○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国東北部 毐国 首都太原 宮殿○
「…お、おぉぉぉぉーー…これが例の太原か…」
「噂で聞いていたよりも人が多いぞ…」
例の建国より数十日が経過した後も、毐国は自壊の気配を見せず膨張の一途を辿っていた。
その繁栄は諸外国から来た使者が、呂不韋かこの国の国主のどちらを先に挨拶すべきか迷うほどであった。
「…う…ううううむむ……………」
そうした使節が集う毐国宮殿の正殿にて、嫪毐は徐々に気を良くして態度に尊大の色が浮かび始めていた。
一方、太后はその側近である趙高と共に別館に籠っていた。
「…初めの想定通りに大きくなり続けているが…」
「は…ははい…! 無論…太后様の法権限を用いて…内偵及びそのための監査機構作成も進めております……!」
「それと諸外国からの連中も洗い出せ。潰されぬように肥え太らせるのが第一であるが…そのために招き込んだ暴走する馬鹿の道連れにされましたでは話にならん」
太后の口元には毒々しい笑みが浮かんでいたが、その眼光は警戒を隠さない剣呑としたものだった。
○秦国東北部 西貴郡 西貴山地○
秦国に降伏してその一群として組み込まれて数十日が経過した同地には、停戦期間終結を見計らって領土奪還と反逆者討伐を名目とした趙軍の侵入が度々発生した。
「っ!!」
それらからの領土防衛と、さらなる進出のために白漂軍は同地に兵力を増強しながら駐屯しており、今現在もその総大将が得物を振るっていた。
「「「「「ギャアアアアアアアアアア!?」」」」」
「ひ、ひいいいいいい! 白起の孫が来たぞぉぉぉ!!」
「おのれぇ! この地は西貴や離眼のようには落とせはせぬぞってばぁ!?」
その十星戟を疾風の如く振るう姿に対峙した敵はほとんど一閃で仕留められ、それを遠巻きに見た敵はその血筋も込めて震えあがり、数少ない恐怖を押し殺せたものもその熱意が叶うことなく地に斃れていった。
「…敵として見れば恐ろしかったですが…味方になれば…私の知る限り最も恐ろしく且つ頼もしい存在ですね…」
ちなみに、同じ戦場には姫昭も居り、自身と戦った時よりも更に武が高まっている白漂に息を飲んでいた。
同時に、彼に対する胸の高まりとそれへの謎の罪悪感に苛まれるようにもなっていた。
「………………………………」
ちなみに、彼女の衛兵の一人を務める侍女はその理由に気付いていたが、故に姫昭に対しどう対処をすればよいかで内心で非常に頭を抱えていた。
「く、くそぉ! どうすればいいんだぁ!?」
「や、止むを得ん! 一旦、城まで退くぞーーー!!」
攻められ続けていた趙軍は遂に根を上げて退き始めるが、そこにも秦側の手は伸びつつあるなど知らなかった。
「…皆、静かに……音を立てずに………」
趙側の城は裏側が急斜面の崖になっており、その下には水草が大量に浮かんでいる湖沼が広がっていたが、そこを庶徐達が泳いでいた。
全員が網らしき羽織や帽子を付けているが、それらには水草や草が大量に付けられており顔も泥化粧が施されていた。
崖上の趙兵達の目をだますためのカモフラージュである。
「…よし、辿り着いた」
そして、庶徐達は河岸に辿り着くと上の趙側には見えない岩陰に隠れ、同様に水草に偽装した荷物から取り出したタオルで水気を拭うと、別の荷物より取り出した縄を携えて崖を見やった。
「で、ですけど隊長…間近からみるとやっぱたけえですよ!?」
「ほ、本当にこんなの登り切れるんですかい!?」
「安心して! 訓練の時と同じく落ち着いてすれば出来るから。それにまずは上りが上手い私達で足場を作ってからだから安心して!」
そう言うと庶徐は縄を背負い、崖を見上げて手を掛けると、そのまま壁面を走るヤモリの様に素早く滑らかな動きで崖を登りだした。
「…こっちから見ても毎回毎回早過ぎるな……」
その後姿を同じ山岳民族出身者も半ば唖然とした顔で見上げつつも続けて上りだした。
彼らの登山方法は白漂の入れ知恵や思いつきもあって、現代山岳歩兵部隊やロッククライマーのそれに近く、それでいてそれよりも遥かに速かった。
「…よし、辿り着いたな…皆はーーー…まだだなー…」
