タールグイへと渡る
フィナとシュリとシア
タールグイの光る桜の木に惹き寄せられたクラーケン3体の内の1体をシアとくまきゅうが倒す
ライトノベルとは。違います
ウォータースライダーで遊ぶ子供たち
監視:ルリーナさんとリズさんとアンズ
子供たち:ノア、ミサ、アリン、ネリン
ミル、ネル、ハル、メル、
浅いプールで遊ぶ子供たち
監視:ボウ院長先生、ニーフ、モリンさん
子供:チル、ヨル、リル、
アル、エル、ルル
特大クマさんの家→海岸
アンズ、フェルネ、ベトル、セーノ
翌日、朝食を食べ終わると、子供たちは水着に着替えるために、部屋に向かう。
その後をリズさんやニーフさんが追いかけていく。
「ノアたちはどうするの?」
「わたしは、町に行くつもりです。お父様に、遊ぶだけではなく町を見るように言われていますので」
「それじゃ、シアとミサも?」
「うん、わたしもしっかり見てくるように言われているから、ノアと一緒に行くよ」
「はい。わたしもお爺様に見てくるように言われています」
貴族って大変なんだね。でも。
「僕も無関係ではないから、ミリーラの町を案内をするよ♪」
「では、午後には町の視察が終わるので、そしたら、タカさん遊びましょうね」
「そういうことだから、フィナとシュリはティルミナさんと海で遊んでいてね♪」
「この埋め合わせは、してもらいますからね。タカお兄ちゃん♪」
「タカお兄ちゃん、絶対ですよ」
ティルミナさんとフィナとシュリに断りを入れ、僕はノアたちと一緒に特大クマさんの家を出ていく。
僕が始めに紹介したのは、この町1番の宿屋、そして、港で鮮魚の
町の食堂に、服屋、雑貨屋、冒険者ギルド、最後に商業ギルドの視察を終え、僕たちはフィナとティルミナさんたちが待っている、海岸へと向かった。
僕がノアたちと海にやってくると、子供たちは海辺で楽しそうに遊んでいる。
クマ型海の家では院長先生とモリンさんが楽しそうに話している姿がある。
あまり一緒にいない組み合わせなので、新鮮に感じる。
「タカお兄ちゃん、やっと来てくれました♪」
海辺で遊んでいたシェリーが駆け寄ってきた。胸のところにに「シェリー」と書かれたスクール水着を着ている。
「その、タカお兄ちゃんに海まで連れてきてもらっていて、言っていいのか迷っていたのですが。......海での遊びに飽きちゃいました。ごめんなさい。言い過ぎま.....」
僕は、考えてみる。.........。あっ♪
僕は海に向かって立つと、大きなクマを波打ち際に作りあげる。クマは海のほうを見るように両足で立つ。もちろん、クマの姿はデフォルメされている。そして、クマにした理由は強度が高くなるためだ。
「クマさんです」
「大きいです」
「これは、何ですか?」
「タカさんタカさん」
「タカお兄さま♪」
「タカ.....これは」
シュリとフィナとシェリーに続き、ノアとシアとミサの反応も面白い♪
僕は巨大クマに近づくとクマの足の後ろ部分に穴を開けて中に入る。クマの中は空洞になっている。中が暗いので、雷の玉を出す。クマの顔をした雷の玉がクマの体の中を照らす。
クマの中を明るくした僕は
「フィナ、ちょっと、滑ってみて」
後ろの階段のところで、僕がすることを見ていた6人の中からフィナを選んで、お願いをする。
それを見ていた5人がぶーぶー、言い始める。
「タカ兄ちゃんは、いつもお姉ちゃんが先なのですね!」
「そうなんですか、シュリ?それは、いけません、タカさん!」
「いけませんよ、タカお兄さま」
「タカ。それは、ズルいです」
「わ....私も、ズルいと思います」
僕を囲んで、5人が文句を言っている。
「それは、仕方がないよ。僕の1番の彼女なんだから♪ねっ、フィナ♪」
「は......はい。タカお兄ちゃん♥テヘッ」
「それじゃあ、仕方がないですわね。でも、今回ですからね♪次からは、
「タカお兄ちゃん、これは何ですか!?」
「えっと、ウォータースライダーっていって、滑って遊ぶものだよ」
「私が、先に滑ってもいいんですか?」
「いいんだよ。そして、ここに座って、海に向けて滑っていくんだよ」
フィナは、始めはびくびくしていたが、僕が先に滑って、大丈夫なのを確認できたからなのか、滑り台に座って滑り始めた。
フィナは無事に滑り、海の中に着水する。
それを見ていた、シュリにノア、シアにミサが次々に、巨大クマさんに上ってくる。
「タカお兄ちゃん、もう1回滑っていい♪」
そ後から、着水してびしょ濡れのフィナがもの凄い楽しそうな表情で
尋ねてくる。髪からは水が流れ落ちている。どうやら、フィナは気に入ってくれたみたいだ。
「この上にも作るから、少し待っていてね」
僕は螺旋階段の上に上り、クマの頭の位置までやってくる。
えっと口はこのあたりかな?
お腹同様にクマの口に穴を開ける。お腹の位置より高くなり、見張らしもいい。さっそく僕はクマの口をスタート地点として、ウォータースライダーを作る。こっちは上級者向けにカーブをつかたり、螺旋にしたり。スロープをつけたりもする。もちろん、途中で飛び出さないように、安全対策も忘れない。
最後に水の魔石を設置して完了。
「フィナ、来て」
フィナに声をかけると、ぷりぷりした5人も上がってきた。高いせいか、フィナは少し怖がっている。なので、僕は震えているフィナの手を取り、滑り台に座る。
「え?えっ.....タカお兄ちゃん?.....」
「大丈夫、大丈夫だから、ねっ。僕と一緒にだったら平気?」
「は....はい♪」
フィナを僕の前に座らせて、滑り始める。
滑り始めて、左右に揺られ、くるくると螺旋を回っていく。最後にスロープがあり、着水する。
「わたしも滑るぅ!」
シュリが手を挙げて、滑り台に座り、滑り出した。その後から、シアが滑り、シアの着水を確認してから、ノアが滑り、着水を確認して、ミサが滑り、最後にシェリーが滑ってきた。
「も~、酷いです。いくら一緒にタカお兄ちゃんが滑ってくれているからって」
「ごめんね、怖かった?」
「ちょっと怖かったけど、楽しかったです。でも、心の準備は欲しかったです」
あとはクマの中が暗いので、クマの目に穴をあけたりして、外の光を取り込むようにする。
うん、これで完成だね。
僕が満足げにクマのウォータースライダーを見ていると、カリンさんとネリンが子供たちを連れてやってきた。
「タカくん、これはなに?」
カリンさんがクマのウォータースライダーを見ながら尋ねる。
「ウォータースライダーっていう、滑って遊ぶ遊具だよ」
「ウォータースライダー?」
「見てもらったほうが早いかな」
と、フィナにお願いしようと、ノアとミサが手を挙げた。
「ノアとミサ、自分が大丈夫なところから、滑ってきて」
「はい。タカさん♪」
「はい、タカお兄さま♪」
ノアとミサがクマの中に入り、階段を上っていく。そして、お腹から現れると思っていた僕は、2人がクマの口のところからノアとミサが現れてビックリした。
「わたくしが最初にいきます!」
「ノアねえ様、お願いします」
ノアがクマの口の上から叫ぶと、腰を下ろし、滑ってくる。ノアの体は左右に揺れ、くるくると、螺旋を回り、最後にスロープを滑って、そのまま僕とフィナと同じように海にバシャッと落ちる。あとから滑っミサも少ししてから、海にバシャッと落ちる。
「面白そうなものを作ったわね」
「タカお兄ちゃん、わたしもやっていい」
「わたしも」
「アタシも」
子供たちがノアたちの楽しそうな姿を見て、次々に声をあげる。
まあ、もともと、みんなのために作った。だから、遊んでもらうのは問題はない。監視してもらう人は必要だ。
ルリーナさんとリズが危なくないように、見ていてくれるという。
滑り方を教えて、ウォータースライダーで絶対に立たない、走らない、順番は守る。前の人が滑り終わってから滑ること、などの説明をする。
「タカくん、わたしたちも遊んでいいんだよね」
アリンさんとネリンが目を輝かせている。
「いいけど、子供たちのことも見ていてね」
「「は~い♪」」
「それじゃ、わたしが危険がないか、1番ね」
「カリンお姉ちゃんずるい。それなら、わたしが2番」
「カリンお姉ちゃんもネリンお姉ちゃんもずるい」
「ほらほら、騒がない。別に逃げたりしないから、順番よ。約束が守れなかったら、これは片付けます。い・い・か・な♪」
「「「「「「「「イエス・サー」」」」」」」
「うむ、よろしい♪」
「それじゃ、みんな行こうか」
「は~い」
カリンさんとネリンは子供たちを連れて、クマのウォータースライダーの中に入っていく。
そして、クマの口からカリンさんが現れ、滑ってくる。「うわぁ」とか「きゃあ」とか叫びながら、滑り落ち、最後は海に落ちる。
「タカさん、凄く面白いです」
「それなら、よかった」
それから、ネリンや子供たちも楽しそうな声を出して、滑っている。
すべり台は2つあるから、それほど並ばなくても順番が回ってくる。幼稚園ぐらいの子はクマのお腹から出る小さなすべり台で遊ばせ、小学生以上の年齢は上級者向けの口から滑るスライダーで遊んでいる。
子供たちは「きゃっきゃっ」と騒いでいる。こう見ると平和だ。とても、魔物がいる世界とは思えない。
階段を走るとリズに注意され、ゆっくり上るようになる。
転んで怪我をしたら大変だからね。
特大クマさんの家での用事が終わったのか、アンズとセーノさんたちもやってきて、遊び始める。
そんななか、ルリーナさんは
「魔法をこんなことに使うなんて信じられないし、簡単に作りあげてしまうタカくんの魔力に
魔法使いであるルリーナさんがそんな感想をもらす。
動く島に行くために、みんなの目をクマのウォータースライダーに向けるのを目的に作ったけれど、みんなが喜んでいる姿を見ると、作ってよかったと思う。
さらに、ルリーナさんも「アンズちゃんに監視役を頼んで、わたしも遊んでこようかしら」と言って、クマのウォータースライダーの中に入っていく。
これで全員の目がクマのウォータースライダーに向いた。
ノアたちもクマのウォータースライダーに目が向いている、様子を見て抜け出して、動く島に行こうと考えていると、横から誰かが、僕の手を握る。横を見ればフィナとシュリの姿があった。
もしかして、気付かれた?
