「……っ!?」
どれだけ意識をトバしていたのか、騒がしい人の声と暴れるような気配がして、みこは意識を浮上させた。
「……ぃ! か……ぃ!!」
先程まで散々に弄られイキ狂わされた消防士風のオトコではない、しゃがれたような声が頻りに何事かを発して騒いでいるのが耳に入ってくる。
微睡みの中で聞こえるその声は現実感に乏しく、バタバタと暴れるような音もどこか他人事のような感覚が強い。
「…?」
ふと目を開いたみこは見慣れないダンボールに囲まれているのを見やって、ようやく自分の状況を思い出した。
「っ!!」
思わずガバリと起き上がったみこの目に路地裏の景色が飛び込んでくる。
寝転んでいるのはたっぷり犯され尽くしたホームレスの棲み家で、服は最後の記憶のままに一糸も纏っていない。
お尻の舌には自分がたっぷりと吹いた潮が染み込んだタオルの感触がしており、その濡れた感触からそんなに時間が経ってないように感じた。
まだちゃんと頭が動いてないのか、ふわふわとした感覚の中で先程感じた気配が足元辺りからするのに気付いた。
「かぃぃ!!」
「っ!?」
みこが気付くのと同時に聞こえた聞き慣れない声。
思わず身を乗り出すようにして自分の足先、ホームレスの棲み家から外を覗き込んだ……
「……え?」
そこに見えた光景に絶句してしまった。
「かいいいぃ!! かいぃ!!!!」
そんな言葉とともに全身を掻き毟る男がいた。
「っ……」
どれほど洗ってないのか見当もつかない程に汚れた衣服を開けながら、垢が溜まりすぎてどす黒く染まった全身を同じくらい黒い指で一心不乱に掻きむしっている。
元は白だったのだろう、既にどす黒く黄ばんで肌が透けるインナーシャツの上に所々が破れたチェックのシャツを羽織り、大きさが合っていない今にも脱げそうなスウェット生地のパンツをビニール紐で無理矢理締めて履いている。
地面に転げながら暴れまわり、その度にフケや垢を撒き散らす様は控えめに言いようがない程に醜悪で思わず息を呑んでしまった。
「ぁ……」
しかし、そこで一つの可能性に気付いた。
みこは今、人気のない路地裏へと自ら入り込み、そこにあったホームレスの棲み家で消防士風のオトコに犯され、おちんぽの快楽に溺れ、最後は自分から求めた孕ませセックスで意識をトバした。
そんな場所に居るホームレスの男。
しかもちゃんと生きた生身の人が居るとすれば、それが誰かなんて察して余りある。
「ここの……ひと……?」
思わず上げてしまった呟くような声。
それが聞こえたのだろう。暴れるホームレスがみこの方へと顔を上げた。
一瞬みこの顔を見て呆然とし、次に身体を眺めると淫欲に塗れた醜悪な笑みを浮かべた。
「あぁ、お、おんなだぁ!!」
久しく覚えのない生身のオンナ、それも明らかに10代という瑞々しいみこの裸体を目にしたホームレスは全身に走る痒みを忘れたかのように動き出した。
目を血走らせながらみこへと躍りかかる。
「ひっ!?」
怪異達とは違う生身の男に犯される恐怖に思わずホームレスの棲み家へと逃げるが、人が一人寝るのでやっとな大きさのそこでは到底逃げる事は適わない。
すぐさま奥まで追いやられ、それを追うようにしてホームレスも入り込んでくる。
「うへへ。夢じゃねえ。オレの家に裸で待ってる可愛子ちゃんがいる……」
改めて見ると小柄で、頭はまばらに禿げ上がり残った髪も脂やフケで固まっている。
あれだけ暴れたからか、もともとボロい服は開け、スウェットのパンツはずり落ち始めていた。
みこに近付きながら、ホームレスが片手でスウェットを引っ張ると、ただでさえ緩いパンツはいともたやすく脱げてしまう。
「い……ゃ……」
思わず露わになったホームレスのちんぽへと目をやってしまった。
何重にも恥垢を溜めた同じ人間の身体とは思えない程に汚いソレ。
大きさは今までの怪異達とは比べ物にならないくらいお粗末で、しかし圧倒的なまでの現実感を伴ってみこへと狙いを定めている。
ただただ醜悪なソレに犯されてしまう恐怖に顔は青褪め、カチカチと歯を鳴らしていた。
その時男の背中から黒い靄のようなものが染み出し始めた。
「や……やだっ」
そんなみこの怯える言葉もホームレスには昂奮を高める効果しかない。
イヒヒヒとイヤらしい嗤い声をあげながらジリジリとみこを追い詰めていく。
「っ!!」
伸ばされた手に思わず身を縮めようとした。
そんなみこの目に、今まで消えていた消防士風のオトコが映った。
「……え?」
思わずみこが呆然とした声を溢した瞬間、ホームレスがその動きをピタリと止めていた。
「お? ぉぎょっ?」
そんな声を上げたホームレスの頭に潜り込むように消防士風のオトコの腕が突き刺さっていた。
まるでホームレスの背中から生えているかのようにしてその背中に佇む消防士風のオトコは、その気配を憤怒に歪めながらホームレスを睨みつけている。
いいいいいぃぃぃぃぃいいぃぃいいい!!!!!
