叢雲の場合
始まりは提督からの声掛け。いつ、どこでするかを伝えられず、とにかくする事だけを伝えられ、暫くご無沙汰だった故の悦びを内心に隠し、「仕方ないわね」と言った様子でクールに承諾(していると本人は思っているがめっちゃ耳は赤い)。ただ、いつどこでを知らないが故に、自然と提督の動向に注目してしまい、知らず、熱い視線を注いでしまう。まだ日の高いうちからすることを告げられたので、その焦らしは数時間に及び、赤い顔を遠征の報告に来た艦娘に心配されて慌ててごまかしたり、不意に近くに来た提督に慌てたり。
皆が帰り、叢雲と提督の2人だけが残った執務室。提督がお茶を欲し、叢雲が給仕室へ向かう。給仕室に入り、電気をつけようとした所で、提督が後ろから抱き締める。短いようで叢雲にとっては長いお預けを食らっていた体は一気に熱くなる。廊下の光が僅かに差し込む給仕室の入口で、提督大きな身体に包まれて、頬が紅潮し、潤んだ上目遣いで提督の顔を見る。そしてどちらともなく目を閉じて濃厚なキス。そのまま給仕室の向かいにある仮眠室へ連れ込まれて……
足柄の場合
休暇にデートの約束を取り付けた足柄。お風呂で入念にムダ毛チェックをし、毎日飲むお酒も飲まずに早めに就寝。当日は早く起き、メイクもばっちり、勝負下着に勝負服。髪もしっかり巻き、いつもの倍の時間をかけて準備し、集合時間の15分前には到着。提督も30分前には到着しており、二人で時計を確認して苦笑い。少し予定を早めてデートが始まる。つつがなくルートを回り終え、予想より早い時間に駅についてしまう。
まだ日が落ちきらぬうちになんとなく解散の雰囲気になってしまい焦る足柄。だが、普段のクールな自分のイメージが邪魔をして、わがままを言いだすことが出来ない。提督は、彼女のしゅんとした表情を見て察し、カラオケに行くことを提案する。表情が輝く足柄。その様子に笑顔で応じる提督。僅かな緊張と、自覚できるほどの頬の紅潮を夕焼けでごまかして、わざと駅から遠いカラオケに向かう二人は、示し合わせたわけでもなく、手をつないでいた。
世代の合う二人のカラオケは盛り上がり、店を出る頃には、終電が終わっていた。足柄がつないでいた手を自然と強く握る。大人二人は学生カップルのような初々しさを醸しながら、ホテルに消えていく。
部屋に入った二人だが、緊張しているのか所在無さげに、それでも律義に隣り合い、密着している二人。提督は天井を眺めていたが、ふと横に目をやると、うるんだ瞳でこちらを見ている足柄。視線が交錯し、提督が足柄の肩を抱き寄せ、深いキスをする。突然の事に驚き目を見開く足柄。だが、嬉しそうに目を細め、お互いを受け入れた二人は———