まだ秋の気分なんだけど……。
この調子なら気付かないうちに、骨壷に入居してそう。
高級レストランの壁掛け時計の太い針が、10の数字を指し示した。
人気店というわけもあって、店内は遅い時間帯であっても予約客で満員だった。
「……はぁ」
英理はそれらを見やって、ため息をつく。
「お疲れですか?」
対面に座っている同伴者が気づかわしげに、様子を伺ってくる。
「ごめんなさい。そういうわけじゃなくて、客層がちょっとね……」
英里たちの座っている周りのテーブルでは、カップルや夫婦が談笑しながら、運ばれてくるフランスのコース料理をつついている。場違いな気がしたのだ。
「僕らだって、いい感じに見えると思いますけど?」
「馬鹿なこと言わないの。あなたは蘭の彼氏でしょう?」
お互い本気で言っているわけではなかった。変に緊張していた英理をなごませようと、軽口を叩いてきたのだ。冗談だとわかっていても悪い気はしなかった。
「ここのレストラン、評判が良くて一度来てみたかったんですけど、なかなか予約取れなくて、ようやく取れたらこんな遅い時間でしょう?蘭を連れ出すわけにもいかなかったですから」
「それでわたしに?」
「ええ、お似合いのカップルでしょう?」
「こら」
目の前の男と食事をするのは2度目だった。
蘭に会ってほしい人がいると言われ喫茶店に行くと、佐倉宗則という男を紹介された。彼氏だという。
英理は酷く驚いた。
幼馴染の新一のことはどうするのかと、すぐにでも問い詰めたかったが、彼氏が横にいる状況で、他の男の話をするのは憚られた。
そこからは落ち着きを取り戻して、食事を取りながら、2人のことを根掘り葉掘り聞いていった。
出会いの経緯や、デートの様子。恥ずかしそうにしながらも、その詳細を包み隠さず教えてくれた。
惚気話を聞きながら、冗談混じりに「もうキスはしたの?」と意地悪を言った。
奥手な娘のことだから、顔を真っ赤にして怒ってくるだろう、そう思っていた。
しかし、顔は赤くしているものの怒り出すことはなく、ゆっくりと頷いたのだった。
英理は思わず食べていたパスタを喉に詰まらせ、佐倉が差し出した水を慌てて飲み下した。
はしたないわよと言いたかったが、2人の表情を見てやめた。余りに真剣だったからだ。
英理は自分がホッとしていることに気づいた。
娘の手前、言ったことはなかったが、英理は新一のことを好ましく思っていなかった。
危ない事件に喜々として首を突っ込み、日常的に一緒にいる蘭を、危険に晒すことが度々あったからだ。
いつか取り返しのつかないことが起こってしまう、そう考えると夜も眠れない。
幸せそうに肩をひっつけ、ハンバーグとチキンをシェアしている2人は、英理から見てもお似合いのカップルだ。
祝福しよう。本心だった。
レストランで腹を満たした2人は、バーで大人の時間を過ごし、飲みすぎてフラフラになった英理を宗則がマンションに送り届けた。
「……うう、ごめんなさい」
英理は寝室のベッドで仰向けに寝かされていた。
上着を脱がされた状態で、力の入らない四肢を投げ出している。
「楽しんでいただけたようで何よりです。ほら、お水飲んでください」
宗則は英理の上体を左腕で横抱きに起こし、帰りにコンビニで買ったミネラルウォーターを飲ませた。
「んくんく……はあ、ありがとう」
「どういたしまして。それじゃあ脱がせますね」
胸元から順番に下へとボタンを外していく。
「ちょっ、何してるの!?」
「着たままだと苦しいですよ」
慣れた手つきで第3ボタンまではだけさせられた英理は、慌てて宗則の手を止めようとする。
しかし、酔った英理が手を掴むより早く、すべてのボタンを外されてしまった。
「やだっ!見ないでっ!」
英理は両手を躰の前でクロスさせ、宗則から柔肌を隠した。
夫以外の男に裸を見られる嫌悪感ーーーーーは不思議と湧いて来なかった。
