※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

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今回より、前回から見え始めていた不吉フラグの入り口に入ります。
それとお気に入り二百件突破ありがとうございます。
面白いと感じていただければ評価や感想の方もよろしくお願いします。


070 身を現し始める敵意

 ○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国東北部 対趙国境付近 白漂軍本軍駐屯地○

 

「……んん…く、朝か………」

 

 綴と姫昭による視姦も付いた情事の翌日の早朝、白漂は泊まっていた高楼の一室で朝日に目を覚まさせられた。

 隣にはまだ静かな寝息を立てている王京の姿もあり、情事の余韻が残る心地よい寝顔と足の付け根より幾度となく注がれた白き情愛の証しを晒していた。

 

「…それじゃー、朝の乗馬でも軽くするか…ん? 姫昭??」

「……っ! さ、朔方侯…おはようございます……」

 

 白漂が乱れていた寝巻を着直して高楼の窓に身を乗り出させると、何処か落ち着かない様子の姫昭の姿を見つけた。

 だが、白漂がそれを深く気に掛ける前に本陣のある館の正門付近で喧騒の声が響いてきた。

 

「……? あの声は誰の………?」

「……っ…この声は……」

 

 そこで姫昭の表情は羞恥から忌避へと変わった。

 

「………っ? この声は……?」

 

 その喧騒の声は本陣近くの官舎を借りだして設けられた士官の仮宿舎に伝わり、そこの一室にて目を覚ましたステラも気付いて怪訝な顔を浮かべた。

 

「…あー、この声は確かこの前に帰順したばかりの西録城主とその取り巻き達だなー」

 

 同じ部屋の別の寝台で目を覚ました河了貂も、まだ重い瞼を擦りながらもその声のやかましさに意識を覚醒させられていく。

 

「……へーーー、あれが…」

 

 そのやや離れた距離にもかかわらず、住宅街でまだ寝ている者も多い時間帯で大きな声を吐いている西録城主の姿を、ステラはその視力で正確に捉えて両眼を細めた。

 件の西録城主は恰幅の良い巨躯で容貌は何処か幼さも感じさせる整った軍人風の悪性を感じさせない面貌だが、その身振り手振りに表情は肌艶から図れる年齢以上の若さ、むしろ未熟さを感じさせるものだった。

 

「…混乱は起こせても一大事には至らせられないって相ね。今はあのお坊ちゃんよりもこっちに集中しましょうか……んんん❣❣」

「……昨日あれだけしたのに、朝から元気だね…」

 

 別の寝台より河了貂が目を擦りながら上体を起こすが、その下半身はシーツに隠されていて露わになっている上半身は生まれたままの姿であった。

 

「…ぐぅ…ぐぅ……あーーー…も~~担担麺もう一杯…ぐぅ……」

 

 その河了貂がジト目を向けている先には、仰向けにて大口を開いて唾を垂らしている信の寝顔があった。

 

「……全く…私が相手をしてあげてるのに食べ物の事ばかり……んんん❤」

 

 ステラは生まれたままの姿でその信に馬乗りしており、起きた時より繋がりを保ったままの互いの足の付け根をクチュクチュと鳴らしていく。

 ステラの白き両足の付け根に収まる、対照的に赤黒い男根は彼女の襞肉のグニグニとした器用且つ強かな締め付けで血を集めさせられていった。

 

「…あ~~~~…春巻パリパリしててうめ~~~~~…」

「…この状況下で出てくる寝言が色事じゃなくて食べ物だなんてある意味凄いわね……」

 

 だが、ステラが淫靡に腰を振っているのに全く関係ない寝言を言う信に、別の寝台から眺めている玲花も呆れと畏れが混ざった眼差しを向けていた。

 それに反発してかステラも表情こそ静かな微笑みのままだが動きがより活発になっていく。

 

「……んん❤ 頭の中はともかく…あぅ…❣ 身体の方はぁ……あん❤」

 

 徐々に硬度と膨張を取り戻していく信の男根を強かに締め付けつつも器用に捏ねまわす襞肉で感じたステラは、次第に腰が興に乗ったように大きく且つ豊かに躍動しだし、繋ぎ目から愛液が多く飛び散り、しっとりとした汗に包まれた形良く豊満な乳房は彼女自身の愛撫で変幻自在に揉みしだかれる。

