「ん……。 ぁ♡」
電気を落とした部屋の中、深く寝入ったみこは暑さからかどこか寝づらそうに寝返りをうっていた。
かぶっていた布団が蹴落とされており、捲れたパジャマからは薄っすらと縦筋が浮いた艷やかなお腹が見えてしまっている。
漏れ出る寝息は妙に艶っぽく、ともすれば喘いでるようにも聞こえる。
上気した肌は薄っすらと汗を纏い、カーテンの隙間から漏れ入る街灯の灯りで淡く煌いて、女子校生にあるまじき色香を放つみこをより華やかに際立たせている。
「や…… ゃらぁ……♡♡」
熱い吐息はともすれば桃色に見えてしまいそうな程に濃く色付いていた。
ギュッと握りしめられた胸襟ボタンは半ば以上開かれ、親友のハナ程ではないが豊かに膨らむ美乳の谷間が露わになっている。
ムニュゥ
「んぁっ♡ やぁ♡」
そう身悶えるみこの美乳が、触れられてないにも関わらずその形を卑猥に歪んだ。
まるでみこの反応を楽しむように執拗に形を変える双乳は、大人の男の手に揉みしだかれているようにも見える。
その先端でパジャマの生地を持ち上げるぽっちも同様で、まるでコントローラーのスティックのようにコリコリと捏ね回され、その度にみこの腰がぴくぴくと跳ね回っている。
「だめ♡ ぁ♡ やら♡♡ らめぇ♡♡♡」
ついにはゆるゆるとおねだりするかの様にみこの腰が振られ始めた。
火照ったみこがかいた汗が放つ発情した牝の匂いは部屋一杯に充満し、いるはずもない牡を誘う。
そう、誘惑する牡など居ないはずのみこの部屋。
みつけたよ。 好きだ。 あいにきたよ。 ひとつになろう。
どうやって隠れていたのか、先程まで部屋のどこにも居なかったはずの禿げたおじさんがみけへとのしかかっていた。
よく見ると、彼の身体は向こう側が透けて見えている。
どこか消え入りそうに揺らめく様は明らかに人ではなく、ソレがおじさんの生霊だとわかる。
彼と絡んだのは、バスの中で起きた女子校生の怪異達との出来事だけなはずなのに、生霊おじさんはみこへと異常な執着心を見せている。
「ほお゛ぉ♡♡ ふとぃ゛の゛♡ はいっでる゛ぅ♡♡」
もともと昼間見た女性へと執着していたはずの彼が、今はそれ以上の熱量をみこへと注いでいるのが見て取れる。
それは知り得るはずのないみこの家へと侵入を果たしている事でも容易に察せるだろう。
一緒になろう。 もう離さない。
そもそも、みこと女子校生の怪異達との痴態を特等席で視姦出来ただけに留まらず、彼女達による手コキでみこの口内へと大量のザーメンをコキ捨てた生霊おじさんは十分に美味しい思いをしたはずである。
しかし、生霊おじさんにとってはまるで足りていないとばかりにみこへと腰を振るう。
本来、人に干渉する事など不可能だったはずの生霊おじさんの行動。
昼間の女性に対してはなんら影響を与えることは叶わなかった無意味な行為だが、みこにとっては違う。
いやいやと首を振りながらもその腰は牡を求めて淫らに踊っている。
その両手と両足はのしかかる禿げたおじさんの生霊を掻き抱き、離れるのを拒むかのようにしがみついていた。
好きだ。 孕め。 愛してる。 僕の子供を孕め。
生霊おじさんは無遠慮にみこへと愛を嘯きながらその腰を叩き込み続けた。
──◇──
『次は〜〜〜。〜〜〜。』
「ぁ……ぇっ?」
バスの中に響くアナウンスの音によってみこは現実へと引き戻された。
聞き慣れた名称は最寄りのバス停へと到着するまで余裕がない事を意味していた。
「っ!?」
生霊おじさんにぶっかけられたザーメンで行うオナニーでの絶頂で微睡んでいたみこは、自らの惨状に思い至って青褪めることになった。
みこが座っていた座席。 そこにはみこの秘所から溢れた愛液が大きく染み込んでいたのだ。
ここから先で人が乗ってくることはほぼないために、そこへ座っていたみこが汚したのだとわかってしまう。
「ど、どうしよ……」
これがただ零れたジュースで汚しただけであれば謝るのに否やはない。 しかし、このジュースはみこの秘所から溢れ出た蜜液と吹き出した潮のカクテルなのだ。