どす黒い霧のようなモノを漂わせるオトコは、ホームレスの頭へと突き入れたその両手を掻き回す。
「いいいぃぃぃ!!!? かゆいいいぃぃいいいいいぃ!!!」
伸び上がるようにしてその全身を掻き毟りだしたホームレスはそのまま棲み家の外へと倒れ込んでいった。
「あ……。たすけて……くれた…………?」
ふと零した言葉が妙にみこの心へとしっくりきた。
一糸纏わぬ無防備な姿で、更に明らかに先程まで致していたのだろう痕跡を残したままに路地裏で寝転がるみこを見たら、先程のホームレスのように据え膳を喰らわんとばかりに手を出してしまうだろう。
しかし、目を覚ましてホームレスに気付いた時も、彼は手が届く程近くにいながら全身を掻き毟るだけであった。
あれだけ近くに居たにも関わらず、みこの身体には触れられたような感覚は一切残っていない。
「たすけて……くれたんだ…………」
ギュッと自分の身体を確かめるように掻き抱く。
怪異達に犯され、散々オトコをわからされた挙げ句、開発されて淫らになっていくみこの身体。
しかし、彼らは決してみこを傷つける事がない為に、いまだに処女膜も綺麗に残してくれている。
それがわかるからこそ肉欲のままに身を任せる事が出来、思う様に乱れて淫欲の沼に溺れていけた。
そんな状況に加えて、今回はみこの貞操の危機を助けられてしまった。
「ふ……ぁ…………♡♡」
熱い蕩けた吐息がみこの口から漏れていた。
ゾクゾクと走る快感にも似た熱い感情に胸が高なっていく。
キュッと下唇を喰んで、高鳴る心臓を掴むように両手をその美乳の谷間へと埋めた。
もう、先程まで感じてた恐怖は無くなっていた。
「着替えて逃げよう」
消防士風のオトコの作ってくれたチャンスを不意にする訳にはいかない。
キッと目に力を籠めたみこは、急かされるように服を着始めた。
「おおおおぉぉ!! おんながぁぁ!! ああぁ、かゆいぃぃぃぃぃぃい!!?」
みこへの執着を口にしながらも耐え難い痒みに抗えず、ボリボリと全身を掻きむしるホームレスの雄叫びを尻目に、着々と逃げる準備を進めていく。
ザーメンに塗れた身体だが、他人がソレを見る事は出来ないからとそのままに服を着て、棲み家を一通り見回してみこに繋がるような物などを忘れていないか確認する。
「……うん、だいじょぶ」
自分に言い聞かすように頷くと、棲み家の入り口から外を覗いた。
そこには先ほどと変わらず、ホームレスの背中から明らかな怒気を滲ませたままにその頭を掻き回す消防士風のオトコが見え、その視線をみこへと向けた。
「ぁ……」
早く逃げろと、そんな意思をその昏い瞳からありありと察する事が出来た。
そんな彼にこくりと頷き口許で『ありがと』と呟くと、表へと向けて足を踏み出した。
「あぁ!! おんながぁ!!! いぎいいいぃぃぃ!? かいぃぃぃぃぃいいいい!!!!」
そんな醜悪な叫びを後にして懸命に足を動かしていく。
辺りはだいぶ日が落ちて暗くなってきていた。
転がっている障害物に足を引っ掛けないように気をつけて走り抜け、人通りもまばらになった表通りへと逃げ込んだところでようやく一息つく事が出来た。
「はっはっ……ふぅ……ふぅ……っ」
涙目になりながら荒い息を吐くみこは、振り返るように路地へと視線をやった。
店舗の明かりなどもあって明るい表通りから見たそこは、ビルの陰になり奥を見通すことが出来ない。
もしあのまま助けが来なかったと考えると、それだけで総身に怖気が走る。
それと同時に逃げ出す事が出来た安堵に気が緩み涙が溢れそうになっていた。
「……ふぅ」
大きく吐いた安堵の溜息。
その自分自身の溜息に交じる濃厚なザーメンの臭いが鼻をつき、それが改めて自分の姿を思い出す切欠になりドキリと胸が鳴った。
そんなみこの目の前を、どこか夜の雰囲気を漂わせる色っぽい女性が通り過ぎていく。
「っ!!!」
思わず自分のザーメンで白く染まったあられもない格好を隠すように全身を掻き抱く。
緊張に高鳴って全身を硬直させるが、そんなみこをどこか不思議そうに一瞥した女性は、何も疑問を感じなかったのかそのまま通り過ぎていった。
「……ぁ」
そこで改めてみこを犯したのは消防士風のオトコという怪異であり、その姿を見る事が出来るのも、声が聞けるのも自分だけだと思い出した。
