広く、全力で手足を伸ばそうと余裕のある浴槽の中、熱く吐き出した吐息は湯気と共に天井へと消えて行った。
一日の疲れを落とす憩いの場。普段見慣れた筈の浴室が、けれど今は全く違う雰囲気に映ってしまうのは、これからのことを意識し過ぎているのか。
「失礼、します……」
それは彼女も同じなようで。常ならば言わないような言葉と消え入りそうな声でオズオズと顔を出す愛。
”一緒にお風呂に入りたい“と、そう願い出たのは彼女の方なのに、俯いた顔を耳まで真っ赤に染め、唯一身に纏ったシャツの裾をキュッと頼りなさげに握りしめている。
その姿に暫し目を奪われる。
淡い湯煙が包む中、湿り気を纏い張り付いた白いシャツは、その下に秘めた肌色と艶やかな曲線を蠱惑的なまでに浮かび上がらせ。暖灯に照らされ美しく輝く金色の髪。その合間に覗く青い瞳が、恥じらいと……それ以上に灯る期待の色に濡れている。
天性の美貌に加え、肌を重ねるようになってからは益々綺麗になってきたような。もう幾度も目にしてきた筈なのに、改めて一望する少女の姿に言葉も忘れて見惚れていた。
「もう……見過ぎですよ…?」
浴びる視線をくすぐったそうに、けれど嬉しそうにはにかむ少女。白銀の反応に自信を取り戻したように、恥ずかしげに身を捩りながらも……それでももっと見て欲しいと。チャプンと同じ湯船に身を浸けては、白銀の眼前でシャツをはだけ肌を晒す。
生まれたままの一糸纏わぬ姿。貴方のものになったという、その証を。
すらりと伸びた首すじ。白磁のような肌の中にて一点、その存在を主張するように残された赤い痕。昨夜……いいや今朝つけられたばかりのソレを、少年の武骨な指がそっとなぞる。
「ふっ……、ぅぅん……っ♡」
途端にビクリと。浴室いっぱいに響く甘い声。想像よりずっと大きく
ジャプンと、2人分の容積が加わったことで微かに溢れ出す湯波。天井から落ちてきた雫が水面に波紋を作る。
いつもより温めの温度の中、早打つ互いの鼓動さえ余すことなく伝わる距離にピッタリと。熱に
「お湯の温度、上げなくていいか?」
「はい。今は……貴方の温かさだけを、感じていたいですから」
格好だけで言えば、毎夜 事の後、同じベッドで眠りに落ちるまでの時間とそう変わらない。けれども今は明るい橙彩に照らされた浴室内。普段よりもハッキリと見える互いの
胸板越しに伝う鼓動の音にうっとりと顔を綻ばせては、スリスリと愛おしそうに頬擦りする少女。
密着した肌を通じて伝わる体温に、互いの熱の境、その輪郭さえも曖昧になって。
……ああ、本当に。一つへと溶け合っていくような。そんな淡く倒錯的な錯覚。
「ほんとうは……ずっとずっと、こうしたかったんですよ?」
「言ってくれれば、風呂ぐらいいつでも一緒に入った」
寧ろ我慢していたのは俺の方だ、と。いつも以上に高鳴る鼓動を抱えていながら、そんな
「だって……一度知ってしまったら、戻れなくなるって分かってましたから」
「戻れない?」
「はい。この温かさを……この幸せを知ってしまったら……お風呂に入るたび、きっといつでも御行くんのことを思い出して。貴方の
ちゅっ……ちゅっ……と言葉の合間合間に、ついばむように交わされるキス。胸の内から溢れて止まない恋情を、少しでも伝えたいというように。
始めはただ甘えるまま。安心を求めるように重ねていた口付け。
けれど唇が触れ、舌を絡ませた瞬間、燃え上がるような桃色の悦情が胸奥から溢れ出す。チュ……クチュッと増していく水音を耳に、喉を鳴らして求める貴方の唾液は、まるで私にだけ効く媚薬のように。舌先で感じる熱が、貴方の味が、抱き寄せて頭を撫でてくれる手の感触の全てが、微かに残っていた
まつ毛の一本一本さえはっきりと分かる距離。きっとこれほどまで近く貴方の顔を映せた人は、この世の他に誰も居ないのだと……そんな淡い想像が更なる喜びと疼きとなって絡み合う熱を激しくしていく。
貴方の瞳という世界でただ一つの鏡。その中でだけで映る私の貌も、貴方の愛をどこまでも求め媚びる、蕩けきった雌の表情そのもので。
