みーくんと出会ったのは私が小学生の頃だ。
私の近所に彼が引っ越してきて、同じ集団登校のグループになったのがきっかけ。
彼は私より一学年下だったので、お母さんにしっかり面倒を見るように言われたのを思い出す。
その頃の私は学校で浮いた存在だった。
当時流行っていたプロフィール帳の「好きなもの」のとこに、昆虫と他人の横顔と書いたところ、みんなに気味悪がられた。
そりゃそうだ。
誰だって自分の知らないところでじろじろ見られるのは嫌に決まっている。
なら、私の横顔はどう見られているんだろう?
一度気になり始めてから他人の目が怖くなって逃げるように作りものの世界に没入した。
現実の世界は生き辛かった。
みーくんは引っ越してきたばかりで、私のことを知らなかったので、以前のように彼の横顔を観察してしまった。
登校中ずっとだ。
そんなに見ていたら気づかれるに決まっている。
私は後悔した。
また私を気味悪がる人が増えてしまう。
私に見られていることに気づいたみーくんはこう言った。
「僕のこと好きなの?」
「好きなだけ見ればいいよ」
「僕イケメンだから」
唖然としてしまった。
今思えば笑い話だけれど、当時の私にとっては救いの言葉のように思えた。
初めて自分を受け入れてもらえた気がした。
気づくと涙が溢れ出て、止まらなくなっていた。
号泣する私を見て、みーくんは慌ててたけど、泣き止むまで一緒にいてくれた。
それから私はみーくんと遊ぶようになった。
お互いの家で映画やアニメを観たり、子供ながら演技論を語ったりしていた。
すぐに親友と呼べるような間柄になった私に、みーくんは自身の夢を語ってくれた。
小説家になること。
それがみーくんの夢だ。
父親が職を転々としていた影響で、彼は転校が多くて、なかなか友達が出来なかったらしい。
さらに両親が共働きだったため、一人の時間が多かった彼は自然と本の世界に入り浸るようになった。
きっかけは違うけど、私と同じだ。
二人とも作りものの世界に没頭した子供だった。
みーくんの夢や境遇を聞いて、私はより彼を好きになった。
そして、私にも夢が出来た。
それは――――――みーくんが原作の映画に出演することだ。
もちろん助演ではなく、主演としてだ。
こうして私たちの絆はより深いものになった。
みーくんと一緒だったら、私はどこまでも羽ばたいていける。
本気でそう思っていた。
子供ながら私はみーくんを愛していた。
みーくんの全部が愛おしくて、みーくん以外何もいらないと思った。
彼には言わなかったけど、私にはもう一つ夢があった。
みーくんのお嫁さんになること。
好きな人と一緒に夢を追いかけていける。
私の人生は一気にバラ色になった。
でもそんな日々は長く続かなかった。
夢を語り合ってから一週間後。
みーくんが転校することになった。
父親が蒸発してしまい、母親の実家に引っ越すことになったのだ。
みーくんがすべてだった私には、それを受け入れることが出来なかった。
私は家から飛び出して、泣きながら走った。
それがいけなかった。
今でも後悔してもしきれない。
私が彼を傷つけてしまった。
涙を出し尽くした私が家に戻ると、大人たちが集まっていた。
みんな神妙な面持ちだった。
お母さんになにがあったのか訊いてみると、信じられない答えが返ってきた。
私を追ったみーくんが車に轢かれてしまったのだ。
頭が真っ白になった。
お母さんはそんな私を病院に連れて行った。
病室でいろんな機械に繋がれているみーくんを見て、ようやく我に返った。
医者の話だと、怪我は大したことないけれど、頭に強い衝撃を受けて意識が戻らないとのことだった。
私のせいだ。
私が家を飛び出さなければ、みーくんが車に轢かれることもなかった。
私は泣いて謝った。
でも誰も私を責めなかった。
みーくんの母親も。
私のお母さんも。
誰も私を責めない。
