凍えるほど涼しいお姉ちゃんの家。
薄着の肌が寒暖差で鳥肌を立て、汗が一気に引いていく。
靴を脱いで奥に案内されると、一人暮らしにも関わらず結構広い。
「このマンションなんでかあんまり人気がないみたいでね。真下も隣も真上も入居してる人はいないから多少うるさくしても大丈夫だから安心してくつろいでね」
「あ、うん……」
冷たいオレンジジュースを飲みながら、リビングを見回す。
引っ越してすぐのせいなのか、びっくりするぐらい物がなくて、座布団2枚とミニテーブルはあるが椅子もテレビもなくて、隅っこに姿見付きのハンガーラックと空気清浄機があるぐらい。
リビングから繋がる引き戸が開け放たれた2つの部屋も似たようなもので、マットレス直置きのベッドとノートパソコンと巻かれた敷物?2本とダンボール2箱と変わった形のハンガーラックで全てで、広さを持て余している。
外へ目を向ければ、遮光カーテンで遮られた南窓の向こうに海が広がる。
「海近いの?」
「海に行くだけなら15分ぐらい。でもこのあたりはテトラポットの護岸だし、釣りはできても泳げるところはないかな」
「なーんだ」
「海水浴したかったなら残念。でも、街でもナンパされるお姉ちゃんが浜辺に行ったらナンパ祭りになるけど、レオ君はお姉ちゃん守れるの?」
「う……」
おおきなおっぱい、くびれた腰、モデル顔負けの整ったスタイル、妖しくも美しい顔。
放っておかれるわけがない。そして力づくで連れて行かれようとしたら守れるほど強くはないし、逆に自分自身が人質にされるかもしれない。
「お姉ちゃんは独り占めするの!」
「そうそう。女の子を危険な場所に行かせないのも大事なことだよ」
頭を撫でられて体がカッと熱くなる。
その手が耳を経由して、顎を持ち上げる。
「それにしても、目元のクマがすごいね。眠れてないの?」
「夏休みの宿題をやるために遅くまで起きてたし、今日も楽しみで眠れなかったから」
「ああ、そっか。お姉ちゃんに会うために頑張ってくれたからか。じゃあきっちり体力使い切ってからぐっすり休んで超回復させたほうが良さそう。そうしないとよわよわのへにゃへにゃでやる気のない精子が作られちゃう。レオ君だってそんなに疲れてたらお姉ちゃんに勝てないだろうし」
お姉ちゃんに勝つ、というプレッシャーがずしっと肩を重くする。
「だからレオ君をもっと疲れさせましょう。もっと汗をかきましょう。体力を絞り出しましょう」
「ええ〜……」
舞い上がっているこの気持ちとむらむらとした体。どうすればいいのだろう。
「方法は2つ。天国コースと地獄コース、どっちにしよう」
「どう違うの?」
「天国は、レオ君を性的に気持ちよ〜くして、おちんちんから徹底的に体力を吐き出させるの。お精子が出なくなっても、もうイケないってなっても、気絶してももうイキたくないってなっても刺激し続けて、お潮お精子噴きまくりでカラッカラになるまで不健康不道徳に体力を使い切るの」
どこが天国なのだろう。
お尻の奥がキュッと反応したのは、期待なのか怯えなのか。
「地獄コースは、お姉ちゃんと運動。レオ君、相撲対決の時に四股もちゃんと踏めなかったでしょ。腰の踏ん張りもなかった。だから負けた。でもお姉ちゃんは普段から体を柔軟にしているからいろんなことができる。満遍なく健康的に全身の体力を使い切りながら鍛えるコース。お姉ちゃんからの評価もアップ」
「地獄と天国、逆じゃないの?」
「天国はレオ君なにもしなくていいからね。お姉ちゃんにビクンビクン泣いて謝るぐらい気持ち良くさせられるだけ。地獄コースはレオ君も動く必要があるし、意志が強くないと最後までできないでしょ?」
お姉ちゃんを倒す、という目的のためには、選択肢は地獄コースしかないのでは?
