足首で縛ってあって、開けない足。
それを逆長座体前屈に近い形で折り返して、上から陰茎を埋めていく。
散々水をかけて体温が下がったのか俺よりも冷たい膣内。
一気には突き入れずにゆっくりと破瓜の味を堪能しながら可動域を探り、
長々と愛撫したおかげかよく濡れていて、けれどガチガチに緊張して固く締め上げてくるからなかなか居場所を作れず。
しかも体位のせいか膣浅のせいか俺のモノを全て受け入れる前に行き止まり。
「あ? これで限界か?」
「えっ、えぅ」
「どうなんだおい」
「ひっ、ひっ」
すすり泣いて心ここに在らずの佐土ちゃん。まともな返答はまだ期待できそうにない。
だったら勝手に楽しむまで。ユルユルガバガバの穴じゃない、むしろキツいぐらい締めてくる。具合を良くするなら数を重ねればいいだけだ。機会は何度でもある。
手も足も縛っていて床はスチール格子とくればマグロなのもしょうがない。
「これが一生一度の破瓜だ。よく覚えとけよ」
足2本を抱えて、深山本手に近い形。佐土ちゃんの尻を浮かせて、ゆらゆら引き寄せるようなピストンを敢行する。
「んっ、んっ、んっ」
ぱちっ、ぱちっ、と弾ける肌の音。
佐土ちゃんが気持ちいいかどうかはどうでもいい。
必要なのは俺が気持ち良くなって、佐土ちゃんが性欲の捌け口にされたという結果。
女として、男を捕まえる極めて強力なカードである処女喪失を、女に産まれて最も警戒するべき無責任な妊娠への可能性を、ろくでもない状態で獲得させられる事実を上下関係としてプレゼント。
たとえこれからどんな生活と人生を送ろうとも、処女を奪ったのは
「おっ、うぅ」
何日分だろう。
三擦り半とは言わないが、射精に至るのはだいぶ早かった。そして多かった。
我慢していたわけじゃあないが、佐土ちゃんとこの檻に入ってからは性欲処理もしていなかったから溜まってはいた。
自分で選んだ処女をモノにして人生ぶち壊しにしてやったという達成感がそうさせた。
射精の快感そのものよりも、上下の格付けをきっちり行えたことがゾクゾクと高揚をもたらしている。
抗う敵の女を組み伏せて人間が人間たる尊厳を蹂躙し、無責任に自らの種をつける。こんなにも心が満たされることとは思わなかった。
「いまのお顔はいかがかな?」
捲り上げて結んだ貫頭衣の結び目を解いて、いまだきゅうきゅうと逸物を締め付けている佐土ちゃんの顔を拝ませてもらう。
「…………」
魂が抜けている。
それが1番適切な表現だろう。
思い出すように時折息はしているが、軽く顔を叩いても反応が乏しい。
敗北顔か絶望顔か諦念顔か、どんな意図があるのかわからないが、そこになんらかの人間味が感じられない。
彼女の自己防衛機能は思考をシャットダウンして嵐が過ぎ去るのを待つことにしたらしい。
乳首を強くひねる。けれどビクっと体を震わせるものの声は漏れず。我慢というよりも、ただ反射が起きたという風。
またシャワーを顔面にかければ戻ってくるかもしれないとは思ったが。
打てば響く状態から一変してマグロ以下のなにかになってしまった佐土ちゃんの姿を見せられ、ヤる気の波が引いていく。反応がないというのは面白みが全然ない。
「反応がないならないでやりたいことはやらせてもらうからな」
萎えた逸物を抜いて、てらてらドロドロのそれを洗ったのち、俺は壁のコントロールパネルを操作し始めた。
++++
暗い天井。背中の痛み。消えた手足の圧迫感。
忌まわしき檻ベッドに転がされている状態で我を取り戻す。
記憶が混濁している。けれど腰の違和感と股間の痛みと不快感と異物感が、連鎖的に記憶の復旧を行なってくれた。
それを終えて、ある程度クリアになった
起きたことを悔やむでも嘆くでも怒るでもなく、過ぎたこととしてどこかに落ち着けており、憂鬱ではあるけれども低いところでメンタルは安定している。
メンタル安定を自己確認すると、急に体の外の情報処理が始まる。
格子の向こう側から寝息が聞こえてくる。どれぐらいの時間が経ったのだろう。
次いで手足。縄で縛られていた手首足首がそれぞれ解かれていて、代わりに機械式の手錠とワイヤーに変化している。
手のワイヤーの長さは結構余裕があり、背中通しではあるが両手を体の前に持ってくることはできるようになっている。足首のワイヤーもウサギ飛びか芋虫這いを強要されていたものが歩幅は小さくとも一応歩けそうなぐらいの長さに。
服とするか布とするか微妙な装いも、ほのかに洗剤の香り。着替えさせられているようだ。
手を伸ばし、寝室扉が開くかどうかを確かめる。
ロックはかかっていない。
暗い足元と低い天井に気をつけつつ這い出して、ある程度の自由を得た手足を動かす。いろんなところがゴキゴキパキパキと鳴る。特に肩周り。
体を洗えず、痒いところも満足に搔くこともできなかったいろんなところ。それを思う存分掻き削る。これだけでもだいぶ解放を感じる。
そのままシャワーの場所まで行き、壁の操作パネルでシャワーヘッドから湯を出す。体を洗うのは何日ぶりになるのだろう。