それどころかみーくんの母親に感謝されてしまった。
みーくんと仲良くしてくれてありがとう。
涙を浮かべるみーくんの母親を見て、私は気づいた。
私にとってみーくんがすべてだけど、この人にとってもみーくんがすべてだったんだ。
父親が蒸発してしまい、家族はみーくんしかいない。
私はそんな大切なみーくんを、この人から奪おうとしている。
そんな人の前で私が泣くわけにはいかない。
私は必死に涙を引っ込めた。
今思えば、これが初めての演技だったのかもしれない。
みーくんが目覚めたのはそれから二日後だった。
この時ばかりは神様に感謝した。
これで二人の夢に向かって頑張っていける。
でも神様は意地悪だった。
みーくんはここ3ヶ月の記憶を失ってしまっていた。
彼は私のことを忘れてしまったのだ。
私だけじゃない。
父親が蒸発したことも。
転校してきたことも。
すべてを忘れていた。
もちろんショックだった。
大好きな人に、自分の存在を忘れられる。
役者になって辛い経験は何度もしたけれど、それより辛いことはなかった。
だけど、私は泣かなかった。
忘れられたなら、また始めればいい。
私とみーくんの絆は記憶をなくしたくらいで引き裂けない。
どうせ始めるなら劇的なものにしよう。
私たちの物語が再開するスタート地点は夢の一歩手前。
私が役者になって、みーくんが小説家になっていること。
そこから二人の夢が再始動する。
私はみーくんの母親に事情を説明した。
お母さんは反対したけれど、みーくんの母親は納得してくれた。
その直後だった。
憧れの女優にスカウトされたのは。
役者になった私は『奇跡が似合う女』になるために努力を重ねた。
結果は数字になって返ってきた。
売れるにつれて、大衆のための仮面も強度が増していった。
仮面を外すのは、彼を思い出すときだけだった。
みーくんが小説家デビューしたのを知ったのは中三の春だった。
中二で本を世に送り出した少年をメディアが放っておくわけもなく、彼は瞬く間に時の人となった。
嬉しかった。
彼も夢に向かって頑張ってくれていたんだ。
もちろん信じていたけれど、こんなに早く彼が世に知れ渡るとは思ってなかった。
私は嬉しさのあまり、彼の本を50冊購入してしまった。
ただSNSで宣伝することはしなかった。
彼の実力なら、私の手助けなんて必要ないと思ったからだ。
そんな彼と再会したのは某局のバラエティ番組だった。
彼は記憶を失ったままで、私のことは覚えていなかった。
ショックはなかった。
だってようやく私と彼の物語を再開できるのだ。
嬉しさのあまり、私は前室で彼の横顔をずっと見つめてしまった。
そして奇跡が起きた。
私に見つめられることに気づいた彼が放った言葉。
「俺のこと好きなの?」
私とみーくんの絆は引き裂かれていなかった。
歓喜した私は現場なのに仮面を外してしまった。
涙が止まらなかった。
泣き笑いの演技で誤魔化したけど、酷いものだった。
役者仲間がいたら、気づかれていたと思う。
でも仕方ないよね。
だってやっと『奇跡が似合う女』になれたんだから。
私はみーくんと連絡先を交換して、10年ぶりに友達になった。
私は空いた時間で積極的に彼を誘った。
二人で映画やアニメを観たり、作品を批評したり、食事をしたりと、失われた時間を取り戻していった。
後はみーくんの作品が、私が主演で映画化されるだけ。
そうしたら私はもう一つの夢を叶えるつもりだった。
みーくんのお嫁さん。
結婚したら私の人気は確実に落ちるだろう。
天使としての百城千世子はこの世からいなくなる。
でもそれでもいい。
天使じゃなくても役者として生きている。
だから後悔はない。
あるはずがない。
そんな私たちの夢に邪魔が入った。
彼の家政婦である『景さん』という女性だ。
なんとみーくんは、景さんと肉体関係を持っていたのだ。
ふざけるな。
私の心は憤怒一色に染まった。
