※この作品はR-18です。

悪の組織は不死身の少女に殺してと言わせたい   作:Kaisu

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43:幕間 暗闇に第一の世界を開き

 オナニー代行、もとい他人の手を用いた手淫。

 胸の重みと女体の柔らかさを背中に押し付けて、二人羽織のように密着面積の広い被さり方で。

 曇り止めされた鏡で、幼い体が内側で必死に悶えて性衝動に翻弄される年齢不相応な発情顔を視姦する。

 疲れているのに快楽に負けて自分の世界に入り込む加虐心を唆る顔。お互いの汗が混じり、淫臭はどんどん風呂場に充満して私もあてられて濡れてくる。

 

 私の右手にすっぽり隠れる陰茎。左手の指先とテープで包皮をずり下げて固定しているので、否応なしに剥き晒しの亀頭ごとしごくことになる。

 いつもと違うだろう条件と、精子の残量ほぼゼロで絶頂に達し難く、そそり立ちはしているが通常時にも届かない柔らかな勃起。

 レオくんの男性器はただ苦しい快楽を得られる突起に変わり果てていた。

 

「うーっ」

「男ならちゃんと必要な時にちゃんと強い精子出せるよね?」

 

 ローションを含んで滑りの良い私の手を苦しげに上下させて。

 私に嫌われたくない一心でブラック労働を自らの体に要求する。

 

「レオ君が一生懸命作ったかっこいい男のお汁出すとこ見たいなー」

「お姉ちゃんのために努力して一人旅してくれたレオくん大好きだよ」

「おちんちんもっと本気になって、中途半端なおっきは減点されちゃう」

「でもでも、かっこいいよ、ずっとおちんちんおっきできるの男らしいよ」

「生意気おててにべったりレオくんの匂い染み込ませて取れなくしちゃお?」

「気持ちいいのは怖くない。ちびっこかめさん大きくなあれ、おっきくなあれ」

「お精子工場ぶん回せ、強くたくさん作り出せ、疲れてちゃダメダメがーんばれ」

「白いおしっこちっちが上手、ちっちが上手。おててオムツにお漏らししちゃおう」

「早くレオくんの切なくて辛いイキ顔見せて。お姉ちゃんの女心きゅんきゅんさせて」

「骨の中からも大好きぎゅーっ搾り出して。限界超える強い男はポイントたくさんだよ」

「お精子の声が聞こえてるよ? セックスしたいよ赤ちゃんになりたいよーって言ってる」

「お姉ちゃんを倒して犯して男になりたいよー、強い男のおちんちんをお世話させたいよー」

「体の中でお留守番はもう嫌だよう。お外に出てお姉ちゃんのおててにお引っ越ししたいよう」

「精子さん外は怖くないんだよ、隠れてないで出てこないとレオくん大好きじゃなくなっちゃう」

「甘えていいの。我慢なんてしなくていい。腕が疲れたら代わりに同じ強さでしこしこしてあげる」

「許可なく勝手に精子漏らしちゃうのが1番いけない。おねしょする幼稚園児となにも変わらないし」

「我慢するときは我慢して、しなくていいときは何度も出せる、レオくんはそういう凄い男になれるよ」

「それとも弱いままへにゃって諦めるの? 違うよね。むらむらしてるおちんちんすっきりさせたいよね」

「残ってる精子ゼロにできて、おちんちんイけなくなったら、頑張ったねっておちんちんにご褒美あげるよ」

「お姉ちゃんをレオくん大好きな雌猫にする新鮮濃厚おちんちんミルク早く頂戴。ふにゃぁーん、ふにゃーん」

「もうちょっとだよおちんちんさん。いつもと同じ立派で強い硬さになってきてるよ。もっともっと硬くなーれ」

 

 耳元で愛を囁き、淫語を流し込み、射精を催促して、努力を肯定して、頭の中はどろっどろ。

 背中に押しつけた乳首が擦れ続けて私もちょっと気持ちいい。

 