「タカ兄ちゃんも一緒に遊ぼ」
「えっと、僕はいいよ」
遊んだら、謎の島に行けなくなる。
「はい、タカお兄ちゃん。一緒に遊びましょう」
「今日は遊ぶ約束したよ」
2人は僕の手を左右から引っ張る。
フィナとシュリに頼まれては断ることもできない。甘いと言えばそれまでだけれど、2人の手を振りほどいてまで、謎の島に行こうとは思わない。だからと言って、島も捨てきれないけれど。
だから、僕は2人にはこう言う。
「少しだけだよ」
「はい!」
「うん!」
2人は嬉しそうに返事をする。
でも、その約束は別の理由で、本当に少しだけになった。
そう、自分の体力のなさを考慮していなかった。
僕たちは子供たちに交じって、クマのウォータースライダーに並び、もう1度フィナたちと一緒に滑った。
自分で作ったけれど、意外と面白い。
フィナとシュリに何度も「もう1度」とお願いされ、階段を上り、ウォータースライダーを滑った。
僕は楽しかったから、断らなかった。
でも、僕には何度も螺旋階段を上がる体力はなかった。
黒クマさんの靴と白クマさんの靴がない僕の足がその苦行に耐え切れるわけもなく、
「タカ兄ちゃん、大丈夫?」
シュリに手を引っ張られる僕。
もう、階段を上ることはできない。足の限界だ。足がピクピクしている。
そんな僕の目の前では子供たちが元気に階段を駆けるように上っていく。
いつも思うけれど、子供の体力は凄いね。僕の体力は子供以下だ。
僕は海の家で休むことにする。
フィナとシュリは、まだ遊びたそうにしていたので、「遊んでいいよ」と言って、僕はふらつきながら1人で海の家に戻ってくる。そして、海の家の中に倒れる。
「ふふ、タカさん、お疲れさまです」
院長先生が微笑みながら冷えた水が入ったコップを差し出してくれる。僕はお礼を言って受け取る。
「それにしても、タカさんは本当に凄いですね。簡単にあんな大きなものを作ってしまって」
「院長先生のほうが凄いですよ。身寄りのない子供たちの面倒を見るなんて、簡単にできません」
僕の力は神様かはのもらいものだ。でも院長先生の行いは自分の力によるものだ。比べること自体が間違っている。凄さのベクトルが違う。院長先生は自分に力がなくても、子供に手を差し伸べる。もし、自分に余裕がなければ他人に気を使うことはできない。そう考えるだけでも院長先生は凄いと思う。
「ふふ、そんなことはないですよ。タカさんがいなかったら、あの子たちはあんな笑顔はできませんでした。だから、タカさんには感謝しています」
あらためて褒められると、恥ずかしくなってくる。僕は院長先生が用意してくれた残りの水を一気に飲み干して、恥ずかしさを紛らした。
それから院長先生から、あらためて
僕は動く島に行くのは保留して、院長先生とモリンさんと会話をしたり、昼食の準備を手伝ったりした。
子供たちはお昼を食べると遊びの疲れが出たのか、お昼寝をする子も出てくる。
こういうところを見ると、子供は子供なんだと思う。
リズさん、ニーフさんも子供たちの相手で疲れたのか、一緒に寝ている。
僕が海の家に寝ている子供たちを見ていると、昼食の片づけを終えたカリンさんとネリンがやってくる。
「たくさん遊んで、たくさん食べたら、寝ちゃったね」
「子供たち元気すぎるからね」
「2人とも楽しんでいる?」
「うん、楽しんでいるよ」
「こんなに遊んだの、久しぶりかも」
「初めは、この格好で遊ぶのは恥ずかしいと思ったけど、みんなが着ているから」
「タカさんに見られるのは、は.....恥ずかしいけどね♪」
僕が倒れるまで、一緒に遊んだ。
僕は、海の家で、
クマのウォータースライダーで
フィナとシュリ、ノアとミサ、さらにシアまで、倒れている僕を心配そうに見ている。
「大丈夫です。少し疲れただけだから」
「タカさん。わたしを護衛してくれたときの黒虎やウルフを倒した格好いいタカさんや、わたしのためにルトゥム様と試合をしてくれた強いタカさんはどこにいったんですか」
倒れている僕を見て、シアが不思議そうに見ている。
そうだよね。シアは僕の戦いを見たことがある数少ない人物になる。黒虎との戦いを見たシアからしたら不思議に思うのは仕方がない。
「シアも知っているよね。僕がクマさん装備を脱いだら、シュリよりも弱いってこと」
シアは、テヘッとベロを出して
「ごめんね、タカさん。わかっているけれど、弱っているタカさんを見たら、言いたくなったの、これで許して♪チュッ」
「「「「「「「あぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」
動く島に行くために、クマのウォータースライダーを作ったけど、一緒に遊ぶ羽目になって、こんなに疲れるとは思わなかった。
でも、みんなが遊びに夢中になっている今がチャンスだ、
僕は腰を上げる。
ピンチはチャンスとはよく言ったものだ。
僕はクマさんボックスからクマさん更衣室とクマさんの
そして、僕は神聖樹のお茶を出して飲む。効果はあるか分からないけれど、飲まないよりは疲れが取れるはずだ。
でも、なんとなくだけれど、疲れが取れる感じがする。
あとは気付かれないように海の家を離れるだけだ。
「タカさん、どこかにおでかけするのですか?」
海の家に残っている院長先生が声をかけてくる。
モリンさんも僕のことを見ている。
「ちょっと、行きたいところがあるので行ってきますね。子供たちのことはお願いします」
「ええ、気をつけて行ってくださいね」
「でも、夕食までには帰ってきてちょうだいね」
クマさん更衣室をクマさんボックスに仕舞い、あとのことは院長先生とモリンさんにお願いして、海の家を出ようと入り口を見ると、フィナとシュリの2人の姿があった。
「ど.....どうして、フィナとシュリがここに?みんなと一緒に遊びに行ったんじゃ」
2人の登場に僕は慌てる。ちゃんと、海の家を出ていったのを確認した。それがなんでいるの?
「シュリが、トイレに行きたいって言いだしたから、戻ってきたんです」
トイレに駆け込んでいくシュリの姿がある。
漏らさないでよかったけれど、
「もしかして、タカお兄ちゃんはどこかに行くんですか?」
フィナなら本当のことを言っても大丈夫だとは思う。でも、シュリが話を聞いたら、「 お姉ちゃんばっかり、わたしもタカ兄ちゃんの彼女なのに」ってことになりかねない。どうしようかと悩んでいると、別のところから声をかけられる。
「タカさんは1人でどこかに行くみたいだよ」
声がした場所を見ると、クマさん冷蔵庫の前で飲み物を飲んでいるシアの姿があった。
「どうして、シアまで」
「遊びに行く前に水分補給をしに来ただけですよ。そしたら、タカさんがクマさんの更衣室を出して中に入り、着替え始めた時からよ」
........気づかなかった。僕は、院長先生とモリンさんに気を取られて、クマさん冷蔵庫が置いてあるほうを気にせず、クマさんボックスからクマさん更衣室やクマさん装備を出していたのか。
てっきり、ノアと一緒に海に行ったと思っていた。
そうなると、僕がクマさん更衣室に入って着替えるところと、院長先生との会話まで聞かれていたことになる。
「(この状況では、誤魔化せない)」
「タカ兄ちゃん、どっかに行くの?」
今度はトイレから戻ってきたシュリが尋ねてくる。
ううぅ、これ以上の嘘は.......。
すでにクマさんの格好はしておるし、院長先生との会話も聞かれているが、3人は僕の彼女だし誤魔化さなくても大丈夫だよね。
「タカ兄ちゃん、一緒に遊ばないの?」
シュリが
ここは、本当のことを言うしかないと、思った瞬間、フィナが何かを察した声をあげる。
「もしかして、あの急に現れた島に行くんですか?」
「よ、よくわかったね」
フィナに言い当てられて、僕は本当のことを口にする。
「しまった!」
「やっぱり」
これ以上、喋らないように僕は口を
「わたしは、タカお兄ちゃんの1番の彼女ですからね♪怪しい行動はお見通しです。それに、タカお兄ちゃん、クロお爺ちゃんに島のことを凄く興味深そうに聞いていました。船の上でも島の場所を聞いてました。あと、ノア様が島のことを話してきたら、ごまかそうとしていました」
フィナが理由を次々と並べていく。さすがフィナ。僕の1番の彼女!バレバレだったみたいだ。
「フィナの言う通り、ちょっと島を見に行こうとしていたんだよ。でも、みんなが一緒に島に行きたいと言い出したら困るから、黙って行こうと思ったんだよ。島になにがあるか分からないからね」
もし、僕が行くと言い出せば、ノアも「わたしも行きたいです」と言いだしたと思う。いくら彼女だからって、危ないかもしれないところに、おいそれと連れていけない!