「じゃあ地獄コースで…………運動ってなにするの?」
「凄いラジオ体操、腹筋、腕立て、スクワット?」
「うわぁ……」
「ふっふっふ。鍛えてあげるよ。じゃあ、レオ君もお着替えしましょう」
「え? このままでいいんじゃないの?」
夏である。上はTシャツだし、下も綿の半ズボン。運動着としてはなんの問題もないはず。
「ここはお姉ちゃんのお家。おもちゃのレオ君は従う義務があります。シャツとズボンとパンツと靴下没収です。おちんちんのコンドームは許可します」
「ええっ!?」
「拒否権はありません。さあ脱いだ脱いだ。お姉ちゃんも着替えるからさ」
ノースリーブのワンピースをあっさり脱いで部屋の隅に放り捨てると、お姉ちゃんは薄桃色の下着姿で迫る。
服で遮られていたフレグランスに反応した体は硬くなって、ぐびりと生唾を飲まされる。
「おちんちんも手で隠しちゃダメだよー?」
されるがままに服を剥ぎ取られ、99%全裸、真っ先に守るべき股間のガードが薄いゴム1枚になってしまった。むしろ全裸よりも恥ずかしいかもしれない姿。
「おお、駅のあとからは漏らしてない。えらいえらい」
寒いぐらい涼しいはずの部屋なのに、体がカッカと熱い。
「なんで……」
「そりゃあ、男の魅力といえばまず筋肉。そしておちんちんも漏らしてばっかりじゃない勇ましいところも見せつけていかないと。恥ずかしがってても、見てるのはお姉ちゃんだけ。レオ君の恥ずかしいところは散々見られたんだから、今更でしょ?」
恥ずかしいところを見られるのと、恥ずかしい格好をさせられるのは違うと思う。
「そうだけど……」
「女の子を満足させるには基礎体力も必要なんだから」
お姉ちゃんはといえば、奥のクローゼットの引き出しから空色のブラトップと黒のぴっちりしたショートパンツに着替えた。露出は多いがコンドーム1枚とは比べものにならない肌面積。
「おもちゃになるって宣言したのはレオ君だからね? じゃ、準備体操兼ねてラジオ体操しましょ。ヨガマット敷くの手伝ってよ」
謎の敷物だったヨガマットを敷布にして、お互いの手が届かないぐらいの距離で向かい合って立つ。ぴこりとちんちんも立っている。
お姉ちゃんがスマートフォンを操作すると、夏休みの朝に何度も聞くお決まりのイントロが流れ始める。
振り付けは僕も覚えている。けれど。お姉ちゃんのするラジオ体操は、あまりに迷いなくダイナミックで、とっても目に毒。弾み震えるおっぱい、ぐにゃぐにゃ曲がる体、元の素材が豪華だと、こんなにもエロ美しい体操になるのかと唖然とする。
こちらはといえば、ほぼ全裸でするラジオ体操というものに違和感しかなくて動きが縮む。弾むたびばちんぶるんと暴れるちんちんに苦労したのもあるけれど。
それでも第1第2を終えると、体は涼しい部屋に負けないぐらいには温かくなった。
「準備運動できたかな? じゃあ、本番いくよ?」
「本番?」
「ラジオ体操1.5倍速、次に倍速、2周いってみよー」
「やだ!」
「大丈夫大丈夫。お姉ちゃんはいつもやってるから!」
ラジオ体操は全身運動。通常の速度でも軽く汗が出るぐらいの運動量。
テンポの上がったイントロ、ちゃきちゃき進む指示と音楽。1.5倍速になっただけで運動の質が変わる。連続してあらゆる方向に体が振られるし、ひとつひとつの動作の速度アップで瞬発力も試される。
1.5倍速の1周目が終わった段階で、肩で息をすることになってしまった。お姉ちゃんはまだまだ余裕そう。
「じゃあ息整えたらすぐ2周目だからね」
「お姉ちゃ、もしかして、いつも、これなの?」
「いい運動になるでしょ。さあ疲れろ疲れろ」
しばし息を整えて2周目。
さすがに連続3回目となると振り付けに慣れて迷いはなくなる。でも速度が上がって体が追いつかない。
お姉ちゃんの高速体操を目で追う余裕もなく、息を切らせて体を振り回す。