彼を自宅に連れて帰り、事情をすべて話してもらった。
境遇は同情するけど、そんなの関係ない。
私のみーくんに手を出しやがって。
気づけば私はみーくんにキスをしていた。
私のファーストキス。
本当なら夢が叶うまでとっておくつもりだった大事なもの。
でもそんなことは言ってられない。
初めての口づけなのに、舌を絡め合い、唾液の交換をし続けた。
いやらしいキスだった。
すっかり発情してしまった私は彼を求めた。
最初は渋っていたけれど、彼は私を受け入れてくれた。
初めては痛かったけれど、居心地よかった。
みーくんと繋がっている。
それだけですべてが幸せに思えた。
たまにしかオナニーをしなかった私だけれど、すぐに女の悦びを知ってしまうことになる。
痛みはすぐになくなり、快感だけが身体を支配し始めた。
私は何度も何度も絶頂した。
寝室で、浴室で、精液を吐き出され続けた。
みーくんには安全日と言ったけれど、嘘だった。
景さんと生でしてると聞いて、負けたくなかったのだ。
もしかしたら妊娠しちゃうかもしれない。
そんな不安がよぎったけど、すぐに快楽が消し去ってくれた。
セックスをしているときのみーくんは思ったより乱暴だった。
力強く胸を揉んだり、真っ赤になるまでお尻を叩かれたりした。
その結果、私は開発されてしまった。
胸を揉まれただけで潮を噴いたり、お尻を叩かれだけで失禁しながら絶頂するようになった。
私って変態だったんだ。
みーくんに引かれないか心配だったけど、そんなことはなかった。
私が痴態を晒すたびに、彼の肉棒は元気になっていった。
最後の行為が終わると、私は彼の左肩に思いっきり噛みついた。
思ったより傷が深かったようで、私の口内は鉄の味でいっぱいになった。
もちろん美味しいとは思わないけど、まずくもなかった。
みーくんがなぜ噛みついたのか訊いてきたけど、教えなかった。
これはみーくんが私のものだという証。
本当は私も噛んでほしかったけれど、グラビアの撮影を控えていたので、やむを得ず断念した。
みーくんと身体は結ばれた私だけど、今後の関係については話さなかった。
やはりみーくんと一緒になるのは二人の夢が叶ったらでいい。
それまではセフレで我慢しよう。
景さんと同じ立場なのはムカつくけど仕方ない。
だって――――女の悦びを知ってしまったんだから。
☆☆☆
テレビに千世子が映っている。
スポーツドリンクのCMで、千世子は白いワンピース姿で、天使の微笑みを振りまいていた。
「んちゅっ……ぢゅぷっ……れろっ……」
その千世子は俺の逸物を美味しそうにしゃぶっている。
「千世子のCM流れてるよ?」
「う、うるひゃひぃ……んぶぅ……あはぁ……」
自分のCMを背に、天使とは程遠い顔つきで奉仕する千世子の姿に興奮してしまう。
「うあっ♡ じゅぶっ♡ んぶふぅっ♡」
「ファンが今の千世子を見たらどう思うんだろうな」
間違いなく役者人生は絶たれるだろう。
若手女優の代表格だった百城千世子がセックス狂いの女だったのだ。
千世子どころか、スターズも潰れるかもしれない。
それほど百城千世子の影響は凄まじい。
「だからうるひゃいってぇ……はむっ、ぢゅるるっ……言ってるれひょ……♡」
「はいはい」
千世子は10分以上も肉棒をしゃぶっている。
「つーか、ソファが汚れるかもしれないけどいいの?」
「いいにょっ♡ んちゅうううっ♡ ごきゅっ♡」
今日は一日オフだった千世子の自宅でまったりしていた。
だが休日でも千世子は研究熱心だった。
エゴサをしたり、共演する俳優のドラマや映画をチェックしたりしていた。
千世子は人気が凄まじいため、アンチも多い。大体は他の女優のファンか、共演したイケメン俳優のファンによる誹謗中傷が多い。
『百城千世子はセックスが大好きな淫乱な女』
以前なら的外れな投稿だが、今では正解になっている。
「んふぁっ♡ んぼぉっ♡ うああっ♡」