「いっ……」

 

 時々私に腕振りをサポートされたりローションを足されたりしながら、15分ぐらいは頑張って、息を荒げて、カウパーをちびちび腰を引いて上体を捩(よじ)って足を伸ばして、少しでもイキやすい姿勢を探して。

 張り裂けそうな心臓の鼓動を肌伝導で聴きながら、レオくんが必死に底の底を浚って、ようやく上がってきた空撃ち子種が指先に一雫滲む。

 とても愛らしい、半泣きになってぐちゃぐちゃの絶頂。

 でも立派に言うことを聞いた努力の結果だから無下にはしない。

 

「あひっ、あひっ」

「おちんちん頑張ってイけたね。さすがレオくん、花丸です。このつよつよエリート精子は勿体ないから、下水行きじゃなくてお姉ちゃんの糧になることを許します」

 

 根元の方からしっかり残りを押し出してもなお、小豆粒にも届かないほどの精液量。

 白くはあるが味も香りも男らしさと程遠い水っぽさ、咀嚼しても苦みすら乏しい薄さ。

 1回の射精に数億含まれるという精子だが、これは数百万匹すらいないのではないか?

 だけど、多大なカロリー消費と全身の強烈な負荷の末に提供された至高の一雫。

 

「至高の味をご馳走様でした。でも、あと1回頑張ろうね」

「えっ、やだ、やめて」

「大丈夫、動かなくていいし、精子出せとも言わないし、今日はもうこの次が最後」

 

 どうすれば気持ちいいのか、どのあたりが好きなのか、どのぐらいの強さと速度がいいのか、全て手に教えてくれた。私の手の形も覚えてくれただろうから、握ってあげるだけで発情のスイッチを入れやすくなる。

 殺さない、怪我させない、ちゃんと家に帰す、それ以外の全てをスクラップビルドするつもりで家に呼んだのだから。

 

「今度は辛い無理矢理じゃなくて、抱き合ってもみもみさわさわして、体が『イきたいよー』ってなったらお姉ちゃんがちょっとだけ血を吸ってあげる。吸血絶頂で本当のエクスタシーを味見させてあげる」

 

 吸血絶頂は急所に牙を刺されて血を抜かれる、命そのものを危機に晒して行う行為。

 死に瀕していると脳の生殖本能をバグらせながら行うそれは、方向性としては首絞めセックスと似る。

 苦痛を和らげようと快楽物質を過剰に分泌する。そうして性的行為がより気持ち良くなるのだ。

 しかし鍛えられており、分泌されやすくなっていたとすれば?

 吸血行為を受けて毒に触れる機会が多いほど効果が通りやすくなる。

 少量だが既に一度河川敷で血を吸っていたし、毒も嫌というほど粘膜吸収しているのだから、効きやすさとしては相当なはず。

 

 脱衣所側にある照明のスイッチを切って完全な暗闇が訪れる。

 暫時目の慣らしに時間を取って、再びレオ君の隣に座り直して洗面器1杯丸ごと分のローションを2人で浴びるように塗り合いっこ。

 

「くふっ、ふっふふ」

「くすぐったいねっ」

 

 私は普段からムダ毛処理しているが、昨日レオ君の全身の毛も剃り落としておいたのがここで効いてくる。

 お互いの肌がツルツルで、その触れ合いがより刺激的で心地よいものになるのだから。

 

「ほらほら、お姉ちゃん寝転がるからさ、上から乗って抱きついて、いろんなところに塗りつけて」

「いや、ちょ、ふひひっ」

「それともお姉ちゃんが上から潰してあげる方がいいかな?」

 

 しっかり感度が上がっているので、見えないままで脇腹やお尻なんかに手が回るといい反応が返ってくる。

 

「あっ、あっ、ふ、ひ、あっ」

「ほら、お顔こっち。キスしながらずりずりして」

「どこ、どこ」

 