肌は寒いのに体は温かい妙な感覚。
「お疲れ様〜。じゃあここからゆっくりめの運動だから室温上げておくね」
「はっ、はっ、はっ」
さすがのお姉ちゃんも温まったのか息が早い。
こちらは息が荒れて胸が痛い。もともと疲れ気味の体に全身運動が響く。足の骨から肉が剥がれそう。
「じゃあちょっと元気充填しよう。おっぱいで深呼吸」
「わぶっ!?」
「はいぎゅー。男の子はおっぱい触ってると元気出るんだってさ」
肺が酸素を求めているときに、急に抱き寄せられて心構えなく吸入させられるお姉ちゃん成分。
運動中で蒸れたお姉ちゃんのブラトップ。否応なく取り込まれる全てを緩ませる香り。
不意打ちで酸素の代わりにしあわせが取り込まれ全てがわからされる。
「フーッ! フーッ! フーッ!」
力が溶かされる。体が動きを止めようとする。
頭にモヤがかかって、なにも考えられなくなる。
「はい、おしまい」
「あっ、は、あっ……?」
唐突に手放されて膝からへたり落ちる。冷たい床に尻餅ついて背筋が凍える。
快感の波が満ちて、あと少しでまたイきそうになっていた、その直前。
「寸止めされると元気出るでしょ?」
「はへ」
射精しないまでも、膨れ上がったちんちんがひくひく震えて我慢汁を流出しているのを感じた。
じわざわと残る焦燥感。吹き出す脂汗。
「お次は腹筋だ。足抑えててあげるから、30秒で何回できるか測ってみよう」
ヨガマットの上で寝転がって、足首をお姉ちゃんに抑えられながら。
むらむらした体を何度も起き上がらせる。
「あと5秒! あと1回!」
「ふぬぬぬぬぬ」
「はーいお疲れー。うーん腹筋弱い方かな!」
「ふへぇ……」
腹筋30秒で7回。多くはないと思う。
「でも腹筋にまだ余裕はありそうだから、息整えたら時間無制限で全然上がらなくなるまで腹筋しようね!」
「スパルタ反対!」
「じゃあ今から天国コースに変えようか? あっさり方針変える男らしさのカケラもないようじゃ、この滞在中にお姉ちゃんとラブラブ生出し種付けセックスのチャンスはなくなっちゃうけど」
「……腹筋でいい」
「じゃ、続き続き!」
それから10分ぐらいかけて、お腹の筋肉がビクビクと笑い出すまで腹筋をやり続けて、今度は腕立て伏せ。
けど、腕立て伏せも10回ちょっとでギブアップ。
少しでも休憩時間が欲しいと思って話題を逸らす。
「お姉ちゃんはどれぐらいできるの?」
「あー、じゃあカウントしてみる? 足抑えてて」
そう言って自分も腕立て伏せをやり始めたお姉ちゃん。
綺麗なフォームで続く続く。
「っあー、無理!」
「56回……すご」
僕の記録をはるか上から見下ろす回数。
腕を触らせてもらったけど、とてもそんなに筋肉がついているようには思えないほどぷにぷに。
「じゃあ最後にスクワット。お姉ちゃんやるのを見て、真似して、回数いけるところまで」
「うん」
肩幅ほどに足を広げて、腕を肩の高さで前に伸ばして、ぐっと腰を沈める。
床と腿が平行になるまで、空気イスのようになるまで沈めて一瞬保持して、腰を上げる。
「簡単でしょ? 普段はこれ20回やって1セット、日に2回ぐらい。レオ君も目標20回で」
10回まではすんなりといけた。そこからキツい。
「う、うぉぉ」
早くも膝が笑い始め、足の裏に力が入る。腕立て伏せで疲れた腕を前に伸ばすのも辛くなってくる。
「20回は、無理……」
「あらら」
限界がきて、目標回数に達する前に立っていられなくなった。
「どうしよう、またおっぱいでぎゅーってしてあげたら回復するかな?」
「無理だと思う」
「じゃあ開脚前屈ストレッチしよう。せっかく2人いるし」
「なに、まだやるの……?」
「疲れるものじゃないからだいじょーぶ。はい座ってー、手首持ってー、足の裏お互いくっつけたら両足開いていってー」
「これ、恥ずかしい……」