 

「……あ❣ あ❣ あぁぁぁぁぁあああああ❣ さ、竿の震えがぁ段々とぉおお強くなってぇええええええええええ❣❣」

 

 流石にそれが暫く経つと、信の腰も緩やかだが揺れて男根も張りと膨張を強めていき、それを極みに近づいていって感覚も鋭くなっているステラも感じ取り、瞳も朧気となって身がより激しく悶えていく。

 

「…ん……ぁ…柔らかくてぇ…甘くてうめぇえええぇぇぇぇ……」

 

 ステラの艶めかしい白き上体も信の硬くも熱い肌を求めてしなだれかかっていくと、近づけられた乳房の温かさに信の表情は和らいで唇に触れさせられた乳首を自然としゃぶっていく。

 

「……っっっっ…!!」

「…ん…っ❣ く…うぁあああぁぁぁあああああぁあああああああ…❣❣」

 

 そして、信の背が少々仰け反って静かなれども深い震えを走らせ、同時に白濁が爆ぜるように吐き出されると、それを感じ取って膣奥まで竿に被せたステラも背を弓の様に大きく逸らして、声を押し殺しつつもより深く極みを染み込まされたような淫靡な嬌声を震えるような声で漏らした。

 

「………ふぅぅぅぅぅぅ…❤ これだけすれば私達の名前を一つくらいは―――」

「…ほぉぉぉおおおおぉぉぉ…味噌ラーメンうめぇぇぇぇぇ………腰が抜けるぅぅぅぅ…」

「―――……………」

 

 十数秒経過して極みの山場が過ぎると、ステラは勝利を予感した笑みを秦の寝顔に近づけるが、返された寝言の傾向は変わらずで彼女にジト目を浮かばせた。

 

「……私達の名前が出るまでは絞り続けてあげる…❣」

「え…ま、待ってステラ…今日も軍務が……」

「…とりあえず―、私は朝食を多めに作りに行くねー貂」

 

 寝ている間も女心に鈍い恋人に、女たちは朝早くから各々の行動に移り始めた。

 

 

 

 

 

 ○秦国東北部 対趙国境付近 某山中○

 

「……よーし、また地図上において無人地帯だけど時折り人の痕跡があるという場所か…近所では行方不明者が多数出ているという話もあるし……」

 

 駐屯地と王京との情事を盗み見されて数日後、白漂は新領土内部において次の調査地に向かう途中で、地図上の空白地帯の調査にも出向いていた。

 敵地にも近いので三千人の本隊で移動しており、周囲は複数の各小隊が警戒に当たって急な奇襲に備えながらの行軍である。

 

「…山陽攻略後に発見された魏趙楚の国境に秘かにあったという中立黙認の小国みたいなものがあるのか―――」

「て、敵襲ーーーーー!!」

「―――っ!?」

 

 護衛の一人であるバトゥの鼓膜を、そうした小隊の一つが警報で震わせてきた。

 

「…地理からして趙兵か? 様子を見に行くぞ」

「ハッ!」

 

 その声に導かれてバトゥ達は現場に直ぐに辿り着くが、そこで彼女達が目にしたものは予想外の光景だった。

 

「殺せぇ! 一人たりとも生きて返すな!」

「逃げられたら終わりだぞ!」

「ええい! な、何だ貴様らは!?」

「止めろぉ! 止めんかぁ!」

 

 たどり着いた現場では確かに戦闘は発生していたが、襲撃者と思わしき者達は武器らしきものを持っているのは少ない、大半が鍬や鋤を我武者羅に振り回す農民たちで、対峙している秦兵達はそれを難なく防いではいるが彼らの異様な殺気に戸惑いを強めていた。

 

「…何だこいつらは? 殺気立ってはいるが…普通の農民だぞ…?」

 

 到着したバトゥは、戦闘経験こそ豊富だがそれは正規兵相手によるもので、このような民衆暴動のようなものを相手にした経験はほとんどないために戸惑った。

 

