○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国東北部 対趙国境付近 西録付近 某秘境○
「……ううぅぅぅ……こ、ここは……?」
夕焼けも消えて星が瞬き始めた時間帯にて、周囲を苔が蒸した断崖に囲まれて小川に分かたれた囲地にて姫昭の瞼がゆっくりと開いた。
「…確か私は…白漂将軍と共に濁流に流されて…そして流れ着いたこの地で…難解な毒を持つ茸を食してしまって…強い幻覚に襲われて―――!?」
目を擦って覚まさせていく意識で現状を思い出そうとする姫昌であったが、そこで自身の下肢より痛みと胎内を縦棒状に満たす異物の圧迫感が伝わって困惑する。
「―――えッ…て、な、何かしらこの感覚は…え? 白漂…将軍………!!?」
慣れない二つの感覚に姫昭が混乱を強めようとしたところで、自身の真下に生まれたままの姿で眠っている白漂の姿を見て、姫昭は急速な勢いで記憶と意識が回復していって、顔から見る見るうちに血の気が退いていった。
○秦国中央部 王都咸陽 西市○
「……ん? 何だか鼻がムズムズするな…また漂当たりの身に何か起きたか…?」
姫昭が子供には聞かせられない状況で目を覚ましていたのと同じ頃、嬴政は咸陽にある西市の通りを歩いていた。
現在、嬴政は仕事を終えた後や休日は正体を隠して市井を視察名目で出歩くのが日課になっていた。
「陛下…ではなく正殿…どうかなされたか? ポリポリ…」
その嬴政の隣を一人の女性が不思議そうな顔を浮かべながら共に歩いており、小籠に入っているデーツを口に運んでいた。
嬴政よりやや低い、この時代の女性にしては高い170センチ台半ばの女体は贅肉を削がれつつも女性らしい凹凸も備えていて小麦色の肌に覆われており、凛として聡明そうながらエキゾチックな雰囲気も纏う面貌は空色の大きな瞳に長い銀髪が露出の少ない西方オアシス民系衣装でも十分に目立ち、周囲の視線を人種問わず多く集めていた。
「
「故郷の味を思い出せるからな」
本日の嬴政と共に市井を散策しているその女性の名は
山界と西方砂漠地帯の中間に位置する有力オアシス都市の首長家から秦の後宮に来た身である。
ちなみに和托熔とは秦で暮らすために制定した名で、本来はゼノビアが本名であるが、中華の人間の多くにはその名は呼びにくいので今ではそちらが市井を出歩く際の通称となっている。
「…だが、今こうして歩いていると本当に内戦があったとは思えない良き街だな。今でも懐が広くなっているのが目に見える」
今や中華における西方異世界への最大の玄関口として発展を続けている咸陽の街並みに、ゼノビアは懐かしい表情を浮かべている。
実を言うと、ゼノビアは王弟成蟜による叛乱の時に山界側で参戦した精兵の一人でもあり、嬴政とはその時から知り合いの身で、彼女から見ても彼は賢く果断さを持った強い王と好意を抱いていた。
その後、ゼノビアは叛乱終結後に山界に戻って、楊端和らと共に戦へ身を投じていたが途中で後遺症が残る負傷を負ってやむなく前線を引退。
同時期に白漂による北方での勢力伸長も伴い、北方や西方など中華外部との交流が活発化したので、王宮内部にそうした勢力と素早く且つ詳細に連絡を取り合える人員を欲していた咸陽と山界側の協議で、ゼノビア本人の同意にも基づいて彼女は嬴政の元へ嫁いできたのである。
「…あぁ、また町が広がっているな。まだ夕刻が過ぎたばかりとは言え夜でもここは賑わっている…。他にも咸陽の外に螺旋式で新しい城郭と区画が新築中だが…ん? あれは……!?」
