興味のある方はお探ししても構いません。
○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国東北部 対趙国境付近 某小村○
「…ふ~~~、どうにか一晩泊まれることが出来ましたね~~」
「ほぼ譜こ…タマキの商売話と世間話の連射で押し切られていつの間にかここを貸し出させられたって感じだけどね…」
例の発見された村にて、譜孝と白漂の一行らはとりあえず村の空いていた倉庫を一晩貸してもらえることが決まって安堵した。
ちなみに、二人は正体を隠して譜孝はターコイズブルーで目立つ地毛を茶髪に染め直して、白漂に付けられたタマキと言う仮名を用いている(由来は白漂前世知識にある何かの大会に出ていた知人の服飾デザイナーの名前だが、その事は譜孝本人には話されていない)。
白漂の方は輝漂と名乗って髪を同じ茶髪に染めていた(仮名の輝は祖父白起の愛馬名から拝借)。
「…まあ、こっちが持ち込んでいた品に向こうの何人かが目がくらんでいたというのもあるようですが…」
但し、護衛の一人がそう口に漏らしたように彼らが所持する金子や品物が村人の欲望を刺激していたのも否めなかった。
「一応、越殿や庶徐殿ら索敵班が今も村各所を回っていますし…何かあれば伝えてきてくださるはずです……」
結局、護衛達は村人の外部者に対する異様な不信感や敵意、それ以上にその渦中の地へ自分達の総大将が自ら潜り込んできている状況に緊張を覚えながらも、彼同様に眠りにつくため横になった。
「…………う~~む、まさかこんなことになるとは…」
翌日の夜、輝漂(白漂)達は貸してもらえた倉庫に集って昼間に起きた出来事を整理していた。
本日の正午を過ぎた頃、白漂達は村の有力者達に呼ばれて一方的に次の宣告を受けた。
『物資を供出し、村及びこちらが指定している村々で働いて暮らす限りは当面の衣食住は保証する。但し、二度と村の外に出る事は許さない。もしも一人でもそのような素振りを見せれば連座で全員を二度とそのような真似ができないように処罰する』
周囲を隠し持っていたらしい武器で装備した男達に囲まれてのその通告に、輝漂(白漂)達は実質的戦力差では自分達が上だと知りつつも、まだ情報が集まり切っておらず判断に困っていたので止む無くその場は了承したのだ。
「…何つ~か自分らの存在を外部に知られるのをマジで怖がってる感じだったべ」
輝漂(白漂)達とは別に、その陰に紛れる形で村に潜入して彼らに気付かれていない越が部屋の隅の影よりヌッと現れて口を開いた。
「…よし、越よあの代表の女性がいる所に案内してくれ。今晩もまた村や周囲の知られてない村の有力者を集めて密談をするらしいからそれを盗み聞く」
「わかったべ」
越が先行する形で輝漂(白漂)は倉庫を出でて、自分達には接近をまだ禁止されているこの村の集会場へ向かう。
隠匿や潜入の技術は孤児になってからの前線付近集落生活で自然と磨かれ、それから越や庶徐等に高度技能を教わっていた輝漂(白漂)は村人に気付かれぬまま直ぐに集会場へたどり着けた。
(…まだ明かりがついているようだな。何を話し合って―――)
「反対です! 今回来た連中は直ぐに皆殺しにして確実に口封じするべきです!」
「なりません!」
(―――っ……?)
輝漂(白漂)は気配を殺しながら光が薄く漏れる窓の下に潜り込むが、そこで女性代表を中心として穏やかならざる気配を感じて目を細めた。
輝漂(白漂)達が秘かに見れば、女性代表を中心とする少数穏健派と、有力者たちが集う多数強硬派が自分達の処遇に対して論争を繰り返している場面であった。
(今回来た連中と言うのは僕らの事か…。昼間の宣告でも妙に強硬だが…)
「彼らはこの村に留まり外部に知らさぬよう約束をしていただきました。それをこちらから破り命を奪うなどあの“秦の白酷”と変わらない所業ではありませんか?」
(…!?)