つまり、今自分の全身を彩っているザーメンも同様にみこ以外には触れることも嗅ぐことも、見ることすら出来ない。
ドキドキと暴れる心臓を落着かせるように胸元に手を添えて深く息を吐いていく。
しかし、安心すると同時に見えないからといって怪異との行為で全身をザーメン漬けにしたあげく、今もそのおまんこからザーメンが垂れ落ちるのに任せている現状が変わる事訳ではない。
「っくぅ♡♡」
さっきまではホームレスから逃げ出す事が最優先で、何も考えず人が居る繁華街まで走り抜けてきた。
しかし、落ち着いた中で改めて自分の状況を考えると、まるでハナと見たマジックミラーモノのAVのように、他人には見えないという状況を利用して自分の痴態を見せつけているかのように思えてしまった。
そして、その他人には見えないという状況は、みこ自身が体験しているように、何かの切っ掛けがあれば容易くバレてしまう危うさと紙一重である。
「ふっ♡ ……ぅっ♡♡」
もし今この場で周りいる誰かの中にみこのように見える人が居たとしたらという妄想をしてしまったみこは、先程まであれだけ孕ませセックスで犯され、浮浪者に強姦されそうになったにも関わらず、その子宮を疼かせていた。
「っ♡♡」
そんな淫らな妄想を振り払うように首を振ったみこは、疼く子宮を薄いお腹越しに擦りながらバス停へと向けて駆け出した。
こんな自分の姿を衆目に晒したままにしていく恥辱に耐えられなかったのだ。
他人には見えないのをいい事にザーメンに濡れるその全身を晒して繁華街を駆け抜けていく。
そのゾクゾクと背筋を走る快感から目を背け、駆けていく息苦しさに顔を歪めるみこの様子は、他人からはどこか焦ったその表情に見えるのだろう。
幸運にもそこに隠された淫猥な想いを見咎める者はおらず、無事にバス停まで辿り着いた。
「あっ」
バス停が近付いて来た所で、発進しようとするバスが見える。
運転手と視線が絡み、慌てて乗りますと手をあげると頷いてバスを停めてくれ、開いたドアから乗り込む事が出来た。
「はっはぁっ」
荒れた息を整えつつ、ガランとした車内を見渡していく。
休日の中途半端に遅い時間なのもあり、みこ以外の乗客は一人だけだった。
一段高くなった座席の内、後ろから2つ前、進行方向に向かって右側にある二人乗りの座席へと座る禿げたおじさん。
「……?」
窓にもたれ掛かりながら寝息を立てるくたびれたサラリーマンといった様相のおじさんだが、その顔をつい最近見たような気がして首を傾げる。
しかし、思い返しても心当たりが浮かんでこず、通学中にでも見たのだろうと深く思い返そうとはしなかった。
自分以外にはそうとは見えないのはわかっているが、ザーメン塗れの姿をそのまま運転手の目に晒すのには抵抗を感じ、運転席からの死角になりそうな最後尾の左側の角席へと座った。
ぐちゅりとザーメンが染みたキュロットスカートが立てる音が耳に入り、その濡れた感触がお尻に染みてくる。
ぞわりと悪寒が走るその感触に眉を顰めつつ、帰るまでの我慢と動き出したバスの揺れに身を任せて窓の外へと視線をやった。
既に息は整い、軽く汗を掻いている程度で傍目に不自然な様子は見受けられない。
「ふぅ……。よかったバレなくて…………」
自然と漏れた自分の言葉にどこか残念な想いが交じっていた事に、みこ自身が気付く事はなかった。
運転手からは死角になり、みこ以外の乗客はうたた寝から起きる気配もない。
そんな状況に安堵したみこは再度大きく息を吐くと、ようやく気を緩める事が出来た。
そう、緩めてしまった。
なぁ、ザーメン臭くねぇ?
だからだろう、突然右の耳許で囁かれたその言葉に思わず振り向いてしまった。
やっぱり聞こえてるんじゃね~か、ザーメンオンナ
そこには行きのバスで遭遇した女子高生の怪異がいた。
ギャハハと愉しげに三つの顔が嗤う。
「あぁ……」
呆然としたままにその様子を見詰めるみこの耳には、その下品な笑い声が痛い程に響いていた。
という訳で、なんとなくいい感じに筆が進んだので投稿っ
消防士風のオトコとのエピローグぷらす女子高生達との導入!
今度はバスで……レズレズなのですよっ
──
21/4/9に生存報告&改訂。
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