頭上に固定されたシャワーヘッドから湯が降り注ぎ、熱が寝起きの体を目覚めさせていく。冷えていた全身に活力が戻っていく。
手のひらに湯を溜めて操作パネルで出したボディソープを泡立てて、股間や膣にこびりついた精液やレイプの痕跡を洗い流す。操作パネルにはアフターピルなんてものは存在しないし、指に絡む触り慣れぬ物質の感触は上向きかけた気分をまた下向きに戻しかける。
どのようにして事が終わったのかは定かではない。処女を喪失したあたりからの記憶が存在していない。それより前の前戯段階のことすらも断片的。腕や背中に食い込む格子の床が痛かったという記憶が全てを塗りつぶしている。
出せるものは出した後、改めて頭から全身を洗い直す。スポンジもなく泡立ちは極めて悪い。なるべく洗って流して、もう一度全身洗い直してようやく満足。
バスタオルはなく、操作パネルには代わりにジェットタオルがあった。部屋隅のシャワーエリア、その頭上と操作パネルがない側の壁から吹き出す強力な温風が水分を乾かしていく。髪は檻の中で目覚めた時点で短く刈られていて乾くのが早い。
全身を洗い上げ、その乾燥を終えた時。この檻に入れられてから初めて、気持ちいいと思った。
++++
横でゴソゴソ動く音は聞こえたし、シャワーの音はそこそこ煩いし、ジェットタオルに至ってはちょっとした騒音。起きないわけがない。
事前に手枷足枷のリクエストができることは知らされていたので、精神喪失状態の佐土ちゃんの拘束を付け替えた。
股を開かせられないというのはやはり面倒。手も足も縛ったあの状態では使える体位も多くない。なにより犯してやるという雰囲気が出ない。
機械式のあの枷は、今はワイヤーを最大まで出しているが、こちらの操作で強制的に巻き取り芋虫スタイルまで戻すことが可能。
くれぐれも油断して首をあれで絞められないようにとは口酸っぱく言われたが、他にも対処法はいくつか提示されている。
佐土ちゃんはまだ俺が寝ていると思っているのだろう。
のそのそとベッドに戻ってきて寝転がった。
「シャワー気持ちよかったか?」
「っ!」
「警戒するな。今はなんにもしねえよ。ちょっと話したいだけだ」
返事はない。
予想できたことだ。
だから勝手に話す。
「文化の東西を問わず、処女は概ね神聖視される。どメジャーなところだと聖母マリアによるイエス・キリストの処女懐胎も、キリストの神聖さを増すための逸話として処女性が使われている。古今、貞節の証明でもあるな。男にとって処女を食えるというのは一種のステータスであり、女にとっても身を捧げるという証明手段だ。ではなぜ、処女信仰が生じたのか?」
これから話すことを佐土ちゃんが知らなければ、今後のマウントが楽しいのだが。
「原因のひとつとしてキリスト教のマリア信仰が大きな理由ではある。けれどもうひとつ。テレゴニー、日本語だと
佐土ちゃんがちょっとだけ動く音がした。一応聞いているらしい。
「テレゴニーとは、過去別のオスと交わったメスが、現在のオスとの間に設けた子供に、前のオスの要素が遺伝する、という説。要は胎内に侵入した精子から獲得したDNAが記録されて遺伝するって話。オスとしては当然、自分の子供に余計な要素が付くことになるから本能的に忌避したくなる説で、非処女が不貞不浄とされる理由のひとつ。人間の男が子供を残すために要求されるプロセスは、極端には精子が子宮に届けばいい。ただ、母体にかかる負担が大きいから、人間の社会性がヤリ捨てを非推奨にしているに過ぎない」
不貞不倫の言い訳を作っているという側面もあるだろうが。
「だから佐土ちゃんにとっては残念なことに、たとえ妊娠することがなくても、いつか愛する人の子供を産むときに、俺の要素が混じった子供を産むことになるだろうな」
「ふざけんな!」
「ふざけんなと言われてもなにも事実だからな」
事実ではあっても、人間にとって真実かというと微妙な線。言う必要はないけれど。
「佐土ちゃんがふざけるなって思うように、当然、他のオスもふざけるなって思う訳だ。だから処女が尊ばれて、非処女は不貞不浄とされると言える。それに、たかだか中出し1発で蓄積される遺伝力なんて微々たるものだろうから、これからガンガン佐土ちゃんの子宮に覚えてもらわないといけないな? 楽しまなきゃ損だぜ」
「ふざけんなふざけんなふざけんなあ……」
絶望を押し付けるのは実に気分が良い。
「俺を愛してくれればそれで解決する話だがな」
「死ねクソオヤジ」
「じゃあ、立場と条件利用して佐土ちゃんの中のメスを惚れさせてやるよ。下の口は正直だ、ってな。俺の指やチンコ見ただけで濡れるような女にしてやる」
「くたばれ」
「気分が良いから悪口も許すけど、佐土ちゃんの生殺与奪は俺が握ってることはしっかり覚えとけよ。いつも優しいとは限らないからな」
「そっちこそ、相討ちにならないように気をつけて生きなさいよ」
「いまは元気にほざいてろ。すぐに媚び声と喘ぎ声で鳴かせてやるよガキ。せいぜい体力蓄えとけ」
檻の中の戦いは始まったばかり。