「だから、ちょっと島に行ってくるけれど。みんなには内緒にしていてくれるかな」
「漁師の間で噂になっている島ですね。タカさん、わたしもついていっていいですか?」
「.......!?」
「えっと、シア?いくら僕の彼女でも、領主の娘を勝手に危ないところに連れていくのは」
「だって、面白そうだから、それに、危なくなってもタカさんが守ってくれるんですよね。わたしの彼氏ですもんね♪」
ここは姉妹と言うべきか。そうなると必然的に「わたしも行きたい」とシュリが言いだす。
僕は助けを求めるようにフィナを見る。
でも、フィナは僕の顔色を
「それにシュリをおいていくとノア様に知られると思いますよ」
「シュリちゃんが話さなくても、わたしが話すかもしてないけど」
シアが少しいたずらっぽく言う。
僕の味方は1人もいないのか、と院長先生とモリンさんのほうを見る。
「あらあら、おモテになるのね、タカさん。わたくしももう少し若かったら、アタックしようかしら♪」
「まあ、それはいいですね♪では、こちらからは、カリンとネリンを付けようかしら♪」
「まあ、わたしたちのことは冗談として、孤児院の子供たちと」
「カリンとネリンを」
「「よろしくお願いします、旦那様♪」」
八方塞がりで、遅かった!
でも、フィナがそんなことを言いだすのは珍しい。いつも一緒に居るからなー。
「その、タカお兄ちゃんと一緒に遊びたいです。あと、1番の彼女のわたしのお願いでも、だ・め・で・す・か?」
上目遣いでそんなことを言われたら断れないです。
今の上目遣い、かわいい♪カメラを持っていませんか?スマートフォンでも.....、それじゃあ、ダメだね♪絵画に?
「......みんなには内緒だよ。危なくないってわかったら、ノアやミサ、僕の彼女たちを呼ぶから、これは、偵察だからね」
「やった~」
「はい!」
ウォータースライダーを作って、みんなの興味をそっちに向けさせて出発する作戦は失敗に終わった。
「あと、僕の指示には従ってもらうからね」
くまゆるもくまきゅうもいるし、探知スキルもある。それに危険なことがあればくまゆるとくまきゅうに乗せて、3人を逃がす。でなければ、クマさんの家を出して、中に入ってもらう。
「でも、その格好じゃ連れていけないから、着替えてきて」
3人の水着姿を見る。
僕は私服に着替えさせたフィナたちを連れて、皆に気づかれないように海の家をあとにする。
さて、問題はどこから行くかだ。くまゆるとくまきゅうに乗っていくつまりだけれど。ここから出発すると、子供たちに気づかれる。
本当は港から行くのが1番だけれど、漁師もいるだろうし、港の近くの砂浜では僕たち以外の地元民や旅行者が遊んでいる。そんな人の目があるところから、くまゆるとくまきゅうに乗って行くわけにもいかない。
1度、町から出たほうがいいかもしれない。僕はフィナたちを連れて町の外に向かう。
「あれ、タカさん。港に行かないの?」
港に向かわずに町の外に向かう僕にシアが尋ねる。
「行かないよ。誰にも気付かれないように行くからね。1度、町から出て、それから、くまゆるとくまきゅうに乗って島に向かうよ」
「くまゆるちゃんたちに乗っていくんですか?でも、それだと服が濡れますよ」
「それなら服を脱いで、水着になればいいんじゃない?みんな服の下は水着でしょう。服はアイテム袋に入れていけばいいし」
フィナの言葉にシアは自分のスカートの裾を
泳ぐくまゆるとくまきゅうに乗れば濡れるかもしれないが、今回はスキルを使って海の上を走っていくつもりだ。海の上を走れば、服が濡れることはない。
町の外に出るために門の近くにやってくると、いつもの門番の男性がいる。
「坊っちゃんと嬢ちゃんたち、外に行くのか?」
「ちょっと、用事があって」
「まあ、坊っちゃんがいるから大丈夫だと思うが、気を付けるんだぞ」
僕は3人を連れて町を出る。そして、くまゆるとくまきゅうを召喚する。
「それじゃあ、3人とも乗って」
「乗ってって言われても」
「だれと?」
「どのような組み合わせで?」
この組み合わせは、初めてだ。だがしかし、迷う必要はない。なぜって、決まっているではないか♪
それは。
「僕とフィナ、シュリとシアで」
体格的に僕どシュリなのだが、シュリには悪いが、ここは1番の彼女のフィナ1択しかないでしょ♪
くまゆるにはシュリとシアが乗り、くまきゅうには僕とフィナが乗る。僕たちを乗せたくまゆるとくまきゅうは走りだし、町から離れていく。そして、しばらく進むとクラーケンと戦った
「クマ?」
「くまさんが海の中にいるよ」
「このクマさん。残してるんですね♪」
フィナの言葉に、シュリとシアが反応をする。
「お姉ちゃん、あのくまさんがわかるの?」
「フィナちゃん、あなたもしかして?」
「あ......あれは、この町の貿易の邪魔をしていたクラーケンを、タカお兄ちゃんが倒すために作ったクマさんです」
フィナから、この話を聞いて、
「だから、わたしたちが町の視察をしている時、町の皆さんが妙にタカさんに好意的だったのは、それが原因だったのね♪ますます、わたしが
「タカ兄ちゃんは、お姉ちゃんをウルフからたすけてくれた、命の恩人で彼氏さんです。シア姉ちゃん。わたしの彼氏さんでもありますが♪ちゅっ」
「あら。わたしの彼氏でもありますよ。シュリちゃん♪」
そして、崖の近くまでやってきた。3人は相変わらず海にあるクマを見ている。でも、出発するのは、このあたりがちょうどいいかもしれない。遠くにミリーラの町が見えるが、人が何をしているかなんて分からない。町から見ればゴマ粒にしか見えないはずだ。
「それじゃあ、ここから島に向かう」
「タカお兄ちゃん服を脱がないと服が濡れちゃうよ」
「大丈夫だよ。あの島に合ったクマさんの家を建ててクマさんの転移門を置く部屋を作って、いつでも行けるようにするからね♪そのための偵察なんだからね。くまゆる、くまきゅう、お願いします」
くまゆるとくまきゅうは「「くぅ~ん」」と鳴くと海に向かって飛びだす。
「服が!」
「..........!」
「........!?」
くまゆるとくまきゅうは海に飛び込むことなく。海の上を走りだした。
フィナたちは叫ぶが、くまゆるとくまきゅうは海には飛び込まず、涙が寄せる中、海の上を駆けていく。
「く......くまゆるちゃんが、海の上を走ってるよ!」
シュリが初めてくまゆるとくまきゅうに乗ったときのように大喜びする。僕の前に座っているフィナとシュリがくまきゅうから落ちないように後ろから
僕はどこで人が見ているか分からないので、くまゆるとくまきゅうには陸から離れるように指示を出す。
「タカお兄ちゃん!くまゆるとくまきゅうが海の上を走っています。どうなっているんですか!」
我に返った僕に抱きしめられているフィナが、体ごと僕のほうに向き直り、抱きしめてきた♪ご褒美を有難うございます♪
「凄いです、タカお兄ちゃん♪」
「くまゆるとくまきゅうの能力だから、僕が凄いんじゃないな」
「くまゆるちゃんとくまきゅうちゃん小さくなれることにも驚いたけれど、今回のことも驚きました」
僕に抱きついているフィナと落ちないように後ろからシュリを抱きしめているシアが海の上を走るくまゆるとくまきゅうを見て、そんな感想をもらす。
「でも、こんなことができるなら、初めに言ってほしかったです。海に飛び込んだ瞬間、心臓が止まるかと思いました。ねぇ、シュリちゃん♪」
「服が濡れるって思ったよね。シア姉ちゃん♪」
「でも、水しぶきで、少し濡れるかもしれないから、気をつけてくれ」
「でも、ノアじゃないけれど、くまゆるちゃんとくまきゅうちゃんは欲しくなるね。って言っても、わたしたち、タカさんの彼女だから、欲しがる必要がなかったね。シュリちゃん♪」
「そうです!わたしたちは、タカ兄ちゃんの彼女なのです♪えっへん♪」
くまゆるに乗っているシュリとシアが、くまきゅうに乗っている僕のほうを見て、女性の顔をしていた。
「お母様にいいお土産話ができました」
「話してもいいけど、その時は、
僕は、予備にたくさん作っていた白クマさんフォンをクマさんボックスから取り出して、並走しているくまゆるに乗っているシアに渡す。
「これは、何ですか?」
「わたし、
