乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったが追い出されてしまった… 作:蒼樹物書
支配率が変わった。
そう表現するしかない。
深い闇に浸り続け、あの野猿の記憶に強く影響されていた精神が揺り戻された。
だが経験したことのないはずの『破滅』の記憶は、しっかりと残っている。
「――お嬢様!」
未だはっきりしない意識のままに、ベッドから半身を起こす。隣に控えていたメイドのアンが、それに気づき悲痛な声をあげる。
私がシリウス・ディークに陥れられ、眠り続けてからずっと一人で付き添っていたのだろう。
健気だ。
父に甘やかされ、我儘放題だった幼い頃の私。
前世の記憶が刻み込まれたことで変わっていったが……例え私がそのまま育っても彼女だけは、人形のように私に付き従っていたことだろう。
「ああ、よかった……お嬢様、どこか痛むところはございますか? お医者様をすぐお呼びしますので」
「お待ちなさい」
隈が浮かんだ目元を濡らし、主人の快気を喜ぶ従者。
まるで感情のない道具のように、幼い私に従っていた頃では考えられない姿だ。
彼女は『私の』アンじゃない。
……それが、癪に障った。
ベッドサイドから立ち上がろうとしたアンの腕を引き、ベッドの上に倒す。想像したよりも、今のこの身体は力が強くなっているようだ。
乱暴に引き倒してしまい、ベッドが軋む。倒れた身体に覆いかぶさる主に混乱するアン。
「お嬢様……?」
メイドの自身を、害するような主ではないと信じている目。
あの野猿が信じさせた。
気に入らない。気に入らない気に入らない。
これは、私のモノだったのに。
「っ……おやめください、お嬢様!」
馬乗りになったまま、乱暴にアンの衣服を剥いでいく。
私を主としてより慕うようになっても、彼女は裸体を見られるのを嫌がった。
あの野猿はそんなことは気にしない、と言っていたがそれでも本気で嫌がっているのを察して気を遣うようになったようだが。
「ふふっ……」
「どう、して」
アンの衣服を剥ぎ、うつ伏せにして。
その背に痛々しく残る火傷痕を晒させる。過去に遭った火事により、母を失いアンにも刻まれた痕。
この痕が切欠となりそれまで暮らしていた男爵家を追い出され、我がクラエス家に仕えることになった。
私とアンの、切欠になった痕。
「ひぁ……おやめを……どうか……!」
それが堪らなく愛おしくって。火傷痕に舌を這わせる。
自身の醜い傷を見られるだけでなく、触れられることにアンは抵抗するが……それでも、私に本気で逆らうことはできない。ただ、懇願することしかできない。
「お嬢様、戯れでもこのようなことは」
「黙りなさい」
うつ伏せにしたアンの太股の上に体重をかけ、冷たい言葉で命じる。それだけで、アンは声を押し殺した。
ああ、なんて愛らしい私のお人形。
命じる通りにする、可愛い私のアン。そう、それでいいの。あの野猿の為のアンではなく、私のアンなのだから。
指先で愛しい痕をなぞるように撫でる。
アンの背中を覆い、尻の辺りまで広がる火傷痕。範囲は広いがそれほど深くはない。何年も経ち、本人が思うほど醜いものではない。
主従の出逢いの切欠となったそれを撫でるのに下着が邪魔になって、それも剥いでしまう。
「っ……」
ブラとショーツまで剥がれて、羞恥に耳まで赤くするアン。目尻に浮かぶ涙も、とっくに別の理由になってしまっているのに。
黙れ、という命が解けていないから何も言わない。
「可愛いわ。私の、お人形のアン」
うっとりと痕を撫で、舌を這わす。思わず出た言葉に、アンの身体がびくん、と跳ねた。
そう、私はあの野猿とは違う。言いなりで、お人形のアンを愛おしいと思う元のカタリナ・クラエスだ。
奪い返した。
否。まだだ。
もっと、もっと刻み込まなければ。あの野猿からアンを奪い返すには、もっと深い痕をつけ直さなければならない。
そう願うと。
「――っ!?」
ずぎんッ。
自身の股間……秘豆に、衝撃的な疼きが昇ってきて。
「嘘でしょう……?」
柔らかな寝巻のズボン。その上からでもはっきりとわかる、歪なカタチ。
指で感触を確かめる。硬い、触れたそこにも感触がある。間違いなく私の一部。