……ああ。もっと見てほしい。もっと瞳に焼き付けて欲しいと、留めどなく燃えあがる恋心のままに熱く熱くキスを交わしていく。
「ちゅ……ん♡んあ……ちゅ、んん…♡」
「っ、愛……そこ、は」
「ん……ふふ♡はむっ、ちゅ……♡」
唇はそのまま首の付け根へ。一際目立つからという理由で、週末にしか付けることを許して貰えない場所。今はすっかり薄くなってしまったその痕に、再び色を取り戻すように……今度は決して消えないようにと願いを込めて深く深く口付ける。
「……♡」
ちゅ……ぢゅ、と響く卑猥な水音。照明の照らされ伸びる薄い銀色の糸。ハッキリと残った自身の唇の痕に満足げに微笑みながら、愛おしむようにもう一度捧げるキス。そうして今度は自分の首元を。
「ひゃ、んっ……うぅん……♡」
熱い唇が肌に触れるたび、ビリリと全身へと迸る電流。一吸いされるごとに胸が多幸感で溢れ、ジュンッと蕩けるような熱が下腹部に増していく。けれどキスが終わってしまうと、離れていく唇の感触にたまらなく切なさを覚えて。
もっと……ね……♡ もっと……♡と。せがむように、首筋が終われば今度は鎖骨を。胸元を。熱く熱く、もう待ちきれないと突起した先端を。
逃したくないというように彼の頭を両腕に抱えたまま、
「く、っ……。愛……っ」
乱れ悶える彼女の姿に興奮を抑えられないのは御行もまた同じ。
密着しているからこそ伝わる。抱きしめた腕の中、その肌へ口付ける度に軽く達するようにビクリと跳ねる少女の体。耳のすぐ側で溢れる甘い嬌声。その悦びを伝えたいと、ますます深く肌を重ねられて。
「あ……♡」
そうして接しているからこそわかる。見つかってしまう。湯船の中、一際熱くそそり立つ剛直。お腹の上、柔らかな肌と肉を押し返すように脈打つソレを、少女は嬉しそうに、うっとりと愛おしそうに見つめながら、そっと手のひらに包み込んだ。
「っ、くあ……!?あ、愛……っ!?」
「んっ、っつ……ふふ……♡」
硬い肉棒を自らの下腹部と抱き寄せ。そのまま体を上下させては、肌へと擦り付けるように愛撫を始める少女。
お湯の中で伝う、絹のように滑らかな肌の感触。先端から溢れた先走りが少女の柔肌を汚し、増していく粘度に、にゅるっ、にちゅっと聞こえる筈のない音が白銀の脳を揺らしていく。
「気持ち、いいですか……?」
「っ……!」
「御行くんの声で…聴かせてください……♡」
何度もキスを迫りながら、覗く青い瞳に少しだけイタズラげな色を潜ませて愛撫を続ける少女。強すぎず弱すぎず、生殺しにも近い攻め具を十数分。観念むなしく「ああ……っ」と振り絞るように零した白銀の
自身の臍のすぐ下まで届くそれに、熱く熱くアプローチするように。本当に欲しいのは、この
「ふっ、あ、ぅぅん…っ♡」
そうして限界にまで硬さを増し、はち切れそうなほどに熱く震えるソレを、誘うように自らの秘部へとそっと当てがう。
硬い剛直にスリットを擦られ、堪らず零れる甘い吐息。まだ繋がってもいない。お風呂の中だというのに、蜜壺から留めどなく溢れた液がねだるように彼のソレへと纏わりついていく。
「みゆき…くん……」
待ちきれない入り口がちゅっ…ちゅっ…と切なげに亀頭にキスを交わす。それでも、腰を落とさず両腕を首後ろに回したまま、切なく潤んだ瞳でじっと白銀を見つめる少女。
ああ……ここまで誘っておいて。ここまで誘惑しておいて。
最後の一線は、どうか貴方の方から破って欲しい。貴方に愛されている……その消えない証が欲しいのだと。
そんな、いじらしくも彼女らしい臆病さと繊細さに、思わず息が零れた。
「ふあっ♡!?は、く……ううぅん……♡」
深くは挿れない、先端だけを擦るような軽い挿入。先程のイタズラへのお返しをするように。
悩ましげに身を捩る少女は、数秒とさえ耐えきれないままに、しなだれるように白銀へとキスを求めてくる。
お願い――
もう我慢なんてできない――
心から哀願するような、熱く蕩けるキス。