自分だけ持っていないから、シュリが上目遣いで僕に頼んできた。だれがこの眼差しに抗えようか。否、抗えまい。なので、クマさんボックスから白クマさんフォンを取り出して、シュリにも渡す。すると、シュリは満面の笑みで喜んでくれた♪
ミリーラに帰ったら、白クマさんフォンを彼女の人数分と連絡ようにボウ院長先生とモリンさんにも渡しておこう。
くまゆるとくまきゅうは海の上を走り、陸から離れる。僕はクマさんの地図で謎の島の位置を確認する。地図が一定の距離しか把握できないのは不便だが、昨日、クロお爺ちゃんに近くまで行ってもらったので、おおよその方角は分かる。えっと、港があっちだから、島はこっちの方角だ。
僕はクマさんの地図を見ながら、昨日、クロお爺ちゃんに教わった謎の島にくまゆるとくまきゅうを向かわせる。
「あ、タカ兄ちゃんが作った、くまさんが見えるよ」
落ちないように後ろから抱きしめられているシュリが、遠くの海岸のほうを指さす。その指の先にはクマさんのウォータースライダーがある。大きなクマさんのため、離れた位置からでもよく見える。でも、クマさんのウォータースライダーで遊ぶ子供たちの姿は、
その程度なら、向こうから僕たちが見えても、同じようにしか見えないはずだ。
「ここから、ノアたちの姿が見えたりはしないよね」
「ノア姉ちゃん?見えないよ。シア姉ちゃん♪」
「はい、小さくて見えません」
「
クマさんの地図を確認しながらしばらく走り続けると、目的の島が見えてくる。クロお爺ちゃんが教えてくれた方向と、地図を照らし合わせる。間違いなくあの島だ。
クロお爺ちゃんの話じゃ、
「あの島がそうなの?」
「教えてもらった情報が間違いがないならな」
クロお爺ちゃんは年はいっているけれど、ボケてはいない。他の漁師より、しっかりしているぐらいだ。見間違えることはないはずだ。
島に近づくと、くまゆるとくまきゅうの速度を落とす。
「それじゃあ、島に行く前に注意事項の確認。危険があったらすぐ戻る。勝手に行動しない。そうだね、シアには、この「クマさんソード」でフィナとシュリが危なくなったら守ってね♪あと、フィナとシュリのことは、信用しているけれど、僕の指示があるまで、くまゆるとくまきゅうからは降りちゃダメだから」
「はい」
「うん」
ちゃんと返事をしてくれる2人。
もし、危険なことがあれば、くまゆるとくまきゅうの上に乗っていれば逃がすこともできるし、シアにも頼んだけれど、僕も護ることができる。
「わたしは守ってくれないんですか?フィナちゃんとシュリちゃんのことは、しっかり守りますけれど」
「ちょっとしたことなら、シアに渡したクマさんソードで防衛できますよ。
「タカさん、このクマさんソードに付与している五大属性魔法を教えておいてください」
「クマさん炎魔法にクマさん水魔法、クマさん風魔法にクマさん土魔法、最後にクマさん雷魔法の5つが付与されています」
シアは嬉しそうに微笑む。
3人に注意事項を伝え、さらに島に近づく。
クロお爺ちゃんの言うとおりに島の周囲には大きな渦潮がうねっている。さらに島の周りは不自然に波が立っていたりする。
これじゃあ、船で島に上陸するのは簡単にできないね。渦潮に巻き込まれれば、
「タカお兄ちゃん、水がぐるぐると回っているよ」
「タカ兄ちゃん。怖い」
前に座るフィナが僕のほうを向いて抱きついてくる。シュリはシアに抱きついている。
確かに、近くで見ると怖いかもしれない。見ているだけで、渦潮に吸い込まれていく気分になる。
「くまゆるに乗っていれば大丈夫だ」
「でも、これじゃ島に近づけないですね」
シュリはシアに抱きつきながら、尋ねる。
「このぐらい、くまゆるとくまきゅうなら大丈夫だよ。問題は島に上陸する場所だね」
船じゃ無理だけど、僕たちが乗っているのは船じゃない。くまゆるとくまきゅうだ。過去に激流の川を渡った経験もある。渦潮ぐらい、どうってことはない。僕は島を右回りに回って、上陸しやすい場所を探す。1部、崖が低い場所を見つけた。ここから島に上陸することにする。
「渦潮の上を通るから、ちょっと揺れるかもしれないから、しっかり
掴まっていてと言うと、くまきゅうを掴まなくてフィナは僕のほうを向いて抱きしめる。
「本当に渦潮を越えちゃった」
「くまゆるちゃん、凄い」
まずは、探知スキルを使って、周囲の確認をする。範囲内には魔物の反応はない。くまゆるとくまきゅうも危険を知らせる反応は示さない。でも、魔物の危険がなくても普通の獣がいる可能性もある。
僕はくまきゅうから降りる。
「2人は降りちゃだめだから」
「はい」
「うん」
2人は返事をする。
「こういう場所に来ると、ワクワクしてきますね」
くまゆるから降りると僕が渡したクマさんソードを腰にぶら下げる。
確かにワクワクする。新しい場所に行くのは楽しい。でも、それは1人より、フィナたちがいるからかもしれない。ゲームもソロより、彼女たちと一緒だと楽しいから。
「タカ兄ちゃん、お宝あるかな?」
シュリが目を輝かせながら尋ねてくる。もしかして、お宝が欲しかったから行きたいって言いだしたの?
「さあ、どうかな?周囲はお宝が欲しいの?」
「見つけたら、お母さんにあげるの?そして、彼女が多くなるタカ兄ちゃんの足しになるかなって♪」
「えっと、シュリさん。なぜ、僕の彼女が増えると思うのかな?」
僕の返答に、シュリが首をこてっと、傾げながら頬を赤らめる。
え......なに?
「だって、ねぇ、お姉ちゃんとシア姉ちゃん♪」
「そうだね、シュリ♪」
「そうですね、シュリちゃん♪」
え.......えっ、3人はわかるの?
「タカ兄ちゃんは、カッコいいからね♪」
「「はい♪」」
まずは島の地形を確認するために、海沿いを回ることにする。先頭は僕とシア、後ろをくまきゅうに乗るフィナ、くまゆるに乗るシュリと続く。
見た感じ、長い間、人が通った形跡はない。草木も生え放題だ。中心に行く前に海岸線を軽く確認することにする。
島の海岸を歩く。海岸線は意外と草木が少なく歩きやすい。
「海がぐるぐると回っています。見ていると、飲み込まれそうです」
歩みを止めて、崖から下を見ていると、シアが表情を強張らせる。
「くまゆるくまきゅうとなら助けられるけれど、だからといって、落ちないでね」
「落ちませんよ!もう、タカさんたら、意地悪です」
「でも、遠くは
確かに、フィナの言う通り、遠くには綺麗な青い水平線が見える。
「タカ兄ちゃん。この海の先には何があるんですか?」
「う~ん、行ったことがないから分からないけれど、ずっと先には陸があって、そこには見知らぬ人が暮らしていると思う」
ファンタジーだと、強い魔物が住む大陸があったり、人とは違う種族が住んでいたり、魔族が住んでいたりする。でも、こな海の先には、お米の国、和の国があるらしい。
「「見てみたいです。......あっ、見てみたいと言うか、行ってみたかった国、タカお兄ちゃんが住んでいた、マリーブラッド王国に行きたかったです♪」
「わたしも~、見てたかったです」
「僕が居た国は失くなったけれど、そうだね。この海の向こうに、いつかは行ってみたいな」
あつかは別の大陸に行ってみたいものだ。ここから行くならまずは和の国になるのかな。
「とりあえず、危険だから、あまり近づいたらダメだから」
フィナたちは「は~い」と返事をすると、フィナとシュリを乗せたくまゆるとくまきゅうは崖から離れる。
僕たちは崖には近寄らないようにして、海岸線を歩く。
トコトコと歩いていると、くまきゅうに乗っているフィナが声をあげる。
「タカお兄ちゃん。オレンがあります」
目の前にオレンの実がなっている木があった。
まあ、見た目も味も、そのままオレンジだ。クリモニアにも普通に売っているので、よく買って食べている。
オレンの木は何本もあり、誰も採っていないので、たくさん実がなっている。
やっぱり、人はいないみたいだ。
僕は軽くジャンプして、美味しそうなオレンを採る。そして、みんなに配る。
「美味しそうです」
「ありがとうございます」
「タカさん、簡単に凄いことをしますよね」
皮を
「くまゆるちゃん、あ~ん」
シュリが手を伸ばしてくまゆるの口の前に差し出すと、くまゆるは首を曲げて上手に食べる。それを見たフィナがマネをして、くまきゅうに食べさせる。
さらに歩くとリンゴがなっている木を見つける。
フィナが食べたそうにしていたので、オレンと同様に採ってあげる。
もしかして、この島は果物の宝庫?
