pixivにも同タイトルで投稿されています。
吐息が漏れる。
朝を迎える事を示す日差しがカーテンの隙間から漏れ、部屋を照らしていた。
それを感じ取りながら、少女リースは目を薄く見開いていく。
――ああ。
そんな呟きだけが口から小さく、本当に小さく漏れ出す。
そこに込められた声色は一種の達成感、そして幸福に満ち溢れていた。
「ん……」
先程まで横になっていたベッドから上半身だけを起こせば、掛けられいていた毛布が滑り落ちる。
零れる朝日が体を起こしたリースを照らす。
その姿は衣服一つ身に着けていない、豊かに育った乳房や健康的な肌が全て見える生まれたままの裸体であった。
だがリースに驚きの表情はない。
この姿が当然だと、この姿こそが自分なのだとわかっているように。
「本当に……」
だが昨晩の事が全て夢だったのではないか。
そんな疑念を抱いていた、そしてそれは全て杞憂だった事を理解したような言葉。
天井を、そして自分の裸体を見ていた視線を横にずらせば、そこには眠った様子の男デュランが見える。
「ふふ……」
その寝顔を見てリースから笑みが零れる。
普段は勇敢で果敢である姿からは想像できないようなどこか幼い寝顔だ。
「貴方もそんな顔をするのですね……」
旅の最中、野宿している時には見られないような穏やかな寝顔をしているデュランを眺め続けるリース。
「飽きないわねぇ、リースも」
「きゃっ!あ……アンジェラさん!?」
小さくも、はっきりとした声がかけられる。
それに驚きの声を上げるが、まだ眠っているデュランの事を思い出して小さく音で反応する。
視線もまた声のした方へと向ければ、そこには自分より少しだけ年上の少女アンジェラの姿見えた。
そしてその姿もリースと同じように生まれたままの裸体である。
よくよく見れば未だに眠ったままのデュランもまたその毛布の下は裸体であろう。
「ふふ、悪かったわね驚かせて」
「も、もう……!」
先程までの姿を見られた気恥ずかしさから顔を赤く染め、思わず目を背けてしまう。
そんな初心なリースを見て、ますますアンジェラの表情が緩んでいく。
少し堅物すぎるきらいがあり、故郷と父を奪われた事で憎しみの表情をよく見せていたリースがこうして穏やかな様子を見せる事が嬉しかった。
「……アンジェラさん」
「ん、どうしたのリース?」
ジト目でアンジェラを見てくるリース。
どうしたのかと目を向けてみれば。
「も、もうちょっと隠してください……」
「え、あ、ああ……」
蚊がなくような音量でリースの言葉に何の事か一瞬分からなかったアンジェラだがすぐに理解した。
リースは裸体の姿に乳房を手で隠しているのに対して、アンジェラは何一つ隠していない状態なのだ。
少なくとも人前でやる姿ではない。
「いや、夜にお互い見まくったでしょ」
「う」
そも裸に手ブラしてるリースもアンジェラと似たようなもんである。
「それだけじゃなくてお互い抱き合って胸を」
「わー!わー!」
昨晩の事を具体的に話そうとするアンジェラの口をリースが慌てて塞ぎに来る。
さすがにそんな話をされるのは恥ずかしいようだ。
「もう!何するのよ」
「は、恥ずかしい事を言わないでください!」
「誰も聞いてないでしょうに」
「デュ、デュランが聞いてるかもしれないじゃないですか!」
アンジェラの口を手で塞ぎながら、未だに寝入ってる筈のデュランの方へ顔を向ける。
そんなリースの視線に釣られてアンジェラもまたデュランに視線を向けるが、そこには寝息をたてている様子だけが見える。
それを見てほっと息を吐くと、アンジェラを睨む。若干だが涙目なのであまり迫力はない。
「大丈夫よ大丈夫。昨日、アレだけヤッたんだから疲れてるでしょう」
「あ、アンジェラさん!」
