1部オブフェスのストーリーを脚色してます
観光都市シエスタ…小さな都市と思われがちだがそこでは大規模な音楽フェス『オブシディアンフェスティバル』が開催されていた。
そのフェスにはあらゆるアーティストが集い、人々や観光客は日々のストレスや疲れを吹き飛ばし、街は熱狂の渦に包まれる……。
そんなフェスティバルでの休暇をケルシーに勧められ、楽しむべくロドスオペレーター達もこの都市に来ていた。
それはドクターも同じで、恋人であるプラマニクスと泊まるためにクリフハートには教えたが、それ以外のアーミヤ達には内密にちょっといい感じの宿も別に取ったのだ。
しかし失念、というより予想以上の問題が立ち塞がった。
「ドクター……この都市はとても暑いと言いましたよね?」
「さすがに、暑すぎる。」
シエスタの賑わいの中立ち尽くすアーミヤと都市に合わせて薄着のドクター。
都市のこの日の最高気温は36度。
この夏1番の暑さを誇る事になっていた。
そのせいで…………、
『……暑すぎる。』
『ドクター、これは無理です。怠惰とかサボりとか抜きにして普通に動きたくありません。』
と、言うやり取りのあとプラマニクスは部屋から1歩も出ようとしない。
さすがにドクターもガンガンに冷房を入れながら不服そうにベッドで尻尾を抱きながら横になったプラマニクスに『熱中症にでもなったら大変だから、また夜にでも出掛けよう』と声をかけるしかなかった。
そんなプラマニクスにせめて、と一旦ホテルを出て近くの店でシャーベットを購入し、急いで部屋に戻って手渡せばカラフルなシャーベットをちょっとづつ咀嚼している状態であった。
『エンヤ、下見してきて構わないか?』
『下見…、街のですか?』
『あぁ、マップがあって……そこにスケジュールだの色々書いているらしいからな。お前を、エスコートする為にもと……。』
シャーベットを掬って食べていたスプーンを口に当てたままプラマニクスがこちらを見てくる。
変なことは言ってないはずだが、とドクターが首を傾げながらプラマニクスを見詰め返す。
『いえ…まさか本当にエスコートして貰えるとは思っていなかったので驚いて…。』
『おい』とツッコミを入れようとすれば、そのドクター反応を見てクスクスと笑うプラマニクスのせいでその先を口に出す事はなかったが。
『ですが、期待しておくとしましょう。ドクターのような飛び抜けた朴念仁がどんな風にエスコートしてくれるか楽しみになりました。』
と、プラマニクスが(ドクターにとって)破壊力抜群の嬉しさを滲ませた微笑みを向けてきたおかげで、ドクターがそのまま突然キスしてしまえばプラマニクスの尻尾がボフッと膨らんで、顔を赤くしながら『早く下見に行ってください!』と突っぱねられたのだった。
ここまで到着したばかりの時の回想。
そして今はたまたま出会ってしまったアーミヤに省略しながらもホテルの一室での出来事を話していた。
「確かに、海を見たことが無い方々は意気揚々と出掛けて行きましたしマッターホルンさんも海岸にいるようですが……プラマニクスさんほどの毛量や、そもそもあの性格を考えたらこの気温で出歩く事はしたがらないですよ。」
「アーミヤの言う通りだ……今頃、サボり巫女の名に相応しい……堕落っぷりを楽しんでる事だろう。」
「ドクター、そんなこと聞かれたら凍らされますよ。」
などと言うアーミヤの言葉を受け流しながらドクターは先程入手したマップ片手にエリア毎の情報を頭に入れていく。
グルメもアミューズメントも豊富に用意されているシエスタの情勢に舌を巻きながら、『市民広場は酔っ払いが多そうでプラマニクスは嫌がりそうだ』とか『ギャリソン遊園地かセカンドアベニューはどうだろう』等と考える。
女性が好む物をリサーチしてデートプランを立てる…戦術立案はできるがこちらに関しては全くもって門外漢であるせいでなかなかルート構築が上手くいかない。
「……むぅ。」
「ドクター……移ってますよ……。あっ!閃きましたドクター!私と先に周りませんか?」
プラマニクスの口調が移ったのか低く可愛げは感じられない感じで唸っているとアーミヤが手を打って耳を立たせてそう言ってきた。
「アーミヤと……?」
「えぇそうです。マップを見て空想で考えるより実際に見て回った方が色々参考になるはずですよ。」
一理ある。と思ったドクターはアーミヤの案に賛同する形で連れ立って歩き始めるのであった。
「ここ最近ドクターは色々あってお疲れでしょうし………折角の機会なので思いっきり羽根を伸ばしましょう。」
『色々あってお疲れでしょうし』と嫌味を込めて言う時のアーミヤのジト目たるや…。
しかしそんな咎める様なアーミヤの視線も意に介さずドクターは賑やかな人々と立ち並ぶ店を見回しながらプラマニクスをどう連れ歩こうかを考えている。