本日の散策中に嬴政は少々記憶を刺激するある建造物を発見する。
それは、正史と呼ばれる時間軸に沿えば中華に伝来するのはまだ数百年先であるはずの仏教寺院であった。
だが、嬴政のその寺院に対する眼差しには懐かしさと謝意、それに隠された悔恨の色が滲み出ていた。
(…
法衣を纏う男女や信者達が行きかうその寺院に、嬴政は嘗て母国に帰ったばかりの頃に出会い、そして別れたある女性の姿を思った。
「正殿…?」
「お、おい若い坊ちゃん…そんなところに突っ立ったままだと邪魔じゃぞ…?」
それは、原典と呼ばれる世界では道半ばで死した紫夏の代わりに、人全てが本来持っている可能性を代わりに教えてくれた少女との思い出に繋がり、嬴政はしばしゼノビアも含めた周囲の声が聞こえなくなった。
「正殿…あまり道の真ん中で突っ立って居続けると危ない―――」
「泥棒だー! 蔵の金を盗まれたーーー!!」
「―――ぞ…?」
ゼノビアが再度注意しようとしたその時、商店が連なる長屋の屋根上を軽快に走りぬけながら結構な大きさの金庫を担いで逃げる強盗団が姿を現した。
「ギャハハ! やっぱここは金目のものが増えてていいよなぁ!」
「あんまデカい声出すんじゃねぇ! さっさと他の区画に逃げ込むぞ―――!?」
その強盗達は興奮を隠し切れない様子で屋根上を逃走し続けるが、そこで先頭を走る男の足首が鎖に絡み取られてこけ、後続の者達がそれに追突した勢いで全員が屋根上から路上へと転落していった。
「―――おってぶぼべぇ!?」
「おーい、役人殿ーこちらにコソ泥らがのた打ち回ってるぞー」
強盗らを路上に引きずり落した鎖はゼノビアの手首へ伸びており、彼女はすかさず西市担当の治安隊を呼びつけた。
「くそー! は、離せー!」
「無駄な抵抗はやめろ! 大人しくせい!」
「…やはり昔と比べると大分落ちているな…」
縛り上げられて役人に連行されていく強盗らに対する興味が失せたゼノビアは、鎖を投げ伸ばした手を軽く振っているが眉を八の字にして悔恨の色を滲ませていた。
○秦国東北部 対趙国境付近 西録付近 某秘境○
「……な、何とか今の隠れ場に戻れたわ…」
嬴政が咸陽で懐かしさに浸っていた頃、姫昭はどうにか今現在の仮宿まで白漂を運んで寝かしつけていた。
「…ま、まさか…あんな偶然でこの人と情を交わすことになるなん…!?」
枯れ葉などを集めて作った寝台に白漂を寝かしつけ、その寝顔に悶々とした感情を甦らされつつも悩む姫昭の太ももを冷たい感触が伝う。
(……う…、ま…まだこの人に注がれてしまったものが…残って……)
姫昭が眉を八の字にして見下ろしたそれは、白漂によって子宮深くまで達せられた彼自身の子種汁の残滓で、色こそ時が経ち半透明状となっていたが彼女の長足に長い線を引いてしまっている。
(…川であれだけ掻き出した後でまだこんなに残っていたなん…!?)
その事に姫昭は紅潮を再び強めるが、そこで白漂の半立ちのままながら自身の愛液もまだ残って濡れたままの一物を目にして、唾を飲んでしまう。
(……縮んでいる時でも十分に大きいけど…大きくなったら…暗かった……あの時でもわかったあの勇ましすぎるものに…!?)
白漂の男性器に後ろめたさと興奮を同時に蘇らされていく姫昭であったが、気付かぬうちに手が動いてしまっており、気付いたのはその指先が彼の亀頭に触れてビクンとした震えで弾かれた時であった。
(…! 私はまた何とはしたないことを…え!? ま、また男根が…!?)