「ウチの練兵を積んでいる兵達にはどうってことないが…正体はともかくこのまま放っておくわけにはいかない。皆、何人か叩きのめして生け捕りにして。それと群がってくる輩は叩き飛ばし続ければ直ぐに退くからそうして」

「「「「「ハッ」」」」」

 

 少々して到着した白漂は手慣れた様子で指示を出し、自分もまた動じる様子も見せずに突入した。

 当然、村人たちは驚きつつも彼らにも襲い掛かるが、如何せん戦力差がありすぎた。

 

「ぎゃああ! う、腕が折れたぁ!?」

「こ、こいつらつええ!」

「だ、駄目だぁ! 敵わねえぇ!」

 

 結局、向かってくる村人たちは悉く打ちのめされ、ほとんどが逃げ出すが何名かは立ち上がれない傷を負わされてそのまま生け捕りとなった。

 

 

 

 

 

 ○秦国東北部 対趙国境付近 ???○

 

「…成程、ここが例の村か……」

 

 山中における謎の襲撃より一週間後、白漂は精兵のみを引き連れた状態で例の地図上無人地帯で発見された謎の村を茂みより盗み見ていた。

 

「…向こうは完全に我々を撒けたと思っているようですな」

「北風と太陽理論というものだよ」

 

 茂みがある山腹より見下ろせる例の村はのどかな光景で、既に白漂達によって発見されている事には気付いていないようだった。

 一週間前に、捕えたこの集落の村人にギリギリ見える位置で尋問や拷問の準備をわざとらしからぬ風に見せて危機感と恐怖を煽った後、偶然の隙を装って脱走させた。

 そして、その村人を気付かれぬように尾行した果てに、この集落の発見へ至ったのである。

 

「まー正確には漂の言う寓話の北風と太陽どっちも適時適切に使ったわけだけど…その恰好は何?」

 

 村を詳細に映しだしている望遠鏡から河了貂が目を離して転じると、そこには行商人に扮している白漂と譜孝の姿があった。

 

「どうしてあんなところに村を立てているのか、どうしてあそこまで余所者に対して敵意丸出しなのか調べる必要があるじゃないか」

「いやいやいやいや、理屈は正しいけどその実行者を軍の大将がやるなんておかしいから」

「大丈夫大丈夫、何日かあの村の様子を見て見たけど戦技とかは素人に毛が生えたくらいにしかないし、いざ襲われそうになったら直ぐ逃げてここに戻るから」

「まあ、従者に見せて各隊から腕利きで且つ向こうには顔を見られていないものを付けていますけど……」

 

 結局、周囲が止めるのも聞かないまま白漂偽装行商一行は例の村へ向けて馬を歩ませた。

 

「……ん…? 何だ…? 妙に耳障りの良い笛の音がしてくる…!?」

 

 数分後、例の村の畑で鍬を振るっていた男が鼓膜を心地よくさせるその音色に怪訝な顔を上げると、山腹から村に続く山道を馬に乗って横笛を吹きながら降る譜孝の姿があった。

 彼女の後ろからは数十名の男達がぞろぞろと続いており、一人一人が荷を乗せた数頭の馬や馬車を引き連れている。

 

「な、何だあいつらは!?」

「お、長に報せろ! それから男も集めて来い!」

 

 一見すれば行商にしか見えない譜孝達であったが、それでも村人達は警戒を隠さない表情で慌ただしくなる。

 

「……この格好でも相当に外部へ敵意が強いな…」

「…物陰には武装してる男が多数隠れているのが見えますわね…」

 

 白漂達が村の開けた場所に辿り着き、馬から降りると警戒を隠さない表情の村人達から代表者と思わしき女性が現れた。

 肌の艶からして二十代ば手前と思わしく、身に付けているのはこの時代の村人らしい安価なものだが洗濯と手入れは良くされている清潔なもので、顔つきや所作もどちらかと言うと生来の育ちの良さを感じさせるものだった。

 

「…どちらの方か存じませんが、とりあえず我が村へようこそ。このような辺鄙な場所へ来られるなど何用ですか…?」

 

 その女性も剣呑とした空気を隠していないが、彼女に譜孝は動じることなくスタスタと近づいていく。

 

