「その、すごく痛いの。でも、心が温かいの。痛みなんて忘れてしまうくらい」
一生に一度だけの少女が迎えた
自分の身体に熱い肉の棒を打ち込まれてぎっちりと押し広げられて、血を流して痛みを感じながらしかもそれを愛おしく感じるなんて。
女の身体と心は不思議でできている。
女性が男性と初めての性交をする――処女を捧げるのが、特別なことなのだというのを知識として持ってはいた。
人間の女性器には入口近くに処女膜というものがあり、そこを男性器が貫通する際、破れて出血があるということも。
そしてそれが、二度はないということも。大抵の場合は痛みを伴うということも。
そんなあくまで知識として景が持っていた『処女喪失』は、樹のモノが自分の中に入ってきた瞬間に、意識の彼方へと飛んでいってしまった。
たしかに、痛みはあった。だが、それよりも強烈に襲ってきたのは、景の中のオンナが目覚める感覚だった。
樹の熱いものが挿入されたままの下腹部から、痺れるような痛みとも快楽ともわからない感覚が湧き上がってくる。どろりと、身体の奥から何かがあふれていくような感じがした。
気持ち良さというのとはすこし違うかも知れない。もう少し大きななにか。身体が生み出す肉体的な快感と、樹を初めて身体の中に受け入れたという精神的な充足が混ざり合って、景の頭と身体を蕩けさせていた。
恋愛とは、日常的にこんなものを感じているのだろうか。なるほど、これは狂ってしまうのかも知れない。恋というものに。
かなり間違っていたが、景は自分なりの結論に納得していた。
一方の樹は、はじめての景のなかの気持ち良さを、肉体的な面でも精神的な面でも存分に味わっていた。極上の美少女である景の、初めての男になったのだという誇らしさもある。
もとめられて、かなり早く挿入することになってしまったのは予定外で、大丈夫なのか心配ではあった。もっとも、見る限りでは景の身体は問題なさそうではある。
先ほど樹のペニスがなかを貫通した瞬間、景の身体はビクリと跳ねた。
文字通り身を裂く痛みに、美しい景の顔が歪んで、だがすぐにへにゃりと崩れて喜びを含んだものに変わるのを樹は見た。それに続いて、瞳から涙が溢れ出したのには焦りを覚えたが、悲しみや痛みの涙というわけでもないようだ。
まだ女性として育ちきっていない景の裸身が仰向けになり、大きく足を開いて樹の男性器を奥深くまで受け入れている。無防備であられもない姿が、樹への信頼を表していると言えた。
結合部に根元だけがちらりと見える自分の
まだ痛いだろうと動かないようにしていたが、景の幼い膣の中に挿入しているだけで、その暖かさと窮屈さが十分に性感を高めてくれていた。入れる前の高ぶりもあわさって、いつ達してもおかしくないくらいのところまできている。
すこし情けなかったが、逆に我慢せず、すぐにでも景の身体の奥に精液を放つほうが自然で真摯であるようにも思えていた。たとえ快楽に溺れるままに蠢き大量の精を放ったとしても、景は嬉しそうに笑うだろう。
腕の中にいる景が愛おしい。性欲の解消のために抱くのではないオンナ。おそらく、いずれは自分との子を孕み人生をともに歩む女性。小さい頃からともに育ってきたイトコで幼馴染の少女。
目が合った。澄んだ瞳がじっと樹を見る。同じことを考えているのだろう。一緒に表情が崩れた。
頭を抱いて、ゆっくりと撫でてやる。さらりとした景の髪が、指先を滑っていく。互いに緊張がすこしほぐれた。こわばっていた身体から、すこしだけ力が抜ける。
顔をすこし傾けると、唇が触れあった。ねだるようなキスに応える。やわらかく、舌先だけをしばらく絡めあった。
「景ちゃんの中に僕のが全部入ってるの、わかる?」
「……うん」
仰向けになっている景からは見えづらいだろうと、たしかに繋がっているのだということを伝える。身体の中の違和感で、わかっているようではあったが。
安心させるための嘘でもなく、樹のものは景のなかに根元まですべて収まっていた。とても全部は入らなさそうに見えたのに、いともあっさりと呑み込まれていた。
いま景のなかは狭く固く、そして温かくて蕩けていた。絞られすぎていると感じるほどにぎっちり狭いのに柔らかい。ぎゅっとペニス全体を包まれて、ぬるっとしたひだの感触がところどころをきつく締め付けてくる。
一度も異物を受け入れたことのない膣に押し入ったことで押し返されている感じも強くはある。だが、小柄な景の身体の奥まで受け入れられていた。はじめてで全部無理なく入ったことが不思議な感じさえした。
樹が少しだけ腰を引くと、秘裂との隙間からとろっと流れ出してきた液体と男性器の表面に、景の初めてを破ったしるしである赤い血が見えた。
「景ちゃんを買った証としては、これでいい?」
「……もうこれで、私の初めては誰にも奪われないわ。樹が初めてで、唯一の相手になったもの」
ずっと背負っていた重い荷を下ろしたように、ほっとした口調で景が抱きつく。こんな年齢で処女を奪ったことに思うところがないわけでもないが、景の初めてになれたということに樹も妙な安心感を感じていた。
景は幼い頃から美しかった。美しい幼女や少女には性的な危険が伴う。無邪気な幼女にいたずらをしたり、少女のはじめてを自分のものにしようとする相手から、景は自らを守らなければならなかった。
いつか幸せなレンアイをするためだよと、言ったのは誰だったか。
何度か危ない場面をへて、景は今日まで処女だった。性器を指でいじられたりするような、あぶない行為も経験していない。ある程度性的に無垢でいられたのは、幸運だったと言えよう。
そのうちいくつかの場面で、景を守ってくれたのは樹だった。
守ってくれる樹に下心なんてなかったのは知っていた。でももし仮に自分が将来景とそうなりたいからとの下心で守ってくれていたのだとしても、樹への信頼が揺らぐことはなかっただろう。最終的にもたらされる結果は一緒なのだから。
「まだかなり痛い?」
「……最初だけあったけど。もう大丈夫、かな」
初めてなのにいまはもう気持ちいいほうが優っていて痛くない、というのは淫らなオンナノコみたいで恥ずかしい。
「なら、すこし動くね」
樹のものが身体の奥からゆっくり抜けていく。ずるりと、身体の内部が引っ張られるような感じがした。こすれた粘膜が刺激を感じているのか、ぞくぞくと背筋が震える。マッサージの時のほぐれる気持ちよさを何倍にも増幅したような感じがする。
男性のソレは先端が膨らんだかたちをしていて、動くと身体の中を擦って刺激することで快楽を得るようなのだ。人間というのは動物なのだなあと、おかしなところに感心していた。
顔を樹の首筋に埋める。すこし男の汗の匂いがした。不快には思わない。すんすんと匂いを嗅いで、舌を出してすこしだけ味見をしてみる。ちょっとだけ舌に刺激があった。味はよくわからない。本人にそのつもりはないが、まだ緊張しているのかも知れない。
なにしろ、女の子としての特別なイベントをクリアしたばかりなのだ。