 お尻を持ってあげてずるりと口の近いところまでに引っ張ってあげる。

 吐息から場所を特定したレオ君が素直に唇を奪いにきた。罠なのに。

 

「はっ、はっ」

 

 お腹とお腹でレオくんのちんちんがサンドイッチ。私が密着を強要させたから擬似的な床オナに近い。

 マウントは取らせたけど主導権は私。温度の下がったローションのくすぐりあいでちょっと醒めたけれど、ローションがお互いの体に馴染んでしまえば。

 キスでまた毒を摂取してしまえば。

 

「うーっ、ふぅー、んっー」

 

 あっという間にレオ君の人間の知性が性衝動に敗北する。

 あれだけ精も体力も搾ったというのに、私のおへそ下あたりでお腹オナでずりずりするレオ君の完成。

 

「ぷはっ。レオくん、それは、弱っちい動きだよ」

 

 天地を返してレオくんに覆い被さり、胸元から太ももあたりまでを往復するなが〜い圧迫ストロークでおちんちんを揉みくちゃにしてあげる。

 腰を引いて下乳にぶつかれば上へ滑り上がり、デリケートゾーンを行き過ぎて足までいけば引き戻して。

 たった数回の往復で、レオくんの吐息が悶えるようなものに変化する。どうやらこれがお気に召した様子。

 私ですらエロい気分で乳首がにゅるにゅる擦れて気持ちいいし、ちんちんが股間を弾いていくのが一瞬ビクッとするのに、全身性感帯になりつつあるレオ君に不快感が起きるはずもなく。

 

「やっぱレオくん、してあげる方が好きだよね」

 

 手ではできない長い一方向への磨き上げ。

 固くなりきっていないせいでいろんな角度から玉袋ごと長く擦り上げ、あるいは擦り下ろされて。目が使えず鋭敏になって広い範囲で女体が予想外の方向に泳ぎ回る未知の経験についていけていない。

 

「あっ、はぁあああ〜」

「まだ精子漏らしちゃだめだよ。今出したら減点だからね」

「頑張る」

「大丈夫かな? お漏らししなければ何回イッてもいいからね」

 

 私に許可されていない射精なんてカスだ。なるべくそう思わせて、行動を縛りやすくする。条件反射もつきやすくなる。

 散々強制的に射精させたり数多の負け癖をつけたりと調教を施したせいで、レオくんの性質は受動的な甘えマゾになっている。

 強い男であれ、という趣旨の言葉はいろいろかけているが、強い男でなければいけないのに負け続けて屈服射精(ムダ漏らし)してしまう、とレオくんの中で敗北感を強調させるスパイスだ。

 それでもレオくんの行動や努力を肯定し褒めるのは、完全に上下の格付けをしてしまうと諦めが混じって血の味が濁るから。上下の明確な格付けは抑圧であり、ストレスの原因。

 客観的に見てそれがどれだけみっともない姿を晒していたとしても、ちゃんと言われた通りに絶頂できれば大いに褒めてあげる。

 私のミッションをちゃんと消化すれば強い男として認めてもらえる。そう思わせる誘導はしてある。

 適切な課題をこなし、努力してギリギリ無理の目標を乗り越えた時。自己肯定感MAXで達成感に溢れる、そういう時の血が1番美味しい。

 

「小さな声で、好き、大好き、お姉ちゃん好き、っていっぱい囁いて。もっと気持ち良くなるから」

 

 言霊というのは案外馬鹿にできない。

 実際に口にすることで体の統制が一方向に揃いやすくなり、集中力を増す効果を得られる場合がある。

 過酷な環境でお経を唱え続ける、集団で経典を読み上げる、なんてことはトランス状態への入り口としては大変ポピュラーと言っていい。

 今みたいに脳がふにゃふにゃになってきているなら精神統一に寄与するし、そこに特定のワードを口にすることで気持ち良くなる、という軽い条件付けが加わっている。薄い催眠誘導とも言えるかもしれない。

