TS転生者のR15本編に書けない話 作:さかきばらき
コンコン、と何度か扉を叩く音。
「巫女様、お夕食をお持ちしました」
ノックの主はイドニ=アイリス。今代の御子の世話を務める、専属乳母一族の娘だ。
先程、御子の具合が悪いから部屋まで食事を持ってきてほしいと頼まれた。本来ならば御子の体調が悪ければ乳母の彼女が面倒をみるべきだが、御子の母親、つまり当代巫女であるサルビアが譲らなかったため、一任することにした。
乳母、あるいは家政婦のような仕事をしていると言っても、そこに明確な上下関係があるわけではない。役割だから面倒をみようとしたが、相手が大丈夫と言うなら任せてしまえばよい。
(……御子様の看病をしたくないと言えば嘘になりますが、巫女様の寵愛っぷりに介入するのも気が引けますしねぇ)
美しく愛くるしい御子が体調を崩しているともなれば心配だし、側で看てやりたい気持ちもあるが、そもそも自分が専属乳母であると忘れてしまうほどに、普段から巫女は御子につきっきりである。
彼女がどうしても席を外さなければいけない時だけ、代わりに側で遊戯などの相手をしている。これで仕事をしていると見做されるのだから楽だと喜ぶべきか、御子との触れ合う時間の少なさを嘆くべきか。
「……はい」
ノックをしてから数拍間をおき、扉の内側から綺麗な声で返事が聞こえた。巫女だ。
キィと開き戸が少しだけ外側に開かれ、そこから巫女が顔をのぞかせた。
「……やあ、アイリス。ありがとう。ワゴンで持ってきてくれたんだね」
「はい、ええと、中にお持ちしましょうか? それと、御子様のお加減はいかがでしょう?」
アイリスの方がサルビアより背が高いのもあるが、サルビアがドアノブに体重をかけるように前かがみになっていることも相まってやや見下ろすような形になってしまう。
上目遣いで、顔をほころばせて謝辞を述べるサルビアに、同性でありながら少しドキリとさせられた。いつもより心なしか艶めかしくも見える。
気を取り直して自分の役目を、と尋ねかけるが、サルビアは首を横に振った。
「マナはいま、眠ってしまってね。体調は問題ないと思うけれど、起こすといけないからあとは私がやっておくよ」
「そうですか……」
これは生まれつきの気質なのだろうが、アイリス本人としては、奉仕というものが割と好きだ。
イドニ一族だからなのかと思ったが、母親のフェリシアに「仕事が巫女様に奪われてしまう」と相談したら、楽でいいじゃないかと笑い飛ばされたから多分違う。
ワゴンを運んだだけでお仕事終了か……としょんぼりしたところで、サルビアがいつもと少し様子が違うのに気が付いた。
「巫女様、髪が少し乱れていますが、どうされましたか?」
「うぇっ!?」
いつもは一方向に流れるように整えられている金糸が、今日はところどころ乱れて、絡まったりしている。
サルビアは驚いたかのようにアイリスを見つめ返した。
やや赤面しながら、手ぐしで髪を直しつつ、しどろもどろと言葉を探す。
「え、えっとね、マナを寝かしつけるつもりが一緒に寝ちゃったから、そのせいかな。は、恥ずかしいね、ははは…………っ!?」
照れくささを隠すかのように笑った顔が、再び驚くようなものへと変わる。
……いや、驚くというより、これは……どういう表情なのだろう?