「はいはい、ごめんなさいね」
「もう!」
リースを弄るのはここまでだな、と判断するとアンジェラは再び毛布に包まって豊満な胸でデュランの腕を挟みながら抱き着く。
「まだちょっと早いし、休んでましょう」
「……そうですね」
そんなアンジェラの言葉に納得するとリースもまた同じようにデュランの腕へと抱き着く。胸で腕を挟むあたりアンジェラに負けてられないと言わんばかりだ。
とは言え、リースにアンジェラへの嫌悪感などは一切ない。その逆もしかりだ。
あの時、それぞれの理由があって旅立ってから出会った大事な人達を嫌う理由などお互いにありはしなかった。
「おやすみリース」
「おやすみなさいアンジェラさん」
少しすると二度寝した二人の寝息が聞こえてくる。
「……」
それを確認したとばかりに先程まで眠っていた筈のデュランが目を見開く。
「俺の上であんなに話してたら起きるに決まってるだろ……」
デュラン自身にしか聞こえないような小さな声で呟く。
二人は小声で話すようにしていたのだろうが、旅の中で鍛えられた耳はしっかりと二人の音を拾っていた。
おかげでほぼ最初から二人の痴話喧嘩みたいなものを聞く羽目になってしまったのだ。
(起きなくて正解だったな)
あそこでデュランが起きていたら、間違いなく惨劇が起きていただろう。
リースは大声で悲鳴を上げていただろうしアンジェラはねっとりとデュランをからかってきたに違いない。
別に嫌と言う訳ではないのだが、リースにかかる精神的負担は相当なものだろう。
それはそれで可愛いリースが見れるのでお得なのかもしれないが。
(しかしこれからが大変だろうなぁ)
デュランはこれから襲い掛かってくるであろう問題の数々に頭を痛めつつも今更何もかもやめにする気にはなれなかった。
二人の事を手放さないと決めたのは自分なのだから。
決意を新たにしつつ目を瞑ればデュランもまた眠気が襲い掛かってくる。
どうやらアンジェラが言う通り、まだ疲れているようだ。
腕に伝わる二人の柔らかさを感じながら、少しずつ睡魔に身を委ねていくのであった。
三人が出会ったのは旅を始めてから少し立ってからであった。
デュランは草原の国フォルセナ。
アンジェラは魔法王国アルテナ。
リースは風の王国ローラント。
それぞれの理由を抱えて国を飛び出した三人はデュランがフェアリーに選ばれた頃から少しずつ集結していき、世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていく事になる。
そんな話があったのももう少し前の話である。
世界の敵であった竜は討たれ、その間隙を突こうとした大魔女も三人によって討伐され世界はゆっくりと平和への道を歩みだしている。
勿論、世界の敵を倒したからと言ってやる事がなくなる訳ではない。
三人とも故郷へと戻り、それぞれ国の復興作業へ従事しようかと思った矢先だ。
アンジェラから一つの提案をされたのだ。
「少し骨休めにゆっくりしない?」
三人の旅は過酷なものだった。
世界を闇色に染めようとした敵対者との闘いは三人の神経を抉ったし、蘇った神獣との闘いはあまりにも激闘すぎた。
そしてデュランは重過ぎる相手との闘いに心に傷を負ったりもした。
だからこそ休みを入れるべきとアンジェラは進言したのだ。
「そう……ですね……」
リースもそれに同意した。
早く故郷に帰り弟と共に国を復興させていきたいが、自身もまた疲弊していたのは事実である。
そして何より。
「うーん」
デュランの事が気がかりであった。
表面上は何でもないように見せているが、あの騎士の正体を知った時の衝撃は計り知れないだろう。
ましてや自分の手で討ったのであれば猶更だ。