「誰も採りにこないから、果物が食べ放題ですね」
シアが美味しそうに果物を食べている。
確かに誰も来ないので、果物は手つかずになっている。
まあ、島の周りに渦潮があれば、簡単に島に上陸することは難しいし、果物のために来るのはリスクが高すぎる。
「それに綺麗な場所ですね」
シアの言う通り、遠くを見る分には見晴らしはよく、綺麗だ。ただ、崖の下を見ると渦潮がうなっているので、怖さも感じる。天国と地獄の境と言われても違和感はない。
1番の不安はフィナとシュリが落ちないかだけれど、2人とも言い付けを守ってくまきゅうとくまゆるに乗っているので、その心配もない。
シュリのほうを見ると先ほど採ってあげた2つのリンゴの1つをくまゆるにあげて、もう1つのリンゴを小さな手で持って、美味しそうにかじっている姿がある。
「くまゆるちゃん、美味しいね」
「くぅ~ん」
同様にフィナもくまきゅうに食べさせている。
果物がこんなになっているなら、クマさんの転移門を置いて、好きなときに採りに来るのもいいかもしれない。
そのためには、クマさんの家を建てなければ。
そんなことを考えながら歩いていると、フィナがなにかを見つける。
「タカお兄ちゃん。緑色の変な形のものがあるよ。あれも食べられるのかな?」
「バナナという、食べ物だね」
「美味しいの?」
「美味しいけれど、まだ、食べられないかな」
「そうなの」
シュリが残念そうにする。
でも、僕も食べたいし、今度採りに来ようかな。
そう考えるとやっぱりクマさんの家を建てて、クマさんの転移門を設置したいよね。
それにしても、おかしい。
僕はあらためて周囲に生えている植物を見る。
やっぱりこの島はいろいろとおかしい。
「タカさん。この島、なにかおかしくないですか?」
「シアもそう思う?」
地域や季節がバラバラの果物の木があったり、植物が生えている。あれは
でも、それが育つかは別の話になる。
「わたしも学園にある図鑑で見ただけだから、はっきりとは言えませんが、違う地域の植物が生えてます」
「だよな」
シアの言葉に僕は
初めはオレンやリンゴがあることに喜んだけれど、バナナとか椰子とか、同じ島にあるなんて
もしかして、変な島に来ちゃったかな?
もう1度、探知スキルで確認するが、魔物の反応はない。僕の考えすぎならいいんだけれど。
「そんなに変なんですか?」
なにが変なのか分からないフィナが尋ねてくる。
「そうだな。あの木がリンゴの木と一緒にあるのが、まずおかしいね」
僕はバナナがなっている木をさす。
「植物はね、その地域によって、育つものが違うんだ。気温や降水量とかの関係で」
「降水量?」
「雨の量のことだよ。雨が降らない地域や、雨がたくさん降る地域もあるんだ。だから、そういう場所でしか、育たないものもあるんだ」
「そうなんですね。知りませんでした」
まあ、フィナもシュリも学校に行っていないし、初めて見る植物もあるだろうし、知らなくても仕方がない。
「わたしも学園で知ったから、恥ずかしがることはないよ」
シアがフォローしてくれる。
僕たちは周囲を確認しながら、島を半周ほどすると、
こらは本当にいい島を見つけたのかもしれない。
僕がそう思っていると、くまきゅうに乗っているフィナがなにかを見つけた。
「タカお兄ちゃん、あれは?」
フィナが指さす先には不自然に大きな石がある。フィナを乗せたくまきゅうは大きな石に近寄る。
「これは石碑?」
僕の背よりも高い石碑に文字が刻まれている。
一瞬、誰かのお墓かと思ったが違うみたいだ。石碑は長い間放置されていたのか、薄汚れている。僕は水魔法を使って、石碑の汚れを落とす。
えっと、なんて書かれているのかな?
『この島に来た者者へ告ぐ。この島に来た者が悪意を持つ者でないことを祈る。もし、偶然に島に来た者がいたら、島が動き出す前に立ち去るがよい』
「立ち去ったほうがいいと言われても、普通の人は来ることはできませんよね」
シアの言う通りに、島の周りにある渦潮のせいで、島に来るのは容易ではない。同時に島から出ることも容易ではない。
あと、気になるのは悪意を持つ者というところと、この石碑を作った人は島が動くことを知っているということだ。
「.......クリュナ=ハルク」
僕が続きを読もうとすると、シアが1番下に書かれている文字を見て、驚いている。
「どうしたの?」
「ここにクリュナ=ハルクの名が」
シアは名前が書かれている
「誰?」
「タカさん、知らないんですか!?」
うん、フィナたちにはマリーブラッド王国の皇太子ってことにしているけれど、異世界から来ている僕は知らない。もしかして、超有名人で知らないとまずい人?僕はフィナとシュリのほうを見る。
「知りません」
「わかんない」
よかった。知らない仲間が2人もいた。
それほど有名な人物ではないみたいだ。シアの口ぶりからして、誰でも知っている名前かと思った。もし、超有名人だったら、怪しまれていたかもしれない。
「え~~、3人とも知らないんですか?クリュナ=ハルクですよ。クリュナ=ハルク」
何度も名前を連呼されても、知らないものは知らない。歴史上の人物だろうと、現在生きている有名人だろうが、異世界歴が数ヶ月の僕の知識の中に、そんな人物は登録されていない。
「それで、誰なの?そのなんとかハルクって」
「クリュナ=ハルクですよ。Aランク冒険者で、冒険家で有名な」
シアは力を込めて言うが知らないものは知らない。
「ごめん、知らない」
「はい、知らないです」
「知らないよ」
3人に言われて、シアは落ち込む。
「冒険者なら、みんな知っていると思っていました」
「それで、そのクリュナ=ハルクって誰なの?」
「冒険者なら目指す者もいますし、学園の教科書にも書かれています」
「冒険者なのに?」
「どちらかというと、冒険家として有名です、危険な地域や、誰も見たことがない魔物を討伐したり、凄い人なんですよ。クリュナ=ハルクのおかげで、多くの新事実が判明してきました」
シアは興奮気味に説明する。
クリュナ=ハルクって、そんなに凄い人だったんだ。
「つまり、この石碑はクリュナ=ハルクって冒険家が作ったってこと?」
あらためて石碑を見る。
「誰かがクリュナ=ハルクの名を
「まあ、こんな誰も来られそうにない島で名を騙る必要はないから、本物の可能性が高そうだ」
僕は石碑に書かれている文字の続きを読むことにする。
『だが、タールグイの周囲は渦潮が強く、出ていくのは困難だろう。渦潮が強くて出れない場合は、この石碑から左手周りに行ったところに同様な石碑がある。その石碑の近くは渦潮が静まる時間がある。短いが島から出ることはできるだろう。石碑の中にアイテム袋が入っている。その中に小さいが船を用意してある。タイミングを見て、脱出することができるはずだ』
などと島から出る方法が書かれていた。
そして、最後にクリュナ=ハルクの名前が刻まれている。
「ちゃんと脱出方法を教えてくれるのは優しい人だね」
「タカお兄ちゃん、裏にも、何か書かれています」
フィナが石碑の裏を見ている。
僕も裏に回る。
『もし、この地について知る人間が現れたなら善意ある者だと信じる。石碑に触れ魔力を込めよ。選ばれし者なら、その先を示すだろう』
「その先を示すとはなんでしょうね?」
シアが覗き込むように見て、石碑に触れている。
「なにをやっているの?」
「え、だって、触れて魔力を込めよって書いてあるから」
だから、石碑に触って魔力を込めようとしたんだ。
「でも、なにも反応ないです。どうやら、わたしは選ばれし者じゃなかったみたいです」
「シアに悪意があるってことじゃない?ほら、善意ある者って書いてあるし」
「タカさん、酷いです」
シアが頬を膨らませる。こういうところはノアにそっくり、というか、ノアがシアにそっくりなのか。
「冗談だよ。選ばれし者って、魔力のことじゃないかな?魔力の込め方が足りなかったんだと思う」
まあ、このあたりはゲームなどでよくある設定だ。魔力値がいくつ以上で扉が開くとか。腕力値がいくつ以上で剣を扱えるようになるとか。
「僕がやってみる」
シアに代わって石碑に触れ、魔力を込める。すると石碑が輝きだす。
「眩しいです」
「うぅ、眩しいよ~」
「眩しい」
全員、目を閉じ、僕も黒クマさんと白クマさんで目を
目を開けて石碑を見ると、石碑の中から本が出てくるところだった。
僕のところにやってくると、黒クマさんと白クマさんの上に落ちる。
石碑の中から本?
