ドラえもん のび太のアカメが斬る!本当の宝物 作:雛月 加代
「・・・・・・・・(はあっ・・・・ちくしょう・・・・どうしてアイツは事ある毎に恋路のジャマをしてくれるんだ。わざわざ俺の学年まで来て、自分が大家の娘って吹聴して・・・。おかげで告白した女の子がみんな興信所代わりにシャーリーに俺の事を聞くじゃないか。どうしてあんなマネ・・・・・まさか・・・・・俺に気が?)・・・・・。」
ぶんぶんぶんぶんっ!!
「いやいやいや!まさかまさか!100%、天地がひっくりかえってもあり得ないぜ。万が一、そういう理由で邪魔してるとしても、ああいう可愛げのないのは好みじゃない。俺はもっとこう、おとなしくておしとやかで控えめで、欲を言うならナイスバディの女の子と恋に落ちて・・・・・燃えるような恋愛の末、めくるめく初体験と官能の日々を過ごすんだ。そうだっ!悲しんでいる場合じゃないぞ。そうと決まれば、新たな恋に向かって方向転換だっ!」
というわけで、方向転換したタクミは傷ついた心を癒すために体育館に通じる中庭に来たのであった。
「なっ、なんだなんだ?」
校庭の真ん中で何人かの学生が屋上を見上げたまま固まっている。
「いったい屋上に何があるって・・・・・・あああああっ!」
視線の先を追いかけて、タクミは悲鳴の理由を理解した。校舎の屋上をぐるりと囲むフェンスの外側に一人の男子が立っていたのだ。片腕はかろうじてフェンスを掴んではいるが、足を大きく開いて、顔は10メートル下の地面をにらみつけている。表情こそよく見えないが、このシチュェーションはテレビの特番で、たまに見る『あの場面』にそっくりだった。
『アイツなんだよ?マジ自殺する気か?』
『やだ、ウソでしょ・・・』
『でも、あれってどう見ても・・・ねえ・・・』
『とにかく誰か呼ばなきゃ!』
『誰かって、誰を呼べばいいのよっ!』
(ヤバイって・・・・・・・・止めなきゃ!)
思った次の瞬間、足は地面を蹴っていた。
「さあ行くぞ・・・・・・・やるんだ・・・・・ボクはやるんだ・・・」
バタンッ!
「ストーップ!」
「えっ?」
「ちょっと待てっ!待て待てえええええっ!」
「だっ、誰だよキミっ!?」
「2年B組のタクミだっ!そんなアブナイ場所に立って何する気だっ!」
「そ、そんなの見れば分かるだろう?自殺するんだっ!」
「マジかよ・・・・・なんでだ!どうしてなんだ!?イジメにでもあってるのか?」
「・・・・・・・・・・・・・つまらないからだよ。」
「えっ?」
「生きてたってつまらない、楽しい事なんて何でもない!それに・・・・・どうせボクみたいな人間、つまらない人生しか送れない・・・・・それならいっそ自殺して、みんなの記憶に残ってやるっ!」
「おいおい!そう極端に考えるなっ!真剣に考えてるのは分かるけど何も死ぬ事はないだろ。それになにかする前から自分のこと決めつけて・・・・・・それはちょっと勿体ないと思うぞ。月並みな話だけど、人生、やな事があれば良いこともあるもんさ。いま、自分で自分の事を決めちまうなんて早いって!悪い事は言わないから、一晩・・・・数時間でもいいから考え直せ!」
「うっ・・・・・そ、そんな風に言われると・・・・・」
「な?」
「うわあああっ!」
一瞬躊躇の様子を見せた男子は、頭を抱えて、ぶるぶると揺さぶった。
「だめだだめだだめだだめだあっ!所詮現は無常にて無情っ!天壌無窮の理無くば我、生きたれり意味もなし!」
「えっ・・・・・なんだって?」
時代劇のセリフみたいな文句を天に向けて絶叫すると、男子はがばっとフェンスに背を向けた。翼のように大きく腕を広げ、すうっと音を鳴らして息をすう。
とんっ・・・・・
「うわあああああっ!ばかあああっ!」
顔から血の気が引いて行くのと同時にタクミは走り出していた。間に合うか?なんて計算するヒマもない。必死で床を蹴って、蹴って蹴って。フェンスを駆け上がって飛び降りて。腕を伸ばしたその先で、男子の体がゆっくりと地面に向けて傾いていった。
「このおおおおっ!」
リクエスト 2 は・・・・・・・
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続けた方がいい
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やめた方がいい