二人自身の療養でもあったが、何よりもデュランに休んで欲しかったのだ。
しかし渋るのもまたデュランである。
弱音は見せたくないという事なのかもしれない。
だがアンジェラはしっかりと外掘を埋めていた。
「英雄王様にはさっき許可貰ってきたわよ」
「ええっ!?」
フラミーに頼んでわざわざフォルセナまで飛んで許可を取ってきたらしいアンジェラ。行動力ありすぎである。
「勿論、お母様に加えてローラントの人達にもね」
「は、はは……」
関係各所にはしっかり話は通したアンジェラ。
そうまでなればデュランも断りはしないだろうと判断だ。
「まぁ、それならいいかな」
そして読み通りデュランも頷く。
忠誠を捧げている英雄王から休んで来いと言われれば否とは言えないのだ。
「じゃあちょっと行ってみたい所があるんだけど!」
そうしてやってきたのがとある町だ。
世界を救う旅の最中には立ち寄る事がなかった観光地だそうだ。
「ここの食事は美味しいし、温泉っていう凄いお風呂があるのよ」
「温泉、ですか」
普通のお風呂とは違うのだとアンジェラが力説する。
デュランとしてはあんまりピンと来ない。
父が英雄王に近しい存在だったとは言えデュラン自身の身分は平民である。
風呂、と言っても蒸し風呂が一般的だったし水浴びの方が圧倒的に多い。
アンジェラやリースが言うお湯をたっぷり使った風呂なんて入った事がないのである。
しかしこの地域では違う様子だ。
平民であっても安い値段でお風呂に入れるようである。
「デュランも入ってみれば気に入るわよ!」
「はい!ぜひ入りましょう!」
アンジェラとリースがそう力説するものだから、拘りも良さも分からないデュランは期待半分で頷いた。
どっちでもいいや、と思っていたからである。
が。
「気持ちよかった」
温泉に入りつつ、宿泊可能な宿の一室で横になったデュランが呟いた。
期待以上であった。
まさかお湯たっぷり使ったお風呂があんなにも気持ちいいものだとは思わなかったのだ。
(これから蒸し風呂で満足できるか分からなくなっちまったなぁ)
それぐらいに温泉は衝撃的であった。
「ほんとよねぇ」
「凄く良かったです」
ベッドの上でだらけているデュランの横でイスに座って話をしているアンジェラとリース。
それをチラリと横眼で見て思わず頭を抱えそうになる。
なんというか無防備なのだ。
普段の戦闘用衣装も非常に煽情的すぎるのだが、宿で用意されたユカタとかいう民族衣装を着た二人は非常に色っぽいのである。
デュランは別に聖人という訳ではない。
旅の最中はそんな事を考えてる余裕がなかったとは言え、目のやり場に困っていたのもまた事実である。
そのせいかこうして無防備の姿を見るとまた違った姿に見えて非常に魅力的に写ってしまうのだ。
(……色々とやべーわ、これ)
旅の最中は感じなかった性欲がむくむくと沸いてくるような気がしてきたデュラン。
食事も終わった事だし、後は寝るだけだ。
二人は別部屋で寝るだろうから、適当に体を動かせば発散できるだろう。
「ねー、デュラン」
「!?」
なんて考えていたのだが。
「ふふふ」
「ちょ、アンジェラ!?」
近づいてきたアンジェラのせいでそんな意識が一瞬で吹っ飛ばされた。
ユカタしか着ていないのか、四つん這いでこちらに近づいてきているアンジェラの胸元が非常に開けている。
というか角度を少しでも変えたら見える。見えてしまう。
「ま、待てって!」
「まーたーなーいー!」
慌てるデュランの事など知った事ないとばかりに近づいてくるのやめないアンジェラ。
この様子からだとデュランが何を言っても止まりそうにない。
ならば、とリースに止めてもらおうと視線をそちらに向けて。
「止めてくれリー……ス……」
「デュラン……」
