※この作品はR-18です。

悪の組織は不死身の少女に殺してと言わせたい   作:Kaisu

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生きてます。シノビガミのシナリオ書いてて全然こっち書けてませんが。











33:相克

 佐土(さど)ちゃんの目は死んでいないとは思っていた。

 何度か体洗ってやろうかと誘ったが拒否もされたし、トイレを覗いた時は真っ赤になって視線だけで人を殺せそうなほどに怒っていた。

 それでも気疲れは隠せていなかったし、手足の拘束による不自由さには明らかに辟易していたから、そろそろ折れる頃だと思って服従要求への回答を促したのだが。

 

「一戦交えさせてもらうわよ」

 

 まだ現状を受け入れずに逆転を狙っていたとは驚きだ。

 

「冗談だろ? そんな兎跳びしかできない状態でどう戦う気だ?」

「天井低いのはおっさんの方が影響あるでしょ」

「そのぐらい、手も足も使えるなら問題ねえよ」

 

 いかに立ち上がれないほど天井が低いといっても、佐土ちゃんはそれ以上にハンデを抱えている。負けるわけがない。

 

「少なくとも、俺は紳士的にギブアンドテイクを促したつもりだし、今でも穏便に受諾してくれることを期待しているんだが」

「本当に紳士的なら無条件で機能開放して拘束も解いてくれるべきじゃないのかしら」

「ならば、利益を寄越さないでも、それ相応の態度を取るべきだった。ゴミムシでも見るような目線をくれながら、そちらからは要求すれど交渉をする気はなかっただろう。自分は与えられて当然という傲慢だそれは」

「願い出ていたらなにか結果が変わるとでも? 譲歩する材料がこちらには体だけしかない。譲れないでしょ」

「交渉のテーブルに付く気があったなら、口先だけのご主人様か八木(やぎ)様呼びぐらいを行うぐらいの譲歩で足の拘束は解いてあげてもよかったんだが。今の態度、対等ではなく佐土ちゃんも上にいたいわけだ」

 

 俺は若い女の子に下品な要求をするおっさん。

 佐土ちゃんは拘束され放り込まれた被害者。

 どちらが悪者だ?と問われて、道徳的優位にいるのは明らかに彼女だろう。

 けれども道徳が役立つ状況ではないのだ。

 

「我が身可愛いのは仕方ないが、君は馬鹿なのか?」

「馬鹿とはなによ馬鹿とは」

「ライフラインを掴まれて、現状を理解しても、保護されて当然という立場の受け身でこちらが折れるのを待つ。さらに交渉飛ばして自己完結して開戦直前。馬鹿だろう君」

「馬鹿はそっちでしょ。体目当てにあんな要求しておいて。あんなの誰だって軽蔑ものでしょ」

「あれだって、交渉のやりようはあっただろう。全否定にこだわってみすみす機会を捨てていたのは君の方だ」

 

 体を好きにするといっても、俺の体を佐土ちゃんが洗う代わりに乱暴なことはしないとか、呼び方を俺が上のものに変えて媚びる代わりに寝ているところは襲わないとか、貞操だけは守る代わりに他のことで性欲処理してくれるとか、条件を細分化して話をすることはできたはず。

 自分が守るべき本当に大事なことを佐土ちゃんは設定せずにいて、優先順位ひとつつけていない。

 それともなにか勝算があってのことなのだろうか。だとすれば合点がいく。

 

「おっさんのキモい要求なんてものはね、乙女には全て論外なの。おわかり?」

「じゃあ交渉の余地はないな。その反骨精神には敬意を表しよう」

 

 タオルケットの鎧を脱ぎ捨てて、膝のバネで飛びかかる佐土ちゃん。

 足首のところで縛られているとは思えないほどの勢いと速度。

 肩と頭から突っ込んでくるタックル。天井が低くてこちらも避けるには間に合わない。

 しかし、悲しいかな、佐土ちゃんとの体重差は俺からマウントを取るに至らない。

 

「軽いんだよ」

 

 腕で受けて、弾いて、肩を掴んで放り捨てる。足を開けないから踏ん張れず、腕で庇い手もできずに佐土ちゃんは鉄格子の床に叩きつけられた。

 