一方、さっそく崖を登り切った霞は、前面と違って防壁が無くて居住区がむき出しとなっている趙側の城に辿り着いた。
「…皆が上ってくるまでは気付かれないように工夫しないとね…」
庶徐は短刀二刀を構えると早速風を切る速度で駆け出した。
「おい、何だか声がどんどん城まで近づいて来てないか…?」
「そこまで気を張るなよ。この城は裏が崖になっていてそれで前も急勾配の岩肌と攻めづらい地形だ…!?」
そして、居住区の真ん中辺りで立ち話をしていた趙兵二名の首を真後ろから掻っ捌いた。
庶徐はそうした死体をわざと人目のつく場所に、されども裏側から離れた場所に放置して、城内を騒がせつつもその密度を偏らせた。
「よし! 登り切ったぞ!」
「縄をしっかり結んで下に垂らせ!」
そして、見張りが完全にいなくなった裏側の崖を登り切った庶徐直下兵達が上り切り、各々持ち込んでいた縄を崖上の柱や樹木に括りつけて下に垂らす。
足場さえできれば、厳格なれど効果的な試験や練兵を潜り抜けてきた白漂兵は瞬く間に駆け上っていった。
結局、城壁近くをあちこち素早く逃げ回る庶徐に気を取られていた趙兵達がそれに気づいた頃には、城内はほぼ制圧されたも同然の状態になっていた。
○秦国東北部 対趙国境付近 白漂軍本隊駐屯地○
本日の攻略目標も達成した後、白漂軍本隊は趙との国境線近辺に設けられた新都市に駐屯していた。
同都市は防衛線強化と新領土開発のために古くからの秦人を入植させて新設した都市であり、白漂も築城に関わっていたので前線に相応しい規模と新機軸の防備を多数備えた都市であった。
「……しゃくしゃくしゃく…地下水で冷やした羊羹は美味しいですねー」
「そうだね…すすーー……」
その都市の隣に位置する遊水地に設けられた水上コテージ風庵にて、白漂は縁側で涼みながら茶を啜り、庶徐は彼が座る縁側に面している遊水地の水面に菓子を口にしながら漂っていた。
ちなみに、現在の庶徐の格好は譜孝が作成した桜色の現代風ビキニ水着である。
「昼間の戦果は庶徐隊で予定通りに済んだよ。君が実演も含んで山岳戦訓練を指導してきてくれたおかげだ」
「そんな大したことでは…それにー訓練では隊の五倍くらいの人達が自分には無理だって辞められましたしー…自分が子供の頃からされてきた内容に基づいてしてるんだから最後まで行けばちゃんと身に着くのになんでだろう…」
(いやねえ、実際に見に行ったことはあるけど…)
合従軍戦が終わって各国共に大規模な軍事行動をとれなくなった時期に、白漂は庶徐の生まれ故郷で且つ、今の秦国では山岳戦部隊育成所になってる蜀南地方に出向いたことがあった。
だが、そこは原作の飛信隊練兵所が中堅程度に思えるレベルの過酷な環境だった。
正直、あそこでの幼少期からの修行の日々を楽しい思い出と評せられる庶徐の精神を疑うレベルだった。
「…あの、漂様………」
その記憶に白漂が微妙な表情を浮かべそうになった瞬間、庶徐が水面から彼が腰かける縁側に上ってきた。
白漂の隣に座った庶徐は身がモジモジとしだしてきており、頬も薄っすらと紅潮して表情に羞恥の色が浮かんでいた。
「何かな?」
「…実は故地の長老様達から…跡継ぎをもうそろそろと催促の手紙が送られてきて…当分は大きな戦も起きないようですから…おこがましいですが、今晩…昼間の武功の恩賞として…その………!?」
そして、更に落ち着きを失っていく我が身をどうにか抑え込みつつ庶徐は女として最大の欲望を理屈付けで求めようとするが、それが終わる前に白漂は彼女の身をその手の中に抑えた。
「…逆だ。僕は…君とも…新しい命を設けたくなってきた」
「!!!!??」
普段のギャグシーンからは想像できない、女が見ればぞくりとする色気ある微笑を添えて放たれたその言葉を耳にささやかれ、庶徐は一瞬で赤面して下腹部が痛みを覚えるまでに疼き出した。
「…まず、着替えからね」
「…………」
白漂の優しい声音に、庶徐は無言で静かに頷き、縁側から一時姿を消した。
そして、数分後に引き戸を開けて戻ってきた庶徐の姿に白漂は目を丸くした。
(……初めて見た時から外面も性格も似ていると思ったけど…こうなるともう……)