鼻が慣れてしまったみこには感じ取れないが、匂いの届かない場所にいる運転手さんにはその淫臭で水を零したのとは訳が違うとバレてしまう事だろう。
まさかオバケとエッチな事した挙げ句、そのザーメンでするオナニーに我を忘れて耽ってしまった結果、自分のキュロットスカートだけではなく座席まで濡らしてしまいましたと謝罪する訳にもいかず、どうしてもしたくてオナニーをしましたとでも打ち明ける事になったとしたら恥辱で死んでしまうかもしれない。
「うそ……。 やだ……」
頭の中はパニックになり、潤んだ瞳からはいまにも涙が溢そうになっていた。
有効的な策は考えつかず、うまい言い訳も思い浮かばない中でもバスは順調に進んでいく。
気がつけば最寄りのバス停まであと僅かとなってしまった。
バスで自慰をしたのを言い出せずに降車を拒否して立て籠もった女子校生という不名誉なニュースがテレビから流れる様がみこの頭に過ぎった。
「あぁ……」
絶望で曇りきった瞳から一筋の涙が零れ落ちていく。
貸しだからな
そんなみこへと声がかけられた。
「…………ぇ?」
それは先程まで散々耳元でみこを言葉責めにして弄んだ黒髪ショートの子の声だった。
見ると呆れを多分に含ませながら苦笑した彼女が横に座り、後はどうとでもなるから席を譲れと促していた。
周りを囲む3人の顔も早く早くと急かしてくる。
ほら、乗り過ごすぞ?
「う、うん……。 ありがと……」
そんな呆れたような言葉に戸惑いながら頷くと、促されるままに停車ブザーを鳴らす。
彼女達がどう処理するのだろうと聞いてみたい欲求が沸き立つが、それをなんとか呑み込んで彼女達へと席を譲り、通路へと移動する。
ちなみに、あのオジサン夢精してるからな?
「ぇ……」
席を立つ際に耳元で囁かれた言葉。
意識の隙間にするりと入り込んだその言葉はみこの視線をいまだに寝息を立てる禿げたおじさんへと向けさせた。
通路に立ち上がった事で、二人席で大きく足を開いて眠るおじさんのみこの視点からはおじさんの姿がよく見えている。
言葉通り、おじさんのスラックスには大きな染みが出来ており、張り付いたそこはありありと太ちんぽの形を浮き上がらせていた。
「ぅ……ぁ♡」
口に収まりきらず受け皿にした手の平で山を作る程濃厚なゼリー状のザーメンがあそこにはたっぷりと染み込んでいるのだろう。
その上でいまだに大きく膨らんでいるおちんぽがヒクヒクと震えているのも見て取れる。
寝入っている本人をよそにまだまだ物足りないと主張するその剛直を見て思わず生唾を飲み込んだ。
せっかくバスを降りる際のどたばたで意識が逸れていたにも関わらず、再度淫欲の種火に火を灯されたみこの身体は先程の飲精とザーメンオナニーでは足りないとばかりに疼きだしてしまう。
物言いたげに女子校生の怪異達へと視線を向けるが、彼女達は悪戯成功とばかりに満面の笑みを浮かべながらまたな〜と手を降っていた。
「はぁ♡ ん、もぅ……」
思わず言葉が漏れてしまうが、助けて貰う手前恨めしそうな視線で抗議する以上の事は出来そうになかった。
大きく溜息を吐いて誤魔化しつつ、何食わぬ表情を取り繕いながら降車ドアへと足を踏み出した。
「ふ♡ ぅぁ♡♡」
鼻を突く濃厚な牡の性臭が漂い思わず声が漏れ出てしまう。
スラックスへ大きな染みを作る程の大量射精でも萎えないおじさんの太ちんぽがよりはっきりと目に写り、みこの性欲を否応なく煽ってくる。
最後の最後で撒かれた肉欲の種は既に芽を出しているが、それでもなんとか平静を装うことは出来た。
キュロットスカートはまだ濡れたままだが、黒を選んだのが幸いして目立つことはない。
更に日も落ちたことで外は暗く、直接触られる程の事がない限りバレる心配はないだろう。
決死の思いでおじさんの横を通り過ぎる事も出来た。
ただ、降りるためには通る運転手の真横が最後の難関である。