昼間の常識はずれな条件がさも譲歩案であるかのように振舞う女性代表に、輝漂(白漂)は少々顰めつつも疑念を強めるが、そこで出てきた名詞に頭がやや痛くなる感覚を覚える。
女性代表が唱えたその名詞は彼の祖父の諸外国で付けられた蔑称の一つであったからだ。
「この場所が国にバレてまた使い潰されたり! “流民”に逆戻りになったりしたら遅いのですよ!!」
「……それは…」
(…っ…そういう事か…)
だが、その女性代表も有力者の一人の口から出たその単語で迷いが表情に生じ、輝漂(白漂)もまたそれでこの村が異様に外部へ不振や敵意を向けている理由を推測する。
何せ、輝漂(白漂)本人とて彼らと同じ
この戦乱で荒れ狂う春秋戦国時代で度々発生する流民とは、白漂前世で言う所の戦争難民とほぼ同義である。
そして、白漂前世に比べて人道や人権というものが著しく低いこの乱世では、流民の生活は文字通り“地獄”であった。
その日暮らしの庶民が大半である各地からは排斥され、流浪中も人狩りや野盗に狙われて眠ることもままならない。
運よく受け入れて貰えて定住が出来たとしても、その大半は奴隷として扱われるのが精々である。
この村の住人たちはそうした流民たちの中では比較的幸運に恵まれた者達であり、故に外部に知られて再び支配されることはまた流民に戻る可能性が高くなることを非常に恐れているのだ。
(……孤児の集まりから始まった身としては無理もないが…この監視機構や治安組織とかが整ってきているこの時代でこんな小村の集まりだけで隠れ里みたいな事を続けられるわけが……?)
輝漂(白漂)が自身の体験も回想してこの隠れ里の心情に思いを寄せ始めたその時、彼は室内に集う有力者の何名かがそうした危機感とは別に、下卑た欲望の澱みを瞳に浮かべているのを見抜いた。
「……集まり終えたか?」
「ああ、こちらの手の者は全員集め終えた。武装も行き渡っている」
会合より数時間後、輝漂(白漂)達が村に当面の家として貸し出されている倉庫を百名以上の男達が武装した状態で夜の闇に紛れて取り囲んでいた。
彼らは当然、この村の女性代表に対して輝漂(白漂)達の皆殺しによる口封じを声高に主張していた者達で、彼女が寝ている今の間に彼らを殺そうとしている者達であった。
だが、今この場に集っている者の多くは村の防衛以外に、倉庫で今も眠っているだろう宝に対する目当てが大きかった。
「……きひひひ、この中に例の異人の女タマキを始めとする女共もいるんですよね……!」
「ああ、男は口封じに殺して女は口を塞いで縛り上げて脱走を図っていたことにすればいい。女共は……集落の存続のために新たな
どうやら外部からほぼ隔絶されている集落から集っているだけあって美女には縁がないらしく、タマキ(譜孝)ら今回現れた女兵達にそれを刺激された若人が多く混じっていた。
「………よし、では行くぞ…!」
「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」
そして、率いる有力者の小さいが陰惨な殺気を伴う号令と同時に、無言ながら殺気を伴った男達が武器を振りかざして倉庫目掛けて地を蹴った。
「……ひーふーみー…よーし、これで襲ってきた全員は動けなくしたかー」
「はい、間違いありませんわ」
数分後、倉庫の近くで輝漂(白漂)が木箱に腰掛けながら数を数えていた。
「…う、腕がぁああああ…?」
「め、目がぁあああああ…?」
「な、何が起きてぇ……!?」
その周囲には襲撃を仕掛けてきた村人全員が生きてはいるものの、当分はまともに立ち上がれない傷を負った状態で地面に這い蹲っていた。
「…まーなー、こっちは二十人ほどとは言ってもあちこちから厳選した兵ぞろいだし…」
「一人で何十人を相手にするならまだしも、既に夜襲を察知していて且つ連携を期待できるならこんな素人集団じゃ負ける気はせんわな」
反対に立っているのは表向きは行商人やその護衛と言う形で、輝漂(白漂)と共にこの村で止まっていた白漂兵達だ。
更に、倉庫を囲む茂みの一角が揺れて中から人が現れた。
「輝漂(白漂)ー、終わったようだなー」
「ああ、そっちも説明の方はー…(段取り通り行って)要らないようだな…」
茂みの中から出てきたのは羌瘣で、彼女に連れられる形でこの集落の女性代表が身内に絶句した表情で現れた。
今回、襲撃犯たちの夜襲を盗み聞きと勘で見抜いた輝漂(白漂)は、羌瘣に適当な頃合いで女性代表を連れ出して茂みで此度の一部始終を見せるように言いつけた。