「……はぁ、聞いてましたか?ドクター。」
「ん、あぁ。……心遣いに感謝する。」
もう一度溜息を吐きながら、アーミヤは嫌味が無駄になったと悟って耳を項垂れさせながら『このドクターに嫌味を言っても通じないのなんて今更だ』とアーミヤは改めて思った。
大いに賑わう街を歩いていると街中でヴァイオリンを弾く者、ダンスを披露する者……まさにあらゆる音楽ジャンルの詰め合わせといった様相だった。
アーミヤと並んで歩く中でオペレーター達ともすれ違ったが皆一様に明るく楽しげな表情を浮かべていてドクターも頬の筋肉が緩くなるのを感じた。
普段は血腥い戦場ばかりを目にする我等にとって、この休暇は大事な息抜きになるのだとドクターはオペレーター達の様子を見ていた。
そうしていれば途中胡散臭い声の天災トランスポーターのアナウンスが流れて来て、その中で黒曜石と鉱石病の関係について御託を並べているのが耳に入って、アーミヤと『それで鉱石病が防げるならどれほどいいか』と語ったのだ。
ビーチに向かえばなんかどっかで見たような観光客を2人ほど見かけた様な気がしながらも、露店でウルサス特製アイスを振る舞うグムを見付ける。
「あれー?ドクター、なんでアーミヤちゃんと……?」
「……プラマニクスは、暑いから…部屋から出ない。」
「あっ!そう言う事かー。折角だしアイス食べて貰いたいんだけどなぁ。」
と、そんな会話の最中にも続々と客が来る。
余程グムのアイスは美味しいのだろうと思うと同時に、こんなに客が来るほど美味しいなら是非プラマニクスにも食べさせたいと思った。
「グム……、出来れば一つだけで構わない。夜まで、アイスを残して置いて貰えないか?」
「いいよー!けど夜はもう露店閉めちゃってるからそうだなー……そうだ!アーミヤちゃん、ちょっとお手伝いして!」
「えっ…?」
グムに話を聞けば、忙しすぎて目が回りそうだから手伝って欲しい。夜は露店を閉めてビーチの演目にアーミヤを連れていくので、その前にドクターにアイスを渡ししたらいい、と。
「アーミヤ……。」
「…分かりました、ですがくれぐれも面倒事は起こさないで下さいね?」
「俺が面倒を起こすように見えるか?」
「とても。」
『心外!』とありありと顔に滲ませるドクターを尻目にアーミヤは着替えるべくグムに連れられて行った。
(俺がなんの面倒を起こすように見えるんだ……。)
そう思っていたドクターだったがこの後数時間に渡ってこのシエスタ、そして全ての住民並びに観光客の命に関わる大事に巻き込まれる羽目になるとは考えてもいなかったのである。
まずドクターが最初に思ったことは『自分は巻き込まれ体質なのだろうか』と言う事と、『運も無いのではないか』と言う事だった。
確かに最初とあるオペレーター達からの連絡が来た時からもう嫌な予感しかしなかった。
指定された部屋に向かえば市長の娘までそこに同伴している。
そして嫌な予感と言うのは当たる物だと相場が決まっていて、まさかこの都市のシンボルたる火山が噴火の危機に瀕していると聞かされて頭を抱えそうになった。
『プラマニクスを連れてとっとと帰る』と喉元までせり上がってきたものの何とか飲み込んで話を聞けば更に『この都市の危機に力を貸してくれ』ときた。
内心『ふざけるな』であったが直ぐに『ここで拒否すればプラマニクスにも失望されるのでは…?』と考えているうちに何故か流れるような所作でオペレーター達がエイヤフィトラに通信を繋ぐとサンプル送りや状況説明を始める。
自分が蚊帳の外に置かれながらも事が進む様子に何か大きな力でも働いてるのか……と疑わずにはいられない。
そしてこれを皮切りに事態は都市の存続をかけたものになってしまったのだった。
この事件の黒幕だったクローニンとかいう胡散臭い優男を捕まえ、「プラマニクスまで危険な目に会うところだった」と呟いてぶん殴ったらヘラグに「落ち着けドクター、そんな力で殴るとその男が死んでしまうぞ。」と落ち着かされてからようやく『はっ!』として自分のプライベートな通信機を見れば数回プラマニクスからの着信が入っておりその後に『なにしてるんですか?』の一言だけが送られていた。
ホテルを出てから1度もなんの連絡せずにいたのだから当然だろう。
大慌てで電話……はできる状況ではないのでメールを返す。
『野暮用だ』と。
そうして全ての面倒事を終えて意気揚々と(傍目には仏頂面)ホテルへと向かおうとした時だった。
市長とやらに声をかけられてビーチを歩くことになったのは。
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そこで聞かされた市長と今は亡き妻の話だけがドクターの中で残っている。
「『ずっとここで一緒に生きて行ければいいのに』と。」