 

「好き、好き、お姉ちゃん大好き、好き、んっ、好き……」

 

 ねばついた水音に交じる愛情表現。

 体で泳いであげるような激しさを止め、押し潰したまま脇腹に指を這わせたり、首回りを舐めてみたり、乳首をくすぐってみたり、恋人繋ぎをやってみたりとスローな愛撫に切り替える。

 普段なら大きな反応にはならないことでも、囁きに変化があるので非常にわかりやすい。

 へその下に密着監禁されている敏感棒は、あれだけ精を搾ったのに、腹肉を隔てた直線距離で数センチ向こう側にある子宮を理解しているのか押し上げるような勃起を敢行している。

 気付いているのかいないのか、私が動かなくなると、もぞもぞと自分でお腹に擦り付けて快感を得ようとしている。包皮をずり下げていたテープはいつのまにか剥がれてどこかに消えた。

 気温も湿度も熱帯以上。お互いに汗を噴き、粘ついた触れ合いだけがいま全て。

 穏やかに限界の線の少し上を維持し続けて甘い絶頂ボタンの半押し状態。過冷却水のように、不安定なまま、最後の一押し待ち。

 もう、いつでも深い絶頂に導ける。もしかしたら声だけでも。

 

「好き、好き、好きぃ、好き」

 

 上顎に力を入れて毒腺にそれを貯める。

 弛緩毒、痛覚転換成分、快楽物質、快楽物質分泌促進成分、強心物、再生促進成分、免疫抑制成分、抗菌物質、たぶんそういう混合物。

 頭と体に記憶と経験を与えたいから意識を僅かに残しつつ、けれど快感だけはしっかり感じられるようにする。その加減はちょっと面倒。

 意識を完全に飛ばす量を注入しても影響は残せるが、それだけでは私の目的には不適。

 考えられる最悪の痛みを利用して、最低で最高の経験を脳を刻んであげる。もっと壊してあげる。

 完全な暗室でも、私には視えている。理解できる。

 全身の血管の走り、血の巡り、効率よく血を吸うために刺すべき場所。特に美味しく視える首の血管。

 だけど、首周辺は噛めない。

 冬ならともかく、夏は首回りの噛み跡が隠しにくい。

 脳が近過ぎるのも問題。毒が強く効きすぎる。

 なにより、そこは私が吸いすぎる。

 

「……いただきマす」

 

 毒の滴る牙を、脇の下に噛み立てた。

 

 暗い部屋が明るい。

 体が熱い。

 足の爪までなにか流れていく。

 

「しゅひおっひゅひぁ」

 

 

 

 

++++

 

 

 

 

 ある程度毒を入れると、奇声の後、レオくんはあっち(・・・)側に行った。

 半覚醒停滞か吸血待機とでもいうべきこれは、ほんのりと意識を残したまま随意運動が極めて難しい状態になる。

 声帯の麻痺、思考力の著しい低下、痛覚の快楽変換、血中快楽物質の濁流化、強心化、これらによって、意図をもった行動を起こせなくなるのだ。

 その代わりに起こせるのは、高止まりした状態からの連続快感爆発の持続。

 頭を開いて脳に直接熱湯を注いでシャンプーされ、湯が体を回ってどこかで抜けていき、体外に抜ける時にまた灼けるような快感を伴う、らしい。

 普通のセックスが100として、私の毒は放置で500、なにか刺激追加で800を超えるぐらい、一巡した後に300を維持と聞いたこともある。

 私自身に効かないのでなんとも言えない。

 だけど、それを知ってしまったらもう、並々ならぬことでは満足や興奮を得られないことを意味する。

 知ってしまったが最後、あらゆる幸福感や肯定感が色褪せてしまう。ゆえに、この毒と吸血から逃れられない。

 

