ドラえもん のび太のアカメが斬る!本当の宝物 作:雛月 加代
プロローグ
それは、アカメたちが地球に来てから間もない頃。授業で柔道をした時のことである。
「のび太さん!」
道着に着替えて、道場で正座をいたのび太の元に静香がやってきた。
「駅前に可愛いケーキのお店が出来たの。帰りに行ってみない?」
「ごめん、先約がいる。」
「そう・・・・なんだ・・・・・・。」
静香はションボリする。最近、静香がのび太を遊びに誘う回数が多い。
(僕なんか誘わないで、さっさと彼氏でもつくりゃいいのに。)
のび太は何気なくそんなことを考えながら、女子の方に視線を向ける。視線の先に見知った顔の少女を発見する。
「のび太!!」
クロメがのび太に抱きつく。
「のび太、一緒に練習しょう!」
「//// ク、クロメ!/////」
抱きつかれて思わず、顔を赤くするのび太。すると隣にいた静香は
「の〜び〜た〜さ〜ん〜。」
不機嫌な顔をする。
「ひょっとして、先約ってクロメさんのこと?」
「・・・・・・それは・・・。」
「むむむむむむ。」
そして授業が始まった。
「クロメちゃん、手合わせお願いできないかな?」
はる夫は誰よりも早くクロメに声を掛けた。はる夫は中学では柔道部のエースを務め、幾つかの大会で優勝したことがあるらしい。ちなみにクロメ親衛隊隊長でもある。
「私と?」
「うん、クロメちゃんのお手並み、ぜひ拝見したいんだ!(それに・・・・肌と肌が触れ合って、嬉しいアクシデントがあるかも知れないし・・・・)」
邪な事を考えながら、クロメに手合わせをお願いするはる夫。
「・・・・・・・・・・・。」
クロメは無言でのび太に視線を向ける。彼女の視線に気づいたのび太は小さく頷いた。
「・・・・・いいよ。」
「おっしゃああっ!」
「・・・・・うっ。」
道着姿のクロメと向かいあった瞬間、頭を覆っていたときめきの霧が晴れて、違う空気に覆われた。ぴりぴりと痺れるような。本当に強い者と対峙して時に感じる緊張感だ。間違いない・・・目の前の少女は『出来る』。加えて初めてだからといって、手心を加える気は無いという意志が本気の目の色から伺えた。
「・・・・・・・・・・・・。」
クロメは小さく呼気を鳴らして間合いを詰めてきた。
(えっ!?消え・・・・・)
次の瞬間、死角の下側から伸びてきた細い腕が襟を掴み、予想と正反対の方向にはる夫をひねった。
(やっ、やばっ!)
ダァン!
「・・・・ッ!」
驚く間もなく天地が逆転したかと思うと、背中を強い衝撃に叩かれた。
「おいっ!いまの見たか!?はる夫が投げられたぞ!」
「ウチのナンバー1が・・・・クロメちゃん、可愛い顔なのに本気で強いぜ!」
「いやいや、実ははる夫、たいした事なかったのかもよ!」
「はる夫くん、大丈夫?」
心配そうな顔ではる夫に近寄る静香。
「くっ・・・・・・うううっ・・・・」
「肩を震わせちゃって・・・・秒殺がそんなにショックだったの?」
「うっ・・・・うっ・・・・ううっ・・・・す、すごい・・・・すごいぜっ!!!!!!!!!!!!」
「え?」
「凄いぜ、クロメちゃん!可愛くて優しくてナイスバデイで・・くわえてこんなに強いなんて!まさに天使!いやっ、大天使っ!」
その言葉に全員、唖然となる。
「〜〜〜〜〜っ。」
はる夫の豹変ぶりに
「バカアアアッ!」
ドムッ!
「ぐぼぉっ!?」
無防備なみぞおちに静香の拳がめりこんで、はる夫はその場にヒザを折った。
「し・・・・ず・・・かちゃん・・・・なぜ?」
「そうやってハナの下伸ばして隙だらけだから、情けなくビョーサツされるのよ!」
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