恥ずかしそうな表情で再び姿を見せた庶徐は、青白基調の和風シャツで胸元の深い谷間が見えて背には“霞”の刺繍、下は深いスリットが両側に走る長い前後垂れで、白のオーバーニーソックスと共に動くたびに、その下にある白い半透明上の褌風ハイレグショーツが嗜虐心を煽るように見えてくる。
現在、庶徐は白漂の前世の記憶に残る、ある大会に出ていた知人その者の姿をしていた。
「…“瑠璃光”と言う衣装で…先ほど着ていた水着と共に…織ってくれた譜孝さんが“これ来たら旦那様も大喜びするわよ♪”って頻りに押してきたもので…」
(…ぬぐぐ…年下なのに…容貌が似ているたまきみたいな性格してるな譜孝め……)
「譜孝さんが言うにはー…漂様が酔われている時に描かれていた絵を元にしたとの事ですけどー…流石に冗談ですよね―――」
「グハァ!?」
「―――えってぇぇええ!?」
何故か前世の記憶ネタで自身の嗜好を刺激してくる格好に白漂は情欲を抱きつつも困惑し、主犯の名を聞いて始め悔しそうなジト目を浮かぶも、続けざまに自身の醜態が原因と聞かされると勢いよく転倒して頭を柱にぶつけた。
「…だ、大丈夫だ…(こ、こうなれば…今晩やりたいようにさせてもらおう…)さあ、おいで…」
「…う…あ、はい……」
痛む側頭部を撫でつつも白漂は心配する庶徐を傍に抱き寄せる。
「……庶徐…今宵は……“かすみ”と呼んでいいかい?」
「…え、言いですけど…何でその偽名で……?」
その時、白漂は庶徐を前世の記憶にちなんでつけた密偵任務における偽名で呼んだ。
だが、その名は庶徐は特異ながらも可憐さも感じさせると同時に、彼女に何故か懐かしさを覚えさせるものでもあった。
「気分じゃダメかな?」
「…奇妙には感じますが…駄目じゃないですね。わかりました…それでは始めますね……」
それに何となく違和感を覚えるも、庶徐改めかすみは白漂と肌を深く合わせてその四肢を絡ませ合い始めた。
涼しい縁側の上にて仰向けで寝転んだ白漂に、かすみは覆いかぶさって二人は互いの秘所を間近から見合う姿勢に移った。
「…うく…慣れ親しみの色が浮かびつつも…君の芯の強さを示しているような色だね…ちゅるり♪」
「…っっっ! 漂様…わ、私も…はむ❤️」
自身の真上に見える、始まりの綺麗なピンク色は薄れつつも強かな濃さによる朱色を帯びている女陰を白漂は端から蛇のように動く舌でなぞり、それにぞくりとした快感を覚えた庶徐はビクッと背を小さく仰け反らせるも、自身の成長している双乳で既に隆起した男根をホールドして突き出た亀頭にしゃぶり付いた。
「……ちゅるるるるぅぅぅぅぅ…れろぉぉぉぉぉおおおおり…ふぅぅうぅ…♪ かすみの子が通る道は……まるで無数の蔓で出来た蠢く洞窟のようだ……」
「はむぅううううううううううぅぅぅぅうぅぅうぅぅぅぅうぅ…❣ ちゅうぅうぅぅうううううううううううううううううううううぅぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅぅぅうぅ…❣❣ ぷっはぁあ…❣❣ 漂様のここも……肌を重ねるたびに…より逞しくなられてまして…あ❣❓」
そのまま数分ほど経過し、かすみは乳と口より伝わる震えで夫の今晩最初の滾りが近づき始めたのを感じるが、その途端に男根がキュッと引き締まり、身も一旦引き離されて仰向けに寝転がされてしまう。
「…このまま君の口に味わってもらうのもいいけど…子種の本来の役割は何だったかな?」
「……あうぅ……❤️」
そして、今度は逆に自身を間近から見下ろしてくる白漂の女ならゾクッとする色気を添えた誘惑の言葉から、かすみは夫がどれだけ自身を孕ませたいとする愛欲を募らせているかを知り、顔を羞恥で背けながらも足が自然と開いてしまっていた。
「それじゃあ行きましょうか…」
「え…あぁ!? こ、こんなところで…えっううううぅぅぅぅうううぅ❣❓」
それを見た白漂はかすみを抱きかかえて縁側の外に出て、中庭にある奇岩に恥ずかしがる彼女を立ちバックの姿勢でしがみ付かせると、十分すぎるほどに濡れそぼった秘裂にジュボンと大きくも淫靡な音を添えて肉槍を捻じ込んだ。
「あ❣ あ❣ あ❣ あ❣ ああぁぁぁぁあああああああ❣❣ ひょ、漂様のがぁぁぁぁああああ❣❣ こんなにもおぉぉぉおお大きいのにぃぃぃ奥まで何度もぉおおおおおお❣❓」