終わらせてから呼びつけると、自分達の犯行を隠そうとして襲撃者達は彼女にあれこれでっち上げるのは目に見えていたので、彼女には襲撃直前の下卑た密談から犯行実行及びその制圧まで茂みで見せつけたのである。
「お、長ー! こ、こいつらやはり逃げ出すつもりでしたー! それを止めようとしたら我々にこのようなご無体な―――」
「下手な言い訳は止めなさい! 最初からあなた達の愚行は見ています! 何を考えているの!?」
「―――あぁ…!?」
当然、自身の命令を無視して独断で動いて醜態を晒した者達に女性代表は激高した。
「…輝漂(白漂)殿―、騒ぎを聞きつけて周辺の隠里から続々と人が集まろうとしているようですー」
「…よーし、さっさと村を出るか」
「なっ!? ま、待ってください!」
「寝首を掻こうとする人が大勢いる場所と暮らすほどお人よしではありません。反物と着物等の方は迷惑料としてそのまま置いていきますねー」
そして、そのまま女性代表と襲撃者達がもめごとに入ったのを見計らって、輝漂(白漂)達は特技のどさくさ紛れでさっさと流民たちの隠里を後にした。
○秦国東北部 対趙国境付近 白漂軍本軍駐屯地○
「…えーー、そういうわけで例の隠れ里集落群制圧の準備はこれでいいな…」
隠れ里の脱出より1週間後、白漂は自軍駐屯地で例の集落を始めとする国境近辺空白地帯制圧準備の書類纏めを終えていた。
ちなみに、頬杖を付いているがそこは薄い朱色が付いていて、憮然とした表情で時折り痛そうに擦られていた。
「失礼します白漂将軍」
「どうしたんだ? 肉体的諫言なら先週に例の集落から戻ってきた直後に貰ったので十分だ…」
「…そうじゃないです。例の集落ですがー…周辺の同類のも含めて焼失しているのを西貴の者達が確認しました」
「……なぬ…?」
そこで奥方で秘書的地位に就いている紅華が現れると白漂はしかめっ面になるが、持ち込まれた報告に双眸が細まった。
調査によると、西貴軍は人種的に同じな元趙人同士であるため最初に軍使を送って無血による帰順を進めようとしたが、その時には既に村は焼け落ちた後で住民と思しき死体も大量に発見された。
見つかった遺体は老若男女問わず首を切り離されて失って燃やされて埋められていた状態で、住居などの建造物は徹底的に燃やされて、何者がしたのかという証拠も念入りに消されている状況であったという。
「…犯人の目星もまだ付いていないのか?」
「…集落跡地にはそれを思わせるものはまだ発見されては…ですが、集落に到着する4日前ほどに太原方面の隊が近場を通行しているのを確認されたと……。生存者は1名地下奥深くの倉庫にいましたが、頭部に深い傷を負っていた状態で村が焼き滅ぼされた際の前後の事は憶えていないと…」
「……例の後宮勢力による半独立国家の隊が…そこが気になるな………」
現在の秦国内最大の問題の一部とはいえ、正規の部隊が関わっているという可能性を考慮したくはないが、件の同方面組織の黒い噂及びその調査にタイミングからして無関係と言う線の薄さを白漂は感じて双眸が細まった。
だが、この時点において白漂は自分達も襲撃を受けた流民の隠里の消失に対して、憂いを抱きつつも童の頃のような激しい感情の高まりは生じていなかった。
この戦国時代で村落が焼き討ちに会うことは、特に国境地帯においては珍しいことではなく、もはや彼もまた何十と辿ってきた道の途上に過ぎなくなっていた。
前世の彼からすれば明らかに感覚が異常を起こしているか麻痺しているかなどと言うだろうが、当世においては防ぐ努力はすべきではあるが完全に根絶できる時代ではないことも知っているためだ。
故に、この時の白漂は日常業務による余裕の謀殺もあって、今の彼にとっては大事には至らない小事であっても、過去の彼と同じ境遇にある今のある者達にはそうではないという可能性を失念していた。
「………………………」
一方、同時刻において綴が駐屯地近くの深山にて赤槍を足に置く座禅の姿勢で瞑想していた。
「…………!」
そして、数秒後に眼前へ木の葉が1枚舞い降りると、綴は瞬きにも満たない瞬足で石突を片手で掴むまでに突き伸ばした。
一瞬後、槍の風圧で少し反れたように見えた木の葉は、まるで元から2枚の葉であったように真横から薄っすらとして二枚葉に分かれて地面へと落ちた。
「……………槍技自体は…戦には支障ない…が………」
だが、見るものに畏怖すらも覚えさせるその絶技とは裏腹に、綴の表情には葛藤から来る影が滲み出ていた。
(……もう奴らに示された期日が迫っている…早く…何らかの価値ある情報を………!?)