手を取られて、隠すことができなくなった股関節を開かれていく。
また節操なく勃ったままのちんちんがお姉ちゃんの前で大股開きの刑に処される。
そして、お姉ちゃんの汗の匂いがとても刺激的になってきて、些細なスキンシップの時にふわっと香るそれを嗅いでいるだけでぐらっと思考がブレる。
「それで、お互い順番に引っ張り合って前屈するの」
「あだだだだだ」
ほんのり思考が溶けて気が緩んだ瞬間に引っ張られる。身長差があるので足の長さもだいぶ違って、こちらの足は必要より開かれて痛いし、もともとの体の硬さで背中が引き絞られて、太ももも伸ばされる。
逆にお姉ちゃんを引っ張ると、驚異的な体の柔らかさで悠々と開脚前屈して見せる。
これを5往復する頃には、僕の股関節が随分といじめられた気がする。
「じゃあ次背中伸ばしましょー」
「ま、まだやるの……」
背中合わせに立って2人ともバンザイして、両腕を掴んで相手を背負って前屈。それを保持する。
「引っ張られる時は力抜いてー」
「ぎゃあああああ」
やっぱり身長差、そして体の柔らかさが桁違いで。
背負われる側になると海老反り状態に持ち込まれて否応なく伸ばされる。空中に浮かされて怖い。
しかも肌の接触面積が増えて、より近くでお姉ちゃんに触れることで五感が媚びて、痛みすらも痛気持ち良さに変えられてしまう。
逆に背負う側になるとスクワットしてヘロった足にお姉ちゃんの重さが直撃。2往復で限界。
「足、どう? 1人で立てそう?」
「それはなんとか……」
「じゃあまだ余力あるね! 2人でお見合いスクワットしよう!」
答えを間違えた。ガッと肩を掴まれる。
「はい立て立て。強い足腰作らないと、お姉ちゃんと抱き合っただけで腰が砕けちゃうよ?」
腰砕けになるのはお姉ちゃん成分のせいだから、足腰を鍛えても同じことになる気がするけど。
向かい合って肩を組んで、足を肩幅に広げて、2人一緒に同時スクワット。
「あ、あはわわあわあ足つる足つる」
4回目にして腿裏脛裏が痛くて足が震える。けれど、お姉ちゃんが半ば無理矢理引っ張り上げるせいで止められない。
12回目、遂にお姉ちゃんの補助があっても体を支えられなくなってへたり落ちる。
「も、もう足が……」
「よし、しっかりガッチリ疲れたかな? じゃあ、水分補給して一服したらお風呂で汗流そ。そしてお待ちかねの疲れ排出タイムです。お客様に優しくサービスサービス」
わきわきと、お姉ちゃんの手が卑猥な動きをして、自らの胸を撫で回し、持ち上げて揺さぶった。
訪れるだろう明確な近未来を意識した体は、怯え、期待して、冷えたオレンジジュースのコップを持つ手を震えさせた。
お姉ちゃんとお風呂、その本当の理由を、危険性を、僕は理解していなかった。
++++
いつの間にか沸かされていたお姉ちゃん家のお風呂は、
「ちょっと1人暮らしには広いかなって思うけど。2人で入るならちょうどいいかな」
運動着を脱いで一糸纏わぬ神々しい姿になったお姉ちゃんは、僕の手をとって風呂場へ
「まずは、体の洗いっこ。どこ触ってもいいけど、射精はまだしちゃダメだよ?」
お姉ちゃんがスポンジにボディソープを吸わせて大きく泡立てて、駅からずっと装着させられていたコンドームをくるくると取り去り、体を洗い始める。
河川敷でいろいろしてもらったときも、お姉ちゃんは事あるごとに体を洗ってくれた。だから、他のことに比べるとほんの少しだけど慣れの抵抗力が働く。
「お姉ちゃん、洗いっこ好きだよね?」
「んー、そうなのかな。料理する前にお野菜を洗う感覚が近い気がする。泥とか虫とか余計な汚れを落として、まず綺麗にしてから食べたいって思うのは自然なことじゃない?」
「僕食べ物じゃないよ?」
「
「吸血鬼設定まだ続いてたの?」
「お泊まりしてる間に嫌でも信じてくれるようになるよ」