なぜかアンジェラと同じように無防備に近づいてくるリースの姿があった。
こちらもユカタ一枚しか着てないのか同じように見えかねない状態だ。
はっきり言って今のデュランにとって毒でしかない。
「リ、リースまで……」
もう慌てるしかないデュラン。
一体二人はどうしたんだと思う中、デュランの至近距離まで近づいたアンジェラが口を開いた。
「デュラン、ありがとう」
「……え?」
突然、お礼を言われて何の事だと首を傾げてしまう。
「敵国だった私を信じてくれて。お母様を助けてくれて、そして護ってくれて」
「アンジェラ」
「だからありがとう。私がここにいるのは貴方のおかげよデュラン」
リースもね、と付け加えるアンジャラ。
だけどそんなのが耳に入らないぐらい綺麗な笑顔だった。
それを向けられたデュランは珍しく顔を赤くしてしまう。
それぐらいにアンジェラの笑顔は魅力で溢れかえっていた。
「私も同じ気持ちですデュラン」
「リース」
「ありがとうデュラン。あの時、私を仲間に入れてくれて」
「それは……」
たまたま行く先が同じだったから、といった程度だ。
何か特別な理由があって一緒にウェンデルに向かった訳ではない。
「それでもですよ。そして国を取り戻す為に力も貸してくれました。アンジェラさんにも勿論、感謝しています」
だけどもまずはデュランにお礼が言いたかった。
あの時、声をかけられなかったら自分の目的は達成できなかったかもしれないのだから。
「だからもう一度言います、ありがとうデュラン。貴方との出会いが私達を救ってくれたのですから」
アンジェラもリースも、デュランと出会ってなければ自分の大切な人を助けられず野垂れ死にしてもおかしくなかったのだから。
「俺も……俺もありがとう」
「え?」
「デュラン?」
「俺も二人と出会ってなかったらこんなに強くなれなかった」
紅蓮の魔導士に敗北していなかったら、きっとプライドだけが高い人間になっていただろう。
だけどそれだけでは駄目だ。
きっとデュランが足りなかった物を手に入れるには一人では手に入らなかったに違いない。
「リースとアンジェラが一緒にいてくれたから、俺は強くなれた。世界だって救えたんだ。だから俺もありがとうだ」
だからこそデュランも感謝を二人に捧げる。
「ふふ」
「みんなお互いに感謝の気持ちでいっぱいですね」
「ああ」
三人から笑顔が溢れてくる。
この胸に宿る暖かな気持ちがそうさせてくれるのだろう。
じゃあそろそろ休むかな、とデュランが思った瞬間。
「で、そろそろ感想を聞きたいわデュラン」
「へ?」
「私とリースを見てどう思う?」
「ちょ!?」
アンジェラから飛んできた言葉に悲鳴を上げそうになった。
今度こそそういう目で二人を見かねない。
だが。
「あの、デュラン。素直に言ってください……」
「見せてるのよ……私達だって馬鹿じゃないわよ」
「え、あ、それってつまり……」
つまり、とか言いつつデュランの頭は混乱し始めていた。
正直、こんな風に迫られる経験などなく。
ましてや同時に二人、魅力的かつ気になっていた相手に来られるとは想像もしていなかったのだから当然と言えば当然である。
だがデュランの混乱など気にしないとばかりにアンジェラもリースも体をデュランに撓垂れ掛る。
二人とも女性らしい柔らかさに驚き、不思議でどこか甘い匂いがデュランの鼻孔を刺激してくる。
ここまで来ればデュランだって馬鹿ではない。二人が何を求めているのかぐらい分かるつもりである。
だけど問題があるとすれば。
「二人一緒は嫌かしら?」
「私達は、その二人一緒がいいんです……」
「えぇ……」
まさかの発言である。
勿論、男として嬉しくない訳がないが女側は嫌ではないのだろうか?