綴が内心で苦悩を滲ませる思索に耽っていたところ、気配を必死に殺そうとしている足音が僅かだが彼女の鼓膜を震わせてきた。
(……誰だ? このような深い森の中で…まるで誰かに気付かれるのを嫌っている足音をするなど……)
その足音の音源を綴が静かに辿っていくと、そこには古びた山小屋があり、そこを彼女も顔を知る男達が周囲を伺いながら出入りしていた。
(…あいつらは確かここ近い内に降伏した元趙人の有力者……このような山奥で何を―――)
「…それで準備は出来ているか……?」
「ああ、この計画で行けば白漂を討ち取れる……!」
(―――!?)
男達のその密談を耳にした瞬間に綴は思わず身が強張るが、反射で物音は出さずに聴覚を鋭くして中での密談の盗聴に注力しだした。
「…それでいけば…彼女を…姫昭殿をお救い出来るのですね…!?」
(この声は確か帰順したはずの西録城主の…確かー、姫昭を好いてはいるが当人には煙たげられていたようだが…)
途中で乙女の習性で思考が脇に派生したりしたが、その内容は進むにつれて綴に安堵の念を覚えさせるには十分だった。
(………これらの情報は好奇! 白漂将軍本人から聞き出したものではないが…)
だが、それを聞き進めるに連れて綴の表情には安堵と苦悩の混沌がますます強まっていく。
○秦国東北部 対趙国境付近 西録○
山中における密談とそれに対する綴の盗聴より数週間後、趙との国境に近い西録にて一帯の有力者達が集ってきており、夜中になっている今もその関係者が門を出入りしている
その理由は、まだ官位などが授与されていない新規帰順者たちへの正式な任官の儀式を行うためである。
「……そういうわけで、例の西録城主と姫昭殿の元婚約者等の周囲を怪しいものが秘かに出入りしているようで…すぅぅぅ…ねぇ❣」
夕刻までに到着した客への接待や書類の見通しに整理をし終えた後の夜、紅華達はそのサポートの
「……んっぷ…あのー…明日も早いし…もうそろそろ今晩は閉幕と言うのは駄目ですか…っぷ…」
身を淫らに揺らして汗をまき散らす紅華に、その下に仰向けで寝転んで腰の上に彼女を迎え入れている白漂が快楽で表情を緩ませつつも苦言を呈するが、そこで杏橋が自身の色素の薄い陰毛に包まれて濡れる恥丘で彼の口に蓋をする。
「…んんんん…❤ 申し訳…ありません……。この地の安定を盤石なものとするための協力は我々にも求められて…うぅ❣ そのせいで最近は中々貴方のご寵愛を賜れなかった日々が続いておりましたから…❤ 明日に支障が出ない範囲でぇぇ…❣ しばし静められるのに必要な分だけ貰いますからぁぁぁぁ❤」
杏橋が普段は見せない甘えた表情で見下ろす夫に発している懇願の内容が示す通り、白漂が大将軍に成れたのにはその未だ成長途上の高い武力、極めて柔軟な発想力に裏打ちされた軍略、将兵達と苦楽を共にする気質もあるが、占領後の統治の上手さもあり、その最大の要因は人知れないが妻達の内助の功であった。
現在、6人いる白漂の妻達は戦の強さで生まれる性別を間違えたのではないかと疑念を起こさせるレベルであったが、目立ち辛いが内政面でも非常に強かった。
「……そうですわねー♪ 我々妻一同も…親戚共々この地の慰撫と融和のために女性の立場を弁える事が出来ない働きに回されてしまって……ちゅるり❤ 中々貴方様の滾りを静めて血を増やすという女最大の仕事が出来なくて申し訳ありませんから…❤ このように肌を重ねられる内に極力しておかないと…ちゅうぅうぅぅぅぅ❣」