 でも今回、血は吸わない。毒だけしっかりめに入れる。

 子供を健康なまま家に返す。そのために採れる血は少ない。

 私の腹を満足させるだけの吸血ができるのは1回だけ。

 今じゃない。このまま更に大量に毒を注いだら逆に意識や思考は冴え、またいろいろ起きるのだが。

 

 私の体の下で、暗闇でも血流すら視えるよう。

 私の毒は極めて即効で、快楽経験への圧倒的なボーナスを与える。

 吸血中に暴れられないように、じっとしていても十分なほどに気持ち良くなるもの。

 刃物に切られても、牙が刺さっても、肉がえぐれても、骨が砕けても、死に至りうる激痛であろうとも、与えられる刺激が強ければ強いほど、全身の神経を騙すほどの快楽を脳が出させる。血が流れ出ていくことが幸福であると錯覚するほどの。

 進者往生極楽(進む者は極楽に)、退者無間地獄(退く者は地獄に)、とは本願寺の教えだったか。

 私のよく識る教えとは違うが、私に従うことで、毒の効果で一切の苦痛なく、死の先に向かって進ませることができる。そんな力。

 私が望み、本人が心からそれを叶えようとする。心体が一致するとトランスの度合いはより深まり、効きが良くなりやすい。本能として知っている。

 

 一度できたことが二度できないわけがない。

 一度でもできたことは、基準の前提を変えてしまう。

 最初は補助輪つき自転車でも、体が覚えてしまえばそうそう転けないように。

 強い痛みが信じられないほど気持ちいい、そういう経験を与えてあげる。

 痛みが強ければ強いほど、それを打ち消そうと毒の作用で快楽成分の分泌が増える。

 では、外傷を与えず、跡も残さず、内臓への後遺症も残さない激痛とはどうやって引き起こすべきか?

 

 ごめんね。

 

 両手を油断しきった玉袋に持っていき、握る。破裂しない程度に、潰す。

 指の間で締める、強く弾く、お腹に押しつける、こね回す、引っ張る。

 ゲーム機のアナログスティックを操作するかのように、体内に逃げ込めないように丹念に伸ばし続ける。

 散々労働した精巣にする仕打ちではないがもう一働き、男が感じれる最大級の痛みを神経に走らせてもらわないといけない。

 

「――――っひ――――ぉ!!」

 

 絶叫が声にならない。

 声は多くの生物で危険信号と紐付いていて、悲鳴なら仲間になにかしらの警告を発するもの。

 吸血中はどうしても足が止まる。加減を間違えると暴れられもする。

 声ひとつで伝えられる情報は多い。逃げろ、助けて、ここだ、その程度でも叫ばれてしまうと面倒になる。

 声を出させないようにする、それは当然の進化。

 セーフワードは決めたけれど、喋れなければ止めようがない。

 だから、遠慮なく揉み潰してあげる。

 本能的な拒否反応か、レオくんは私の腕を外そうとするが、力が入らない。

 そうでなくても私の体が蓋になって自分の股間に手が届かない。

 両の手の中で好き放題に潰されるしかないのだ。

 

「ぉ――――っぃ――――ぁ――――……」

 

 数秒後、体の中で渦巻く激烈な痛覚信号が反転して快楽信号に厚く塗り変えられ始める。

 河川敷でも一度経験させたことだ。その転換は早くなっている。

 感度はもう上がりも下がりもしない。感じ方の質が変化する。上がり切った感度で受ける玉潰しがそのまま快楽に変わる。

 玉を潰されているのに快感を得られてしまう、快楽物質を分泌してしまう、その経験を大量に得てしまう。

 男として命の次に大事な警報が機能しなくなる。

 

「ょ――――ぃ――〜―き―〜――……」

 

