ドラえもん のび太のアカメが斬る!本当の宝物 作:雛月 加代
「おじさん、これは?」
「俺が昔、使っていたバイクだ!ちょっと型は古いかもしれんが、遠慮なく貰ってくれ!」
ジャイアンの叔父は特別賞として、自分が愛用しているバイクをのび太にプレゼントする。古い型と言っているが、どう見ても新品そのものじゃないか。
「・・・・・・・(まいったな・・・・。バイクの免許なんかもってないし、こんなの貰ってもあまり嬉しくないな。どうしょう・・・・)。」
内心困りだすのび太。そしてそれを影で見ていたジャイアンは
「やい、のび太。どういうことだよ!」
表彰式の後、のび太に凄い剣幕で突っかかる。みんな優勝者の自分より、特別者ののび太を祝福する。それがジャイアンには理解できなかった。
「おじいさんを病院に連れて行ったんだよ。」
「じいさん?病院?」
そしてマラソンの日の事を思い出す。駅前を走っていたら、大きな荷物を抱えたおじいさんがいた。そして見るからに倒れそうなくらいによろけていた。だが商品の車に目が眩んでいたジャイアンは勿論、彼を無視。客席のモニターでそれを見ていたジャイアンの叔父はその事に内心激怒していたらしい。だがのび太は、おじいさんに声をかけ、荷物を代わりに背負ったのだ。そしてしばらく歩いたところで老人は心臓発作で倒れてしまったという。のび太は急いで彼を病院まで運んだのだ。
「止めろ、武!!」
「叔父さん・・・・・」
ジャイアンはのび太の袖から手を離す。
「武、お前はのび太くんに負けたんだ。」
「何でだよ?何で俺様がのび太なんかに・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
「理由を教えてくれよ、おじさん!」
泣きながら叔父に詰め寄るジャイアン。
「武、お前がもし髪の毛が赤いだけで、殴られたらどうする?」
「えっ!?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「勿論、殴り返す!」
「もし向こうがまた殴り返してきたら?」
「また殴り返す?」
「どうしてだ?」
「憎たらしからだ!」
「本当か?」
「そうだよ!」
「だからお前は弱いんだ!」
「えっ!?」
「強い男は相手に石を投げられたり、殴られたりしてもそれをすぐに遣り返さずに我慢することだ。本当に強い男は決して自分から手をあげないものだ。そして自分の為ではなく他人の為にその力を使うんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「そしてのび太くんはマラソンの勝敗よりも人助け・・・・・自分より他人を選んだんだ!」
「くっ・・・・・・・・・・」
ジャイアンはうな垂れたままとぼとぼとその場を去って行った。その背中は力無く、まるで幽霊のようである。
のび太はアカメたちといる
-
と幸せなので彼女たちとずっと一緒にいたい
-
と特に何とも思わない
-
と疲れるので彼女たちと縁を切りたい