※この作品はR-18です。

不知火の受難   作:テラフォーミング

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はかない夢

あの夜。

結局司令は3時間も私の身体を弄って満足したのか、抱き締めたまま寝てしまった。

 

翌朝、目を覚ました私は寝たままの司令を放置し逃げてきたのだ。

 

……だから、弄られて身体に残った熱は忘れる事にした。

 

 

 

 

 

「ねえ、不知火、眠そうだけど大丈夫?」

 

「大丈夫です。昨日は少し眠りが浅かったもので」

 

「結局どうしてたの?戻って来なかったじゃない」

 

「司令と遅くまで仕事をした後、寝落ちしてしまいまして。提督の私室でソファーを借りて寝ていました」

 

「あら〜、一緒に寝たんじゃないの?」

 

「司令とはそういう関係ではありませんので……シャワー浴びてきます」

 

「行ってらっしゃーい」

 

自室に逃げ込んだ後、扉の音に気づいて起きてきた陽炎と会話を交わす。

結局私は昨日の出来事を司令の「気の迷い」と言う事にして忘れることにした。嘘を付くのは少し心苦しいが、真実を喋ることで艦隊の連携・日常が崩れるぐらいなら何もしない方がいい……

 

 

 

更衣室に入り、服を脱いで個室のシャワールームに入る。カランを回し、頭から湯を被る。

 

「何故……司令はあんな事を」

 

いくら考えても分からない。優しかった司令が何故あの様に豹変してしまったのか。5年間の私の接し方が悪かったのか……

これでも司令とは色々あった。互いに命を預けて戦うこともあったし、信頼していた。

元を言えば欲望をぶつけて来た司令が一番の原因なのだから、私は悪くない。

それでも考えずには居られなかった。

涙が止まらなかった。

 

 

 

 

「不知火、工廠の抜き打ち検査の報告書だ。大本営に廻してくれ」

 

昼過ぎ。食事を終えて執務室に戻ると、検査を終えて軍服に着替えた司令が居てそういった。

 

3ヶ月前、砲の暴発が多発し、なんでもないはずの戦闘で中大破が続出した。異常事態と判断した司令と私が調査したところ、一部の整備工による作業短絡が原因と判明した。

 

司令は整備工に対して減給処分と基礎訓練校への2ヶ月再訓練を命じたが、彼らは先日帰ってきたばかりなのだ。

 

「了解しました」

 

司令の顔を見ると手が震えるが、必死に抑えて表面上は何も無かったかのように取り繕う。

 

「後、書類を出したら俺の部屋に来るんだ。いいな?」

 

「……了解しました」

 

 

 

 

 

「来たか……こっちに」

 

司令私室に入ると、窓際の椅子に司令が座っていた。ゆっくりと近付くと、手を掴まれて私は司令にのしかかるように倒れ込んだ。

 

「!?ちょっと司令何を……っ」

 

司令の右手が私の腰に回った。逃げようとしたが昨日のことを思い出したせいか、足が震えて動けない。

 

「……司令、お願いします。やめて……」

 

途端に押し寄せる恐怖心。震えが止まらない。涙声で懇願するが、彼の手は止まらない。

 

「へへ……」

 

左手がするりと臀部を撫でる。触られたところからぞわぞわと悪寒が走り、呼吸がしにくくなる……

 

「いい尻だな……いつまでも触っていたくなる」

 

司令の手は止まらない。感触を味わうかの様に揉まれる臀部。指先が沈む度に気持ち悪さが膨らむ。

 

「こっちを向け、不知火」

 

後頭部に手が添えられ、司令の方を向かされる。途端に迫る唇に、顔を背けて逃げるが

 

「イヤぁ……んむううう」

 

司令の舌が入ってくる。ぬとぬととした触感に押し寄せてくる吐き気。こんな形で司令とはキスしたく無かったのに……

(もっとロマンチックにしたかった……)

 

 

 

心の奥底に隠していた夢。もう叶うことは無い。

ガラガラと崩れていく音がした……

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