「……なんというかどっちか一人っていう方が嫌で」
「ずっと三人一緒だったんだし、いいかなって」
「ああ、うん」
こういうのはどっちも選べない!とか言い出すのは男側なのではなかろうか、と思ったのだがまさかの展開である。
アンジェラとリースとしては当然の帰結であった。
デュランの事を抜きにしてもお互い大切に思いあっていたのだ。
一人だけのけ者にする方が嫌だったのである。
「ちゃんとお互いしっかり話しあって出した結論よ」
「だから、後はデュラン次第です」
「……」
どこか覚悟を決めた様子の二人。
呆然と言葉が出せないデュラン。
「私、アンジェラはデュランの事が好きよ。愛してる」
「私、リースはデュランの事が好きです。愛しています」
「だから」
「だから」
「私達を」
「愛してください」
それは告白。
愛の言葉。
アンジェラとリースの精一杯の愛の告白であった。
それを聞いたデュランは。
「――」
目を見開きのまま微動だにしない。
先程の言葉を脳内でゆっくり咀嚼しているようだ。
だけど少しずつ、理解してきたのか。
「……ふぅ」
大きく息を吐いた。
「……なぁ」
「はい」
「俺で……いいのか……?」
「もちろんです」
デュランの問いかけにリースが迷う事なく頷く。
「二人同時とか普通にひどい奴だぞ」
「私達が問題ないから問題ないわよ」
デュランの問いかけにアンジェラが迷う事なく答える。
「あー!」
大声をあげてデュランがベッドに頭から前へ倒れこむ。
アンジェラとリースはクスクス笑いながらデュランの髪の毛をツンツンと弄りだしていた。
「……俺も」
「……」
「……」
「俺も二人が……欲しい」
小さいけど、はっきりとした言葉。
聞き逃さないと耳を澄ましていた二人にははっきりと聞き取れていた。
「だから……」
「はい」
「……これからも俺と一緒に歩いてくれ」
「当り前じゃない。離れ離れになんてならないわよ」
「デュランも私達を置いていったりしないでくださいね」
――ああ、安心した
「あ、改めて考えると恥ずかしいですね……」
思いを伝え終わった後、冷静になった三人が感じたのは素直な恥ずかしさであった。
何せアンジェラもリースもほぼ裸同然の姿である。
デュランも正直な話、色々と限界であった。
「ど、どう……?」
「……」
顔を真っ赤に染め上げる二人。
先程とは違い、ユカタを脱ぎ捨て完全な裸体姿である。
ドラゴンや神獣達を倒せる程の強さを持った二人もこうして改めて見ればやはり美しい女性なのだと再認識するデュラン。
そんな二人を今から自分のモノにするのだと思うとやはり熱がこみあげてくる。
「ん……」
「あ……」
優しい口づけ。
最初はアンジェラに、そしてリースに。
啄むような少しだけ触れる程度。
だがそれでは満足できないとアンジェラはすぐにデュランの口を求めてくる。
今度は深くそして情熱的な口づけ。
それだけじゃ足りないと、体を全てデュランに押し付けていくとその豊かな乳房はデュランの胸板で潰される。
キスの感触や柔らかな乳房の感触はデュランをより強く興奮させていく。
「私にも、ください」
「ええ、勿論」
しかしそれだけはない。
リースが二人の中に入っていく。アンジェラはそれを拒否する事なく、キスをやめてリースを受け入れる。
それを見て、リースは私も私もとばかりにキスを迫りデュランも迷う事なくリースの唇を奪っていく。
手すきになったアンジェラも離れる事なく、逆に二人を抱きしめる。
二人の熱がデュランをより高ぶらせていく。
リースの次は再びアンジェラ。またリース。時には三人一緒に。
暫くの間、キスを求め続ける三人。
喘ぎ声だけが部屋に響き渡っていた。
ようやく満足したのか、三人の唇が離れると唾液の糸が伸びる。