「君に理解できだろうか?この都市は私が彼女の為に作り上げた天国なんだ。」
「君は私と同種の人間だ。」
(あぁ……、そうだな。愛する者の為なら、善悪なんて超えて…綺麗事なんて捨てて……天国だって作ってやろうと……俺だって思う。)
余計な波風をこれ以上立たせぬ様に当たり障りない回答だけしたが、今プラマニクスが居るであろうホテルの部屋の前でドクターはあの時の回答を胸にドアノブに手をかけて立ち尽くしている。
(ずっと、一緒に……。)
自分の中で更にその気持ちが肥大化していくのを感じて無抵抗と分かりながらも頭を振った。
そしてロックを解除していたドアノブを押してドアを開けたのだった。
部屋に入るなりプラマニクスの笑顔……ただし少し目が座っている…を向けられドクターの尻尾が自分の脚に巻き付く。
先程までの暗い気分も吹き飛ばすような背筋の凍りそうな出迎えをされて思いっきり目を反らした。
「ドクター、こちらに座ってくれますか?」
「いや……俺はここでかまわ「ドクター。」
「分かった…。」とプラマニクスの指したベッドの上に彼女と向かい合う様に座った。
「身共に説明を。」
「……野暮用…」
「はい?」
これがカランドの威圧か……なんだか以前もこうして別のユキヒョウ達に威圧されたな…とドクターが思考を逃避させようとするもプラマニクスはじっとドクターを見てくる。
逃げる方法なんてない、と観念したドクターが事の顛末を説明しプラマニクスに大きく溜息を吐かれて呆れられたのは1時間後の事だった。
「事情は分かりました……はぁ…、ここが遠くない未来に溶岩に沈むとは…。」
「あぁ……綺麗なのに、惜しい。……だからなんだ、良ければ……少し早いが出歩かないか?」
日は既に傾きつつあったがそれでもまだプラマニクスにとっては十分に暑い気温である事に違いないのだが、あの海岸沿いの景色をなるべく2人で記憶に焼き付けたい。
『いつか沈んで無くなる前に、あの綺麗な景色をエンヤと2人で思い出に残したい』と素直かつ直球で伝えれば俯き加減で顔を赤くしてパタン…とゆっくりと1度だけ大きく尾を揺らしたプラマニクスから
「誘い、文句としては十分ですね……しばしお待ち下さい。私も支度というのがありますので。」
と、何時だったか昇進を告げた時に言われた様な言葉を言われる。
多分言いながら笑っていたのでプラマニクスは確信犯なのだろう。
しかしあの時から関係は随分と様変わりしてしまったが、ドクターの気持ちだけは変わっていないのは、プラマニクスは知らぬところであろう。
そんな事を考えながらドクターはベッドから降りて装いを整えに向かったプラマニクスの準備ができるのを座った体制のまま待つのであった。
準備を終えたプラマニクスが『お待たせしました』と言うと同時に彼女を視界にとらえたドクターの時が止まる。
いつもは降ろしっぱなしの豊かな銀の髪を暑さを逃がす為に後頭部の少し高い位置で結んで、いつもの巫女服の延長の様な装いとは全く違う水着にも見えるワンピースにストールを羽織ったプラマニクスの姿。
街を歩くのにも違和感がなく露出も多すぎず、かと言って着込み過ぎているわけでは無いし色合いもとてもプラマニクスの姿を可憐に映えさせている…そんな装いに思わず直視し続けた状態から一変、口元を隠しながらドクターは視線を逸らした。
「あの!何か言ってくれませんかねっ!?」
そんなドクターの反応に耐えられ無くなってしまいまた顔を赤くし涙目になりかけるほど必死な様子で言ってくるプラマニクスにまたドクターは顔を隠ししながら絞り出す様な声で
「……………よくっ、似合っているっ。」
とだけ答える。
とりあえずこれ以上直視を続ければ、この不慣れというか今まで縁が無かった様な服装に身を包んでとても恥ずかしそうに現れ今もそんな羞恥を押し殺さんとする健気極まりない彼女を確実にここでこのまま押し倒してしまい、外出なんて二の次になりそうなのでドクターは努めて冷静になるよう努力した。
「もう、それだけですか?……ドクターにそれ以上を求めるのは酷と言うものでしょうが…………むぅ。」
プラマニクスのドクターの性質を分かっていながらもやはり物足りないと少しむくれ気味な声が聞こえて来てからようやくドクターは立ち上がり、プラマニクスの前に立つ。
「正直、他の男達には見せたくない………独り占めしたいほど、似合っている。」
そのまま頬を撫でると、交わっていた視線をスっと逸らしたプラマニクスがポツリと『後で好きなだけ独り占めしたらいいでしょ?』と呟いてお互い不意打ちの豪速球愛の言葉を交わした為に、ドクターはあらん限りの理性を全て総動員してその場を持ち堪えたと言う。
その後何とかドクターも短パンとシャツに着替えてから改めてプラマニクスを見て深く深呼吸したそうだ。