「タカさん、大丈夫ですか?それとその本は?」
「その石碑から出てきたよ」
「タカさん。それはもしかして、クリュナ=ハルクの本ですか!」
「なにそれ?」
「クリュナ=ハルクが冒険した話が書かれている本です。文献としても信用されているんですよ」
なにか、ゲームに出てきそうなレア本みたいだ。
「そんな本がここにあるなんて、感動です。タカさん、見せてください」
今にも飛び掛かりそうな勢いで本を見つめる。
「わたしも見る~」
「わたしも見たいです」
僕はみんなが見えるように本を開き、確認をする。
えっと、『この本を手にしたということは善意あり、魔力を一定以上持つ者だと思う』
やっぱり、魔力が関係していたみたいだ。
でも、善意って、分かるものなの?
魔力で、汚い魔力とか、綺麗な魔力とか分かるとか?
漫画や小説だと、
どうやって判断しているのか分からないけれど、僕が善意がある者って言われると、恥ずかしくなってくるんだけれど、それ以前に僕が善意?自己中の塊のような人間だよ。この善意の判断基準、間違っているんじゃないかな?
まあ、考えても分からないので、僕の心が汚れていないと言われただけ、よかったとしよう。
僕が続きを読もうとすると、横から覗き込んでいた、みんなの口から予想外の言葉が出てくる。
「真っ白です」
「なにも書いていないよ」
「えっ、クリュナ=ハルクの本じゃないんですか!」
「なにって、ちゃんと書いてあるでしょう?」
僕にはちゃんと文字が書かれているのが見える。
「えっ、真っ白で何も書いてないですよ。フィナちゃん、シュリちゃん」
シアは2人に同意を求める。
「はい、何も書いていないです」
「うん、何も書いていないよ」
どうやら、本当にみんなには本に書かれている文字は見えていないようだ。
「クリュナ=ハルクの本で合っている。どうやら、僕にしか見えないみたいだ」
ってことは読むのも魔力が関係あるのかな?
それとも、石碑から取り出した人物しか読めないとか?
「そうなんですか?ううぅ、クリュナ=ハルクの本が読めないなんて悔しいです。タカさん、本には何が書かれているんですか?」
僕は軽くページを
「どうやら、そのクリュナ=ハルクって冒険家がこの島で調べたことが書かれている」
もしかして、この島の謎も書かれているんじゃない?
「見ることができないのは残念です」
シアは残念そうにするが仕方がない。
「それじゃあ、ちょっと読みたいから休憩にしようか」
魔物はいないみたいだし、危険な動物が近寄ってくれば、くまゆるとくまきゅうが教えてくれる。島が動き出したら飛び降りれば良い。
それに強い日射しの中、歩いてきた。くまきゅうとくまゆるに乗っているフィナとシュリは暑そうにしている。
僕たちは近くの木のしっに移動して、小休止することにした。
僕はフィナとシュリをくまきゅうとくまゆるから降ろし、3人に水を渡す。
「美味しい」
シュリは美味しそうに水を飲む。
「くまゆるちゃん、ふかふかだったから暑かったよ」
冬はぬくぬくとして、気持ちが良いけれど、夏はきついかもしれない。クマさんの着ぐるみのせいで、そのあたりは感じないから、分からなかった。
「3人とも、水分の補給だけはしっかりしてね」
僕はくまきゅうに寄りかかり、クリュナ=ハルクの本を読む。
『この島のことを何も知らずにこの本を手に入れた者のために伝える。この島はタールグイの上である』
タールグイ?聞いたことがない。この島の名前?
『できれば
それが島が消える理由だね。
『それから、この本は島にいるときにしか読めないので気を付けてほしい』
どういう原理になっているのか分からないけれど、なんでも島から離れると、本は石碑の中に戻っていくという。
クマさんボックスに入れたら、どうなるのかな?
シアの話を聞く限りじゃ、クリュナ=ハルクの本は価値がありそうだから、手元に置いておきたかったけれど。二度と手に入らなかったら困るので、確かめるのはやめておく。でも、お持ち帰りできないのは残念だ。
まあ、本を持っていかれでもしたら、次にこの島に来た人が困るから、そのようになっているんだと思う。
でも、島に来ればいつでも読めるなら、それはそれで問題はない。僕にはクマさんの転移門がある。そうなると、どこかに設置したい。
「タカさん、なにか分かりましたか?」
僕が読んで考えごとをしていると、オレンの
「そうだね。シアはタールグイって知っている?」
「タールグイですか?あのタールグイですよね?」
どのタールグイかは知らないんだけれど、そもそも初めて聞く名前だ。もしかして、タールグイも一般常識?
クリュナ=ハルクのこの本にも『ここはタールグイだ』って いきなり書いてあったし。
「タカさんはタールグイのことを知らないのですか?」
僕の反応を見たシアが尋ねてくる。
「うん、知らないけれど、もしかして、クリュナ=ハルクみたいに有名?」
素直に答える。ここで知ったかぶりをしても意味がない。一応、フィナとシュリにもタールグイについて聞いてみたが「知りません」「知らないよ」って返事が返ってきた。
うん、よかった。フィナたちまで知っていたら、困っていた。
「う~ん。有名と言えば有名です。でも知らない人は知らないかもしれません。タールグイは伝説の海の生き物の名前ですよ」
「伝説......」
伝説の海の生き物って、亀?鯨?タコ?イカ?それとも僕が知らない生物?
でもタールグイって生き物ご魔物なら探知スキルに反応してもいいはずなんだけれどな。魔物じゃないってこと?魔物じゃなくても、危険な生物なら、くまゆるとくまきゅうが教えてくれるはずだ。でもくまゆるとくまきゅうを見ても、騒いではいない。危険があれば「くぅ~ん」と鳴いて教えてくれる。
でも、伝説って聞くと
「それで、そのタールグイがどうかしたんですか?」
「どうやら、この島がタールグイらしいんだけれど」
「それは本当なんですか?!?」
シアが驚きの声をあげる。
「このクリュナ=ハルクの本に書かれていることが本当ならね。それで、タールグイってなんなの?」
「タールグイは存在は確認されていますが、どこにいるか、どんな形態をしているかは分かっていません、でも、とても大きいらしいです」
この島全体がタールグイなら、生き物として確かに大きい。
でも、この島が生物なら動くのも納得だ。
「それで、そのタールグイって危険なの?」
そこが1番重要なところだ。危険なら、すぐにでも逃げたほうがいい。
「タールグイが出てくる話はいろいろあります。タールグイを襲った船が全滅させられた話もあれば、魔物に襲われていた船を助けた話もあります。さらに災害にあった村の住民を背中に乗せて、人々を救った話もあります。だから、タールグイを救いの神と
神としてね。まさしく聖獣だな。
まあ、くまゆるとくまきゅうも神様からの贈り物だから、聖獣いや、聖なる熊、
僕が聖熊のくまゆるとくまきゅうを見ると、可愛らしく「なに?」って首を
「それじゃあ、一応、危険はないってことでいいの?」
「タールグイは何千年と生きていると言われていますけど、今までに災害になるほど大事件は起こしていないはずです」
シアの話ではこの100年、タールグイの存在は確認されていないらしい。もし、人を襲っているなら、危険な存在として、広まっているはずだという。
確かにしうだ。人を襲う存在なら、タールグイが危険ってことで広まっていく。そもそも、タールグイは人を襲う以前に人の前に現れていないようだ。
「でも、わたしの話は、言い伝えや本に書いてあったことなので、当てにしないでくださいね」
まあ、こればかりは見たことがないんだから仕方がない。
「タカお兄ちゃん。それで、ここがそのタールグイ?っていう生き物の上なんですか?」
「どうだろう。さっきも言ったけれど、あくまでこのクリュナ=ハルクの本に書いてあることが本当ならだ」
こればかりは、確認のしようがない。この島がタールグイだという証拠はなにもない。タールグイが魔物で、探知スキルにでも反応があれば確信が持てるが、反応はない。
だから、今の僕では答えを導き出すことはできない。
「そのクリュナ=ハルクの本には、タールグイについて何か書いていないんですか?」
シアが僕が持つクリュナ=ハルクの本を見る。
僕は軽く本に目を通す。タールグイのことが書かれているページを見付ける。
『タールグイは言い伝えられているように危険はない。ただし、タールグイに危害を加えれば、身の安全は保証できない。この地に降り、この本を読んでいるということは善意ある者だと思う。できれば、なにもせず立ち去ってほしい。立ち去ったあとも誰にも言わずにいてほしい。これだけがわたしの願いである』
黙っておくのはいいけれど。立ち去るのは無理。
だって、動く島だよ。見知らぬ食べ物もあるんだよ。この島にクマさんの転移門を設置すれば、船に乗らずに見知らぬ土地に行けるようになる。欠点は好きなところに行けないぐらいだ。
だから、前半は了承するけれど、後半は却下だ。それと本を読む限り、タールグイを世間にしられたくないみたいだ。3人にも口止めが必要だな。
「タカさん。タールグイについて、なにか書かれていましたか?」
「シアの話通りに敵意を向けなければ大丈夫みたい」
だから石碑に悪意がある者でないことを祈るって書いてあったのか?
