※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回の話は大人向けの話もありますが、それよりもギャグ要素が中心になってます。


第八章 黒羊編後幕間編
062 期待を寄せられても人は人


 ○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国東北部 某街道○

 

 黒羊戦が集結してその停戦協定も締結して数週間後、秦国東北部各地の街道では大規模な移民の移動が生じていた。

 それに街道で面している集落の住民達は各々で好奇の視線を向けていた。

 

「おー、また来たぞー」

「あー、あの旗は区水流域当たりの連中だなー」

「え、そんな前線から離れたところからも来てんのか?」

「早く移住した方が良い所を取れるって話だもんなー」

「遠く離れた泥りゅ…今じゃ屯田で人余りにあってる連中も続々向かってるって話だよなー」

「秦人だけじゃなくってこっちの好景気を聞きつけた他所の行き場のない流民も来てるらしいぞ」

 

 そうした雑談を浴びながらも、移民たちは各々の違いはあるが腹を括った表情で道を進んでいた。

 

「父ちゃんまだー?」

「まだだー」

「ねー、お兄ちゃん地元での陶工の工場(こうば)に就けば良かったんじゃー?」

「駄目だ! 地元じゃ他にも腕のある友達がいるから給料が安くなる。それよりも未開拓の土地の方が見込みは大きい!」

 

 彼らは黒羊を中心に秦が趙より大きく削り取った旧趙西部を目指していた。

 好条件に引かれて自ら動いたもの、失業者対策として移民に選ばれたもの、そうでなくても強制的に移住させられる者達で、趙より大きく削り取った領地の統治を盤石なものとすべく続々と同地へ送り込まれていっていた。

 

「あ、おっ母ーあそこまた兵隊さん」

 

 そして、当然それらを守備するべく各地より捻出された兵団が続々と送り込まれていた。

 

「すげーなー、子供の頃に見た白起将軍へ続々集まってくる兵隊さん達の光景を思い出すよー」

「これから向かう先の担当はそのお孫様だったよな」

「じゃー大丈夫だな!」

 

 前線やそれに近い土地へ向かっているにも関わらず、移民たちの表情は概ね不安を期待が勝っている。

 彼らが名を上げている移住先の司令官が、この国では知らぬ者はいない英雄の血脈に連なる存在であり、それでいて人材に対して広く門戸を開いているこの国の象徴と言うべき将であったからだ。

 

 

 

 

 

 ○秦国北部 朔方郡 朔方城○

 

「…よし、後…少し…もう少しなんだ……!」

 

 だが、移民たちのそうした期待の会話が紡がれていた同日の夜、その対象である白漂は、自分の居城にてその城壁を忍びのように登っていた。

 

「…あ、あの~白漂将軍…本当にこんな事をしてよろしいのですか?」

 

 ちなみに、鉤爪が付いた手甲を装着して上っている白漂に対し、その隣を素手で楽々と登っている庶徐は心配そうな表情で同行していた。

 

「仕方ないだろう…! 先の黒羊戦でキレた紅華のせいで…白陵や今や臨月になったあの二人にはこっちに帰れた以降も健康上の理由を表向きで付けられて会えてないんだ! 人前ではないとはいえ土下座してもだめなら監視の目を掻い潜るしかない!!」

「殿方の誇りもう無いに等しいですね…」

 

 今現在の奇行の理由を夫に改めて突きつけられて庶徐は不安げな表情を浮かべるが、そうこうしている内に二人は目標である白漂の妻達が住まう区画を守る城壁を登り切り、そこの上にある一室のガラス窓の向こう側をカーテンの僅かな隙間より盗み見る。

 

「よし! 二人ともここにいた!」

「…でも―、お二人とも寝てますよー。それに寝てても腕も警戒心も強いですし下手に入ろうとすれば…」

「大丈夫、あの二人含めてウチにはこれがある……」

 

 白漂は部屋の中に目標がいる事を確認すると、窓に指を這わせて、その腹でトントンと強弱と長短を付けた動作にて窓を叩いて鳴らしはじめる。

 それは白漂前世のモールス信号に似た動作で、彼と情報部隊の隊員達の間では声を交わさずに秘密裏にやり取りするためのサインの一つだった。

 しばらく白漂がそのサインを繰り返していると、内側からも同様のサインが返され、それが少々続いた後に窓は内側より開かれた。

 