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比較的静かな立地にあったホテルをとってはいたがそれでも日も傾き始めて夜が近付いてきたにも関わらずシエスタは更なる熱気に包まれていてホテルの前もかなり騒がしくなっていた。
そうなってくるとあまり素行の良くなさそうなチンピラモドキもウロウロし始め女性に声をかけている姿がチラホラ見えてよろしくないと、一旦立ち止まり繋いでいた手を離してプラマニクスの腰を抱き寄せれば驚かれる。
「えっ、なっ、いきなりなんですか!?」
「……ん?いや、エンヤに変な男が寄ってこない様にだが……。」
そう表情1つ変えずにこれが全くもって当たり前の事の様に言いながら歩く。
だからそう言う事をする前に、一言声をかけてください!とはもう何度もプラマニクスが言って来たのだがこの男はやはり聞き分けがないのか覚えていないのか……。
それにただでさえ、この巨躯と傷を持ったドクターと手を繋いで歩いていて並のチンピラやゴロツキはプラマニクスを邪な感情で見てもすぐに苦虫を噛み潰したような顔やしけた顔で避けていたのにこうなるともう周りの男達が近寄る事すらしない。
「はぁ……効果は覿面だと思いますがさすがに……。」
恥ずかしい、と言おうとしかけたがドクターが口を開いた。
「歩きにくかったか。」
そう言って腰に添えていた手を離す。
プラマニクスはこちらを無感情の様に見える顔で見てくるドクターを見てから少しだけ考えて「いえ」と首を振った。
歩くのを阻害されるほどは寄せられてはいなかったので歩きにくさはなかったし…それに。
そして口元に指を当てて考える素振りを見せて
「……あのままで、構いません。」
と。
こういう場の空気や特別な状況は人を大胆にさせるとはよく言ったものだと思いながら口に出す。
きっと今日を逃せばこんな事を自分から願うのが次は何時になるか分からないしこの場には、自分が崇高な存在だなんて知っている者はいないのだから…崇高で穢れない、なんて既に純潔はドクターの手によって散らしているのでまだそう言っていいのか分からないが。
そしてドクターの事を見上げながら言えば、賑わいの中で声を拾う為に少し身を屈めたドクターの顔が近くにあって、お互いにぱちくりと瞬きする。
「……そうか、不都合があったら、言ってくれ。それと、出来れば俺の目が見える側にいて欲しい。……今日のその姿のエンヤを、一瞬足りとも見逃したくない。」
そう直球の愛情を口に出しながら色とりどりの明かりに照らされたドクターの、死んでいると言われる表情筋が動き微笑んでいたので2重に不意打ちを食らったプラマニクスは、再び少し抱き寄せられた手に返す様にドクターの上着を掴むのであった。
「色んな音楽が、流れているが……エンヤの故郷の音楽も…あるのか?」
「ふむ……どうでしょうか。私達の故郷のもとなると…」
2人で興奮の坩堝と化す街をドクターの先導で器用に人混みの中でぶつかるのを避けつつ歩きながらいつもの調子で雑談し、時折興味を惹かれた露店に立ち寄って串焼きやら飲み物を買って行く。
ドクターは肉と、たまに変わり種の串焼きを買うのでプラマニクスも見ていて飽きない。
そしてこの熱気のおかげで喉が乾くので飲み物はいくら買っても足りなくなり色んな物を飲むことができて、たまに珍しい飲み物を買っては「ハズレだ…」と味が口に合わなくて落ち込むドクターの姿が面白かった。
「その服なんだが……エンヤが決めたのか?」
歩いている最中に、そんな服は持ってきていなかった様な…とドクターがふと思った事を口にすれば
「……エンシアと2人で、見に行ったんです。ドクターが下見に行っている間に。」
と照れ混じりに、しかしとても嬉しそうに返ってきた。
姉妹でちゃんとしたショッピングなんて、何年ぶりだったのだろうか。
巫女になってからも、クリフハートが鉱石病になってからもそんな姉妹らしい行動とは無縁になってしまっていたから。
プラマニクスがショッピングの時の事を思い出しているのか柔らかく微笑みを浮かべていてドクターもそれにつられる。
「なら、クリフハートにも感謝しないとな……。」
「えぇ、そうですね。……あの子には色々と感謝しなければなりません。」
ドクターとプラマニクスの関係の背を押したのもクリフハートだったのでいよいよドクターはクリフハートに頭が上がらないな、と思った。
途中、歩くのに疲れたプラマニクスの為に座れそうな店に寄って少し何か食べようと言う事になり、ドクターがプラマニクスを残し席を外した時……案の定というか、お決まり的にチャラついた輩がプラマニクスに声をかけていた。