やるべきことを終えた千世子は、ソファでくつろいでいた俺の足元に跪き、フェラを懇願してきた。
断る理由もないので許可すると、俺のズボンとパンツを脱がし、自身も半裸になりながらフェラをし始めた。
フェラだけで満足できなくなったのか、いつの間にか千世子は奉仕しながら、自身の性器を指で激しく搔き乱している。
「千世子、そろそろ
「ぷはっ! はぁ、はぁ……いいの?」
「いいよ。千世子に早く
「わかったっ♡」
千世子は近くの棚からゴムを取り出し、鼻歌を歌いながら肉棒に装着させた。
「ここでやっていいのか?」
俺が座ってるのは高級ソファだ。このままでは精液や愛液やらで汚してしまう。
「いいよ。もうすぐ買い替える予定だったし」
「そっか。それじゃ来てくれ」
「んっ」
千世子は俺に背中を向けるようにして腰を下ろす。
そして自らペニスを挿入していった。
「んはあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」
挿入しただけで大きく喘ぐ千世子。
「もしかしてイッたのか?」
「えへへ♡ 軽くイッちゃったぁ♡」
「変態すぎだろ」
「みーくんのせいだもんっ♡」
「そうだな」
俺は答えながら千世子の上着とブラを脱がしていき、生まれたままの状態にさせた。
「みーくん、早くズボズボしてっ♡ 私、我慢できないよぉ♡」
「わかってるよっ……!」
「ひゃああああんっ♡」
軽く抽送しただけで、歓喜の声を放つ。
千世子を抱くのは二回目だが、前回より感度が確実に良くなっている。
「ひゃうっ♡ あんっ♡ んぁあぁっ♡」
「初めから激しくするぞ」
「うん、してぇっ♡ はひぃぃんっ♡ 私も、激しいの好きだからぁ……ああぁぁんっ♡」
ゴム越しだが、千世子の媚肉の感触はたまらなかった。
俺は宣言通りにピストンを加速させる。
「んああああんっ♡ ひぅぅぅううんっ♡」
テレビの横にある全身鏡に、性欲の化身となった千世子が映し出されている。
なんて淫乱なんだろう。
テレビには先ほどのCMが再び流れており、天使と堕天使の千世子が比較できるようになっている。
「あひいいぃぃっ!? おっぱい、らめええぇぇっ♡」
「なんでだめなの?」
問いながら、揺れ続ける乳房を力強く握りつぶす。
「ら、らめじゃなひぃっ♡ もって握っへぇぇっ♡ あひゃぁああっ♡」
「気持ちいい?」
「き、気持ち……くひゅゥゥゥゥゥゥゥッ♡」
千世子はまたもや絶頂してしまった。
「はひゃひいいぃ♡ テーブルがぁ……あぁああっ♡」
豪快に放たれた透明な液体がテーブルに降りかかった。
潮の勢いは衰えず、先ほどまで資料を置いていたテーブルは水浸しになってしまった。
「はへェエエッ♡ えひっ♡ おっ、おひぃぃいっ♡」
自らテーブルを汚してしまったことに興奮したのか、千世子の喘ぎがより下品なものに変わっていった。
「くっ、そろそろ
「だ、だひてぇ……♡ みーくんの、いっぱいだひてええぇぇっ♡」
俺と千世子の官能が一気に高まっていく。
「ひぃいいぃい~~~~~~っ♡」
避妊具越しではあるが、出したばかりの熱情を受け止めて、千世子の膣内がとくとくと脈動した。
「あ、あぁっ……ふぁあっ……♡」
「ふぅ、……まだやるよな?」
「あ、当たり前だよぉ……♡」
全身を大きく震わせ、白い喉を仰け反らせている千世子だが。性欲はまったく衰えていない。
「今日も千世子がぶっ倒れるまでやろうか?」
「今日は気絶しないから」
「ふぅん。見ものだな」
「みーくんこそ、精液を出し尽くさないでね」
それから俺たちは太陽が落ちるまで性欲を貪った。
普段トレーニングをしているため、千世子の体力は景より上だったが、最後にはアヘ顔で気絶してしまった。
百城千世子のアヘ顔。
俺は悪戯気分で撮影し、帰宅後、千世子に写真を送ってしまった。
後日、千世子に説教されたのは言うまでもない。