「お、おい! 余所者が無暗に近寄るな―――」

「すみませーん♪ 私達ー北の方から商売に来たんですけど―道中で盗賊に遭ってしまってそれから逃げるために荷を捨てて軽くしたのですけど―それが食糧でしてー♪ 目的地に行くまでちょっと足りなくなったものですから―ここで買わせて欲しいのですよー♪ それとーかなり長く走って疲れた後ですので―宿も貸してもらえると嬉しいのですけどー♪」

「―――あっ!?」

 

 代表の傍らにいた男が物々しい様子で遮ろうとするも、譜孝はそれをあっさりとかわして明瞭な微笑みで代表へ一気ににじり寄った。

 

「あ、あんた! 急に近づくな―――」

「あーもう、旦那様ーそんな髪油もしないで髪ぼさぼさのままだなんてー♪ せっかくの汗も似合う屈強な男面の価値が下がっちゃいますよー♪」

「―――あってぅおおぉぉぉ!?」

 

 こちらの警戒心に全く怯える様子を見せないままにじり寄ってマシンガントークを繰り出し始める譜孝に、村の男達は戸惑いを覚えながらも押し返そうとするも、譜孝の新たな対象にされて同様に押されまくってしまう。

 

「…将軍の奥方達は性格表層の違いはあれど根底は全員図太いですね……」

「うん…おかげで尻の下に共用で敷かれてるよ…」

 

 素人とはいえ大勢の殺気を相手にビビる様子を見せずに押しが強い商人に戻っている譜孝の姿に、従者を装う護衛達はあんぐりとした顔を浮かべ、白漂は男の哀愁を滲ませる乾いた笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 ○秦国東北部 対趙国境付近 ???○

 

「……どういうつもりだ?」

 

 白漂達が例の謎の山村に潜入調査を試みていたのと同時刻、現秦国最大の国内問題である毐国で暗躍する墨意匠装束の者達がそこからさほど遠くない山中で声を上げていた。

 彼らと対峙しているのは、身なりは上質だが纏う空気には歪みを感じさせる毐国の将兵達。

 

「特段に変わったことなどしてはいないさ。いつも通りに所属が不明な集落の調査に出向いていただけの事だ」

 

 毐国兵の中で一際高位に位置すると思わしい男が平静そうな口調で答えるが、その身には少なくない血糊が付いており、何より彼らが掲げる旗には撃ち落された生首が大量に括りつけられていた。

 それには、明らかに女子供と言った非戦闘員の者も混じっている。

 だが、それらを晒す毐国兵達には羞恥の色は見られず、逆に一仕事終えたという笑みが浮かんでいた。

 

「拡張も兼ねて我が国に帰順するようにまず少数で使者を出したところ、異様に殺気立って襲い掛かってきたので驚きましたが、そういうときのための部隊は近場に隠していたので却っていい練兵になりましたね父上」

 

 高位毐国兵の息子らしい騎兵の腕には、荒縄を口腔から通されて数珠繋ぎにされた生首もあるが、それにも幼子らしきものが酷い損壊状態ではあるものの多数混じっている。

 それに墨意匠装束の者達はさして動じる気配を見せず、つまらなさげに喉を鳴らしながら苦言を続ける。

 

「……一応調査自体は秦北部軍もしているから未だに反抗している元趙人の村を征討したと言い訳出来る…が、間違っても正式な秦籍にもう載せられてる集落にはま(・)だ(・)手を出すな」

「わかっている。こちらとしても既に色好い返事を貰えている所は避けてしているさ。それよりも例(・)の(・)お(・)孫(・)殿(・)の近況はどうだ?」

「…どうやら今はこの地で軍務中のようだ。仕込みが済むまで待つがいい」

 

 だが、毐国兵らのある話題で双眸が細くなると、墨意匠装束の者達も暖簾状の覆面より微かに見える口元も彼ら同様に歪んだ弧を描いた。




話の最後に出てきたこの危なさそうな親子…いったい何者なのでしょうか?(棒)
次回は、白漂達には懐かしくてもそれは嫌な意味で、それで今では内心微妙な顔になるこの時代の事情に触れる予定です。
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