それを見てそっと買ってきた食事をテーブルに置いたドクターに『なんだぁ!?』とガンを飛ばした男が、その姿を見上げるや否や顔面蒼白になって目を見開いていくのはいい見物だったと笑って、そのまま首根っこを掴んで男を持ち上げ優しく移動させたドクターへ『よく手を出さずに我慢しましたね』と微笑んでドクターを褒めるプラマニクスだった。
そうして食事を終えて外に出れば既に夕日は沈んでいたが、街はライトアップのせいか昼の様に明るいままで。
そんな街に鳴り響き続ける音楽を聴きながらドクターが「そろそろビーチに行こう」と、プラマニクスに提案し2人は歩いた。
ビーチに到着する前にドクターが通信機でアーミヤに連絡を入れる。
それを覗き込みながらプラマニクスが開く。
「どうしてアーミヤさんに?」
「あぁ…、昼間アーミヤと歩いていた時に、グムにあってな…」
と事情を掻い摘んで説明すればプラマニクスの眉がにわかに顰められた。
そんな様子にドクターが「どうした」と僅かに屈みながら聞く。
「いえ……別に……。」
我ながらここまで子供っぽいヤキモチを妬くような性格だっただろうかとモヤモヤする。
昼間に外出を嫌がったのは自分、そのおかげでこうして洋服を買う事もできたしドクターがある程度街の立地を理解して、自分を迷わずに案内出来ている。
ただ、ドクターが最初に街を歩いて景色を見ていた横には自分ではなくあの少女がいたと言うだけ……それだけなのに。
「……ふむ?それならいいが……」
プラマニクスの胸中とかヤキモチを妬いてるとか肝心な時に気付かないドクターの服を強い力で握りながら頭を振る。
楽しい気分に水を差すような思考を振り払いながらドクターと並んで歩いて行けば程なくしてたどり着いたビーチで見慣れた茶色い耳が視界に入った。
「ドクター!………随分と堂々と腰を抱いてらっしゃいますね。」
駆け寄ってきたアーミヤがマジマジと2人の状態に気付いてトーンダウンさせた声で言うと、改めて言われたプラマニクスは恥ずかしくなって俯いてしまう。
だからと言って今更ドクターが離すわけもなく、それどころかアーミヤに見せ付けんばかりに更に抱き寄せられたなんか満足気な顔をしているドクターとは反対にプラマニクスは照れるしかない。
「もうっ、ドクター!アーミヤさんの前なのでっ!」
「プラマニクスさんが真っ赤になってて可哀想ですよドクター…。」
「可愛いの間違いだろう?」
と、流石に他人の…それも仲間の前でこれ以上密着するのは恥ずかしすぎると少し離れたくなってドクターの身体を押していたプラマニクスがぴたっと止まってアーミヤが死んだ目になる。
アーミヤ的には『何を見せられているんだろう』だったしましてドクターが抱き寄せるその相手がカランド貿易代表の妹でイェラグのトップの巫女と言うのはもう悪い夢ではなかろうかと……ケルシー先生やドーベルマン教官が居たら頭を抱えてしまうか机を叩きそうだ…と。
そんなアーミヤの眼前でプラマニクスがドクターの横腹に肘鉄を入れるのを見ながら、早くグムの所へ戻ろう…と思考放棄したアーミヤが手にした小型のクーラーボックスをドクターの前に突き出した。
「……ドクター、お約束の品です。それと、良いですね?『ただでさえ盛り上がったファンと揉める』なんて事を起こしたので…これ以上は絶対に『外で!変な事を!』しないでください…ね?」
そう力強く強調しながら釘を刺してくる少女からは14歳とは思えぬ貫禄が見て取れる。
ドクターもクーラーボックスを受け取りながらコクコクと頷くしかないしプラマニクスはドクターに代わって「分かりました」と返すしか出来なかった。
「いえ、プラマニクスさんが問題を起こすとは思ってないので大丈夫ですが……ドクターに流されない様に気を付けていただければ問題ないですよ。では私はグムさん達を待たせているのでこれで…」
と、ニッコリと笑うアーミヤにドクターが声をかける。
「ありがとうアーミヤ…あとグムにも礼を伝えてくれ………。そうだ、変な男達には気をつけろ…それから、遅くまで出歩くならヘラグか他の大人を付けるんだぞ……あと、食べ過ぎて腹を壊さないように…。」
「お父さんかなにかですか!もう!子供扱いして!」
「子供じゃないか……目いっぱい、楽しんでくるといい。」
そう言って軽く手を振ったドクターにアーミヤがポカン…と驚いた顔をしてから微笑んで「はい!」と返事をして走り去った。
きっとその方向にグム達がいるんだろう。
それから腰を抱きなおそうとプラマニクスの方を見ればクスクスと笑っていた。
何時もより素晴らしい笑顔に見えるのはやはり特別な場所で見るからだろう、などとドクターは考える。
そんなドクターの内に抱いたプラマニクスへ特別視な感想なんて気付いてもないプラマニクスはドクターが驚く事を口にしかけた。
