~~~森の中~~~
俺がウキウキしながら、まだ見ぬ街に、
思いを馳せ、歩きだすと、
「お兄ちゃん、このウルフこのままにするの?」
「ウルフ?僕は、解体できないから、そのままだね」
「も、もし良かったら、私が解体するけど?」
「....?貴女、解体が出来るの?」
その言葉に女の子は頷く。
「じゃあ、お願いしてもいい?」
「はい!」
女の子は小さなナイフを取り出すと、ウルフを器用に解体していく。
「上手なんだね?」
「うん、仕事でするから」
ほどなく、僕が持ってきたウルフと3匹のウルフが、女の子の手によって、毛皮、肉、魔石と綺麗に解体されていく。
荷物は2人で分けて運ぶ。
「貴女が森まで来れると言うことは、街は近いんだ?」
「うん、近いよ。だから、薬草を採りに来たんだ」
「それじゃ、薬草は見つかったんだ?」
「うん、見つけたよ。けど、帰るときにウルフに襲われそうな所を、クマさん?が助けてくれたの」
「それじゃ、街に向かおうか」
僕は、女の子の名前を呼ぼうとして、困っているのを察してくれて女の子が名前を教えてくれた。
「フィナです」
「僕は、タカ。行こうか、フィナ」
しばらく歩くと森を抜け、遠くに城壁が見えてくる。
街に着くまでの間、フィナにいろいろ聞くことができた。
話を聞くたびにゲームではない可能性が。
街に入るには住民カードかギルドカードがいる。
僕が持っていないことを言うと、フィナが
「ギルドカードは冒険者ギルドでもらえるよ」と
教えてくれた。とりあえず、ステータスを確認するとレベルが上がってる。
名前:タカ
年齢:15歳
Lv:3
スキル:異世界言語、異世界文字、クマの異次元ボックス
装備
右手:黒クマの手袋(譲渡不可)
左手:白クマの手袋(譲渡不可)
右足:黒クマの靴(譲渡不可)
左足:白クマの靴(譲渡不可)
服:黒白クマの服(譲渡不可)
おや?
スキルが増えていた。
説明文を読む。
『クマの異次元ボックス』
白クマの口は無限に広がる空間。
どんなものも入れる(食べる)ことができる。
ただし、生きているものは入れる(食べる)ことはできない。
入れている間は時間が止まる。
異次元ボックスに入れた物は、いつでも取り出すことができる。
ゲームのアイテムボックスの機能が白クマの手袋に備わっていると、白クマの手袋を調べてみると、お金が入っていた。あと、紙が1枚入っていた。
君が現実世界で大切にしていたお金を持ってきてあげたよ。もちろん、あちらのお金は使えないからこちらのお金に両替しておいてあげたよ。
神様
それはありがたい。
門の前まで来ると門兵が待ち構えていて、視線はまっすぐ僕を見ている。
改めて、自分の格好は、『くま、クマ、熊、ベアー』
いくら、男として年相応に見えなくても、15歳にしては、幼く見え、身長も平均以下。
「そっちの嬢ちゃんは、薬草を採りに行った子だったな。薬草は見つかったかい」
「はい」
フィナは嬉しそうに微笑む。
「それはよかった。奥には魔物がいるからな」
「それで、変な格好をした僕ちゃんはなんなんだ」
「気にしないでください」
「まあ、とりあえず、入るなら身分証を見せてくれ」
フィナは住民カードを門兵に見せている。
「僕ちゃんの身分証は......」
「僕、身分証を持っていないんですけど?」
「.....仕方ないな、税金として、銀貨1枚をもらってる」
前もって、銀貨1枚を黒クマさんが咥えているので、門兵に渡す。
「あと、犯罪経歴も調べているから、この水晶板に手を置いてくれ」
「置くだけでいいの?」
「僕ちゃんの魔力に反応して調べるから」
手を水晶板に置くが反応はない。
「大丈夫だな」
この世界に来て早々、犯罪者じゃなくてよかった。
「タカお兄ちゃん、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だ」
「それじゃあ、ギルドにウルフを売りに行こうか」
タカは、この世界に来て、街へと足を踏み入れた。