「いまは、だめだって……っ」
「巫女様? 大丈夫ですか?」
「ぁ、……っ、う、ん。だいっ、じょうぶ、…………っ!!」
小声で何かを囁くようにサルビアが言ったが、よく聞こえなかった。
心配になって言葉をかけても大丈夫の一点張りである。
サルビアは顔を伏せてしまっているので、その表情がよく見えない。
「──っは、アイリス。私、部屋に戻るから。もう、大丈、夫……っ。おや、すみ」
「は、はあ」
大丈夫には見えないが、過剰な心配は余計というものである。
首をひねりながら、一礼してアイリスは去っていった。
「……ゃ、ぁ、まな、だめ……っ」
「もう、十分離れたでしょうから。大丈夫ですよ」
ドアノブに体重のほとんどをかけながら脚をガクガク震える母様に、アイリスがもう行ったから大丈夫だよと声をかける。
それを言い終わるとほぼ同時に、ドアノブを支えにするようにしながら母様はずるずると腰を落とし、女の子座りのようにペタンと座り込んだ。
「……はぁ、はーっ♡ はーっ♡ ぁ、はぁ♡」
さして特別なことではない。開き戸から上半身を出してアイリスと会話するかたわら、下半身は自分と肉体言語で会話していたというわけだ。
服の中に腕を滑り込ませるように秘部を弄っていたから、夕方に初めて触ったばかりのそこを上手く愛撫してやれたかは分からない。
ただまあ意外と指先の感覚だけで今どこを触っているか想像できるもので(夕方に触ったとき、じっくり観察しながら触れていたからかもしれない)、今こうして母様が腰を抜かしてしまっているのだから、それなりに気持ちよくしてやれたのだろう。
母様に声をかけて少し入口を開けてもらい、ちゃっちゃかサービスワゴンを運び入れる。お盆とかだったら受け取った母様がこのタイミングでこぼしてしまったかもしれないから、非常に助かった。
パタン、とドアを閉じた。
隣では、余韻を味わうかのように母様がまだ体を震わせている。そこに、押し倒すように抱きついた。もちろん床に頭を打ってしまわないよう気をつけている。
(……うわ、凄い表情)
うつむき加減で見えなかった顔は、今こうして確認してみると「巫女」などという言葉の響きからはかけ離れたものに蕩けていた。いや、えっちな漫画とかの巫女ってむしろこういう顔してるか。
「ん……ぇあ…………、んむ」
「んぁ、はぁっ、ん、…………っ♡♡」
いつものような激しいキスではなく、お互いの口内の感触を確かめ合うような、ゆっくり、ねっとりとしたキスをする。
母様の唇を押し開くように自分の舌先をニュルリと滑り込ませ、それを母様の舌が受け入れるように絡み取る。
よだれを舌がかき混ぜる音がじゅぽじゅぽと鳴り響く。
「じゅる、ぁむ、……んぅ」
「ぷは、……ん、ぁ、ちゅ……」
さっきみたいに、別の要因によって行為が中断されると、再開するときはこうしてお互いの愛情を深め合うところから始まるのだ。
それは、お預けを食らった分溜まったものが溢れてしまうためでもあるし、ちょっとした照れ隠しとも言えるかもしれない。
そうして舌と口内で感じるぞわぞわとした快感を味わううちに、母様の舌の動きが段々と少なくなってくる。表情もとろんとしたものになり、焦点が合わなくなる。
母様はスイッチが入るとこうなるのだ。体がえっちを受け入れるための準備を終えたって考えればすごくエチチ。そうでなくてもこの表情はエチチの至りである。略してエタり。なんかやな響きだな?
口付けを離しても母様は気付く様子なく、ぽーっとしたまま手足の筋肉を弛緩させている。
しかし、ここで秘部に指を添わせたところで、流石に反応があった。
「ま、まな!?」
「どうかしましたか?」
上手く手先に力が入らないらしい。
首から上を持ち上げて、切なげな表情で母様は乞い願った。
「そこ、変になっちゃうから、だめぇ……っ。ご飯、食べようよぉ……」
「……変になっちゃっても、いいんですよ?」
「やだぁ……♡」
うーん、判断に困る表情……。
折角暖かく作ってもらったご飯だから、少しでも食べるべきというのはよく分かる。けれど、ここでいまトロトロになっているであろう母様の秘部を味わわないのは、同じくらい、いやそれ以上に良くないこととしか思えない……。
既に、触れている指先はグショグショになっている母様のそこを知っているのだ。何より、いまお預けされると本当に胸が張り裂けそうなくらい辛い。
ニュル、と少しだけ指先を動かした。
「はぁぅぅ……っ!? や、らぁ…………♡ は、ぁぁ、はぁぁ……♡」
切なげに母様が鳴く。嫌がっているのか悦んでいるのか分からない素振りをみせる。
もう、どうすればいいですか……と、自分の精神状態も涙目である。
が、体は欲望に忠実なようで、気付けば、もっと声を聞かせてとばかりにトロリとした蜜壺の中に指が入り込んでいた。
「ふぁぁ……っ!?」
小さな指が、一本だけ。
それを母様の膣肉がキュンキュンと締め付け、反応するようにスリスリとそこを撫でた。
「──んんっ♡ ぁ、あんっ♡ ゃぁあ……っ♡」
もうこのまま衝動に任せて……と思いかけたところで、床についたままの余った手を母様が握った。
「まなぁ……っ♡ するなら、……んゃっ♡ せめて……べっどで、しよ?」
「…………は、い」
涙目、上目遣いおねだりの破壊力に心臓止まりかけた。
「ん……っ♡♡」
ぬる、と指を引き抜く。
その際の母様の声で再び理性が飛びそうになるが、何とか持ち直した。
「じゃあ、行きましょうか」
「……ん♡」
Q.ご飯食べないの?
A.次話でイチャイチャしながら食べます。温かいご飯が冷めるのは性癖に反するので。