ズボンとショーツをずり下ろす。天突くように反りあがったソレ。
ソレは私の股間に生えた……男性器だった。
他の誰かの、男性器を実際見たことはない。ただ知識としてのみ知っており、どう使うのかを知っているだけ。
何故こんなものが、私に備わったのか理解できないが……ちょうど、いい。
「……っ、ッ!!」
突然の事態に固まっていた主に目をやったアンも、この異常に気付く。
沈黙を守りながらも、より抵抗の度が増した。
これから何をされるのか、気づいたように。
「大人しくなさい」
抵抗を力で押さえ付け、更に耳元でそう囁く。それだけで、アンは怯えながらも何もできなくなった。
「ああ……私のアン……」
なんて愛らしい。
無抵抗で、思うがままで。
うつ伏せになったアンに馬乗りになったまま、熟れて豊満に育った尻肉を押し広げる。
むっちりとした感触を愉しみながら開いた奥。
まだ未開通の、ぴったりと閉じたそこに……男性器の先端を押し付ける。
「っ、ゃ……!」
「黙りなさいと、言ったはずよアン?」
その感触に悲鳴を上げそうになったアンの耳元で囁く。
愛撫もしていないアンの秘所は固く閉ざされているが、だらだらと噴き出している先走りを頼りに押し込む。
ぎり、ぐち、ぬぶ……。
先端が差し込まれる。口を、目を閉ざして必死に耐えるアンが愛おしい。もっと傷つけたい。私のモノだという印を、この身体へ刻み込みたい。
体重をかけ無理矢理に捻じ込む。
「あ、はぁ……!」
挿入った。
「~~~~……ッ!!」
深くまで指が沈む尻肉を、痕が残る程強く掴みながら後背位での挿入。馬乗りになり、言葉で沈黙を守らせて。
圧倒的な支配感に、心が満たされる。
初めての挿入した男性器によってもたらされる快楽より、アンへの支配欲がより私を昂らせた。
「良い、良いわよ……っ!」
「ッ、ふ、ぅッ――!」
アンは自身の両手で口元で抑え、必死に私の責めを享受している。そんな健気な仕草が、堪らない。
湧き出る感情が、私が知っているはずのない雄の腰使いをさせる。
初めての性交で乱暴。一方的な愛情による強姦。準備もできていない処女の姦通。
アンにとっては苦痛でしかないはずなのに。
愛おしい私のお人形は、ただ受け入れる。
私の傍こそが、自身の居場所だと望んだから。
あの野猿の為に臨機応変に、時には主に逆らってまで仕える人間のアンはもう必要ない。
今の私……カタリナ・クラエスに必要なのは、お人形のアンなのだから。
「私の……私の、アン……!」
はっ、はっと犬のように息を荒げ、背中の火傷痕を舐めしゃぶりながら。
軋むベッドの跳ね上がりに合わせてアンの尻に、強く腰を何度も叩きつける。
いつしか濡れてきた秘所に、深く、深く男性器が捻じ込まれていく。もっと、もっと深く。決して消えない傷痕をアンに残す為に。
「っ、あっ、あっ……」
限界はすぐに来た。
一番深くまで突き刺し、背筋を反らせ。
びゅぐ、びゅる、びゅるるるるる……!!
男性器の芯を熱く太い何かが焼きながら昇り、先端から噴き出る。
あまりの快楽に脳が灼き切れそうになりながらも、本能のまま腰をアンの尻により強く押し付ける。
「っ……ふーッ……ふーッ……」
枕に顔を押し付け、ぶるり、と震えて吐息を荒くするアンを見下ろしながら。
支配欲、達成感、愛情……どろどろとした感情が渦巻く。
これが、射精。種付け。交尾。
なんて浅ましく、下種な感情。これは、男達が夢中になるわけだ。
びゅぐ、びく……っと長い射精がゆっくりと収まっていく。だが、まだまだ足りなかった。
「っひ……!」
アンの膣内で、未だ硬いままの男性器を今度はゆっくりと前後させる。
まだ、もっと。
色々なことを知りたい。試したい。
覚えたてで、我儘な私は欲求を我慢なんてしない。
相手はお人形のアンだ。私の遊び相手は、練習台に相応しいのは彼女しかいない。
時間をかけゆっくり愉しんだり。女体のあらゆる所は柔らかく、男性器を悦ばせる。
膣で、口で、手で、胸で、尻穴で。髪や足、脇でさえも。
そうして朝まで、お人形遊びを愉しんだ。
◇
「んっ……れろぉ……」
私が、カタリナ・クラエスに戻り何回目かの朝。アンと二人きりで、何度も迎えた朝。