「……ふぅ♡ …………ふぅぅ♡♡」
緊張と羞恥に上気した頬を隠すように、運転手から見えにくい場所で手すりへと凭れ掛かると、力一杯自分の身体を掻き抱いて扉が開かれるのを今か今かと待ち続けた。
『ありがとうございます。足元にはお気をつけて』
運転手が疑問に思ったかどうかは定かではない。
しかし、あくまで職務を優先した彼がみこを見咎める事はなく無事にバスを降車する事が出来た。
「…………ふぅ。 …………よかった。」
緊張から解き放たれた開放感から大きく息を吐いたみこは、なんとなく自分が座っていた座席へと視線を送った。
「ぇ?」
そこには綺麗な顔立ちの黒髪ショートの少女が座っていた。
切れ目で気が強そうな彼女は気怠そうに座りながらみこへと視線を送っている見覚えのある少女。
驚きに目を見開いていると、彼女もみこが見ているのに気付いたのかにっこりと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
しかし、それも一瞬ですぐにバスは走り去ってしまう。
呆気にとられたまましばらく棒立ちになってしまったが、気を取り直すように頭を振ると自宅へと足を進める。
「やっぱり、あの子だよね……」
みこの感覚で人と見分けがつかない程に存在感を増していた少女は4人のリーダー格であった黒髪ショートの子なのだろう。
確かにあの姿であれば、みこでなくてもその影を捉える事が出来るのかもしれない。
そうなると運転手は乗せたはずのない少女が座席へ座っている事に気付くだろう。
しかし、どこまで存在感を増したとしても少女は人ではない。
やがて消え去る少女が座っていたはずの座席を確認すると、ぐっしょりとナニカで濡れているのに気付く事になる。
ともすれば新たな怪談話の発端となりうる出来事なのかも知れないが、みこへと追求が及ぶ心配はほぼなくなるだろう。
「貸し……かぁ…………」
貸しだからなという黒髪ショートの言葉を思い出したみこは、それを返すためにはあのエッチな女子校生の怪異達にどれだけバスの中で弄ばれなければならないのだろうと考える。
しかし、どれだけ考えても不思議と彼女達から弄ばれる事に『嫌だ』という気持ちは浮かんでこなかった。
「あれ? むしろ、座席を濡らしちゃったのもあの子達のせいだよね?」
明らかなマッチポンプに気付いたみこは、思わず走り去ったバスへと視線を送るがとうに視界からは消え去っている。
「あ~~、もう騙されたっ!」
可愛らしくぷくりと頬を膨らませるが、それもすぐにプシューと抜けていく。
かわりにその口元には笑みが浮かんでいた。
「……ふふふ♡」
騙されたかもしれない。
しかし、不思議と怒りは湧いてこなかった。
むしろ、ちょっとSっ気が強くて、すっごくエッチで、びっくりするくらいザーメンが大好きで、とってもズルい彼女達が同年代だったらハナと一緒にイロイロと仲良く遊んでいたのかもしれない。
そんなもしもに思いを馳せたみこは、それも悪くないと感じている自分の淫乱さとチョロさに苦笑してしまった。
少しだけ、いつもより足取りは軽く。
少しずつ肉欲の沼に沈んでいる事に気付くことなく。
燻った淫欲の種火に少しずつその理性を炙られながら……。
みこは愉しげに帰路についた。
まって
だからなのか、彼女は気付かなかった。
ただでさえ見える子は狙われる中で、触れ得る自分が怪異達にとってどれだけ魅力的な牝として映っているのか。
そして、あれだけの事を経験してしまったおじさんの生霊がみこへと執着しない訳がないのだと。
まって。 好き。 つれてって
いまだにバスで眠る本人を置いて動きだした禿げたおじさんの生霊が、未練がましくみこの背中を眺め、その後ろをひたひたと追いかけているのに気付く事が出来なかった。
という訳で第5話のエピローグ+第7話の導入でした。
ちょうど区切りな部分だったのもあってちょっと短めかな?
ただまぁ、次はみこちゃんが夢の中で……。