「…白漂将軍でしたか。ですが何故このような時間帯にこちらから…?」

 

 窓を開いて現れたのは、白漂第三夫人で同軍将校の一人を務めている杏橋だった。

 

「…夫が妻の顔を見に来ても悪くないだろ。ここでは目立つから早く部屋の中に入れて!」

「あ…こ、ここは今現在ちょっと貴方を入れるには問題が…あぁ…!」

 

 その姿を見て一安心した表情の白漂は、躊躇う杏橋を押し切る形で部屋に中に潜り込むことに成功する。

 

「…さてと、ただいま杏橋…」

「…っ……お帰りなさいませ…白漂将軍……」

 

 そして、窓とカーテンを閉め直した白漂の久方ぶりの抱擁を受けると、杏橋もその普段無表情が目立つ静寂とした面貌が薄っすらと朱色を浮かべて嬉しそうに崩れる。

 

「…うわあ、本当に愛されてますね杏橋様って―――」

「こういう時には初々しいんだよなぁ」

「―――えってぇぇむぐ!?」

 

 その光景に恋バナで盛り上がった女子の高揚と小さな嫉妬を覚える庶徐であったが、何時の間にか背後に回り込んでいた藍蘭に驚くもその口を塞がれた。

 

「…え!? 藍蘭どうしてここに!?」

「…まーた奥さんに出産時面会禁止の通達を出された旦那様の性格からしてー今度は忍び込んでくると思ってねぇ。準備しながら待ってたよ♪」

「……え、面会禁止…? お疲れ過ぎた顔を見せたくないからと言う話は…?」

「大方紅華が黒羊戦で何かしくった旦那様にお仕置きとして私達の出産に立ち会うのを禁止したのを隠すための方便だろ」

「………う…ご尤もです…」

 

 カラカラと笑いながらの藍蘭の考察に、白漂はギクッとした表情を浮かべるが、当のそうさせた彼女は心底安堵した表情で近づく。

 

「…けれどもここまでして会いに来てくれて嬉しいよ。やはり…奥の序列などがあっても…愛してくれて…それで生まれが近づきつつある我が子を見せる場には半身の源になってくれた男に来て欲しかったからな」

 

 そして、藍蘭は深い慈母の表情で自身の新たな命で大きく膨らんだ下腹部に夫の耳を当てさせた。

 白漂の耳に、白陵がまだ紅華の腹にいた時と同じトクントクンと言う小さな鼓動が響てくる。

 

「…この平和な時の方が少ない時代に生まれて…幸せになってくれるかな…」

「…なってくれるさ。今そこで寝てる白陵君と同じ君の子だからね」

「…ああ、そうだ………ね…!?」

 

 自身をまた父親にしてくれる存在の誕生が近づいていることに白漂は表情が緩むが、その母親の口から出た不穏な言葉に顔が引きつる。

 

「…くうぅ…すうぅ…ちちうえぇぇ…ははうえたちぃ……むにゃ…」

 

 白漂が藍蘭のニヤニヤした目線の先に恐る恐る双眸を向けると、そこには何故か心地よさそうな寝顔を浮かべている長男白陵の姿があった。

 

「…な、何故ここに…!?」

「前々から紅華に遠征中は預かっててくれと頼まれてるのは知ってるだろ。それで臨月になったあたりから弟か妹が生まれる場面をどうしても見たいって言うからなー。こうして寝所も一緒にするって強張るからやむなくだなー」

「…あなたの大事なご嫡男ですから。もし万が一何かあれば私達に責任を問われますので…護衛にも都合がよいものですから…」

 

 やれやれとわざとらしい困り顔で語る藍蘭に対し、杏橋は若干恥ずかしそうな表情で解説しながらも自身の膨らんだ腹部を停止している白漂の空いている耳に押し当ててきた。

 

「…だからー。あの子の性教育の為にも―私達の火照りを静めるのは静かにしてもらわないとな♪」

 