その事で姫昭は悲鳴を上げそうになりつつもどうにか口を塞いでやり過ごすが、再びゆっくりとだがムクムクと血を集め始めた白漂の男根に否応なく意識が集まってしまう。
やがて、姫昭は恐る恐ると白漂の腰の上に膝立ちで跨っており、その偶然の情事の名残が零れ落ちている秘裂を数センチ差で直立した男根の上に上げさせていた。
(……私…毒物を食したからって…こんな淫らな事に…で、でも…まだ意識を失っているのなら…その間…後学のためにもう少し繋がっても……い、いや! このまま毒キノコの幻惑がこの状況で続く方が危険すぎるし…これは早くその熱を静めるためにも必要な事…! だ、だけど…この人の…本当に他の殿方のに比べると大きいらしいから…ちゃんと濡らしておかないと……)
姫昭は普段の彼女なら詭弁と断じる理由で自身の情欲を正当化し、ここ最近で秘かに読み進めていた房中術の書籍や、盗み見ていた白漂とその奥方達の情事の光景を頼りに自身の秘所に指を這わせ始める。
ぎこちない動作でまずは陰毛やクレバスの端から触れず離れずのソフトタッチな指圧から始まり、そこで慣れて少しずつ愛液が再び増えていくと、徐々に秘裂の奥へと指を近づけていってより深く秘肉を丹念に解していき、次第にその豊満且つ美麗な乳房にも乳房を始めとした体の各所もグニグニと片手を這わせて全身の熱を高めていく。
「……んんん…く…あぁ…はぁぁぁぁ………こ、れくらい濡れておけば……この人の大きなものも…大丈夫…かしら…」
数分後、声も辛うじて声量が高まるのも抑えきれるギリギリにまで達した姫昭は、自身の解されてオズオズとしつつもクパッと小さく開き始めた秘所から、ぽとぽとと子種汁の残り火は減りながらも総体としては先ほどよりも滴りだした愛液を浴びてビキビキと血管を走らせ始める白漂の男根にそっと指を添えた。
○秦国東部 対魏国境地帯 著雍 著雍大要塞○
天然の要害を用いてその大要塞には、後方支援要員やそれに将兵の家族らの居住区等も存在する。
「…はーい、それで高くんもお母さんが迎えに来たからもう帰ろうねー」
「うーん! ありがとうお兄ちゃーーーん!」
その中には戦災などで親を失ったりした子や、未亡人となったために働かなくてはいけない女性の子を預かるための施設もあったが、そこで働く一人の青年がいた。
青年は整ってはいるが飛びぬけてはいない面貌を持っているが、周囲の大人と比べても細身の肢体は飛びぬけた長躯でエプロン風の衣装を纏っており、僅かに見える肌には非常に鍛えられている筋骨を垣間見せていた。
「うわー、今日久々に
「うちの子もあの人に預かってもらってからーお父さんが生きてた頃みたいに元気が戻ってきたのよねー」
「変わった髪形してるけどーあのあか抜けてない笑顔にー時おり見せるすっごく鍛えられた体が魅力的でー」
「あの身体って細い見かけなのにー私達の家の米俵三俵を同時に担ぎ上げまでしたのよー」
「…女の部分がー…ちょっと来るわよねー♥」
その様子を土塁に設けられた兵士用長屋も兼ねている望楼の一角より見ている影が幾つかあった。
「今日は久々に孤児院や託児所の出稼ぎをしているな。あの場所でが彼はやはり穏やかに生き生きと出来ているな」
「それが一番なら後方にメリハリ付けて留まって貰った方がこちらとしては楽なんだがな」
同地の大要塞要塞で主力の一角を務めるまでになっている玉鳳隊の面子で、同じ仏頂面だが王偉が穏やかなのに対し、王賁はそっけない態度を取っていた。
そんな中、やや急いだ様子で外部から伝令が駆け戻ってきた。
「伝令ー、玉鳳隊は居られるか―?」
「こちらだ。何用があったか?」
「ここから隣接する十番区に魏軍が夜襲を仕掛けてきた。相当準備を駆けていたらしく既に第一堀まで超えられて土塁まで張り付いて来ているらしい。黄隼隊を含めて既にいくつかの隊が向かって持ち返したがどうやら敵も何処かから後続が迫っているようだ」
「久々だな…王偉、番陽も直ぐに呼び寄せて向かうぞ」
「は」
駆け付けてきた伝令のその報告を受けて玉鳳隊は迅速に戦地へ向かいだす。
一方、預かっていた児童を親御達に返したり、孤児を寝かしつけ終えた漆間の方にも別の伝令が同じ報告を持ち込んできた。
「……へえ、そうですか…」
報告を聞きとった後、漆間の顔からは先ほどの屈託のない笑みは消え去り、代わりに闇から顔を覗かせる肉食獣の如き笑みが浮かび上がっていた。
○秦国東北部 対趙国境付近 西録付近 某秘境○
