主人公がいないと中々表現が難しいですね・・・
「素晴らしい!すばらしいですわ!!」
女が狂喜乱舞に叫ぶ。ヒールスライムの噂を目の当たりにして、自分の予想が当たったのだ。当然といえば当然
「さぁ!その能力!冒険者なんかには勿体ない!その女にしたように、私も若返らせなさい!!」
このババァ・・・何を勘違いしてやがる?体を小さくした事をいってやがるのか?
「ふっざけんな!ババァ!!」
「ひぃっ!」
まわりの連中が体を竦ませる。一切怒りを隠さないアイラの怒号に、腰が抜けた人もいるようだ。
「テメェのわけわかんネェ話のせいで!エステが死んじまったじゃねーかー!!」
「あ、貴女が私に売らないからでしょ!?」
「最初の言っただろうが!家族は売らねぇってな!」
「あれは断るための方便というか・・・」
これだから自称高貴な連中はムカつく。自分の価値観が最優先って感覚がな。しかもその買う為の金は自分で稼いだものじゃねーだろーが!
「アイラ・・・その腕が『エステ君』なのね?」
「・・・多分、な」
手の甲の赤い宝石を眺める。エステの体の中にあった核と同じ色だ。ローズがその宝石に手を重ねてくる。
「・・・綺麗、ね・・・」
「ああ・・・」
「どういう事よ!?」
空気読まねぇババァが叫んで聞いてくる。
「無知な貴女に、私なりのヒールスライムの解釈を述べます」
ヒールスライムは確かに傷を治す事は出来るが、自身を消耗させる危険なスキルである事
ヒールスライムの発見がほとんどないのは、使い過ぎて死んでしまっていると予想
そして・・・
「エステ君は、アイラの腕を作るのに限界を超えて・・・おそらく」
「嘘よ!?私に渡さないための嘘よ!!」
「頭の回転が鈍いババァだな。この手の甲赤い宝石。これがなんだかわかるか?」
「な、なによ・・・?」
「アイツの、スライムの核だ。それがオレの腕と同じ硬い金属のようになってる。」
「それがなんなのよ!?」
どんどん女がヒステリックになっていく。全く察しの悪いヤローだぜ
「エステが自分自身を全部使って、オレの腕になってくれたんだ」
「じゃ、じゃあヒールスライムは・・・?」
「・・・もう、いねぇよ・・・」
女が膝から崩れ落ちる。このままぶん殴りてぇが、腐っても貴族。話が拗れるからここは我慢する
「・・・まだよ」
「あん?」
女が勢いよく顔を上げる。さっきの男と同じように、血走った目でオレを睨む。
「その腕がヒールスライムの変わった物なら、その腕をよこしなさい!」
「お前もバカか!?」
女とは思えない力でオレの右腕を掴む。
「さぁ!2人とも切り取りなさい!!」
もはや正気を失っているともとれる主人ではあっても、命令は命令。執事の2人が右腕に切りかかる。が、オレの腕にキズ一つつける事なく剣の方が折れた
「な・・・」
オレには確信があった。あのガントレットを貫いたこの腕なら問題ないと。だからこっちからは手を出さないようにした
「おいおい。いくら貴族サマでも、さすがに斬りかかられたら、反撃するしかないよな?」
「わ、私に手を出せばどうなるかわかりませんわよ!?」
「ほほう?是非とも教えてほしいから、出してやろうか?」
掴まれている右手を振り払い、左手で胸倉を掴んで持ち上げる。かっるい女だな。右手に力がこもる。
たった一ヶ月
ただのスライム
ただの趣味だった
ただの道楽のはずだった
でも、一番楽しいヤツだった
愛なんてのがただのヤリたい気持ちってんなら・・・
「オレはまだ、エステとヤってねぇんだよ!!」
「ひぃぃ何なんですの!?この女!?」
右腕の石が強く輝いたと思ったら、銀色の腕が赤く染まっていく。
「エステもお前を許さないみたいだな!」
「ま、まって・・・」
「お、奥様を離せ!」
剣を折られ腰の引けた執事が止めるが、お構いなしに振りかぶる。
叩き込もうと思った右腕が止められてつんのめる。
「ここで殴ったら、流石に救援できないよ?アイラ君」
「・・・ったく、おっせーんだよ」
「これでも予定より早く着いたでしょ?」
「まーな・・・パール」
金髪碧眼の美少年。そのまんまの表現が合う豪華な騎士がいた。パールに止められてババァから手を放す
「あ・・・あ・・・王国内務官筆頭の貴女が・・・なぜ・・・?」
「おや?ボルドー夫人?『なぜここに?』」
こいつの名前、ボルドーってのか。まぁどうでもいいか