涙さえ浮かんだその目尻に、過ぎた意地悪への謝罪の口付けを落としながら、今度こそと打ち上げる腰に力を込めた。
「ひゃあぁぁあぁぁあん♡!!」
淡い白湯気の漂う浴室に、一際大きく響き渡る嬌声。
秘洞を掻き分け貫く剛直の大きすぎる快感に、目の奥で何度も火花が弾け、まだ挿入しただけでにもかかわらず、ビクッ、ビクッと幾度も痙攣を起こしては悦びを顕す。ずっとずっと求めていた形、焦らされ続けた愛おしいその熱に歓喜するように。女陰から蜜をしぶかせ、もっと深く、もっと奥へと媚びるように子宮へと導いていく。
「は……ひゅ……ん、ぁぁ…♡」
ひとしきりの嬌声のあと、かひゅっ、と抜けるように喉奥から溢れる吐息。
全身を駆け巡る強過ぎる快感。今もギチギチと、最奥まで飲み込んだ彼のものから伝わる圧迫感は、とても苦しいはずなのに……ああ、けれど同時にじわりじわりと広がっていく
「っ……!」
「ふあ……♡ふ、ぅぅぅん♡」
目の前に映る艶めかしくも清麗な少女の姿を目に、より硬さを増しいきり立っていく陰茎。
自身の膣で大きくなっていく男根の感触に、少女は益々嬉しそうに甘い息を零しては、全てを委ねるように少年の胸中へと溺れていく。
ーー動くぞ
ーーはい…♡
言葉に出すことなく、口付けだけで交わす合図。
どちらともなく動かし始めた腰が、既に太腿にまで溢れ垂れていた愛液に打ち付けられ、ぐちゅ、ぬぷっと、卑猥な音を浴室いっぱいに響かせていく。
「ひゃ、ん♡ああん♡あっ、あっ♡ふぁああっっ♡!」
腰を打ちつける度、肉壁を無理やりに掻き分けて貫く強直の感触に益々甘い色を増していく少女の喘ぎ声。
時折混ざる苦し気な吐息とは裏腹に、その顔色は愛しい人の
喘ぐ息に首を振れば、お湯の中にふと見える貴方との結合部。
熱く濡れそぼった自身の膣穴は、いったいどれだけ彼のことが好きなのだろう、出し入れされるたび歓喜の涙を流すかのように愛液を溢れさせ、貪欲なまでに彼のもの咥え込んでいく。
ただ抱き着くだけだった腕も、いつしか彼の手を取り自ら触れて欲しいと誘うように胸へと押し当てて。彼のゴツゴツとした指が柔肌に沈み込む感触に酔いしれながら、子宮に宿る熱を更に熱くしていく。
ああ――いつの間に私は、こんなにもエッチになってしまったんだと
(でも……)
でも、それもしょうがないよねと、微かに残った羞恥心を優しく抱き留める。
見上げる貴方のアツく、熱の篭った瞳。
いつも誠実で、紳士然であろうと努める貴方。
嬉しくない筈がない。
貴方の表情が快感に歪む度、胸は例えようもない喜びに塗り染められて……もっともっと触れて欲しい。もっともっと愛して欲しい……。胸に抱く高鳴りは、貴方に抱かれるたびに強くなっていって、果てもない恋心に何処までも深く溺れて行ってしまう。
「ふぁああぁん♡!きゃう♡!ふひゃぁっ♡は、あぁぁぁん♡」
ちゅっ、ちゅっ、自ら吸い付くように愛おしげにキスを捧げる子宮口。熱に蕩けきった蜜壺がうねり、彼の動きに合わせるように陰核が最も深くへと届く瞬間、きゅうと膣に力を込める。
息遣いも、力の強弱も、タイミングも。全てが合わさるからこそ生まれる、途方もない快感。一番気持ちいい所も。今一番にして欲しいことも。全て言葉にするまでもなく伝わる幸せ。
既に貴方の
「みゆきくん……ちゅっ♡はっ、んあぁぁ♡みゆき、くぅん……♡」
熱に浮かされたように。事実どこまでも昂っていく熱に侵されながら、譫言のように繰り返す貴方の名前。
抱き着く四肢は、幾度も繰り返した
トロトロに蕩けきったソレは、まるで熱に溶けきった理性や
ああ――これ以上は危険だと。頭の中の何かが警鐘をならす。
これより先に踏みこんでしまえば、本当に引き返せなくなる。
一度混ぜてしまえば元には戻れない絵の具のように。
心も体も、全てが
もう二度とは元には戻れない……一つのものへと溶け合ってしまう。
(ああ――)
かつて無いほどに熱く疼きを増していく子宮。
そうなってしまいたい……。
心も。体も。この魂までも、ぜんぶぜんぶ貴方の熱に溶かされて。
