ドラえもん のび太のアカメが斬る!本当の宝物 作:雛月 加代
「良かったですね!」
「ああ。」
「うん。」
「ジャイ子ちゃんの作品がようやく雑誌に掲載された。(これで僕たちの役目も終わりか・・・。)」
そう言いながら、少し寂しい気持ちになるのび太。
「ジャイ子ちゃんは漫画家になるのか・・・・・・。すごいな。」
のび太は漫画家になるのがどんなに大変か分かっていた。そしてその漫画家になったジャイ子を心から尊敬するのだった。
「のび太はこれからどうするの?」
クロメはなんとなくそんな事を聞いてみた。高校を卒業した今、のび太たちはそれぞれ自分の道を歩かなくてはならないのだ。アカメがいて、クロメがいて、チェルシーがいて、シェーレがいて、レオーネがいる。そんな日常が永遠に続けばいいなと思っていた。
「僕の事を誰も知らないような場所で、静かに暮らすつもり。もう争い事をするのには疲れた。」
「のび太らしいですね。」
シェーレは優しい笑みを浮かべる。第二の歴史では大学受験に失敗し、一浪するが二度目で合格、将来はしずかと順調に交際するはずなのだが、アカメたちの出会いによってその歴史には少しズレが生じていた。
「誰か素敵な人を探して、普通に年を重ねていきたいな〜。」
そう言いながらのび太は窓の外をみる。
「そうか。でもさ、その相手っていうのはまだ決まってないんだろう?」
レオーネの質問にのび太は笑みを浮かべる。
「こう見えても、幾つかアテはあるんだ。まだキチンと話し合ったワケじゃないんだけどね。」
「『「『「!?」』」』」
その言葉に全員が凍りつく。そしてしばらくの後、アカメとクロメがおずおずと口を開く。
「そ、それは驚いたな・・・・。」
「それって、私たちとかが知っている人なの?」
「そうだな・・・。みんなになら、教えてあげてもいいかな?僕は・・・・・・・。」
シュン!!!!
「!?」
するとありえない事が起こった。目の前にいたはずのアカメたちが消えてしまったのだ。
「あ、アカメ!?く、クロメ!?ち、チェルシー!?し、シェーレ!?れ、レオーネ!?」
突然消えたアカメたちにのび太は動揺し、混乱し始める。
「どうなってるんだ。これじゃあ、まるで神隠し・・・。」
そんな事を思っていると、
「久しぶりだね!」
突然後ろで声をかけられ、振り向く。
「君は!?」
姿を現したのは以前登場したのび太と瓜二つの青年。
「どうして君がここに・・・・・・」
「フフフ、どう?驚いた?」
「アカメたちはどうした!?」
「くくく、『物体しゅん間い動機』を使ったのさ!」
「えっ!?」
物体しゅん間い動機とは二十二世紀の秘密道具の一つで別名、泥棒マシーン。モニターに映った物を別の場所に転送する機械である。
「それじゃあ、アカメたちは貰っていくよ!」
「ま、待て!!」
急いで青年を追いかけようとするが
「くっ・・・・・・・」
急に目眩し、その場で転んでしまう。
「くっ・・・・・・あっ!?」
なんとか立ち上がるが、のび太は自分の体の異変に気づいた。
「こ、これは・・・・・」
体の色が薄くなっている。その様子を見た青年は
「くくく、もうすぐだ・・・・。もうすぐ入れ替わる!!」
悪魔の笑みを浮かべる。
のび太はアカメたちといる
-
と幸せなので彼女たちとずっと一緒にいたい
-
と特に何とも思わない
-
と疲れるので彼女たちと縁を切りたい