「アイラ君、救援よこせ。だけじゃ説得するの大変だったよ?」
「あん?その方が都合がいいだろうが」
「まーね。おかげで『色々』できたよ。でもね、君へ返事を返してから連絡がなくなって、そしたら行方不明って途中で聞いてね。流石にあせったよ」
「わりぃな。こっちも連絡できなかったんだよ」
「な・・なぜ、冒険者ごときが、筆頭とそんなに親しげに・・?」
オレとパール顔を合わせて驚く。こいつSランクの意味を知らないのか?貴族のくせに・・・
「親しいかどうかはともかく、Sランク冒険者は『王国騎士』に匹敵する存在だと、常識ですが?」
「え?え?」
「そんな・・・嘘でしょー」
ボルドーとオレを捕えようとした女が驚く。こいつら・・・ありえねぇ・・・
「はぁ・・・Sランク冒険者は、その実力と人柄を見込んで、騎士への任命をします。ですがほとんどの冒険者はそれを断るので、自由を約束する代わりにSランクの称号を与えるのです」
「Sランクにそんなシステムがあったなんてー・・・」
おいおい。冒険者になった時の説明にもあったはずだぞ?・・・オレもなるときまで忘れてたが
「で、でもそれとあなた方の関係は関係ありません!なぜここに来たんですか!?」
「アイラ君との交友はあくまでも個人的ですが・・・じゃあ、もう一つも知らないんですね」
「一体何が・・・?」
「Sランク冒険者は、その称号を返上する代わりに、一度だけ私たちに救援要請が出来るんです」
「きゅう・・・えん・・・?」
「『本人が犯罪を犯さない限り、あらゆることから守る』」
「そんな・・ありえない・・・」
「それぐらい、Sランクは貴重なんです」
ババァの体から力が抜ける。さっきまでのオーガのような形相から、まるでゴーストみたいな抜け殻だ
「さて、ボルドー夫人。あなたには以前から非合法の取引について疑いがありました。それに関わらず、今回アイラ君への傷害や冒険者をそそのかしての器物損壊。それだけでも十分です」
「お、俺様は関係ねぇ・・」
「ああ、そこのクズ冒険者は奴隷行きを私の権限で行いますのでご安心を」
「な、なんでー!?」
「今回の街への被害はもちろん、普段素行の悪さも報告が上がっておりました。それもありますが、Sランク冒険者に手を出して無事に済むと思うなよ?このクズどもが」
「ひぃぃぃ」
あー出たよ。パールのもう一つの顔が。こいつ自分が悪と認めたやつには容赦ないからな・・・
「さて、アイラ君、とそこの綺麗な方。すいませんが事態の収拾のためしばらく拘束させてください」
「ああ、ローズ。悪いが頼む」
「ええ。これがアイラの言ってた奥の手ですね」
こうしてヒールスライムを廻った一連の騒動はひとまず終わる。
ガイアとその相方は、奴隷として強制労働に送られる。どこに送られるかは知らねぇがもう会うこともないだろう。
例のババァはヒールスライムを探すため、かなりやばいことをやってたらしく、なんでも非合法で手に入れた奴隷に、スライムの実験をさせてたらしい。普通のスライムは捕食が基本だから・・・聞いてて胸くそが悪くなって、マジで殴ったほうがよかったと思った。
だが腐っても貴族。一家断絶までは無理で、今は父親と娘が仕切っているようだ。あの娘はまだましだからなんとかなるか?
ローズは今回のヒールスライムの見解を発表し、ヒールスライムの保護を訴えた。
そしてオレはSランクを返上して、Fランクから冒険者のやり直し。基本一度Sランクになった者は二度となれない。あの救援はきついからな・・・
なんとか事件も片付いてしばらくがたった
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「ぅん・・・ふう・・・あふ・・・うん・・・」
くちくち、ずりゅずりゅと粘質的な音と、くぐもった声が聞こえる。一人の女がどうやら自慰をしているようである。
「うん・・・ふぅ・・・ああぁぁ」
『をい』
「う・・・ん・・・んん・・」
『おい!』
「なんだよ・・・いいところなの・・・に!」
『俺をアソコに突っ込んでオナるなよ!』
「お前とヤレないんだから、これぐらいいいだろ!」
『手を全部突っ込んで言う事かよ!』
「はっはっはっは」
そう。俺はなんとか生きていた
次で終わる・・・と思います
いかんせん書いてると予想以上に文字が増えて・・・
きっちりまとめる能力が欲しいです