「…! そういう君も…! 蔦のような細やかでみっちりとした淫肉が…一つの生き物のように…!!」
そして、表層的な性格は違えど芯は勇猛で体力溢れる情熱家である二人は激しく互いに当初から打ち付け合い、淫肉をかき混ぜ合って貪り合った。
かすみの胎内は白漂が覚える同名のくノ一の様に大木を思わせる剛力で締め付けながら、無数の蔓が複雑に絡み合ったものの様に細やか且つ豊かな変化を添えて絡みついてくる。
一方、白漂の剛直も死線を幾度となく切り抜けた地に反映された上に、美貌だけでなく性愛においても上位に位置するだろう妻達と共に磨き抜かれた大業物であり、かすみの万力の如き淫裂を自由自在に捏ねまわしてその溶けるような快楽を味わい、更にそれを引き上げるべく膨張を高めてより密着度を強めていた。
「…はむ…ちゅうぅぅうぅぅぅうぅ…♪ こんな時でも…体が器用で柔らかいな…」
「…ひゅうううぅううううう…❣ 漂…様のもぉ…❣ 逞しすぎますぅぅぅぅうぅ❣❣」
その間、白漂はかすみの足を高く持ち上げたり尻肉をこね回すなどして快楽により多彩な変化を咥えており、彼女もそれの心地よさから合わせながらも接吻も求めて舌を淫靡に絡ませ合い続けた。
しばらくしていると二人とも、極みが近づいてくるのを感じ取って、それの制御も緩めて同時に達し合えるようにラストスパートを掛けだした。
「っっ! かすみ! そろそろ合わせる…!!」
「はいぃぃぃぃ❣ どうかぁ私にぃお情けをぉぉぉおお…❣❓」
だが、遂にその極みが来ようとした直前に、かすみの双眸が大きく見開きつつも眼光に梟のような冷たい眼光が宿る。
同時に、白漂も同様の瞳を浮かべて部屋に飾られていた大槍が取り外され、轟音を添えて投げ出された。
「…!!??」
一瞬後、縁側とは遊水地を挟んで見える茂みの奥深くに槍は飛び込み、ほぼ同時に声なき悲鳴と骨肉が穿ちぬかれる音が響いた。
「…一瞬、矢を向ける光が見えましたね……」
「中華とは光り方が違うな。まだ恭順していないあの部族のと同じ光り方をしていたが……」
「少し調べてきま…あぅぅぅうぅああああああ❣❣❓」
その内容から刺客だと確信を得た二人は調べようとするが、そこでかすみは今の自分の体がどのような状態か思い出してしまう。
かすみは女としての極みに達そうとしたところで、戦者としての本能で無理やり寸止めにされたところで彼女の脳内からも情事の事は消えてしまっていた。
その結果、制御下から離れていた下半身は溜め込まされていた極みを忘却で無防備となっていたかすみの脳髄へ叩きあげ、彼女に狂ったような嬌声を上げさせた。
「………うぅぅぅうぅぅうぅううううう……かふ……❤️」
知覚している間は無限と思えた新たな極みも、現実の時の経過と共に引いていくとかすみは茫洋とした瞳で手すりからずり落ち、その身が床に崩れ落ちた繋がりでキュポンと景気良い音を添えて秘裂から巨根が抜け出た。
「…あ、子種が……」
「大丈夫、まだまだ幾らでも注げるからね…」
「あ………❣」
少々して、意識が戻り始めたかすみは自身の足の付け根より零れ続けている白濁の滝を止めようと両手で覆うが、そこで白漂は彼女の上体を立て直して、濡れつつも萎える気配を見せない男根をその秀麗な鼻先に当てた。
「…とりあえず、続きはこれを一度掃除してからね♪」
「………はい❤️ かぷ…❤️」
そして、かすみは妊娠の確立を少しでも上げるべく両手で足の付け根に蓋をしながら、己が口を大きく開いて白漂の男根にしゃぶり付き、舌を器用に動かして付着していた子種汁と愛液を舐め取り乍ら代わりに唾液をたっぷりと塗布して再び充血度を高めさせていく。
「…あのように愛欲に溺れる爛れ切った愚物に見えて…生来の聡明さと武人としての本能は揺るいでいないのですね…」
その光景を槍が投げ込まれた森の中より見ていた影が一人いた
影は淫靡な情事に焚き付けられた足の付け根の湿り気に戸惑いつつ、それに夢中になって背後に近づいていた事に槍の着弾まで気付けなかった刺客の躯に、乾いた笑みを浮かべてしまっていた。
今回は主人公の転生系ならではのコスチュームプレイ・シチュエーションプレイ好きが強く出ました。