「ったぁ」

「無理だって」

 

 ろくな受け身も取れずに倒されたんだから相当痛いだろうに。

 ガードが薄すぎる貫頭布がはだけて片乳は見えているし、尻だってもう見えている。

 

「佐土ちゃん、かわいい乳首してるじゃねえの」

「っさい!」

 

 恥で痛みを忘れたか、足を溜めて2度目の跳躍。

 やはり腕で弾いて、簡単に床に流して、これも2度目のガシャーンという音。

 落ちた場所がまずかった。

 

「ってええええええ!?」

「ふがああああ!!」

 

 俺の真横に肩から落ちた途端、脛に噛みついてきたのだ!

 

「離しやがれ!」

「ひゅがっ!」

 

 噛まれた足を振って噛みつきを外し、距離を取る。

 脛を見ると思いっきり噛みつかれて皮膚が少し出血している。大したことはない傷だが痛いものは痛い。

 

「クソが油断した」

「ふ、ふふ。私を見下したツケよ」

 

 女に暴力を振るうのにはなんとなく抵抗はあったから、こっちから積極的に攻めてはいかず、あしらって無駄を悟らせるつもりだったんだが。どうもその程度では意識が低かったようだ。

 

「泣かす」

 

 よろよろと立ち上がった佐土ちゃんに、こちらは助走をつけた低空ショルダータックル。

 1メートル程度の助走でも、天井が低くて満足な威力が出ずとも、体格差と体重差でたたき落とす。

 マウントポジションを取ろうとしたら部屋隅に逃げて体育座りのように体を丸めガードを固める。

 膝を抱えるような格好でも手が背中側にあって、腹は守れても頭部はうつむくことしかできない。

 しかし想像してみて欲しい。天井は1メートルちょっとあるかどうかの隅で丸まっている相手をどう攻めるか。逃げ場はないが打つにしても蹴るにしても案外リーチが活かせないし威力も弱くなる。正面からしかまともに狙えない。

 だから打つのは諦めて、足を引っ張りそこから追い出してやろうと。

 

「せいっ!」

「ふがっ!」

 

 足首を掴んでやろうと安易に前屈みで腕を伸ばしたところで佐土ちゃんの膝が跳ね上がり、両足で顔面を蹴られる。当たりどころが目だったらやばかった。

 と怯んだところに座ったままの飛び蹴りが追撃。それが顔を庇った右腕に衝突する。

 バランスをさらに崩されふらついたところで噛みつきが左腕の上腕を捉える。随分と器用な。

 

「ってえなあぁくそがあっ!」

「ぎゃっむ」

 

 壁に当たること構わずヤケクソに振った左腕が、噛みちぎられる前に噛みつきを振り解き、鉄格子との激しい衝突音がする。

 弾けたところで後退って距離を取り、左腕の噛まれたところを見る。ガッツリと歯形が残っていて、浅くえぐれて出血もしていた。冷や汗をかいているのを自覚した。

 

「正直舐めてた。まさかこんなに苦戦するとは」

「次は太い血管食い破ってあげる」

 

 余裕はまだある。けれど舌を巻く。

 歯を剥き、佐土ちゃんは猛犬のような雰囲気。

 おそらくは、あの状態でどう戦うかをしっかり考えていたのだろう。

 こっちはそんな準備はしていなかったし、所詮手足縛られているとタカを括ってもいた。

 

「泣かす。その後で歯向かったこと後悔させまくってやる」

「あっそ!」

 

 綺麗に大人しくさせるのは諦めよう。まずは戦意折ってやらないとどうしようもない。

 泣いて許しを乞うまで痛めつけて、辱(はずかし)めるのはその後でいい。

 そのためには、もっと遠慮を捨てて、あの子の覚悟が萎えるまで攻める。気絶させるぐらいの意気込みで。

 あちらの武器は歯と足。足首を掴んで天地逆転させればいい。多少蹴られるのは我慢する。頭を不意に天井にぶつけるのも覚悟しておけば耐えれるはず。

 呼吸を整えて、しっかりと目標を見据えて。

 

「っし!」

 

 場当たり的に動いたのが苦戦の原因。それが定まってしまえば。

 

「こっち来んな変態!」

 

