人類の大半が女性になった世界でも、Hをするのは大変なんです。 作:冴木凛
二人の先輩と別れた後、部活動の終わったサアヤと落ち合った。その日、サアヤは俺の部屋に「お泊りをする」と言い出したが、断る理由も無く、夜を一緒に食べた後、俺の部屋でくつろいでいた。
「ねえ、レント」
「何?」
ソファで二人並んでテレビを見ていたが、部活動――バレー部の練習の後、シャワーを浴びることなくそのまま俺の部屋に来たサアヤの体からは、ツンとした独特なにおいが漂っている。
声を掛けられた拍子に、俺の中のスイッチが入ってしまった。そのまま顔をサアヤの体に寄せる。
「ちょ、ちょっと、そうじゃなくて」
すぅっと息を吸い込むと、塩気と酸味とを含んだスパイシーな香りが俺の鼻を刺激した。
「そうじゃなくて?」
Tシャツに着替えていたサアヤの腋に鼻をつける。
「だ、だめ、ま、まだ……」
そう言いながらも、サアヤの体がぷるるっと震える。
「まだ、なに?」
「ああ、もう!」
突然サアヤが俺の肩を持って突き放した。
「ねえレント。嫉妬厳禁だってことは分かってるけど、アタシに隠し事はしないで欲しいの」
「ん? おう、分かってるって」
「じゃあ、教えて。橘花先輩とも、Hするつもりなの?」
「えっと、もう、してたりして」
「はあ? だからなんでアンタはそう考えもなしに!」
俺の肩をゆっさゆっさと大きく揺らしながら、噛みつかんばかりに怒るサアヤを、俺は両手で押しとどめた。
「待て待てって。中には出してないから」
「そういう問題じゃないでしょ! 間違って出ちゃったらどうすんのよ! 橘花先輩はQじゃないって保証があるの?」
「いや、わからない。正直、Qである可能性が高いとは思う」
「じゃ、じゃあ」
もうHはするな。サアヤはそう言いたいのだろう。逆に言えば、まだ「する」に違いないと踏んでいるのだ。そしてそのサアヤの危惧は、その通りなだけに反論はできない。
「なあ、サアヤ。もしサアヤがQだったら、俺とHしたか?」
突然の問いかけに、サアヤは訳が分からないといった表情を見せた。
「そりゃHはしたいと思ったかもだけど」
「でも、しない?」
「んー、わかんないよ。でも、したとしても、中には出させなかった、かなぁ」
そこまで言った後、サアヤの表情がはっとしたものに変わる。
「ちょと……レントが考えてること、なんかわかった気がするけど、そんなことできると思ってるの?」
「逆だよ。そういう気持ちにさせるんじゃなくて、そういう気持ちになってくれた相手としか、しない」
「でも、相手の気持ちなんか分かるの?」
「分かる様にならなきゃ、トップにはなれないだろ」
そろそろこの話も終わり……そう促すように俺は、再びサアヤの体、今度は胸辺りに顔を寄せた。
「レント、トップになるつもり?」
「もちろん。男に生まれて、この学校に入ったんだ。それを狙うのが、普通だろ?」
サアヤの独特な体臭――エロい匂いが鼻腔をくすぐる。
「ふーん。そんなこと興味ないんだと思ってた」
「サアヤの為だよ」
Tシャツの下から手を差し入れる。クーラーが効いているはずの部屋で、サアヤの体には少しじっとりと汗がにじんでいる。
「うそ」
「ほんと」
Tシャツをずらし、へそのあたりに舌を這わせる。
「あっ……ほんとにほんと?」
「ああ」
「約束?」
「ああ」
俺の返事に、サアヤは俺をはねのけ、今度は俺の体をソファに押し付けた。
「サアヤ?」
「今日は、アタシの番」
そういうとサアヤは、俺の胸に顔をうずめた。すぅっと息を吸う音が聞こえる。
「レントの匂いがする」
「どんなにおい?」
「えっとね……えっちなにおい」
首、脇、お腹と、サアヤの顔が移動していく。そして股のところでふと顔を上げた。
「な、なに?」
サアヤが少しむくれた顔をしている。
「レントの匂いとは違うにおいがする」
「あ、ああ……えっと、まだシャワーしてないから」
ヤヨイかソフィーアか、それとも二人共のにおいをサアヤは感じたのだろうか。女って、こわい……
「ぷぅ! 洗いながそ!」
俺はサアヤに、シャワー室へと引きずられていった。
サアヤは匂いフェチなのだろう。シャワーの後、少し火照った俺の体のすみずみの匂いを嗅ぎながら、一生懸命自分のクリトリスをいじり、オマンコをびちょびちょに濡らしていた。
「ヘンタイ」
耳元でささやいた言葉に、サアヤは恥ずかしがりながら、「レントの匂いで、アタシのオマンコがこんなに濡れてるの。レントも、アタシをにおって……」と、自分のオマンコを開いて見せる。
酸味を感じるにおいを嗅ぎ、再びサアヤの腋をなめまわした後、喘ぐサアヤのオマンコにペニスを挿入した。
「中に、出して、ひぃよ……」
熱い吐息を吐きながら、サアヤがそう漏らす。
「赤ちゃん、出来ちゃうぞ」
「早く……早くアタシを孕ませて。一番がいいの。一番じゃなきゃ嫌なの。いっぱい、いっぱい、中に出して。レントの精液を、アタシの中に!」
そう言って腰を振るサアヤの中に、俺は尽き果てるまで精液を流し込んだ。
※ ※
二人で散々燃えた後、二人一緒にベッドに横になった。せっかくシャワーをしたのに、また汗だくになってしまった。しかし俺は、サアヤにそのまま寝るよう言ったのだ。サアヤはそれだけでもう顔を赤らめながら、吐息が荒くなっていた。
「ねえ、レント」
俺の胸に抱かれていたサアヤが、ふと真面目な声で呼びかけてくる。
「ん?」
「レント、パートナー二人目だし、あの陣風先輩をパートナーにしちゃったから、目立っちゃうね」
「そうだな。まあ、サアヤをパートナーにした時点で多少目立ったから、もう一緒だよ」
「その比じゃないよ?」
「でも、ジュドーっていうの? あの元Qが一日で二人をパートナーにしただろ。あれも目立つんじゃないか?」
「まあ、確かにねぇ。しかも相手は学年でも勉強優秀な二人だから、あっちも目立つかな」
「度胸がいいのか、それとも」
「それとも?」
「何か、相手がQかどうか見分ける方法を知っているのか」
サアヤが俺の胸にそっとキスをする。
「そんなの、あるの?」
「あったら知りたい」
「だよねぇ……元Qなら、相手がQかどうかわかるとか?」
そう言ったサアヤの顔を、俺は改めて見つめた。
「そういう話、聞いたことないか?」
「んー、ないかなぁ」
「そっか。ソフィーアが、高学年では元Qのパートナー獲得数が多いって言ってたから」
思わず口にした俺の言葉を聞いたサアヤが、一気に不機嫌になる。
「ソフィーア……ソフィーア……何、その、馴れ馴れしい関係」
「げっ。い、いや、それはだな」
誤魔化そうとしてみたが、無理だった。結局、それからさらに二回の「中出し」をするまで、サアヤは俺を許してくれなかった。