいな入れ墨をした変なおっさんの顔をこの場で思い出して―――)
「白漂将軍ー、お話があるのですがーよろしいですかー?」
「―――っ! うむ…何用だ? 入室して述べてくれ」
何故か山のミニチュアと机の下に隠れる譜孝の乳房が重なって見えてきた白漂であるが、そこでドアがノックされる音と部下の声を聞いて意識が現に戻される。
「失礼します。先ほどから譜孝千人将の姿が見えなくて気になったのですが…」
「…っ…何か仕事でもあるのかい」
「いいえ、もう明日への段取りも含めてあの人が終わらせてくださってます。只―いつもなら織物の作図とかをしている余暇の時間にも戻ってきていないので少々気に掛かって…」
「…はむ♪ ちゅる…ちゅうぅうううぅ❤️」
入室してきた部下は譜孝直属の者で、彼と夫の自分についての話を楽し気に聞きながら譜孝は水音が聞こえない範囲内で奉仕の動きを強めていく。
「何か彼女で苦労してないかい?」
「…そうですねぇ、あの変わってはいますが華麗且つ鋭利な剣捌きに用兵術は非常に信用できます。ただ―…」
「あー、あのからかい好きな性格と自身の美貌で男を敵味方問わず釣って惑わす軽率なやり方か……」
「はむ?」
だが、自身についてやや棘がある話を夫に始められると譜孝の綽綽とした表情に初めてムッとした色が浮かんだ。
「戦局が動きそうになるとわざとらしく衣服を一部着崩れさせてそれで若い連中の士気を上げたり。もしくは敵の意識を乱したりとか…上手く戦法にしてるから本人には文句を言えないんですけど…夫でもある白漂将軍にしてもいい気分ではないでしょう?」
「…あー、あの正しくない意味での確信犯的なところがねー。もしくは―美貌も武器にしようというのは意外と余裕がない性格なのかもねー…っ。もしかして―他に気になるお…!?」
そのまま譜孝について愚痴を深めようとした白漂であったが、そこで自身の男根を深くクニュンと深い肉の海が包み込む感覚が襲ってきた。
視線を下におろすと、何時の今にか譜孝が尻を夫の股間に押し付け、その雄々しき男根を自身の鮮やかな朱色の秘所に加えこんでいる姿があった。
(…ふ、譜孝!?)
(…ううぅ…酷薄な旦那様ですわ…。この身は貴方様の雄々しき身でこれほどまで淫蕩にされてきたというのに…そのあなたが私に不貞の疑いを抱かれるなんて…❤️)
白漂が兵士に悟られない小声で問い詰めると、譜孝は目じりにうっすらと涙をにじませて白々しい泣き顔を見せつける。
一方で、その細やかな糸が濃縮されたような肉襞の筒は彼女の細やかな技巧に裏打ちされたような動きで白漂の男根へ更に血を集めさせていた。
「……ハッハッハッハ、隊長はああ見えて線引きはしっかりとしておられる方ですから幾ら何でもその心配はいりませんよ。それでは私はここにはいないらしい隊長殿をお探しに戻ります」
それから数分後、直属の上司について司令官と話をした譜孝の部下は白漂のゲルを後にした。
「……………………!」
「きゃ!?」
白漂はそれを見送って周囲に人の気配がないのを探った後、譜孝を両腕から掴み上げて彼女を机の下から引きずり出して机上にうつ伏せで押し倒した。
「…もう君を寝かしつけてからでないと仕事に集中できない。ここに待ち伏せていたことを今晩はみっちり後悔させる」
「あらやだ♪ 私ったら野獣の封印を解いてしまいましたかし…いっううぅ❣❣」
自身の背中に顎を乗せてジト目を這わせてくる夫の宣告に、譜孝は楽しげに思いつつも同時に蜂の巣を突いたのかとややしまったという苦笑を浮かべ、その直後に子宮を揺らされる一撃をお見舞いされた。
「…! 相変わらず…細かい蜘蛛の糸が無数に濃縮されたような襞に器用に擦り上げられている感覚だ…!」
「あ❣ あ❣ あ❣ あ❣ あああああああああああああん❣ それくらいじゃなきゃあ旦那様のこれには壊されてしまいますものぉぉぉぉぉ❤️」
この戦場で奥の主人や同輩達に先を越され、数日間だけとは言え若気が有り余っている身で空膣を味わわされた譜孝には、常人なら痛みしかないだろう白漂の荒ぶる剛直を器用な膣に応じさせて身を崩されていきそうな歓喜へと変えるには十分な揺れであった。
一方、白漂も彼女を黙らせるには一回では足りないことを十分承知しており、何回もイカせて彼女を胎内からの熱で寝かしつけるためにもう最初の極みへ登り始めていた。
「……よし、それではイクぞ……!!」
「はああああああああああああい❣ わ…たしもぉぉぉぉ早速ぅ最初の果てが…はグぐ❣❓」
自身の子宮すらもう突き破られているのではと錯覚させる剛直の連続振動に、譜孝は今にも意識が切れそうな快楽をかみしめて耐えながら夫に振り向き、近づけられたその唇に自身のそれを触れ合わせた瞬間に、互いの果てを同時に感じとった。
○趙国西部 黒羊 趙右軍(西貴軍)本陣○
「あ、あのー姫昭様…お帰りになられてから何をそのようなぼ―――っとしてて…?」
「……………あ…いいえ、その…食欲が無くて…」
白漂と譜孝の淫行と同じ頃、西貴兵達は自分達の主君の変貌に驚き戸惑っていた。
特に、幼少から姫昭の面倒を見てきて、この黒羊での陣中でも続けている老婆の侍女長はその変化に戸惑っていた。
「何かございましたか? もしや日中での戦で何処か身を強く打たれたとか…?」
「いいえ、違います…只、昼間に敵の総大将と身が深く触れた時から…何故か身に落ち着きが入らなくなってきたというか…」
「………え…? 敵の総大将って……?」
そして、姫昭の口から今現在最大の敵があげられるとともに、それを告げる姫昭の頬に薄っすらとした朱色が浮かぶと侍女長の記憶が嫌な意味で刺激される。
それは人生経験が長い侍女長ならさして珍しくは無かったが、今この戦場で、特に挙げられたその人物に対してはもっともあってはならないはずの事象であった。
「は、白漂の事ですか?」
「…はい、鎧の特徴や戦い方に得物及びその振り方して…彼の者の事だと思われます…。何というか…何か考え事をしようとするたびに…あの時に見た顔が脳裏に浮かぶというか…」
「!!」
侍女長の現実を疑いたい心境と相反して、姫昭は悩ましそうに見えつつも何処か庇護欲を刺激する色気のある表情で言葉を紡ぎ続けていってしまう。
「…………………」
それらの言葉に姫昭の天幕を警衛する親衛隊員の一人が怪しげな光を浮かべていることに、気付けるものはいなかった。
今回の話の終わり辺り、かなり筆者のお世話になってあるあのシリーズの影響が強く出てしまってます。
次回、ある意味であのお頭よりもえげつない描写が出てくる予定です。