色気のないベージュのブラジャー、飲み食いした後の膨らんだ下腹、張りのない中年のおばさんの躰を宗則には見られたくなかった。
英理は目蓋をきつく閉じ、俯く。全身から火が出るほどの羞恥の熱さに焦がされる。
(何やってるのわたし、いい年したおばさんが、こんな……みっともない……)
英理は男の腕の中に抱かれたまま、自分の躰を隠すように小さくなる。
横にいる男は、娘の彼氏。
2人の様子は一度見たきりだが、もしかしたらお互いの肌を見せ合うところまで、進んでいる可能性がある。
そう思うと怖かった。
老いた自分と若い女を比べられるのが。
英理はそんな浅ましい心を隠すように、両の腕で胸を隠す。垂れ始めた乳房が、ぐにゅうと潰れた。
ふと、目元が軽くなった。
「っ……!」
驚いて瞳を開けると、宗則と目が合う。
「あ、ありがとう」
英理は眼鏡を外してくれた相手にお礼を言うと、また俯いてしまう。
早く目線を逸らさないと、男の瞳に吸い込まれていきそうだったからだ。
黒のパンストに包まれた両膝を立てる。
眼球を忙しなく動かし、男から少し離れようと身動きするが、ガッチリと躰を捕まえられていて動けない。
(……ああ、やめて……ジッと見ないで……)
英理は横からの熱い視線にたまらなくなる。
潰れたままの胸を上下させ、ハッハッと犬のような息遣い、股の奥に感じる違和感を誤魔化すため、立てた両膝をこすり合わせる。
まるで幼児が排泄をこらえているように。
「ああっ!」
はしたない声が英理の口から漏れた。
宗則の人差し指と親指が下唇を挟んできたからだ。
英理は、フッと小馬鹿にした笑いを宗則から感じた。
恥ずかしくて、情けなくて、年下に弄ばれている自分が許せなくて、女としてのプライド、弁護士としてのプライドを掻き集めて、上目遣いで宗則を睨みつけた。
それは間違いだった。
吊り上がった目尻はトロンと垂れ下がり、光を灯していた瞳は潤む。
尻肉にキュッと力が入って、子宮が激しく脈打ち、ブラジャーと同じ色のベージュのショーツが濡れていく。
「唇がカサカサだ」
顎クイをするように下唇を持つ宗則は、紅く染まった表面を親指の腹でなぞる。
「はあん!」
英理は、下の口を触られたかのような快感を味わった。久し振りに発せられた低い声も、昂ぶらせる材料になっている。
右へ左へと親指が往復した。
その度に、躰をピクピク震わせる。
英理は過去に一度だけ、宗則のマッサージを受けたことがある。
デスクワークで痛めた腰を重点的にやってもらったとき、尻に宗則の指が刺さった。
まったくいやらしい触り方ではなかったのに、大きな声で喘いでしまった。
その時のことを何故か思い出していた。
「カサついた唇、頬にあるニキビ、目元の隈、もっと自分を磨いたほうがいいですよ」
「……でもわたし、もう年だし……」
自虐する英理の頬に右手が添えられ、強引に唇を奪われた。
「やめて!」
宗則の胸板を拒絶するように両手で押した。
だが、思ったように力が入らず、男のたくましい躰はそのままだった。
「わたしには旦那がいるのよ……」
尻すぼみになっていく言葉には、何の説得力もない。
また、キスをされた。
「これはマッサージですよ。不倫にはなりません」
背中にあるブラジャーのホックを外されて、あらわになった乳房を手の平で包むように揉まれた。
「ああっ!」
しっとりと手に馴染む柔肌の感触を、楽しむようにこね回す。
勃起した乳頭が指の間からはみ出し、熟成された肉乳がグニュウと潰される。
喘ぐために開かれた口はキスで塞がれ、口内を舐め回される。
「んっ、んっ、んふ、……ん゛ーーーーっ!」
しばらくの間、そのまま責め続けられ、あっけなく果てた。
英理は仰向けに寝転び、自分の両膝を抱えて、その時を待っていた。
膝丈のスカートは剥ぎ取られ、パンストとショーツは太腿の半ばまでズリ下げられている。
「もうちょっと手入れしているかと思ったんですけど……」
英理は自分の顔に血が集まるのを感じた。