 顎を打ち抜くのを狙うような軌道でくる両足蹴りも、それしかできない上に既に1回受けた後では奇襲性は薄れる。

 頭に届く前にさらに詰めて胸で受け、膝裏へ右腕を回して抱え込む。

 器用にも足の指で腹肉を強くねじってくるが我慢して、両足首を両手に持ち替えて吊り上げた。

 

「離せ離せ離せ!」

 

 シャチホコのようにされた佐土ちゃんは、こちらへ背中を向けたままジタバタと体をよじって暴れる。

 それをこちらも足を腕ごとねじって表に転がし、湯もみするように逆にねじり直してを繰り返して転がし続ける。足を持ち上げられて手も使えず顔面を守る手段のない佐土ちゃんは床に打ちつけられ続け、顔を歪めながらもそれに耐える。

 

「ふぅっ! ふぅっ! ふぅっ!」

「はぁっはぁはぁはぁ」

 

 変な姿勢で佐土ちゃんの足を持ち上げ続けながら動かし続ける俺と、同じく変な姿勢のまま上半身の強打を受け続けた佐土ちゃん、1分もそうしているうちにお互い息が上がる。

 いい加減腰が痛くなってきて肩も上がらなくなって、佐土ちゃんが仰向けになる状態で下ろす。でも足首は手放さないし、膝も乗せてしまう。

 そこから身を乗り出して佐土ちゃんの様子を伺うと、床の跡やすり傷切り傷がいくつも見られ、顔は涙目で鼻血が飛び散って酷い有様。

 

「どうだクソガキ、少しは効いたろ!」

「知(じ)るかああっ!」

 

 覗き込むような位置に顔を移動させた瞬間、佐土ちゃんの額が俺の口元に正面衝突。

 

「ぶべっ」

 

 直撃もらってのけ反るも足の上からは退かず。口の中に血の味。口の中がどこか切れた。

 あれだけ痛めつけたのに腹筋で起き上がっての頭突きってクソ器用な真似を。あれだけやってまだ戦意折れないのか。相手するの本気で疲れてきたぞ。

 貫頭布は横に流れてぐちゃぐちゃでろでろ。恥もなにもあったもんじゃない。

 ああ、あったじゃん、攻撃箇所。

 

「ふっせぃ!」

「ぐぅっ」

 

 大きく柔らかそうな胸の下。臍のあたりに平手を打ち込む。突っ張りを上から叩きつける形。

 相手の腿をこちらの膝で挟んで膝立ちで連打連打。体を起こしていられなくなった佐土ちゃんに打ち下ろす。

 最初は腹筋に弾かれて軽いものだった打撃音が、数を重ねるごとに腹筋の薄い防御を弱らせ、平手打ちのそれが掌底になって鈍い音に変わってくる。

 ひぎっとか、ぐはっとか、うあ゛っとかの短い悲鳴が打ち込むたびに漏れ、白かったお腹が熱を帯びる頃には、佐土ちゃんはもう息も絶え絶えになって、こちらを見る余裕もない。

 

「まだ痛めつけられてえか、ああ!?」

「絶対(じぇったひ)許(ゆ゛)りゅじゃない……っ!」

 

 涙涎鼻血鼻水で顔は完全に負け顔なのに、声も震えまくってか細いものなのに、言葉だけが強い。

 苛立つと同時に、どこまですればこの女は嘆き許しを乞うのか、純粋な興味が芽生えつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

++++

 

 

 

 

 

 

 

 同時間帯、鉄檻部屋監視モニタールーム。

 檻の中の2人が起き出して動き始めたという話が医療科に届き、暇になっていた十字(じゅうじ)はその様子を覗きに来ていた。

 というのも、たまたま檻内へ送る料理を持った人と中央エレベーターで同乗した際に、吸血鬼は肉好きという話を聞いて、血ならわかるが肉?と思い質問をぶつけられそうな相手を探して監視モニタールームにお邪魔した次第。

 複数あるモニターを眺めながらツッコミを入れるのは、どこの科所属かわからない研究員な皆様。

 その人の中に医療科で感染症内科担当の猛城(たけしろ)さんを見つけた。

 