糸が切れればアンジェラやリースの乳房の上に落ちていく。
その熱の感触を味わっていると、デュランが口を開いた。
「いいか?」
「もちろんですよ」
デュランの視線と手は二人のある部分に食いついていた。
それを知っているからこそリースは迷う事なく頷く。
するとお預けをされていた犬の如く、デュランの手はリースの乳房へと延びていた。
「あ……んん……」
リースの豊満な乳房を優しく、だがしっかりと愛撫していく。
するとその口からは次々の喘ぎ声が出てくる。
自分の乳房を揉みしだかれている状況に興奮し、そして愛しい男と直接触れ合っているという状況がリースの本能をより強く刺激しているのかもしれない。
「もう、リースったらいい顔して」
「え、あ、んんっっ!?」
一人になっていたアンジェラが気持ちよさそうにしているリースの唇を奪ったのだ。
女同士のキス。
嫌悪感が出そうなものだが、リースは逆であった。
アンジェラも共に旅をした仲間。嫌な気分になれない。
更に聞いた話によれば女同士の絡み合いは男を興奮するものだと聞いていた。
それを理解しているからこそアンジェラもこうして絡んできたのだろう。
「ん、気持ちいい……」
「ハァ……ハァ……あんっ!」
多分、きっと。
アンジェラの絡みが強くなる。
リースは二人からの攻めを受けて、喘ぎ声を出すしかなかった。
「あんッッ!え、ええ!デュラン、いいわよ!」
気が付けばデュランはリースだけではなくアンジェラの乳房も揉み始めていた。
リース以上に豊満なその乳房はさぞかし揉みごたえがあるのだろう。
その手に入る力は非常に強そうである。
「んんっ……」
「ああっ……」
もう二人はぐちゃぐちゃであった。
デュランの手によって好き放題弄られた体は初めてなのにも関わらず興奮しっぱなし。
乳首はピンと勃っているし、秘部からは粘着質な液体が零れだしている。
欲しい。
早く欲しい。
デュランのモノが欲しい。
そんな考えばかりが脳内を満たしていく。
「デュ、デュラン……」
「欲しい……あなたが欲しいの……」
秘すべき場所を自らの手で開いていく。
もう隠しきれない程の蜜があふれ出している。
同時にデュランもまた熱く興奮していた。
己のペニスは酷く硬くなっている。
何も考えずに二人の秘処に突き入れたいぐらいだった。
だがもう我慢する必要はない。
二人もまたデュランのコレを欲しがっているのだから。
「……アンジェラさん、先にどうぞ」
「……いいの?」
「はい」
「じゃあアンジェラ」
「……うん」
アンジェラが股を開く。
濡れぼそった秘処が目に焼き付く。
デュランはそこに己のペニスをあてがっていく。
「あ……ああ……っ!」
最初に感じたのは予想外の熱。
ペニスから花弁へと熱が伝わってきているのだ。
だけどそれが心地良い。
「ああ……んんっ!」
亀頭の先が花弁へとめり込んでいくと、その心地よさはあっという間に吹き飛んでいく。
今までモンスター達から受けた傷とはまったく違う、内側からの痛み。それがアンジェラに襲い掛かっていた。
逆にデュランはというと初めて入れた女体の中の心地よさに悲鳴を上げそうになった。
年上の騎士達から馬鹿話として聞いていたものの、実際に体験するとこんなに心地よいのかと。
それとも。
「デュ、デュラン……手を……握って」
「ああ」
「アンジェラさん……」
「リース……んっ」
痛みに耐えるアンジェラの手を握るデュラン。
リースもまたそんなアンジェラを想ってか体を抱きしめると、口が寂しいのかアンジェラと口づけを交わす。
性器が入ったまま、キスをしたり乳房を弄ったりとしていると痛みで顔色が悪かったアンジェラに色が戻ってくる。
「い、いいわよ……」
「動くぞ」
「んー、あァん」