「…ぁぁあ…❤️ ああ…❣ ま…さか…ちゃんと集中できている交わりの快楽が…ここまでだったとは…んんんん❣❓」
別の前線で動きがあった頃、対趙の最前線に近い有る秘境にて姫昭はその事を忘れて仕舞いそうな喜びに溺れ始めていっていた。
その身を僅かな面積ながら隠していたっ葉っぱのビキニは身の躍動と振動でとうに外れ、豊満且つ形良い乳房と尻肉がブルンブルンと揺れ動いていた。
「……んん…く…ぁ…紅…華…」
「………っ…んんん…❣❣」
羞恥と快楽で歪む表情で姫昭が見下ろす先には、騎乗位の彼女に跨られていた今だ意識が覚めぬ白漂の姿があり、彼の口からその妻達の名が出るたびに姫昭は後ろめたさを覚え、それを上書きする彼の身の震えの伝わりで胎内から稲妻に走られたような刺激を覚えて身をびくりとさせた。
当然、仰向けで寝かしつけられて膨張している白漂の男根は、周囲の岩肌を手の支えとして彼に跨る姫昭のまだ硬さが残る秘裂に飲み込まれていた。
処女を失ったばかりの姫昭の秘所はそれなりの硬さがコリコリとした無数の肉球の集合体のようになっていて、それが毒キノコがもたらした幻惑と興奮で異常分泌された愛液が加わってアンバランスな硬くも強い締めつけてコリコリっとした刺激を男根に与えてきていた。
「……ああ…譜…孝…今日の…君は…いつもと違って中に初々しさが戻ったような……」
「(…この状態でも…奥方達を思って…で、でもそれ以上に…この意識が覚めていないこの状況でもここはしっかと反応してて…も、もしも目が覚めてちゃんと抱かれてももらえたらどうなる…)うぅぅうぅ❣❣❣❓」
それらの感覚を白漂は夢の中でも思いを通わせ合う妻達に重ね合わせ、四肢こそ目立った動きは見せないが男根は膨張は姫昭のコリコリと己を捻じ曲げて削り取っていくような肉襞に喜ぶ、膨張率や角度を彼女の胎内の変化に応じて反射で変えていき、それが両者に繋ぎ目から広がっていく快楽の深さを強めさせて内臓から交わり溶けていくような一体感を高めていく.。
「…あ❣ あ❣ あああああぁぁぁぁぁぁああ❣❓ だ、駄目なのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ❣❓ こ、ここまでしたら起きても可笑しくはぁぁああぁああああ❣❣」
それらが少々立ったころには、姫昭は色事に慣れてはいなくても鍛えられた体力からどうにか受け切る事には成功し、故に快楽を味わうことに体が専念して思考の制御を完全に振り切ってしまい、彼女の尻肉と白漂の腰はバチンバチンと激しく打ち合わされ、ジュボジュボと繋ぎ目は派手且つ淫靡な水音を立てて愛液をまき散らし、姫昭が更なる刺激を求めて無意識のうちに手を伸ばした乳房はブルンブルンと空気を弾く音を洞窟内部に響かせていた。
「う…うぅぅ…❣ ま、また動きながら更に膨らみが増して…っっっ❣❣」
十二分に慣れた妓女でも全て胎内に収めるのは困難を極める白漂の男根は、当然姫昭の下腹部にもボコッとした縦棒状の膨らみで現れており、ある程度慣れてきた姫昭は肌越しに蠢くそれを自然と撫で始めて瞳にうっとりとした潤いも混ざり出した。
苦痛はある程度退けて、男からの大きな動きも無いのでやや余裕が戻った女体は男根に胎内をゴリゴリと削られて溶かされてるような快楽を姫昭の脳髄に突き上げてくる。
「あ❣ あ❣ あ❣ だ、駄目…❣ もう声を抑えきれな…ぁぐぅう❣❓」
もはや姫昭はいくら口を塞ぎ歯を食いしばっても、嬌声を上げる事もその原因である秘肉の混ぜ合いを止める事も出来ず、本能に引きずられるがままより身を激しく打ち合わせていく。
「…ぁ…く…皆…何だか…今晩は初夜を少し越して…夜を楽しめ出せた頃のように戻って―――」
「あっはぁあああああああああああああああああああああああ❣❣❣❣」
「―――え…あぁ!?」
その完全に秘匿や隠蔽の事を忘れて快楽の極みを目指す姫昭の動きと甘美に釣られ、遂に白漂の瞼が夢現の定まらぬ状態ながらも開き、直後に両者は互いの足の付け根から噴火のような極みの迸りを発して正面からドバビュルと打ち合い混ざり合わさるような絶頂へ押し上げられた。
話は変わりますけど、あの運命の夜のブラウザゲームに出てきた新しい弓兵の女性キャラ…見た目と性格のギャップが良いですねぇ…(ゲス顔)。
ぶっちゃけ、咸陽の大王様とああした褐色系の絡みも書きたくなったので今回はそれも盛り込んだ形です。
次回は、その二人の馴れ初めにも触れながら夜の深い付き合いも描いていく予定です。