それに漁師の船が悪意を持って近づかなかったから、過去も含めて、なにも起きなかったってことになる。
もし、悪意を持って島に近付けばこの島が暴れるってこと?想像もしたくないんだけれど。
そもそも、このタールグイを倒して、メリットでもあるの?島だよ、島。敵対しないなら、放置でいいと思う。この島が陸に上がって、街を襲うならともかく海に浮いているだけなら被害はない。
そして、クリュナ=ハルクの願いを伝えておく。
「だから、このことは僕たちの秘密だからね」
「はい。わかりました」
「うん、誰にも言わないよ」
「..........」
「シア?」
黙っているシアを見る。
「こんな大発見を黙っているんですか?タールグイですよ。誰も見たこともない伝説なんですよ。自慢しないんですか?」
「しないな。.....あ、だから、あの石碑にシアが魔力を流し込んでも反応しなかったんだね♪あと、これは、クリュナ=ハルクの頼みだし。この話が広まって、人が押し寄せてきて、タールグイが人を襲うようになったら、シアの責任だからね♪それでもいいなら、広めればいいよ。あ、その時は、僕たち3人は関係ないからね♪シアだけの責任でお願いします!」
タールグイを調べる研究者が来たり、自分の名を上げるためにタールグイを倒しに来る冒険者もいるかもしれない。
そのことによって、タールグイを怒らせでもしたら大変なことになる。
「だから、クリュナって人も口止めをしているし。それに善意がある者として、この本を受け取ってしまったからには話したりはしない。もう1度言うよ!シアはそんなことを考える悪意ある者だから石碑に魔力を流し込んでも、反応がなかったんだね♪」
僕はシアに問う。だから、石碑には『善意ある者だと願う』と書かれていた。
僕がシアを苛めているって?これは、言いふらすのを改心させているんだよ。
「シア様?」
「シア姉ちゃん、悪い人なの?」
「「くぅ~ん」」
フィナとシュリ。それから、くまゆるとくまきゅうがシアを見つめる。
そんな目に耐え切れなかったのか、シアは僕のほうに向き直り、
「わかりました。わたしも誰にも話したりはしません。だから、タカさん、そんなにわたしを苛めないでください。謝りますから」
シアが僕に抱きつき、泣いている。
「クリフにもエレローラさんにもだよ」
「うんうん。約束するから、嫌いにならないで~」
「よしよし」
でも、シアの気持ちはわからなくもない。世紀の大発見をしたようなものだ。人に話したくなるのは仕方がない。
「それで、タカさんはこれから、どうするんですか?」
「まあ、ここがタールグイの上と決まったわけでもないし、そのあたりの確認をしようと思っている」
それから、隙があればクマさんの転移門を設置したい。タールグイでなくても、この果物の島は確保したいからね。
僕の彼女たちなは、クマさんの転移門が使えるのは僕が一緒の時だけだからと伝えている。
大クマさんの家を建てても大丈夫な場所がないか、
「それにしても、クリュナ=ハルクは
僕が使える魔法は攻撃系が
「その手の魔法は聞いたことはありませんが、クリュナ=ハルクは一流の魔法使いで、魔道具を作ったりもしたそうですよ。今でもクリュナ=ハルクが作った魔道具は高値で取引されているって聞きます。だから、クリュナ=ハルクだったら、できると思います」
物語に出てくる賢者って感じだな。1人で放浪の旅に出たり、森の奥に1人で住んでいたり、そんなイメージが浮かぶ。
「凄い人だったんだな」
僕が感心すると、別の場所から否定の言葉が飛んでくる。
「タカ兄ちゃんのほうが凄いよ」
「わたしもそう思います。タカお兄ちゃんはとっても強くて、優しくて、よ.....夜の営みも優しく、あと、女性にモテモテで護ってくれます」
「そうだね。みんなを黒虎と戦ってくれたり、わたしのために、騎士団長と戦ってくれました」
話に聞くクリュナ=ハルクと比べたら、大したことではない。
「それにタカさんには小さくなったり、海の上を走ったりできるくまゆるちゃんとくまきゅうちゃんもいるし、クリュナ=ハルクよりも凄いと思いますよ」
「うん!」
「はい!」
褒めてくれるのは嬉しいが、僕の強さもくまゆるとくまきゅうも神様からのもらいものだからね。あまり、
「でも、あの石碑には納得がいかないですが。先ほどのわたしの考え方をしていては仕方がないですね」
「それじゃあ、安全みたいだし、もう少し探索したら帰ろうか」
休憩も終わりにして、再び探索の準備を始める。
「それで、どこから行きますか?」
「う~ん、初めは島を一周しようと思ったけれど、島の中央に向かおうと思っているよ。そのまま反対側に出たら、今日は帰る」
「でも、この島がタールグイって信じられないです」
「まだ、タールグイって決まったわけじゃないけれど、攻撃とかしちゃダメだからな」
「しないですよ。それに攻撃ってどうやってするんですか。剣を地面に刺したって、地面には土があるだけですよ」
シアは手を地面に
確かにシアの言う通りだ。ちょっとした攻撃ぎゃ、蚊に刺された程度にも思わないだろう。そもそも、こんなに
剣を地面に刺したって皮膚に届かないだろう。
もし攻撃するなら海底からになるのかな?それだって、不可能に近い。まあ、攻撃をするつもりはないから、いくら考えても無意味なことだ。
シュリとシアはくまゆるに乗り、フィナと僕はくまきゅうに乗って移動する。
「ここに道がありますね」
石碑の近くにクリュナ=ハルクが作ったのか、タールグイに救われた人が作ったのか分からないけれど、古い道がある。
僕たちを乗せたくまゆるとくまきゅうは道を進んでいく。道があるってことは、この先になにかしらあるってことだ。
移動と危険感知はくまゆるとくまきゅうに頼み、僕は前に座るフィナを抱え込むように座り、フィナのお腹の前にクリュナ=ハルクの本を開く。フィナの頭ごしに本を読む感じになる。
「タカお兄ちゃん、本当に文字が書いてあるのですか?」
フィナが目の前にあるクリュナ=ハルクの本をいろいろな角度から見ようとする。そのたびに頭が左右に揺れる。
「フィナ、頭を動かさないで、本が読めないから」
フィナは僕のほうに向き直る。
「ごめんなさい」
フィナが僕に抱きつく。
「ちゃんと書いてあるよ。でも、石碑から僕しか見えないみたい。あとで教えてもいいところは話してあげるから、抱きつくのはまたあとで。フィナは周りを見ていて。もし、珍しいものを見つけたら教えて」
「はい、分かりました」
僕がお願いすると、フィナはキョロキョロと左右を見る。まあ、首が動くのは仕方がない。僕は本を読む。このクリュナ=ハルクって人は長い間、この島で暮らしていたみたいだ。
うわぁ、オレンやリンゴの木を植えたのはこの人だよ。どうやら実験をしていたみたいだ。
成長が早い?果実も美味しくなる?確かにオレンもクリモニアで買うより甘く感じた。クリュナ=ハルクの本によれば、タールグイの魔力の影響の魔力の可能性が高いという。
えっと、それってタールグイの魔力を吸って成長しているってこと?
それ、大丈夫なの?クリュナ=ハルクによれば人体に影響はないし、普通の果物だとある。でも、あくまでクリュナ=ハルクの考察だ。まあ、本人も食べてから書いているんだろう。
しばらく、本には食べ物のことが書かれているので、パラパラッとページを飛ばす。
それにしても、タールグイについて調べるにしても、よくこんな何もない島に住もうと思ったね。僕の場合は、クマさんの転移門があるから来たいと思うけれど、こんな何もないところに1人で住みたいとは思わない。
それから、興味を引くことが書かれている場所を見つける。タールグイは定期的に世界中を動くらしい。同じ場所わ通るので、クリュナ=ハルクもそれを利用して、何度かタールグイから降りたことが書かれていた。
だから、ミリーラ町にも数年に1度、現れていたんだ。他にも、タールグイについて面白いことが書かれている。探険のしがいがある島になりそうだ。
「なにか、面白いものはあった?」
僕は本を閉じて、背筋を伸ばし、前に座るフィナに尋ねる。
「いえ、果物もありません」
どうやら、フィナは果物を探していたみたいだ。
「あと動物もいないよ」
「鳥が飛んでるぐらいかな?」
シュリとシアが教えてくれる。
確かにシアの言うとおりに鳥のさえずりは聞こえている。
近くの島から飛んできたのかな?
泳げる動物もいるけれど、あの渦のことを考えると、何かしらの方法で連れてこないと、この島で動物が暮らすのは無理かな?