その事は今宵において白漂の逞しい胸板に舌と唇を強く這わせている譜孝も含めて彼の妻達は良く知っていた。
現在、白漂の親戚と言うのは祖父白起が既に死亡してから相当な年月が経っている事、そして同じく今は無き父母も自分が物心付く以前から地位や身分を捨てて行商をしていた影響で、血縁者と言うのは我が子を除けばおらず、大半が外戚であった。
そして、彼女達の成長中の実家とそこでのそれぞれの立場も影響していた。
正室の紅華は白漂の地盤の主要部分である林胡の仕切り役となっている紅武の妹である。
第二夫人の藍蘭は山岳地などが多いため面積のわりに耕地がさほど広くない秦国で、ドル箱となっている対西域交易で重役の一席を担っている月氏(秦に恭順した方で、他にも西方に逃げて大月氏になったグループもある)の纏め役となっている。
第三夫人の杏橋は、秦どころか今では中華でも有数の技術先進地にして製鉄量を誇る山岳林胡の長である。
第四夫人の王京は、父である王齕の死と共に生活のため四散しながらも、忠義心は無くならず内心で一族復興の好機を待っていた同族や家臣達を纏めて、北の地での官僚制や統治安定化に大きく貢献している。
第五夫人の譜孝は北の地で環境から大規模に行われていた羊毛と織物業におけるにおける技術刷新、経営の合理化で同産業の中華における一大産業化の影の立役者である。
第六夫人の庶徐は、北部や西部と比するとまだ小さいが、二者を手本とした進出で開発が進んでいる鉱山地帯にして香料など珍品を多く産する蜀南(蜀とそれより以南の地域のこの時間軸での総称)を本拠地とする特殊工作員育成機関の出身であることからそこと深い伝手を持っていた。
これらの事実からして、白漂がその軍才と統率力を高く発揮出来ているのは妻達の影の尽力が大きかった。
「…そういう事でぇ…❣ 此度の伽は私達で全て仕切りさせてもらうからぁ…❤ 貴方は静かに竿を奮い立たせ続ければ大丈夫よ……んん❣❣」
「……んん…っ!」
そのため、白漂は妻達が夜に情愛を貪れる機会を得てそれを行使した場合にはほとんど断れなかった。
そして、男の理性と本能と言うのはやはり別物で、紅華の磯巾着のようにも細かくもありながら無数の小さな指のように柔軟且つ強い肉襞が、白漂の武力同様に成長を続ける男根で吸い込められる部分をグニィっと並みのなら折れる寸前まで圧して曲げ、それでいてクニュクニュとカリ首を舐めまわして裏筋をなぞり上げて、竿を歓喜で逸らさせる快楽を与える。
一方、白漂の巨根も反射と当人の制御で、紅華が腰を振り下ろした時には子宮口を円状になぞる様にして亀頭を動かして彼女を慄かせ、腰が上がる時には角度を変えてGスポットをその深いカリ首で大きくひっかいて内臓を引きずり出されるのではと言う大きくも甘い刺激を与えたりしていた。
「っ!!」
「んんんんんっっっっくぁあああぁああああああぁあああ…❣❣」
その一級の細やかな娼婦や男娼の如き細やかな性技が胎内で秘かに繰り返された後、白漂は何千と味わっても飽きる事のない命を絞られて生じる白濁の息吹を上げ、それを察して勢いよく振り下ろされた腰の推力にも手伝われて下り切った子宮で、紅華は内臓から白濁の噴火に焼き上げられて天に昇るような極みと共に味わわされた。
今回はこの時代ではそう珍しくはない惨事に触れる回になりました。
そして、これと話の終わりに出てきた情事が次回より加速していく騒動に繋がる予定です。