 そうカラカラと軽く語る藍蘭の今の衣装は、薄絹で彼女の健康的な褐色の素肌に妊娠していることも一種の妖しさに変えるスタイルをさりげなく見せる半透明の薄絹の寝巻であり、彼女と共に白漂を挟み込んでいる杏橋も同様で足の付け根辺りは既に薄っすらと湿り気が滲み出ていた。

 

「…白漂将軍…この寝巻はご嫡男殿が寝られた後に着替えたもので…あなたが心配しているようなことはしておりませんから…」

 

 普段は仏頂面ばかり浮かべている杏橋の羞恥で悶えながらも情欲に推されて縋る素振りに、白漂の意に反してその男根は剛直ぶりを発揮していく。

 

「…普通ならー、夫が同じでも後継者争いとかで他の女性に自身が産んだ子を預けるなんてないのですが…まー白漂将軍なら何が起きても不思議じゃないですよねー。それじゃー若様は私が見ますのでー後は白漂様とお義姉様二人で静かにお楽しみを…」

 

 この中で一番若い庶徐は白陵の面倒を理由に女の夜の戦いから逃走した。

 

「…言っとくけど、安定期だからって不安な気配がしたらすぐにやめるから」

「ああ、もちろんさ」

「このような時でもお気遣いして感謝します…」

 

 情欲に押されつつもジト目を浮かべてそっぽを向く白漂であったが、二人は彼を寝台に座らせるとその衣装を脱がせて剛直をブルンと晒し、同じく自身の寝巻もずらしてたぷんと暴露させた自分達の双乳でそれを両側よりムニュンと挟み込んだ。

 

「…ふふふ、妊婦相手にここまでになるなんていけない旦那様だねぇ…ちゅるり♪」

「ああ…私達があなたの子を宿したとわかってからその身を労わってとはいえ…遠ざかっていた肉槍が再び…はむ❤️」

 

 その堅さと熱さを備えた肉の大槍に藍蘭は妖艶な笑みで亀頭に舌を這わせ、杏橋は羞恥で顔を朱に染めつつも潤んだ瞳でその裏筋を吸い始めた。

 

「……ん、これは初めから飛ばして…んんん…」

 

 それに白漂は自身からは愛撫で返したりはせず、久方ぶりの二人の乳肉と口淫の甘美を受けるがままに受ける事にする。

 妊娠中の大半をお腹の子を労わって色事から遠ざけられていた二人は、自分達と違い妻や新たに囲った側室らで情欲を研ぎ合っていた肉槍に、情欲と嫉妬に押されるままに初めから激しい口淫を絡めていく。

 カリ首を舌先で穿りつつも歯で裏筋も削るように刺激し、唇で尿道から精巣を吸あげそうなまでの勢いで吸引を繰り返しながら竿の血管に強い指圧を及ぼし、それらの間も四つある乳がムニュムニュと自由に動きを変えながら男根全体の形をグニグニと変え続けていく。

 それは側室二人の汗と男根からにじみ出る先走り汁の増加に伴い、速度と吸い付きを高めて乳と竿は混ざり合うのではと錯覚させるまでに揉みくちゃにされていった。

 

「…よし、二人ももう我慢できそうにないから…早めに最初のを………っ!」

 

 藍蘭と杏橋の久方炙りに味わう乳圧の包囲攻撃に、白漂は最初に来た白濁の滾りをコントロールせず、彼女らが求めているものを速やかに解放した。

 

「うっぷはぁぁぁぁ❤️」

「っっっ❤️」

 

 久方ぶりに口腔を焼く白濁のマグマに、亀頭を咥え込んでいた藍蘭は独占欲を募らせて飲み干そうとするもあまりの勢いと量に途中から咽て口を離し、裏筋を舐めていた杏橋は顔に続きを真面に浴びせられて目を白黒とさせてしまう。

 

「……ふうう、久方ぶりの二人の乳圧と口淫は効いたな。じゃあ、次は―――」

「ん? 何だ…? 何か腹がやけにミリミリと痛む…んんんん!?」

「…っ? この感覚は…あぁ!?」

「―――あ…え…!?」

 

 側室二人が口腔と乳に顔で自身の子種汁を感じ取り、朱色に染まった惚け顔を晒している状況に白漂は情欲の収まらぬ熱を覚えて二人を寝台に寝かせようと手を掴むが、そこで二人は急な苦悶の表情を浮かべて膨らんだお腹を守るように蹲り出してしまう。