「猛城さん、この前ぶりです。ちょっと質問いいですか」

「どうした?」

「吸血鬼が肉好きってどう調べたんですか? 寝かしてたんですよね?」

「ん? 結構前の話にはなるが、吸血鬼の起こし方がわかった時にやったんだ」

 

 モニター向こうで始まった口論を横目に、猛城さんは当時の話を語ってくれた。

 

 

 

 過去、佐土莉音と同様に強制的に起こした吸血鬼たち。

 彼女らは皆一様に吸血鬼であることを起きた時点では自覚せず、目覚めてすぐ積極的に人間を襲うことはしなかった。

 しかしなにも食べさせないでいると、最長でも50時間程度で再度、仮死のような休眠状態に戻る。

 

 では食事を与えると?

 彼女ら吸血鬼は概ね畜獣の肉料理を好み、一方でネギ属の作物は口に入れるのも憚(はばか)るほどに蛇蝎(だかつ)の如く嫌う。料理に多少混ざるぐらいでも極端に反応する。

 またネギ属以外でも野菜根菜穀物魚類を食べることへの抵抗感、味覚がやや嗜好から遠のく傾向があるようだ。

 これはニンニクが苦手というよく聞く吸血鬼への伝承へは、一定の回答になる。

 ニンニクの汁はブドウ球菌や赤痢菌を抑制する抗生物質となり、第一次第二次世界大戦でも殺菌に用いられていたし、タマネギやその仲間はあらゆる獣や疫、ペストも悪霊も吸血鬼も撃退すると考えられて、紀元前から信じられていた。

 吸血鬼がこれらを嫌うのは、吸血鬼を構成する要素を阻害するなんらかの効力があると考えられる。

 

 刻んでペーストにしたタマネギニンニクを無理矢理吸血鬼の胃までチューブで送り込んだところ、盛大に吐き戻した記録が残っている。

 即死するほどの毒にはならないが、ダメージは与えられる可能性がある。……人間に同じことをしても吐く人は結構いるだろうが。

 

 吸血鬼というからには血を与えるとどうなるか。

 牛豚鶏の血、雑種の犬猫の血、ラットの血、兵庫支部の近隣で罠で獲ってもらったニホンイノシシとニホンジカの血、職員有志から提供を受けたABOABの4種採りたて未加工血液、血液センターから取り寄せたRed Blood Cells(濃厚赤血球)のABOAB4種・Platelet Concentrates(濃厚血小板)のABOAB4種・Fresh-frozen Plasma(新鮮凍結血漿)のABOAB4種、吸血鬼本人の血液、別の吸血鬼の血液。

 合計26種のパターンを用意して、目隠しした状態で血や血液製剤を口に入れ、どれが1番美味いと感じるかの調査を吸血鬼3体に対して行った。

 

 調査の結果、共通項として、吸血鬼自身の血液型と同じ血液型の未加工血液が1番美味と感じ、次点で違う血液型の未加工血液が続く。そこから割れて、動物の未加工血液が個人の好みなのかバラけてランクイン。

 その下に濃厚赤血球。こちらも吸血鬼本人と同型のものが良いが、クドいらしい。濃縮スープや調味料を薄めずそのまま食べるようなものの様子。

 それ以外は試験した吸血鬼にとって不味いもしくはキツいと感じたもので、特に別の吸血鬼の血は吐きたくなるほどの不味さという。

 

 サンプル例は3例と少ないながらも、傾向は見えた。

 やはり吸血鬼がもっとも欲するのは人間の血液であり、他の動物の血液でも代用は可能。

 吸血鬼の血が飲めなかったのは、同属殺しを避けるための防衛機構と考えられる。

 

 

 

「肉以外への食への抵抗感って、面白いですね」

「人間ベースの消化能力は一応あるものの、種族としては肉食傾向ということになるのだろう。消化器官の変異の進み具合にも左右されるのかもしれない。ネギ属が苦手な理由は研究中」

「タマネギ中毒になるんですかね?」

 

 犬や猫にタマネギをはじめとするネギ系の野菜を食べさせてはいけない、加熱しても絶対にダメ、という話はペットを飼う際の常識。彼らが食べてしまうと溶血性貧血を引き起こして命の危機。

 