「今のドクターは、本当にお父さんみたいに見えましたよ?きっとドクターはいいお父さんに…」
そこまで口にして、プラマニクスもはたと自分が何を言おうとしたのか気付いて口を手で抑えて視線を伏せた。
ドクターが父親に?誰との子の?自分と……なんて、そんなのはきっと
(望めない。)
『なら、他の誰かとの、』とまで考えそうになってズキリと胸が痛むと同時に『絶対にそんなのは嫌だ』と言う独占欲を自覚して、隠した唇を噛みながらせっかくアーミヤへのヤキモチは消えたというのにまた新しいモヤが生まれてしまったとプラマニクスは眉をひそめた。
そして一瞬でも、考えそうになったのだ。
望みこそしても、有り得てはならない未来の事が。
それは、今プラマニクスの目の前で眉を下げながら寂しそうな顔をして、それでもなんとか表情を和らげてみせようとするドクターも同じだった。
そんな顔をさせるつもりはなかったのに。
「……エンヤに、そう言われるのは有難いが……俺は、きっと父親には…なれない。」
そう、不器用に笑ってプラマニクスの頭を1度優しく撫でてから腰をまた抱き寄せるドクターにプラマニクスは何も返せなかった。
謝るのは違う、だからと言ってさっきの言葉を続けるのも…「そんな事ないですよ」なんてありもしない希望をお互いに持たせる言葉も、他の誰かとの可能性を匂わせるような言葉なんて口が裂けても言えなかった。
ドクターもプラマニクスが困っているのを感じて、なんとか話題を切り替えなければ……と思った時忘れかけていたアイスの存在を思い出した。
「…それより、あっちの、人の少ないところで……シャーベットを食べないか?グムが作っていた……行列が出来るほどの人気だった。」
と、クーラーボックスをプラマニクスの前に掲げて見せればなんとかプラマニクスが眉を下げながらも微笑んでくれた。
「……そうですね。そんなに人気があるならきっとさぞ美味しい事でしょう。」
今は本当に束の間の休暇なのだから楽しい事に目を向けよう。
2人でこの時間を楽しまなければ勿体ない。
そうして昼間、市長と歩いたビーチを歩いてみるがやはり人が多い…そんな中でなんとか比較的人が少なく波打ち際も近い岩場を見つけてほど良く腰を落ち着けられそうな場所を発見した。
しかしそこに流石にそのままプラマニクスを座らせる訳にはいかない。
クーラーボックスも椅子に出来そうなほど大きくはない…ドクターはちょっとだけ考えてから自分の上着を脱いで敷いた。
上着が汚れるのが嫌だった訳ではなく、上着に座るのが嫌なのではないかと思ったのだがプラマニクスはそんな事無かったらしい。
「ありがとうございます。」
「あぁ。さて、それより……」
並んで座って、目の前に置いたクーラーボックスを開けると中にはアイスが2つ並んでいた。
リクエストは1つだったのに気を利かせて2種類入れてくれたのだろう…グムには何か改めて礼をしなければとドクターは思いながらアイスを取り出して閉じたクーラーボックスをテーブル代わりにしそこにアイスを置く。
「どっちがいい?」
「むぅ……そうですね……。」
プラマニクスが並んだアイスを見比べる。
どちらもドクターには見覚えがあった。
確かオレンジの方がマンゴーマティーニ、ピンクの方がストロベリーテキーラ……冷静に考えたらどちらも酒のアイスである。
「確かこっちが……ストロベリー…こっちがマンゴー………どっちも酒のアイスの様な気がするが……。」
「グムさんって未成年……いえ、考えるのはやめましょう。食べていた訳では無いでしょうし……ふむ、決めました。私はこちらで。」
そう言いながらストロベリーの方を手に取ったプラマニクスを見てからドクターもマンゴーマティーニの方を取る。
それから2人で食べ始めた。
確かに美味い、これならあの盛況ぶりも納得だと言った感じで食べ進める。
横ではプラマニクスのその尻尾が雄弁にアイスが美味しい事を物語る様にうねっていた。
「そっちも1口くれ。」
「むっ!でしたらドクターの方も1口いただきます。」
ドクターがそう言えばプラマニクスが先にドクターのアイスにスプーンを突っ込んでガバッとアイスを取っていく。
『そんなにとるのか!?』と取られた量に無言で驚きながらプラマニクスを見れば、アイスを口に含んで幸せそうな微笑みを浮かべていたので全てをチャラにした。
そして宣言通りドクターもプラマニクスからアイスを貰う。
プラマニクスが取ったより少し少ないがそれなりの量を削って口に入れ「ふんっ」とした感じでプラマニクスを見てみればドクターの顔を見て瞬きした。
「ドクター!そんなに取るなんて聞いてないですよ!?」
「エンヤも取ったからな…おあいこだろう。」
あーだこうだと言い合いながらも、2人で仲良くアイスを完食した。
そうしてひとしきりアイスの感想を述べあったところでふっと沈黙が流れた。
