人類の大半が女性になった世界でも、Hをするのは大変なんです。 作:冴木凛
「かたいね……」
二人で服を全部脱いだあと、サアヤは目を見張って俺のペニスを触っている。
「あんまり、大きくないけど」
「そうなの?」
「たぶん、な」
「ふーん……ね、ねえ、レント」
「何?」
「な、なめてあげようか?」
サアヤは、そう言って上目遣いで俺を見上げた。俺が黙ってうなずくと、舌を少し出して、ペニスの先端を舐める。最初は恐る恐る。その後、小さく口を開けてペニスを咥える。
「ふぅ」
つい口から声が漏れた。
「気持ち、いい?」
「とっても」
そう返事をすると、サアヤはちゅぱちゅぱと音を立ててペニスを吸い始めた。
「不思議な味がするね」
「まずい?」
「ううん……おいしい、かも」
そういって、サアヤがコクンと喉を鳴らす。そして鼻をペニスに近づけると、こんどはくんくんとにおい始めた。
「それこそ、臭くないか?」
「レントのにおいがする……いいにおい」
舌を這わせながらも、サアヤは俺のペニスを弄ぶようににおいを嗅いでいる。
「あっ」
サアヤが小さな声を上げる。
「どうした?」
「また、じゅんってしちゃった……」
そんなサアヤを、俺は床に寝かせた。ポニーテールが床に広がる。サアヤが潤んだ目で俺を見つめた。
「入れても、いいか?」
ペニスをサアヤのオマンコにあてがう。そのまま挿入しようとして、サアヤが両足で俺の腰を挟んだ。
「レント」
それまでとは違う、サアヤの真剣な眼。
「ど、どした?」
思わず聞いた俺に向けて、サアヤが右手を伸ばした。サアヤに顔を近づけると、サアヤは俺の頬に触れる。
「アタシが……Qだったらって、考えないの?」
サアヤの言葉。初めてのセックスならば、考えなければいけないこと。それはサアヤでも、同じなのだ。
「正直、考えなくはないかな。でも、性別を奪われる相手がサアヤだったら、諦めがつくよ」
そう答えた俺の頭を、サアヤは胸に抱え込んだ。
「どうして?」
「サアヤのこと、好きだからだよ。言わせんな」
「うれしい……うれしいよ、レント。でもね」
今度は俺の顔を、サアヤの顔の目の前に持って行く。真剣な眼は変わっていなかった。
「パートナー、私だけで終わりにするつもりはないんでしょ?」
「あ、ああ、まあ」
男の役割は、たくさんの女性に子供を産ませることだ。社会通念上、パートナーが一人だけというのは、『非生産的』とみなされている。
「約束して。絶対、『男』を奪われたりしないって」
「お、おう……でも、Qかどうかなんて、やってみないと分かんないだろ」
「それじゃ、危ないじゃない。相手にQじゃないかどうか聞いて、相手の嘘を見破るの」
「どうやって?」
「それは……それはレントが考えて!」
「難しいことを……」
サアヤの気持ちは分かるが、それができるなら、世の中の男は困ってはいない。
「やるの!」
「わかったわかった。約束するよ」
「うん。じゃあ……レントの、アタシの中に入れて」
「初めてだから、うまくはいらなくても、怒るなよ」
「いいよ……アタシも初めてだから、それも楽しも」
サアヤが笑顔になる。
「じゃあ、いくぞ……ここ?」
「ん……ちょっと、違うかも……」
「ここか?」
「あん、それ、オシリ」
「んじゃあ、ここ」
「あ、そ、そこ……あ、あ、レントの、おちんちんが、入ってくる……いっ」
「痛い?」
「だ、大丈夫、そのまま……あ、はあああっ!」
ペニスをゆっくりと、出したり入れたりしながらも、だんだんと奥へと差し込んでいく。まるで、ずぶずぶという音が聞こえるような感触。
「んんっ」
「奥まで、入れるよ」
「うん……来て……ああ、ん、んんんっ!」
痛みをこらえているのだろうか。サアヤの体が反り返る。とそこで、パツっという小さな破裂が響いた。
「今の……」
「処女膜、破れたみたい」
「痛い?」
「ちょっと」
そういうサアヤの様子に気をつけつつも、俺はなんとか奥までペニスを差し入れた。
「入った……ね」
「サアヤと、一つになれた」
「アタシで、良かったの? 初めて」
「ああ、サアヤが良かった。サアヤこそ、俺で」
「アタシも、レントがよかった。うれしいよ、レント……」
正常位でのキス。サアヤの体に力が入る。
「動いて、大丈夫だよ」
「ああ、動くぞ」
「中に……出したい?」
「もちろんだ。サアヤの子宮の中を、俺のでいっぱいにしたい」
「いいよ……出しても」
ゆっくりと、しかし大きく出し入れをする。そしてその速度をどんどんと速める。
「レントのおちんちんが、壁に擦れて、ひゃあっ」
「なんか、絡みつく感じで、気持ちいい」
「もっと、もっと、擦って」
「汗、かいてる」
「におう?」
「ああ、におい、きつくなってる」
「なんか、レントの、大きくなった」
「サアヤのにおいが、エロ過ぎんるんだよ」
「そんなこといったら、あ、あ、なんか、だめ、くる、くる」
「俺、もうイキそうだ」
「中に、中に、ちょうだい!」
「いくっ」
「あ、ああ、ああ、中に、中にっ、出されてる! アタシ、出されてる、はああああうっ」
サアヤの中にいっぱい射精した俺は、暫くの間、サアヤに覆いかぶさっていた。
※ ※
結局、俺の体は何ともなかった。サアヤは『本物の女』だったというわけだ。今後、サアヤとのHは安心して……ということになるだろうが、他の女性となると……
勘弁してほしいな。これじゃロシアンルーレットだ。
「ねえ、レント」
「何?」
「いっぱい、汗、かいちゃった」
「シャワー浴びるか?」
「その前に、におい、嗅いでほしいな……」
そんなサアヤのお願いに、俺はサアヤの腋に顔をうずめる。
「においを嗅がれたいだなんて、ほんとサアヤも変態だな」
「変態だもん……だめ?」
「いいに決まってるだろ……たまらないくらい、いいにおい」
「すごい……またおっきくなってる」
「エロ過ぎなんだよ、サアヤのにおいが」
「うれしい……もっと、もっとにおって、レント」
「責任取ってもらうぞ」
「いいよ。もう、アタシの体、もうレント専用なんだから。いつでも、におって。いつでも、中に出して」
「言ったな。どうなっても知らないぞ」
「いいよーだ。んじゃ、洗いっこ、しよか」
そういうとサアヤは、悪戯っぽく笑った。