ペニスが抜け出すと同時に鼻の奥を鳴らすような声が口から漏れ出していく。
気が付けばアンジェラは足ををデュランの体に絡めており、腰がペニスが抜け出さないようにと追いかけている。
擦れる粘膜からは痛みではない快感が湧き出ており、それが抜け出すと失われていく充足感。
これが男によって与えられる性の喜びなのかと驚きの感情が沸き上がっていく。
「……っ!!」
「あっ……ああ!」
再びペニスをゆっくりと挿入していく。
先程より痛みは小さく、同時に充足感と安心感、そして性器が擦れる快感がアンジェラを満たしていく。
それを見て、少し激しく動いても大丈夫だと判断したのかデュランの動きが少しずつ早くなっていく。
「ああ……ああん」
はしたないと最初は我慢しようとしていた声はもうどうしようもなく漏れ出していく。
そんな声を聴けば興奮するだけなのかデュランは更に強く、そして奥へ奥へとペニスを進めていく。
数度の挿入でアンジェラは軽く絶頂するもデュランは止まらない、止まる筈もない。
そのたびにペニスが更に大きく膨らんでいくような気さえもする。
そしてその時は訪れる。
「デュラン……!!」
限界を感じ取ったのか、アンジェラを強く抱きしめる。
その豊満な胸を自分の胸板で押しつぶすように強く抱き寄せ、ペニスを最奥へと押し込んでいく。
軽いとは言え数度絶頂を迎え、快楽一色に染まりだしていたアンジェラは何も考えられずデュランにしがみつき、絡みまわしていた足に力を込める。
「くっ!」
「アッ……ああああ!」
アンジェラの中に入っていたデュランのペニスが大きく膨らみ、その先端から熱い液体がアンジェラの中に注ぎ込まれていく。
子宮に叩きつけられるように液体が当たると、それもまた新しい快感となりアンジェラの思考を吹き飛ばしていく。
「はあぁ……ああん……」
最後にアンジェラから漏れ出したのは絶頂の果てに生まれた悦びの声であった。
「……凄い」
それを横目に見ていたリースもまたどうしようもないぐらいに興奮しきっていた。
あのアンジェラがあんなにも快楽に飲み込まれた表情をするなんて想像もできなかった。
そんな彼女の姿を自分に重ねたリースも秘処からひっきりなしに蜜が零れだし、シーツを汚しきっていた。
「ん……」
気絶したように力が抜けたアンジェラを横にすると、彼女の中からデュランのペニスが抜け出してくる。
「あっ……」
一度目の射精のせいか硬さが抜けた状態。
だが。
「っ!」
デュランの視線がリースを捕らえた時、再びペニスに硬さが戻っていく。
それを見ると驚くしかない。
まさかこんなに早く硬さが戻るとは思ってもいなかったからだ。
「リース」
「あ、はい……」
横たえたアンジェラを置いて、デュランがリースの傍にやってくる。
胸の動悸が止まらない。
次は自分の番なのだと理解しているからこそだ。
「最初に言っとくごめん」
「え、あっ!」
そのごめんの意味を考えるまでもなくリースの体がデュランの手によって動かされる。
快感で力が抜けたリースは成す術もなく。
「えっ!ああっ!」
気が付けばリースは四つん這いにされていた。
お尻は高く上げられ、恥ずかしいというレベルではない。
デュランが何を求めてみるか理解すると同時に、秘処から伝わる衝撃と熱さ。
ペニスがリースの中に入り込んだのだ。
「そ、そんな!こん、な、お犬さんみたいな……かっこう……で!?」
初めての痛みと犬のような恰好でデュランとセックスをしているという衝撃、恥辱。
様々な感情がリースに襲い掛かる。
「あっ……」
後ろから抱きしめてくるデュランを感じ取るだけで荒ぶりだした心が静まっていく。
先程と同じようにリースが落ち着くまで待っていてくれるようだ。
「リースってやっぱり犬っぽいよね」