2人でゴシゴシ全身を洗い合って、僕はお姉ちゃんのおっぱいやデリケートゾーンを触ると興奮で暴発しそうな気がして
頭もしっかりシャンプーで洗って、ぬるま湯のシャワーで泡を流し終えて、じゃあ湯船に、と縁に手をかけたところで止められた。手には未開封のコンドーム。
「またつけるの?」
「お風呂の中でピュッピュしたらお湯汚れちゃうから」
「……うん」
ここまでなにもないがゆえ既に暴発寸前。
なんの心配もないとはとても言えないから、大人しくちんちんを差し出した。
それが罠だった。
「はもっ」
不意にお姉ちゃんがいきり立ったちんちんを口の中に吸い込んだ。
ねっとり熱々で、長い舌がちんちんの先を丸めこんで、舌先が皮と内側との境をこそぐと、バチリと小さく弾けるような炭酸泡の気持ち良さが立て続けに湧き立って、背骨まで連鎖して爆ぜた。
「うひっ、はっ、やぁっ……」
我慢もなにもなく、お姉ちゃんの口の中を堪能させられることもなく、舌のひと撫でであっさりと攻略された。
疲れきった足の軸が膝から消失して、後ろ手ついて風呂縁に尻が着地。あっという間の吐精。
舌先から逃れたちんちんだけが勝手に動いて、お姉ちゃんの顔と胸に勢いよく精液をぶちまけた。
「……そんなにマーキングしたかったの? 洗い直さないとじゃない」
「ご、ごめんなさい……」
「いいよ。レオ君にもそんな欲があったことが嬉しいよ」
偶然ちょうどいい感じにかかっただけとは言えない。
「じゃあ、お掃除フェラしてあげるから、ちゃんと我慢しててね?」
精液を軽く拭ったお姉ちゃんが半勃ちになったちんちんに食らいつく。
尿道の残滓を
ものの30秒でちんちんはある程度の硬さを取り戻し、てらてらと唾液にまみれ、染み込んでくるような悦楽に震えていた。
「復活早いねー」
口を濯いでピュッと吐き出し、改めてくるくるとコンドームが付け直される。お姉ちゃんの唾液ごとパッキング。
駅からつけていた方のコンドームは、いつの間にか皮がコンドームの内側でずり上がって先っぽを覆い直していたから、格好が恥ずかしくはあっても違和感は薄れていたのだけど。
先が剥かれた状態で固定される違和感と、やはり慣れない密着感。今回はなぜかムズムズもする。
「お姉ちゃん洗い直すから先に入って温まってて」
言われるままに、とぽんと湯船に沈む。
腿裏、腰裏、腹筋、ふくらはぎ、二の腕、足の裏、みんなみんな疲れていて、ふわりと湯熱が骨身に染みてくる。
「ちょっと後に失礼〜」
続けて浸かったお姉ちゃんは、僕の頭を大きなおっぱいの谷間にもたれかけさせて、背後から抱きついてくる。やわやわとお姉ちゃんの手がお尻や内腿を揉む。
足は一方向に揃えば2人とも伸ばせるぐらい広い。浮力とお姉ちゃんに体を預け、ゆらゆらと体のこわばりと疲れが抜けるのを待つ。
内腿をさすり、お腹を撫でて、脇の下をくすぐって、男の小さな乳首を転がして、ようやくお姉ちゃんの両手がちんちんを捕まえる。全身の力が湯に抜けているのにガチガチに力が入ったままの場所。
「いつでも、ぴゅっぴゅってしていいからね」
「うん……」
防護越し湯越しで感度低くてもまだ敏感な亀頭。それを手指で撫でくすぐられながら、反対の手で裏筋や玉袋を性感マッサージ。
「ふぁっ、わ」
「我慢しなくていいからねー? イク時はちゃんと言ってねー?」
亀頭の上面をこすられること、竿の側面をくすぐられること、せり上がった玉を指で揉み転がされること。
弱いところはもうとっくに知られている。穏やかで、けれど確実に抜き出そうとするスローな仕事。芯の入り切っていなかったちんちんを煽り立て、射精を催促される。
「イッくぅ……」
「ぴゅーぴゅー」
甘い声に耳を熱くし、体を快感に震わせて、お姉ちゃんの手の中で薄い壁一枚も通り抜けられない精子が出口のないまま流れ出る。
ちんちんの中でつっかえて出し切らなかった精子も、指で丁寧に根元からしごき出されて、腰が軽くなる。