「当時みんなそう思ったよ。だから無理矢理食べさせてみた。結果吐いた。じゃあ血とニンニクの汁直接混ぜたらどうだってなったけど、溶血することもなく。嫌う理由はわからないが、毒であると体質的に認識しているのだろうとは予想された」

「じゃあニンニクは効果はある、と?」

「食わなきゃ問題はないっぽい、って感じかな」

 

 人間だって、食べたら毒だが近寄ることはできる植物はいくらでもあるわけで。犬猫もタマネギ近付けたら逃げるというわけじゃない。

 ニンニクを食べまくってニンニク臭をさせまくれば吸血鬼は忌避できるのかもしれない。

 もっとも、ニンニク臭をプンプンさせていれば吸血鬼だけじゃなくて人間も忌避することはできるだろうけども。

 

「肉食寄りになるとしたら、栄養の偏りが気になっちゃうところですけど」

「肉食獣が肉だけ食べて生きられるように、栄養の偏り自体はさほど問題じゃない。まだ起きた状態で活動し続けるにはどれぐらい量が必要なのかは不明だが、仮死体で超長期間進化の眠りにつけるのだから、燃費は相当良いのではないかと思われる」

「起きている時と寝ている時はだいぶ違うとは思いますけどね……」

 

 人間の脳のカロリー消費はとんでもない。

 人間をベースにした生物であるならば、相応に消費すると思うのだけど。

 

「あと君向きの話は、吸血鬼は人肉食もいけるだろうってところか」

「そこはだろうで未確定なんですね?」

「人間の生き血を好み、食性も肉も好むのならば、人肉もおそらく美味しく食べられるだろう、という仮定だな。タイミング悪くて新鮮な人肉が用意できなくてな」

「人肉のカロリーは低いって研究が割と最近イグノーベル賞獲ってましたよね。食べる意味あるんですかね?」

「カロリー低くても美味しければ食べるだろ。人間だって、カロリー効果ではゼロかマイナスに近いキノコ類やキュウリを美味い美味いって食べているじゃないか。もし吸血鬼が人肉を美味しく食べられる味覚であれば食べるだろう。歴史的世界的に見て人肉食自体はそう珍しいことじゃないし、古い時代であれば抵抗感はそれなりに低いだろう」

 

 お隣中国では人肉食の逸話は掃いて捨てるほどある。それほどに日常的に人肉を食らっていて、禁忌であるとは考えていなかった。数多くの面で中国から文化的影響を受け続けた日本だが、人肉食文化に関しては取り入れられることなく定着もしなかった不思議。

 今でこそ中国でもおおっぴらには食べなくなったのだろうが、近年でも、2011年には中国産の人肉カプセルが韓国で流通して大きな話題を呼んでいた。

 仮に昔の中国で吸血鬼が発生したのであれば抵抗なく人を襲っていたことだろう。

 

 鉄檻内では大喧嘩にはなっているが、研究目的としては目的外の騒動。

 彼らの間の上下関係がどうなっても大した意味合いはない。吸血鬼は並大抵のことでは殺せないということがわかっているからこちらから止めもしない。

 

「う゛〜゛ん゛。噛みついたんだったら毒使えよー」

「佐土は口蓋の毒腺使えるとこまで変異進んでましたっけ?」

「おそらく使えるだろうってぐらいは進んでいたよ。だからさあ……」

「八木の方も噛まれたところ出血してますね」

「ミリ程度で血は口ん中には届いたか? 届いていて欲しい」

「噛んだまであっさりいけたとなると、人間の血が美味いってことに気付いてくれるかなー」

 

 殴る蹴るの応酬の末、八木が佐土吸血鬼の足首を掴んで引きずっている。なにかするつもりなのだろう。

















参考資料

一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 一般の皆様へ
http://yuketsu.jstmct.or.jp/general/
より
輸血について
http://yuketsu.jstmct.or.jp/general/about_transfusion/
輸血の歴史
http://yuketsu.jstmct.or.jp/general/history_of_blood_transfusion/

日本赤十字社のホームページで輸血に関するページかなり色々
日本赤十字社のプライパシーポリシーでリンク貼る際に要連絡だが、公序良俗に反するものはNG。
どう考えてもこの小説は公序良俗に反するのでページ名及びリンクは貼らないでおく。
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