「え、あ、ア、アンジェ――ラッ!?」
横になっていた筈のアンジェラが気が付けば近くまでやってきた。
そしてリースの垂れ下がっていた乳房を口に含む。
「だってフェンリルナイトって凄い肌を出してたし、尻尾もあったし」
「ち、ちが……っ!」
アンジェラの舌は巧みな動きで乳房に刺激を与え、乳首を転がしいく。
痛みをごまかすように襲い掛かってくる快感に思わず逃げ出しそうになるが、デュランのせいもあって抜け出す事はできない。
気が付けば舌だけではなく、手も使って乳房を弄ってくる。揉む、ではなく搾るように。
「犬だと思ってたけど牛でもいける?」
「う、牛は……っ!アンジェラの方で、しょう!」
「どっちもどっちだと思うけどなぁ」
「ひゃふっ!?」
ペニスがリースの中から抜けていく、と同時に再び入り込んでいく。
痛みと同時に襲い掛かる快感はリースに襲い掛かる。
抽送のたびに響く水音と乳房が激しく揺れ動く。気が付けばアンジェラは少し離れた位置で横になってこちらを見る事に専念したようだ。
「ら、めぇ……!」
軽く絶頂した。
だがデュランから与えられる快感は止まる事なく続いていく。
リースは自分が今、人には見せられないような表情をしていると理解していたが、もう取り繕う事などできない。
自分の肉壁とペニスが擦れる感触からの快感はもう我慢できない。
「うああっ……ああ、ん……」
そしてその時は訪れる。
デュランが勢いよく腰を打ち付ける。
リースもまた無意識にか彼が動きやすいように腰を動かし、その動きをサポートしていた。
「んあぁぁぁぁ………」
ペニスが膨らむと共にデュランから放たれた液体がリースの中を満たしていく。
擦れる時とは違った感触が新しい快感を産み、リースはそれをただただ受け止めるしかなかった。
短くも長い射精が終わると、リースは力つきたように倒れこむ。
「はぁ……はぁ……」
「ん、お疲れ様リース」
「ふぁ……い……」
リースの中からペニスが抜け落ちる。
そこにはあふれ出した精液と二人のハジメテの証である赤い液体がついていた。
「へ、へへへ……」
「ちょ、二人とも……!」
「動かないでくださいね……」
アンジェラと疲れていた筈のリースまでもがデュランのペニスに口を、舌を這わせていた。
それがフェラチオと呼ばれる行為だと知ってはいても、されるとは思ってもいなかった。
先程とは違った快感が今度はデュランに襲い掛かる。
そしてそんな事をすれば当然の事ながら興奮する、間違いない。
「あ……」
「え……」
「……」
デュランのペニスは力を失っていたにも関わらず再び硬く反り立っていたのだから。
「……二人とも」
「うん」
「はい」
「今日は寝かせない」
アンジェラとリースが再び押し倒される。
(デュランの目が……)
(凄い事に……)
完全の肉食獣が獲物を見る目である。
二人はお互いの顔を見合わせると、笑顔でデュランへと向きなおる。
「ど、どうぞ……」
「私達はデュランのもの、だからね」
それがきっかけとばかりに再び行為が再開される。
その後はアンジェラもリースも若干意識が飛びかけており、記憶も曖昧だ。
お互い抱き合って胸と秘処を擦りつけあったような気もするし、二人でデュランのペニスを胸で挟んだ気もする。
二人で四つん這いになって、後ろから入れられた気もするし、お互いの秘処を舐めあった気もする。
ただ分かるのは自分達二人は愛しい彼に愛されているのだという事だけ。
それだけで十分であった。
そしてこれからも三人は一緒にいるのだと確信したまま眠りにつくのであった。
「問題は山積みなんだが」
「お母様になんて言おうかしら……」
「エリオットに義兄ができた、っていつ言いましょうか」
「……国際問題になったらどうしよう」