 ごりごりと揉みこまれ続けて、体はまさに決死の勃起で絶頂し(イキ)続けるのに出すものがなく、その必死さと反比例するように気の抜けたかすれ声が漏れる。

 意識は落ちそうで、落ちれない。極彩色のスパークが無限に続く脳酷使でシャットダウンを許さない。

 限度超えの絶頂で気絶、即起きないといけないような痛みが変換された警報で起きる、これをごく短時間で繰り返している。

 毒をまだゆっくり注ぎながらうずらの茹で卵を潰さないぐらいの力加減で触り続けて、時々キュッとしてあげる。そのたびに身を震わせて悩ましくも艶のある吐息。

 完全に軌道に乗せた。もう毒はいらない。

 

「ぃ――――ひ〜きぃ――――」

 

 牙を抜き、傷口に舌を這わして滲む血を絡める。

 半ば傷をえぐるようなそれすらも、今のレオくんならご褒美。

 むしろ私が微量以上の血を採らないように自制するほうが辛い。

 

 10分ぐらいは揉み続けて、睾丸が腫れたのか感触がもっちりし始めた。

 漏れ出る声も体の跳ねも力ないものになって、精子の急造も不可能になったのか勃起もできなくなった。

 このあたりが「気持ちいい」、グッドな陶酔(トリップ)で脳がいられる限度だろうか。

 

「じゃあ、最後ね」

 

 覆い被さるのをやめて圧迫から解放してあげる。

 あとは異常な高負荷でざらついた脳を整えてあげる必要がある。

 声による誘導は既に成功しているから、言葉と触覚で意識を閉じていけばいい。

 別の洗面器に冷水を溜めて、冷たいタオルを作り、カッカしている股間を冷やす。

 

「ぃ――――」

「もうなにもしない。起きてなくていい。頑張った、本当によく耐えた」

 

 腋の下、内腿のデリケートゾーンは体全体を冷やす。

 両腿の内側を通るようにタオルをかけて、冷水に設定したシャワーを微量出しで浴びせる。

 夏なので冷水にしても凍えるほどの温度の水は出てこない。それでも体温よりはだいぶ低い温度なので冷ますには足りる。

 のぼせた脳のクールダウンは急激にするのは愚策。冷気が体の中を循環するだけでも快楽は発生するし、体全体を冷まして、送られていく信号量を減らしてあげるところから。

 

「暑いよね、体少しづつ冷やして頭も休めるよ」

「指でつ〜ってしていくから、よく聞いてね」

「左足、親指から、眠気が上がってくるよ」

「右足からも、ちょっとずつ眠くなるよ」

「おちんちんもおやすみ、強かったよ」

「おへそから下はなにも感じないね」

「両手もお疲れ様。動かなくていいよ」

「胸まで眠気が来たよ。もうちょっとだ」

「腕も力が抜けたね。首で一緒になったよ」

「眠気が頭に来たよ。声が聞こえなってくる」

「おやすみなさい、レオくん、かっこよかった」

 

 ちょぼちょぼ流れるシャワーヘッドを握って流水の指ペンを作り、足先から首までそれで線を描き、言葉とともに眠気の具現化を行う。

 冷えと一緒に体を鎮めながら上がっていったそれは、最後に額を覆う濡れタオルで頭に達する。

 心臓の音と速度はちょっと早いかなぐらいに和らぎ、なにより呼吸の荒れが落ち着く。

 無事にシャットダウンできただろう。目覚めるころには毒も次の効果になる。

 

 私も水シャワーで汗を流して、照明はつけないが換気扇は回す。

 室温はそう変わらないが私の密着がないだけでも相当違うはず。

 ぬるついた体もひたひたの濡れタオルで拭いては浸しの繰り返しで全身の熱を飛ばす。

 冷凍庫から保冷剤を取ってきて、火照りが取れない玉袋に絞ったタオル越しで巻いてやる。体の冷却でも、新しい快感という面でもだいぶ効くだろう。

 痛くしてもらうために差し出してくれるぐらいの強力な性感帯として、もっと頑張ってもらわないといけない。

 

 

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