不意をついて出てしまった前2回に比べて、しっかり出すべき動きをして出させてもらった射精は、気持ち良さが重い。頭から雑念が流れ出していく。
「見てみて、3回目なのに結構出てる。元気だねー」
お湯の中、ちんちんの先に少し大きめのビー玉ぐらいの白い玉がくっついていた。
それを指で触ると、ぷよぷよと不思議な感触。
まだムズムズは止まず、今度は萎える気配もない。けれどなぜか、湯に浸かっているのにうすら寒い。
「じゃあレオ君こっち向いてお姉ちゃんの足の上座って。このままもう1回、おっぱい吸いながら弱い精子出しちゃおう」
「うん」
「頑張らなくていい。もっとだらっと力を抜いて気持ち良さに甘えて」
お姉ちゃんの言葉が頭の中にするっと入ってきて、体の感覚がどんどん曖昧になってくる。
なんだか頭がぽやぽやとまとまらない。
「目を閉じて、肌で味わって。お姉ちゃんと溶け合うの」
感覚が曖昧になっても、ちんちんとその周りだけが強く固く力を持ち続けていることだけがなんとなく理解できる。
木にしがみつくコアラのように腕と足を回して、お姉ちゃんのおっぱいに口をつけて、母乳は出ないがピンと立った乳首を口に中で舐めしゃぶる。
えもいわれぬお姉ちゃんの体の味。薄味で、でもいつまでもしゃぶっていたくなる、飽きのこない旨味。
お姉ちゃんの手はまだちんちんとその周りをマッサージし気持ち良さを提供し続けて、萎えることを許してくれない。
「寝たら溺れるから寝ちゃダメ。でもおっぱいとちんちんだけに集中して、静かに体全体でイク幸せ射精の準備をさせるの」
おっぱいの奥からメトロノームのように規則的に伝わってくる心臓の音が、尖った感覚器をどんどん不要な役割としてシャットダウンさせていく。性的な抵抗力をぼろぼろとこそぎ落とされて一本化されていく。
決して強い刺激ではないのに、ぞわぞわした幸せな昂りが止まらない。湯熱が浸透してくることも、肌と肌が触れ合っていることそれ自体も、湯が肌の表面を撫でることすらもが性快楽を得る対象に変わる。
「ちょっと上向いて」
片手で首を支えられて、上からお姉ちゃんの口に塞がれる。
舌と唾液が流れ込んできて、熱々の吐息が油断していた肺に爆風を放り込む。
濃厚で濃密で芳醇なそれが、僕では押せないなにかのスイッチを次々に入れていく。
お姉ちゃんと別れてからずっと、射精に至っても得られなかった充実感。何度出してもなぜか満足できないことへのイライラ。それが満たされていくのを感じる。
「はゔぁ、はばわぁ〜」
全身が気持ちいい。頭の中で花吹雪が煌めいては爆ぜて融ける。
じゅわじゅわした快感の波が押し寄せ続けて、決壊の瞬間を早く早くと急かす。
「んっ、んんんっ」
押し寄せた多福感に抗うことなく、体を強張らせお姉ちゃんの口から酸素を奪い取りながら穏やかで深い絶頂を受け入れる。
体中のあらゆる場所から快感の小爆発が起きて震え上がる。幸せの限界を越流して精子となって体から流れ出ていく。
待ち望んでいた。こうしたかった。そんな重く深いイきかたをした。
「……萎えないね? 今日のレオ君すごい絶倫さん」
あっという間の3連発。
冴えず朦朧としたふわふわの満足感と安堵感と多福感。しかし憑き物が落ちたような軽さがあって。
「まだ出そう?」
ちんちんが満足して力を失って、しかしむらむらむずむずと、体はまだ先の快楽を求めている。
もっと摂理お姉ちゃんに翻弄されたがっている。
どうしようもなく、体が負けたがっている。手玉にされたがっている。ダメにされたがっている。
「もっと、もっと……」
きっと、今までで1番情けなくて、プライドのかけらもない顔をしていたんだと思う。
「……それ、反則だよ、レオ君」
だって、これまで見たことがないぐらいやる気を出した、妖しい妖しい悪い顔を向けられたから。
幕間の続き→次の話