女性器の周りに愛液でヌラ光りしたアンダーヘアが、ビッシリと生い茂っている。菊門も同様だ。
宗則は大陰唇に生えている陰毛を両手で摘み、グパァと左右に割り開いた。
「ああん!」
菱形に大きく広がったラビアは、透明な蜜液をダラダラと流しているが、子ども1人産んだとは思えないほど中は綺麗だった。
産道がパクパク開閉し、男を求めた穴と化しているわりに、ピンクの粘膜を露出させている。歩美のサーモンピンクには及ばないが、セックスの経験は、処女喪失の日からズボズボ使い込んでいる蘭より少ないのかもしれない。
「これなら慣らす必要はないですね。グチョグチョに濡れてますよ」
「やだぁ、言わないで……!」
羞恥で顔を覆いたい衝動に駆られるが、恥ずかしいところを見てもらうために両手は塞がっている。ドロォと、バルトリン腺から分泌された牝ローションが、肉棒を迎え入れるために溢れる。
すでに全裸になっていた宗則は、亀頭を肉貝に乗せた。力を入れていないのにも関わらず、ズニュウと鬼頭裏が埋没していくのに逆らわず、そのまま竿の半分まで挿入した。
「はあああんっ!」
英理の躰は強張り、痙攣した。
下腹部をべコリとへこまし、菊門を窄ませる。
「入れた途端これですよ。マッサージの効果が期待できますね」
肉棒が亀頭まで引き抜かれる。竿にきつくまとわりついていたマン肉が、捲れ上がって外気に晒されていく。
英理は大事な中身が引きずり出されたことを感じる暇もなく、一気に膣底をペニスにえぐられた。
「ああっ、入ってる!……赤ちゃんの部屋にっ、チンポ入っちゃってるぅ!」
「子宮、降りて来てましたね。ゴムしてないから孕んじゃいますよ」
「だめぇ!赤ちゃんは産めないわ!」
そう言いながらも、子宮口の括約筋が緩み、肉棒の先端が蘭の実家に侵入していく。
「ピルを持って来てるから大丈夫ですよ。安心して、チンポマッサージに集中してください。ザーメンで袋の中、パンパンにしますからね」
それからのことは英理の記憶も曖昧になっている。
両足を大きく広げられたまま、ズコズコと乱暴にペニスを抜き差しされ、子宮に数え切れないほど射精された。
袋に溜まった精液を、精液で洗い流されて絶頂する快感は、天に登るほどの快楽だった。
自分で胸を寄せるように言われ、両方の乳首を吸われながら正常位で突かれ、母乳を出しながらの絶頂。
後背位で尻肉に紅葉を作られ、ブロンズの髪を引っ張られながらの絶頂。
その中でも英理が1番感じたのは、足つぼマッサージを受けながらのスローセックスだった。
グリグリと足裏に指圧をかけられながら、ゆっくりと肉棒を抜き差しされる。
たまらない快感に襲われても、決してイクことができない状況に、クネクネと芋虫のように躰をシーツの上で踊らせられ「オチンポ入れてぇ!」とおねだりするまで続けられた。
「蘭が1番好きなセックスなんだぞ」と言われ、泣きながら宗則の背中に手足を回し、娘に心の中で謝罪してから、男の子種を飲み込んだ。
最後に顔の上に跨がられ「舐めろ」と命令された。
和式便器になった気分を味わいながら、宗則の尻穴に舌を這わした。
「まだ蘭にもさせてないんだぞ」と言われ、入念にねぶった。
次の日の夕方に目を覚ました英理は、不本意ながらもピルを飲み、ベッドからいなくなっていた男のことを思いつつ、躰を熱くさせた。
余談だが、それから英理はかなりの頻度で宗則の店に足を運び、チンポマッサージを受けるようになった。
そして、宗則が管理するサイトに新たな獲物として『人妻奴隷エリ』の項目が追加された。
それを見た会員たちは、挨拶画像として掲示された写真をオカズに股間を熱くさせた。
写真には、スタイルのいい熟女が白目を剥いて、ボーボーに生い茂ったマン毛の間から、ポッカリ開いた膣口の奥にグロテスクな内側が覗き、そこから滝のように白濁液を垂れ流している姿が写っていたからだった。
誤字脱字報告いつもありがとうございます。