※この作品はR-18です。

デメテルの母性が突っ切った場合   作:カズゆき

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色々視点が変わりますが、楽しんでいただければと思います
今回はエロは少なめ?だと思います


転生(物理)

 本当はすぐにでも産んであげたかったのですが

『我が子』たっての希望。じっくり育てていきましょう

 今日で三ヶ月。お腹はまだ目立っておりませんが

 この張っている感覚……素敵ですわ

 もうすでに、何をどれだけ出産したか覚えておりません

 でも『ここに息子がいる』そう実感出来る素敵な時間です

 いつも不思議に思っていました。人間がなぜ約一年かけて出産するのか

 この幸せを噛み締めるためなんですね……

 ふふふ。あと約半年。私たち神にとってはあっという間ですが

 この時間大切にいたしましょう

 あの時初めて見かけた時。今まで見たことも感じたことのなかった気配

 ヘスティアやヘパイストスが、人と共に過ごしたいと思った気持ちを

 私なりに直感で理解したものだと、今ならわかる

 

「この子は私の子供として永遠に愛し続けます」

 

 ──────────────ー

 さらに半年後

「……ヒマだ……」

 

 十月十日。人間の妊娠期間として有名な言葉だ

 胎内のため明かりなんてもちろんなく。目を開けているのか瞑っているのかわからない

 なんにも出来ることがないため、とにかくヒマである

 少し前は体が浮いているような感じだったが、ここ最近は寝返り? をうとうとすると、ぐにゅぐにゅという反動を感じる

 おそらく子宮の壁に当たっているのだろうか? 

 指や足の動く感覚はあるから、体はほぼ完成していると思う

 少し気になって手を前に出し壁に触れる。

 むにむに、ぷにぷにと言った心地いい感触が伝わり、つい、ぎゅっとその壁を押してしまった

 

「あん。もう、暴れたらダ・メ・よ。もう少しですからねー」

 

 デメテルさんの優しい声が聞こえる

 毎朝毎晩の挨拶はかかさずしてくれるし、小さな事でも話しかけてくれる。もうちょと胎内にいたいなーとニートな考えになってしまう。

 あとどのくらい胎内にいられるかわからないが

 生きてきた中で一番心地いい寝室を、今はゆっくり味わおう

 

 ──────────────ー

 

 世間では、あのデメテルが妊娠したと上へ下への大騒ぎ

 相手を探す者、デメテルに惚れていた面々は連日やけ酒

 女性陣はお祝いやら男か女か賭けにするものまで

 そんな中、デメテルファミリアのメンバーは特に慌てる様子はなかった

 

「デメテル様の出産、久しぶりだねー」

「前はなんだっけ? 馬? 牛?」

「馬じゃなかったっけ? 何か馬車引くのが足りないからって100頭ほど産んだような……?」

「あの時は大変だったなー。毎日産み続けるから、出荷先も嬉しい悲鳴だったな」

「まさかうちの産業の一番の売り上げが、デメテル様の「産み」だなんて……」

「誰も思わないよな……」

「で? お前は賭けに参加してるの?」

「『何が』生まれるかって? 今回はちょっと読めねぇから見送ったぜ」

「なんか期間的に『人間』って票が多いみたいだな」

「へー? あの方が『人間』産むなんて、俺は初めて見るぜ?」

「まぁ、まだわからんけどな」

 

 さらりと、問題発言のような変な話の中、雑談をしていたメンバーは元の作業に戻っていく

 

 そしてさらに一か月後、その時がやってきた

 

 ──────────────ー

 

 広いお風呂場

 ちょっと高級感のある白い壁と、広い湯舟

 デメテルのこだわりで、いいお風呂を作りたいということであるこのお風呂

 その湯舟の中に、大きなお腹をしたデメテルが、リラックスして浸かっている

 

「今日でちょうど10か月。さぁ、出てらっしゃい……」

 

 臨月の大きなお腹をさすりながら、半身浴のように湯舟につかり

 足を大きく広げて出産の準備に入る

 

「一番近くに感じることはできていても、会えない寂しさ。10か月本当に待ちわびました……

 さぁ! 出てきてください! 私の子供!」

 

 ぐにゅぐにゅとお腹が波打った。デメテルのスキルなのか豊穣神としての能力なのか

 ついにその子を産むために集中する

 片手はお腹をさすり、片手は女性器を広げ、産まれるための手助けをする

 少しお腹がへこんだように見えると、そのままずるずるとへこんでいく

 出産の時のようだ

 

「うぅ……ふぅ……慣れてるとはいえ、毎度この感覚はすごいですね。なぜか今回はいつもよりいいです」

 

 全身を締め付けるような窮屈な感じがした

『さぁ、出てらっしゃい』

 そんな言葉が聞こえた。つまり僕がついに出る時がきたんだ

 頭が何かを通り抜けた感じがして、そのまま通ってゆく

 体が回転しつつどんどん降りていくような感じがする

 そして頭が、ぬぽんっと出た瞬間、閉じている瞼に久しぶりの光を感じた

 頭がすっとつかまれて、全身がするすると引き抜かれる

 もったない……と思いつつ、開放されたという思い

 何か温かい布団に包まれてるような心地いい感触に、ゆっくり目を開けると

 そこにはあの時と変わらない、愛しく優しい女性の顔があった

 

「ぁぁぁ、ぅぅぅ」

 

 うんしゃべれない。意識は前のままだけど、体が赤ちゃんのためか思うようにはできない

 

「ああ……出産がこんなに嬉しいなんて……」

 

 デメテルさんが僕を抱えてほおずりする

 こそばゆくて、つい体をねじってしまうが、でも嬉しい

 しかし、デメテルさんが僕のお腹を見て固まった

 

「……え? この紐? は……なんでしょう?」

 

 それは、へその緒。普通なら当たり前のもの

 しかし、デメテルにとってははじめてできた紐であった……

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