ドラえもん のび太のアカメが斬る!本当の宝物 作:雛月 加代
「私は、のび太のことがずっとずっと大好き。出来ることなら、もっと早くからのび太とこうしていたかった・・・・・」
またあんな事言ってる。でもその愛情は・・・・いつまで続くかなぁ。1年後、半年後、もしかしたら明日。いつか終わりはくるんだよ。その感情、永遠に続く愛なんてない・・・・。
「クロメちゃん殺しちゃうけど、いーの、のび太さん?」
静香は剣を構えながら、のび太に視線を向ける。
「負けないよ、今のクロメは・・・・」
それだけ言うと、のび太は黙りを決めこんだ。静香は再びクロメに視線を向ける。
「何それ・・・・?『信じてる』って?言ったでしょ、そんな感情すぐ変わるってば!!!!」
カチン
カチン
ギシッ
のび太たちの目線の先で剣と刀がぶつかりある。
「はぁああああああああああ!!」
ブンッ
「・・・・・!!!」
「やった!!!」
静香の振った剣がクロメの右腕を掠める。クロメは後ろに飛んで、傷口を左手で抑えた。
「さすが超強化薬、凄いっ!!」
攻撃が当たった事に静香は
「フフフフ、今の私ならアンタを殺せる!」
上機嫌になり、視線を野次馬へと向ける。だが静香の考えとは裏腹に
(ちょっと・・・・・なんで身動き一つしないの・・・・・・?)
ただ静かに戦いを見守るのび太。
(あの目・・・・・・。まさかまだ信じてるの?バカじゃない!?バカじゃない!?バカじゃないの、やめてよ!!)
静香はクロメに襲いかかる。
「私が・・・・・諦めたモノを見せつけないでよー!!!!!!」
カチン
カチン
ギシッ
静香の剣とクロメの刀が再びぶつかりあう。
「ハア・・・・・ハア・・・・ハア・・・・・・」
ズキッ
「おかしい・・・・・なんで・・・体が段々重くなっていく・・・・」
すると静香はキングに言われた事を思い出す。
【この薬は強力だけど、とても危険んだ!薬の効果が切れると、副作用で立っていられなくなるよ!!】
キングの言葉を思い出し、内心焦り出す静香。
キン
ガン
静香の振った剣がクロメの手から八房を吹き飛ばす。
「やった!」
宙に舞う八房を見て、舞い上がる静香だったが
ドスッ
「キャッ!」
いきなり顔面に衝撃が走り、体が吹き飛ばされる。勝利を確信して浮かれていた静香の顔面にクロメは拳を叩き込んだのだった。
「あっ・・・・・・・」
カチャ
気が付くと、クロメは尻餅をついている静香の顔に刀の先を突きつけていた。二人の死闘がついに決着を迎えたのだった。のび太たちもクロメの元へ駆け寄ってくる。
(・・・・・・・どうして、あんなに薬を飲んだのに・・・・絶対勝てるはずだったのに・・・・・)
まだ状況が理解できていないのか、静香はその場で動けずにいた。
「クロメに任せる。クロメの好きなようにしていいよ。」
のび太の言葉で静香は我に返った。殺される。静香はこの時、生まれて初めて死の恐怖を味あわされた。だがそれは散々クロメにしてきた仕打ちを考えたら、仕方のないことだ。
「じゃあ、許してあげて。」
「『「『えっ!?』」』」
クロメの言葉に静香は勿論、アカメたちも目を見開く。
「私に任せてくれたんでしょ?だったら許してあげて。」
クロメはのび太に視線を向けると、ニッコリと笑う。そんな彼女にのび太は何も言えなくなった。
「そうなるかもね・・。」
「???」
クロメは部屋を出る際に倒れている静香に話しかけた。
「私はのび太が大好き。でものび太はお姉ちゃんの事が好きなんだ。そしてお姉ちゃんものび太の事が・・・・・」
「・・・・・・・・・。」
「知ってる?のび太ってお姉ちゃんといる時が一番嬉しそうなんだよ・・。私はそんなのび太の気持ちを強引に自分の物しょうなんて思わない。」
「あなたはそれでいいの!?」
静香の叫びにクロメは静かに答えた。
「もちろん、のび太が私を選んでくれれば嬉しいけど・・・・でも、いいの。のび太が幸せでいてくれれば。お姉ちゃんがのび太を幸せにしてくれるなら、私は何も言わない・・・・・」
それだけ言うと静香を残し、クロメはそのままのび太たちを追いかけた。
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