TS転生者のR15本編に書けない話 作:さかきばらき
4.1
絶頂、痙攣、筋肉の緊張。
全身のいたるところまで体力を使い果たした体は、もう何も動かせないと言いたげに脱力して手足を投げ出している。
「……ッ♡ …………♡」
そんな中、まだ下腹部に残っている余韻を愉しむかのように、時おり腰と臀部が小さく震える。
微笑むようにしてその光景を眺めながら、母様に声をかけた。
「きもちよかったですね、かぁさま」
「っ♡ っ♡ ……っ♡♡」
返事はない。代わりに、頷くかのように腰の震える頻度が増した。
手触りがよく、色ムラのない母様の薄金の御髪を指で撫でつける。汗と乱れたことが相まって少し張り付くように絡まってしまっているから、引っ掛けてしまわないように優しく梳いた。
「ほら、あたまカリカリ……あっ」
「──ッ!? ────ッ!♡♡」
自分が個人的に好きな、頭皮を指先で揉むように撫でるやつをしてあげたら母様がイッた。お腹が波打ってるから多分間違いない。
マジか。こんなんでそんなんなっちゃうんか。申し訳ない。
頭撫でるのも駄目なのか……。そう思いながらそっと髪から手を離し、どうしようかと悩む。
そういえば、健気にもずっと顔を隠したままの左腕。その下はどうなっているんだろう。
そっと持ち上げるようにして腕を横に移動させる。
その表情は、淫猥という言葉を実によく体現していた。
理性そのものが焼き切れてしまったかのように焦点が合わず、いつもの快活さの見られない、半目になって蕩けてしまった
口も同じく、喘いだあとの状態のまま半開きになってしまっている。閉じるだけの気力、というかそうしようと思考できるだけの意思が残っていないのだろう。汗で口にまで張り付いてしまった数本の金糸を、まるで気にしていないのが良い証拠だ。
頬は勿論のこと、耳の先まで赤く上気している。小さく体を震わす度に八の字のように寄せられる柳眉が愛らしい。
「…………?」
腕がどけられてこちらの顔が見えていることに気付いたのか、瞳がぼんやりとこちらに向けられた。
見ないで、とか、恥ずかしい、とかではなくて、ただただ思考のはたらかない頭で「まな?」とでも問いたげだ。
その子供っぽい表情が無性に愛おしくなって、軽く握った手の甲や指でぐりぐりと頬を撫でた。
「……っ♡♡ 〜〜っ♪」
「!?」
母様は、撫でられて喜ぶ子犬のように自分の手に頬を擦り寄せた。
いやぁ……なにこの可愛い生き物……?
「……ほっぺ、すべすべですねぇ♡♡」
「……♪」
興が乗ってきたので、母様のすべすべのほっぺたを指先で弄る。
母様が顔を差し出してきてるのが余計小動物っぽい。
「唇もぷにぷにです♡♡」
「……♡♡♡」
今度は薄桃のぷるぷるしたそこを弄ると、ぼんやりしたままの母様の瞳がいっそう蕩けて…………有り体に言って、発情した雌の顔になった。
あかん、一瞬ムラっときてしまった。
何があかんって、一瞬でもムラっとしたということは、体は既に動いてしまっているということだからだ。
「……お口のべろも、ぷるぷるですね♡」
「──────っ♡♡」
……遅かった。
半開きになった口からにゅるりと
そのまま口の外まで引っ張り出しても、母様は抵抗する素振りなく、むしろ悦んで差し出すかのように舌を伸ばした。
「まだ、……もっと出せるでしょう?」
「っ!? …………♡」
そう問えば、既に限界だろうに必死になって舌尖を前に前にと出す。
いつも清潔にしているおかげか、白い舌苔も付いていない赤く綺麗な母様のベロ。
ゾクゾクと背筋を伝わるものを感じながら、顔を口元に寄せ、差し出されたそれの表面をペロリと一度舐めた。
「────ッ!! ──────ッ♡」
母様が身を捩らせるのを感じる。
分かる。だって、普段の深いキス以上に、ドキドキするし、ぞわぞわする。
「……
「ッ♡ ッ♡ …………ッ!♡♡」
二度、三度と、舌先を指で押さえたまま繰り返し舐める。
舌の表面のざらざらしたところ。その摩擦をよく感じるようにとゆっくり動かすので、自分まで気持ちよくなってくる。
母様からの返事はないが、もうこちらに向けられていない瞳を見れば、返事を考えられないほど脳内が快楽に埋められているのだと容易に想像できる。
そこで、ピタとやめた。
ベロは押さえたままだけど、顔を離して、おしまい、と。
「……?」
母様が泣きそうな瞳で「なんで?」と問いかけてくる。
襲いたくなる気持ちを堪えて、困ったような顔を作った。
「もう、外もくらいです。そろそろ、晩ごはんです。やめないといけませんよ?」
やめるつもりなんてサラサラなかったけれど、無情にも人の世というのは時が流れていくものである。
自分の言ったことは伝わっているのだろう。母様も、しょんぼりした顔になる。
「やめたいですか?」
「……」
やめたくないけど、時間は時間だから。
母様は少し顔を背けるようにして、答えることを拒否した。
──一瞬。一瞬だけ、小さく横に振られた首を、見逃すことはなかった。
「──まだまだ、足りませんよね」
掴んでいた舌を引っ張って、自分の方を向かせる。
ちょっと痛いかなと心配になったけれど、母様の表情は何かを期待するものであった。
「──ぇあ、んむっ♡ ん、ちゅっ♡ んむぅ♡♡」
「──────ッ♡ 〜〜〜っ!?♡♡」
先程と同様舌の表面を舐め上げてから、今度は指を離して、口内まで犯すように深いキスを施した。
一瞬驚くかのように固まった母様も、応えるかのように舌を絡ませ返し、涎を交換する。
そうしてしばらくキスを続けていたが、次第に快楽に溺れるように、母様の舌先から力が抜けていく。
「ぷは……っ♡ ……ね、かぁさま。自分、まだ調子が悪いみたいです。だから、今日は母様がお部屋でご飯を食べさせてくれませんか?♡」
おへその下のところを、トン、トン、トン、と。
ノックするように指先で叩きながら、およそ問いと呼べない問いかけをした。
仕方ないだろう?
体調が悪いのだから、アイリスに部屋までご飯を持ってきてもらって、自分のことが心配でしょうがない母様にゆっくり食べさせてもらう。
これは実に当たり前で、仕方がないことではないだろうか?♡
「……っ♡♡」
コクリと、母様が頷いた。
仕方がない。
今話、母様が喋ってないのも仕方がない。