遠くから響く音楽の盛り上がりの音に、波の音はほとんどかき消されているがそれでも賑わいの中心からは離れている場所なので波の音が耳に音が入ってくるし、地平線に続く海……正しくは湖らしいが、どこまで続いていそうな深い色の中で煌めく水面に目を奪われる。
しかしドクターがそれよりも目を奪われるのは、横に座るプラマニクスであった。
どこを切り取って見たとしても整っていて至高の存在としか思えないのに、自分は深くまで触れる事が許されている…。
けれど本当の意味で手に入る事は無い高嶺の氷の花。
「海とは……こんなにも人を虜にするものなのですね……少し、怖くもありますが。」
「だな……特に、夜は昼間と違う。」
怖い、と言うのが分からなくもない。
暗くどこまでも続いている様でまるで全てを飲み込んでしまいそうでありながら、夜空の星や月を映す姿は恐ろしい程に美しい。
「少し、近くに行きませんか?」
「ふむ、構わないぞ。」
立ち上がって、ドクターは上着を羽織っていれば一足先にプラマニクスは波打ち際まで降りていた。
その姿に、息を飲む。
深い夜の青を溶かした水に、光が反射する水面は星空、そして銀色の髪がそこに加わるとそれは月のようで……。
らしくない下手な詩だと思いながらもドクターはその瞬間を永遠にしたいと持っていた自分専用の通信機の撮影機能を起動し、躊躇うことなくその風景を機械に納めた。
撮影時の音でプラマニクスがドクターに気付いて振り返る。
こちらを見てくれたのでもう1枚撮影すると今度は少し怒ったような顔をしていた。
「突然撮らないでくれませんか?」
「なぜだ…。エンヤは突然撮ってとしても綺麗だぞ?……ふむ、むしろ海や月が負ける程に美しいな。」
と、撮影した画像をマジマジと見ながら歩いてきたドクターが思考をフィルターに通すことなくプラマニクスを賛美する感想を述べるのでプラマニクスは赤面してしまう。
「ドクターのそういう所がっ…もう!」
そう言ってバシャン!と足で水を蹴って少しドクターにかける。
照れ隠しにこれくらいの事をしたって許されるはずだ。
それにこんな事もう二度と出来ないかもしれない……あの雪国では、こんな事は出来ない。
驚いて飛び退くドクターの姿が面白くて、プラマニクスは今度は明確に狙いを定めて水を掬ってかけてみた。
「エンヤっ、」
名前を呼ぼうとしていたドクターが避ける事も出来ずにその水を受けてしまって上着が濡れ、顔にもかかったようでバタバタ頭を振っている。
「フフっ、普段は俊敏な方なのにっ!」
「ふぅ……まったく。意外とはしゃぐ方だな。」
そんなふうに水気を払おうとするドクターを見ながら笑うプラマニクスが愛おしくて、残しておこうともう一度撮る為に懲りないドクターが機械を手にして伸ばせばプラマニクスが寄ってきてその手を掴んだ。
「せっかくです…2人で撮りましょう。」
「………本当に、浮かれてるな?」
「ドクターも人の事言えませんよ。それに私いつも言ってるでしょ?遊ぶ時はそれなりの秩序をもって」
「真剣に、挑むべき。か?」
「えぇ。そうです!」
と、言ってもう一度ついでのようにドクターは水をかけられた。
そして、そう言ったものの2人とも自撮りなんてした事がない。
こういう時に慣れていそうなクリフハートとかが居てくれたら…と思うがそこまで都合がいい訳でもなく、紆余曲折しながらなんとか2人で納得がいくものを撮った。
こうして2人で言い合い、試行錯誤するもどかしい時間すらかけがえのないものだと感じてしまう。
「……こういう時くらいは笑いませんか?ドクター。」
「俺にしては、頑張った方だ。」
そう言いながらプラマニクスのことを見ればやはり、綺麗な横顔で画面を眺め「むぅ……これ笑ってるんですか?」と表情を崩して笑いながら楽しそうにしている恋人の姿が目に入って、ドクターは思わず口を開いていた。
「こうして撮っておけば、何かあっても……エンヤとの思い出が形として残るからな……嘘に、なる事もない。」
自分がまた、もし記憶を失うことがあっても……この画像さえどこかに残ってくれていたなら、こうして2人で過ごした何物にも変えられない愛しい時間が喪われる事はない。
例え、どうしようもなくなって離れてしまう事になっても……きっとこの時間も想いも嘘にはならない。
ボソリとそんな気持ちを込めてこぼした言葉は、プラマニクスにも意味が分かる様に届いてゆっくりとドクターの方を向いた。
空に浮かぶ月の様な、オレンジに縁取られた銀の瞳がドクターを見ていた。
「……もし、ドクターの記憶がまた無くなったなら……私は、持てる力で貴方を探し出して…独り占め出来るって喜ぶかもしれませんよ?」
「っ……それは、嬉しすぎて…望んでしまいそうだ。」