 

「…え、な、何が起きたのですか義姉様方!?」

「わ、わからない…た、只…急にお腹が異常に痛く…ああああ!?」

「…ま、まさかこの痛み…奥様より聞いていた“陣痛”では…!?」

 

 それに慌てだす庶徐の問いに藍蘭は理解が追い付いてない顔を浮かべるが、杏橋の方は戦傷とは異なる未知の痛みに苦しみつつの心当たりを思い出した。

 

「…え? 待って…予定だとまだ二週間くらいは先なんじゃ…!?」

「け、今朝から…何度かズキッとした痛みは覚えていたのですが…そこまで酷くは無かったので誰にも言わなかったのですけど…ああ!?」

 

 珍しく痛みに悶えて何処か嗜虐心を煽る悩ましい表情を浮かべている杏橋に、白漂は冷や汗をドバっと流し始めるが、そこで彼女が支えに乗ろうとしていた机がその重さに耐えきれずに巻き込んで倒れてしまう。

 

「…何々!? どうしたのいった…ぃ……!!!!??」

 

 それから近くの部屋で寝ていた紅華が物音を聞きつけ只ならぬ予感を感じてすぐさま部屋に駆け込んでくるが、彼女が目にしたものは予想の斜め上を行く光景だった。

 

「「「「……………………」」」」

 

 飛び込んだ部屋の寝台の上には濡れた陰茎を露出させている白漂、そこから迸った子種汁で上半身を汚しつつも痛みに悶える表情で子を宿した腹を守るように丸くなっている藍蘭と杏橋、二人を介抱しようとしていたのだが自身を目にして固まってしまっている庶徐。

 4人とも部屋の惨状を目にした瞬間に思考停止して顔が白くなった紅華と視線が無言で合わさっている間に、だらだらと猛烈な冷や汗を掻き始める。

 

「…んんんん…? 何…今の大きな音…え? 母上………?」

 

 しばらくして、白漂達に背を向ける形で起きて彼らの痴態に気付かぬままの白陵が、母の姿を目にして声を上げた瞬間に、紅華の中で何かがプッツンと切れた。

 

 

 

 

 

 ○秦国 中央部 王都咸陽 後宮○

 

「…む?」

「どうかなされましたか陛下?」

「…いやー、先ほど…先の黒羊戦の大勝と秦趙停戦長期化成功の功労で先に帰郷及び休暇の許可を出した漂の悲鳴が聞こえたような…」

 

 朔方にて白漂が血を見ようとしていたのと同じ頃、王都の一角にある高楼の一つで嬴政が怪訝な顔を浮かべ、その傍で横笛を吹いていた宮女を戸惑わせた。

 藤色を帯びた長い黒髪で同色の大きな瞳を備えて清冽としながらも朗らかさも覚える美貌を持っており、白基調の後世の修道女を思わせる衣服の上からでも理想的な凹凸がわかる女性だ。

 

「…最近、根を詰め過ぎではありませんか?」

「…お前が言うと非常に違和感を覚えるな球泰(きゅうたい)…」

 

 白漂と言葉を交わすその宮女の名は球泰。

 秦に帰順した北西部オアシス都市である敦煌の大族の首長の娘で、後宮では楽団と厨房のどちらでも働いている身だ。

 白漂の北方平定や楊端和による西進で従った西方諸部族の代表として送られてきた身で、嬴政とは色(・)々(・)な意味で親しんでいる仲である。

 

「…まー確かに、最近は宮中の机仕事が多いから出不精気味になっていたのも事実だ。球泰、近い内にまた城下へお忍びにでも出るか…」

「…え、あなたが外に出るなんて…嫌な予感しかしないっつーか…」

「何か言ったか?」

「ア、イイエー、何デモゴザイマセンワー。オホホホホ…」

 

 実際、息苦しさも感じさせる表情で肩を鳴らしはじめた嬴政に対し、あろうことかタメグチを使いだした球泰であったが、彼にはジト目こそ向けられつつも咎められたりはしなかった。




久々に大王様サイドで新しい子が登場しました。
次回は、この子も中心の一人となって話がギャグ含みで進む予定です。
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