学園のベッドで目を覚ますと、股間に熱い感触があった。
昨夜命じていた通り、私の可愛いお人形は朝の奉仕に励んでいるようだ。
「おはよう、アン」
「ちゅる……ふぁ、っ……おはよう、ございます……お嬢様」
「続けなさい」
シリウスによる眠りから目覚め、未だ体調が優れないという名目の下ずっと二人で性に溺れていた。
アンに試せる全てを試し、今はこうしてアンにも淫らな手腕をしっかり覚えさせた。
「はい……んっ、んっ……!」
反り立った肉棒を深く、根本まで咥えるアン。喉奥に突き刺さるそれを苦もなく迎え入れ、舌が裏筋を揉み解すように波打つ。
柔らかな唇が根本を搾り、温かな頬肉の裏側に包み込まれる。
「んぐっ、ふぅ、ッ……!!」
そのまま、喉を蠢かせ鼻からの呼吸と共に吸い上げられる。下品にじゅぽじゅぽと吸引の音を鳴らせながら、熟練の娼婦のような奉仕。
きっちりとメイド服に身を包んだ彼女が、上目遣いにこちらを見上げる。
「いい子よアン……」
愛おしくその髪を撫でると、くすぐったそうに悦ぶアン。
そんなにも尽くしてくれると……壊れるくらい滅茶苦茶にしたくなってしまうじゃない。
「『使う』わよ」
どうぞ、と肉棒を咥えたまま目線でアンが頷く。
被虐の悦びに目覚めた彼女は、奉仕することと同じくらい『使われる』ことに性感を昂らせる。
力を抜き、私に身を委ねたアンの頭を掴み。
「っ、んぅッ」
まるで淫具を扱うように、その口を『使う』。
腰を突き出し、両手で頭を振らせて。
アンの口端から泡立った涎が噴き出そうが、喉奥を強く突いて嘔吐こうが無視する。
お人形に相応しい扱い。
私も、彼女も悦んでいる。
「ふッ……ふっ、ぅ……!」
乱暴に扱われながらも、決して歯を当てないように受け入れるアン。ロングスカートに包まれた両足を捩らせながら、股間の疼きを我慢している。
以前の奉仕中、勝手に自慰を始めたことを叱ったから。それを忘れず守っているのだろう。
全てを以って奉仕させる。彼女が得るモノは、与えられるモノは主人たる私からでしかあり得ない。
「――ッ、ぁ、はぁ……っ」
アンの目が酸欠で虚ろになってきた所で限界を迎え、断りもなく喉奥で射精を始める。
幾度もそうしてきたように、突然喉に叩きつけられた精液を必死に飲み下していくアン。
射精の途中で肉棒を引き抜いて、アンの顔にも精液を塗りたくって汚す。
「んぅっ……」
ねっとりと顔にこびり付く精液を、蕩けた顔で受け入れるアン。髪もメイド服の胸元も汚して、一しきり満足すると再び口元へ。
「はむっ……ん、今、お綺麗にいたします……」
少し硬さを失った肉棒に再び奉仕させる。
アンは精液や自身の涎を丁寧に、丁寧に舌で舐めとっていく。すっかり板についたとしか言いようがない。
「ふぅ……」
アンに奉仕をさせながら、ベッド脇のテーブルに用意させてあった水を口にする。
何日も獣のように交わり眠り、食べてまた交わり……ようやく少し落ち着いた。
私は野猿からカタリナ・クラエスに戻り、しかも男性器を備えているという異常事態。
こんな身体では、恋しいジオルド様に抱いてもらえない。
状況も私を陥れたシリウスは行方不明、マリアもずっと行方が知れないまま。
そう、マリア。マリア・キャンベル。
あの平民の娘だ。
前世の記憶……げーむのふぉーちゅん・らばーとか言ったかしら。絵物語での主人公。
私が野猿となった影響か、随分と状況は変わってしまったが。
あの女が私を破滅に導くのだ。
義弟のキースを誑かし、ジオルド様までも。
許せない、そんなこと。
偶然光の魔法に目覚めただけの平民が、公爵家の娘である私に盾突くなんて。
必ず見つけて、傷モノにしてやろう。
婚約者とはいえ、こんなモノを股間に下げている私はもうジオルド様と結ばれることはできない。
恋する王子様と添い遂げる未来は閉ざされ、破滅と言っていい状況だ。
だが、だからといってマリア・キャンベルが王子や義弟と添い遂げるなど許せるはずがない。
私が手に入らないモノを、あの娘が手に入れる。そんな結末は許さない。
無理矢理にでも手籠めにして、堕とす。
アンに奉仕を中止させ、身支度を命じる。
待っていなさい、マリア・キャンベル。
貴女にも、破滅をくれてあげるわ。