プラマニクスは、ドクターがそう返すと知った上で言ったのだ。
なんせ巫女になったとはいえシルバーアッシュ家の人間なのだ。
欲しい者をなんのしがらみも無く手に入れられる状況になったら間違いなくそうするだろう。
表情筋が分かりやすく仕事をしている珍しいドクターの顔。
照れなのか口周りに手を当てて隠そうとする癖。
プラマニクスしか見ることが出来ない特別な表情や仕草だとやはり見る度に優越感が込み上げてきて、他の誰にも見せないで欲しいと願ってしまう。
「…………このまま、人混みに紛れて消えたら、どうなるだろうな。」
ドクターが続けてぽつりとこぼした言葉。
なんて、なんて甘い誘惑なんだろう。
ー信仰心はどこに行った?巫女として代わりの効かない、自分しか果たせない責務があるだろう?聖なるカランドの神との仲はどうするのだ?妹や、兄は?故郷は?ー
ー『今回だけは特別』とロドスに手を貸したはずがいつからドクターの傍だけが『心休まる場所』『自分にとって聖なる場所』になっていた?時折息抜きしたかっただけなのに、ドクターとずっと一緒なら…と考え始めた、のはー
ー不浄を清める?既に、ドクターを他の誰にも取られたくないと思ってグズグズと思考を暗くする自分が?『カランドの巫女』として?ー
そのドクターの一言で、プラマニクスの胸中に重くのしかかっていたあるあらゆるしがらみや想いが全部雪解けの様にドロリと溶けて流れて、どこかに行きそうになる。
頷いてたった一言「2人で消えたい」と返したらきっとこのドクターはここで通信機の全てを壊し、手を取って駆け出して行ってくれるのだろうと思うと胸が高鳴ってしまった。
「っ、」
しかし、その返事を良しとしない最後の理性が働いて返答に詰まっていればドクターが困ったような崩れた笑みをこちらに向けていた。
「俺は、いつも言葉が上手くない……告白の時だって、作ったようなセリフすら器用に伝えられないが……それでも、本心だけを伝えている。」
熱さもあるせいなのかとても口が乾く。
ドクターにいつの間にか握られた手首がそんなに強く握られている訳でもないのにジンジンと痺れる様に熱く感じる。
視界がじわり、と歪んで一筋自分の目から涙が伝うのを感じた。
(私、私は……、)
ドクターがプラマニクスの銀の瞳から溢れて流れ落ちた一筋の涙をそっと親指で拭う。
ドクターは自分で酷な質問をしてしまったと思ったのだがそれでも言ってみたかったのだ。
そうしたらプラマニクスはどう思うだろうかと。
解放的な気分、打って付けなこの人混み、平和そうに過ごす他の恋人達をすれ違いながら目にして……自分達も立場を捨ててああなれたならと。
そして『善悪を割り切って行動して、妻の為に都市を作り上げた男』の話と……プラマニクスに言われた『いい父親に』と言う言葉がドクターの背中を押してしまった。
「すまない……困らせたな。」
「い、え……そんな、そんな……事は…。」
流石にこれ以上は困らせる事は出来ないとドクターは謝る。
添えられたままのドクター手に自分の手を重ねながら首をゆっくりと振るプラマニクスの表情から生憎ドクターは全ての感情をすくい上げ読み取る事はできなかった。
「___、」
波の音と、喧騒にかき消されない程度に小さく名前を呼ばれドクターが「どうした」と全て言い終わる前に、プラマニクスが胸に顔を埋める様に抱きついてきた。
「あなたが……、欲しくてたまらないので……部屋に戻りませんか?」
ドクターの耳がピンっと張る。
今胸に埋められたプラマニクスの顔は羞恥で真っ赤に染まっているのだろうか。
ここまでプラマニクスに言わせたのは果たしてフェスティバルの空気なのか、ドクターの発言のせいなのか分からなかったが……それでも部屋に戻るという事は逃げる事はしないという意味で少しドクターは残念に感じてしまった。
「俺も……エンヤと同じだ。」
しかしプラマニクスが望む事を与えて実行するのがドクターなのだ。
そう返しながらドクターはプラマニクスの腰に手をまわすのだった。
この後の2人
プラマニクス
この後ホテルの部屋に帰ってからドクターと夜明けまでしこたま愛し合ったので翌日は完全に部屋でダウン。
部屋に遊びに来たクリフハートにアザとか噛み跡とかキスマークやら甲斐甲斐しい世話の痕跡を見られて色々察される。
ジワジワとドクターの存在で自分の中の大切な物の境界線が狂っていってる。
ドクター
プラマニクスと明け方まで愛し合ったけどそれでもまだ足りないと感じるくらいプラマニクスの事が好き。
クーラーボックスを忘れて帰っていた為大慌てで翌日探しに行って発見。
その後グムとアーミヤにお礼の品を買うべく会いに行ったら首筋にある噛み跡とか腕の引っ掻き傷を見られてアーミヤに「隠しませんか??そういうの」とめっちゃガンを飛ばされた。