私のすべて、貴方の色だけに染まって。
もう二度と離れられない。もう、貴方なしでは生きていけないほどに……ひとつに溶けあってしまいたい――。
「っ、!愛……これ以上は……っ」
「射精して……♡だし、てぇ……♡。貴方のぜんぶ…♡私の、一番奥……♡ぜんぶ……受け止めさせてください…っ♡♡」
燃え果てるような情動のままに、ぎゅっ、ぎゅっと、彼のモノをきつく締めあげていく蜜壺。自身を貫く剛直の中、今も熱く煮え滾っているであろう、貴方が与えてくれる熱を求めて。
この僅かに残った理性も。私そのものも、全て溶かしてくれる――最後の熱を求めて。
「あ――」
ドクン、と一際大きく震え上がる男根。子宮口さえこじ開けて、かつてないほどに深く深く吸い付いて咥え込む膣穴。
ずっと待ちわびてきた刹那。永遠とも思えるその一瞬。
瞳の奥で火花は弾け、全てを白く塗り潰す快感の波が溢れて――
「あッあぁぁあアア――――!!!♡♡♡」
■□■□
ピチャン、と。天井から落ちてきた雫が額に落ちる。
荒々しい吐息が響く浴室。全てを出し切った疲労と快感が頭を包み、思考さえ朦朧と揺蕩うなか。
既に常温に戻ってしまった湯舟にて、それ以上に熱く煮え滾った体温を抱える二人が、溶け合うように体を重ね合わせていた。
「あ……
少女の中、力なく硬さを失った陰茎を抜き取ろうと思った瞬間、切なげに濡れる瞳に拒否される。
今も亀頭に吸い付いては、コクッコクッと。愛おしそうに精液を飲み続ける子宮。尿道の中に残った一滴さえ惜しむかのように。
その感触と温かさにうっとりと顔を蕩けさせながら、力の入らない舌で甘えるようにキスをせがむ少女。
「ん…ちゅ……好きぃ…♡ みゆきくん……大好きぃ……♡♡」
既に溶け切ってしまった理性。裸になった心が溢す言葉はどれも稚拙で、子どものよう。けれどそのすべてが紛れもない本心で。
ずっと、ずっと……こうしていたいと。
息も絶え絶えに。指一つまともに動かせなくなった体で、それでも心からの幸福に溺れながら永遠を微睡む。
「ぅ、っ――?」
夢うつつの少女を胸のなかに、不意にくらりと歪む視界。
のぼせてしまったように……いいや、これだけ長時間湯舟の中にいて、激しい動きをしているのだから熱に当てられない方がどうかしているだろう。湯に濡れているために分かりにくいが、互いに相当に汗を流し、体力も持ってかれている筈だった。
力なく天井を仰いでは一度、肺に溜まった熱気をすべて吐き出す。
微かに意識を取り戻した理性が頭痛と共に身体の限界を訴える。
確かに……
際限なく高まり合う互いの熱。溶け行く理性にリミッターさえ外れてしまって……いつも以上に行為は激しさを増し、どこまでも深く溺れて行ってしまう。
体への負担を考えれば、嵌まってしまうにはあまりに拙いプレイ。
次の日の仕事にだって影響があるかもしれない。
出来て”月に一度”くらいに止めるべきの――
「ぇ………」
そう考えるや、まるで此方の心を詠んだかのように、哀しげな声を上げる少女。
見上げる青い瞳は悲しさと切なさに溢れて。
どうして?と、訴える瞳に涙さえ零して。
「……週一まで、な」
ポツリと零した声に、花のような笑顔が咲く。
感謝を伝えるように深く口付けを重ねては、同時にまた甘えるように、きゅっ、きゅっ、男根を締め付ける子宮。
その刺激に、再び硬さを取り戻していく剛直。繋がった唇、頭の中に直接響く彼女の嬌声がどこまでも悩ましい。
まだまだこの夜は、終わりそうになかった。
その後、尚も甘える彼女に負けて。
週一から週二。
週二から週四と、
ドロッドロに甘くてデロッデロに溶け合うようなイチャラブ濃厚温泉ックスが見たいという友人のリクエストに応えて一筆。こいつとんでもねぇ変態だなと侮蔑しつつ、どこまでも固い握手を交わした右手は、過去最高の執筆速度を叩き出していた。
けどぶっちゃけR-18の書き方なんてまるで分からず雰囲気と欲望のままにしか書けないので、感想等でアドバイス戴けると嬉しいです