くまゆるとくまきゅうはどんどん進んでいく。くまゆるとくまきゅうがほんの少し坂道になっているところを歩いていくと、視界が一気に
「お花が咲いています」
目の前には
どこかのお嬢様が丘の上で座って、花冠を作っている姿が似合いそうな場所だ。
元の世界で友達だった女性。
シアやフィナにもそんな行動が似合うかもしれない。シュリは元気に走り回る姿が似合いそうだ。
「タカ兄ちゃん、あの木凄く綺麗だよ」
くまゆるに乗っているシュリが指さす先には、桜のような花が咲いている大きな木があった。花びらはピンク色で綺麗に咲いている、
おお、こんなに大きな桜の木は滅多にお目にかかることはできない。桜は満開に咲いている。
今が1番と言ってもいいぐらいに綺麗に咲いている。
「タカ兄ちゃん、降りていい?」
「ちょっと待って」
僕はフィナの肩を掴み、一応探知スキルで魔物がいないことを確認する。
シュリはくまゆるから降りて、駆けだす。シュリが駆け出したので、シアは慌てて追いかける。それを見たフィナもくまきゅうから降りる、
「綺麗なところだ」
「この木に咲いている花も綺麗です」
僕としては夏に桜を見ているようで、違和感があるけれど、不思議な島だ。季節に関係ない花が咲いていても、受け入れることにする。
フィナたちは
女の子が花が咲く場所を元気に走り回るのは絵になる。
「綺麗です。お母さんにも見せてあげたいです」
「そうだね。ノアにも見せてあげたいね」
「連れてきたいけれど、そのためには、クマさんの転移門を設置するために、クマさんの家を建てられる場所を見付けないと行けないね♪」
「そうですね。クマさんの転移門の設置の前に、クマさんの家を建てられる場所だね♪探してみよう」
「はい♪」
「うん♪」
僕たちは、クマさんの家を建てられる場所を探して探索していると光る木を見つけた。
「タカさん。この木はなんですか?」
「なんだろうね」
「ク
「クリュナ=ハルクの本には何か書いていないんですか?」
確かにそうだ。これだけの花だ。なにかしら書いてある可能性がある。
僕は持っているクリュナ=ハルクの本をパラパラと
そのページ桜の木の絵が
えっと、何か書いてあるかな。
『この木はタールグイが魔力を放出する際に、光るときがある。この木が光りだしたら、その場から離れることを推奨する』
桜の木の絵の横に『危険』の文字が赤いペンで書かれていた。
なに?この不穏な言葉は。
僕は本を読み続ける。
『光は魔力が放出されることが原因だ。その光は綺麗だが、それと同時に魔物を呼び寄せてしまう。近くに魔物がいなければ、安全だが、近くに魔物がいる場合、一気に押し寄せてくる』
ちょ....ちょっと、常態じゃない。
魔物は海、空からもやってくる。魔物が周囲にいなければ、被害はない可能性もある。こればかりは運だと書かれていた。
僕は目の前の桜の花を見る。
ここは大丈夫?
でも、逃げたほうがいいよね。
それにしても、僕たちが来たタイミングで光るって、ゲームや漫画の主人公じゃないんだから、おかしくないかな?
僕はフィナたちを見る。フィナたちは
「みんな、ここから急いで離れるぞ!」
「え~」
「え、なんですか?」
「もう少し見ていたい」
花は魔力を放出し、輝いている。
僕だって、見ていたい。こんなに綺麗な景色、そうそう見られるものではない。でも、ここに魔物が押し寄せてくるかもしれない。
「説明している時間がないから、すぐにくまゆるとくまきゅうに乗って!」
僕は周囲を確認するために探知スキルを発動する。それと同時にくまゆるとくまきゅうが大きな声で鳴いた。
「タカお兄ちゃん!」
「くまきゅうちゃん?」
フィナは僕を見て、シュリは側にいるくまゆるを見る。
タカさん、もしかして魔物ですか!」
護衛の際に魔物が現れたときにくまゆるとくまきゅうが鳴いたことを覚えているシアが尋ねてくる。
僕は探知スキルを確認すると、ヴォルガラスの反応がある。ヴォルガラスは真っ直ぐにこっちに向かっていている。
もう、側まで来ている。
空を見上げる。
みんなも僕と同じように上空を見上げる。
「あれは.......」
「鳥さゆ?」
黒い鳥が現れて、上空を旋回している。
「もしかして、ヴォルガラス?」
シアの言う通り、あれはヴォルガラスだ。鷲よりひと回り大きく、
過去の経験からヴォルガラスは1羽1羽はそれほど強くはないので、問題なく対処はてまきる。ただ、数が多い。さらにここにはフィナたちがいて、ミリーラの町に逃げることはできない。下手にミリーラに逃げれば町にヴォルガラスを呼び寄せてしまう可能性もある。クリュナ=ハルクの本によれば、魔物はあの桜の木に惹き寄せられているらしいが、追いかけてこないという保証はどこにもない。万が一にもミリーラの町にヴォルガラスを呼び寄せてしまい、海で遊ぶ子供たちに襲いかかられでもしたら、自分を許せなくなる。それだけは絶対に防がないといけない。
数羽のヴォルガラスが桜の木に降りてくる。花を突っつき始める。食べているのか?
「.....タカお兄ちゃん」
フィナが指さす先を見ると、桜の花から七色の輝くシャボン玉が出現する。それはどんどん広がって、いろいろな箇所から小さいシャボン玉から、大きなシャボン玉が出てくる。
「
フィナたちは幻想的な光景に見とれているが、ヤバイ気がする。この現象についても本を見て確認したいが、今はこの場所を早く離れたい。
僕の予感はすぐに現実となる。木に止まっていたヴォルガラスがシャボン玉に包まれる。
ヴォルガラスは一瞬暴れるが、力を吸い取られたように大人しくなる。魔力を吸収した?それとも体力?あのシャボン玉はなに?
シャボン玉は次から次へとヴォルガラスを捕らえていく。そして、小山からゴ~~~~~~~ッと音がしたと思ったら、ヴォルガラスが入ったシャボン玉が中腹あたりにあった大きな穴に吸い込まれていった。
あんなところに穴?
探知スキルを見ると穴に入ったヴォルガラスの反応が消える。
もしかして、あの穴はタールグイの体の1部で、ヴォルガラスを食べている?
「ここから離れるぞ」
僕はフィナたちをくまゆるとくまきゅうに乗せる。
確認したいことはたくさんあるが、今は3人を安全なところに連れていかないといけない。3人をくまゆるとくまきゅうに乗せた僕は石碑があったところまで戻ってくる。
探知スキルを見ると、未だにヴォルガラスは集まってきている。
「タカさん。クリュナ=ハルクの本には」
「あの花が光ると、魔物を呼び寄せるみたい」
「.......!?」
僕の言葉に3人は驚く。
「ヴォルガラスぐらい、襲ってきても僕が倒すから大丈夫だ」
僕は心配させないように優しい声で言ってあげる。
「でも、何が起きるか、分からないから、3人は大クマさんの家にいて」
僕はクマさんボックスから、大クマさんの家を出す。
大クマさんの家の中ならヴォルガラスに襲われることはない。この島で1番安全な場所だ。
「島から逃げないんですか?」
「魔物が僕たちを追いかけて、ミリーラの町までついてこられでもしたら、町を危険にさらすことになるから、逃げることはできないな。大丈夫。3人は僕が守るから安心して」
「「くうぅ~ん」」
僕の言葉を否定するようにくまゆるとくまきゅうが鳴く。
「そうだったね。僕とくまゆるとくまきゅうが3人を守る」
僕が訂正するとくまゆるとくまきゅうは嬉しそうにする。
大クマさんの家のドアを開け、僕たちは大クマさんの中に入る。
これで、ひとまず安心だ。いきなり襲われることはなくなる。
3人の安全を確保できた僕はクリュナ=ハルクの本を開き、桜の木やシャボン玉について書かれているところを読む。
クリュナ=ハルクの本に書かれていることは、あくまで彼の考察になる。
あのシャボン玉は魔力で作られたものであり、タールグイの
そういうことは始めのほうに書こうか。知らないで穴に入ったらどうするんだよ。
花から出たシャボン玉は浮遊すると、周囲にいる魔物を取り込むという。『仮説』と前置きがあり、魔物の体内にある魔力に反応していると推測されると書かれていた。その理由として、クリュナ=ハルクが近くにいてもシャボン玉は近寄ってこなかったそうだ。触れても、取り込まれることはなかったと言う。
魔物が集まってくる中、この人何をしているんだ!?
でも、身を
つまりクリュナ=ハルクの本によれば、桜の木で魔物を呼び寄せて、シャボン玉で捕獲して食べるってことらしい。今回の現象はタールグイの食事の時間ってことだったみたいだ。なんとも、大掛かりな食事だ。ヴォルガラスぐらいならいいけれど、大きな魔物が来たらどうするか?
もし、僕が倒したクラーケンがいるときに、今回の状況になったら、どうなっていたんだろう。
タールグイVSクラーケンのバトルが見られたのだろうか。想像しただけで怖いんだけれど。それ以前にタールグイはクラーケンと戦えるのだろうか?
クリュナ=ハルクの本によれば、食事は一定の時間、行われるそうだ。
周囲に魔物がいなくなるか、桜の木の魔力がなくなるまでという。最終的に桜の光が止まると、魔物は逃げるように去っていくらしい。
本を読んで大体のこたは分かった。この本がなかったら、混乱していたかもしれない。クリュナ=ハルクには感謝しないといけない。
あと問題はタールグイの食事の時間だけだ。そのことは本には書かれていなかった。何日も続くようだったら困る。
いざとなれば、僕が戦ってもいいかな?
「タカさん、なにか分かりましたか?」
僕が本から目を
僕は3人の不安が取れるように、説明する。
「だから、僕たちが襲われることはないから大丈夫だ。いざとなれば脱出するから」
クマさんの転移門で。
僕の説明で3人は
ただ、呼び寄せられてくるのが、ヴォルガラスなどの弱い魔物ぐらいならだ。本当にクラーケンがいなくてよかった。
他にも重要なことが書かれていないか、僕がクリュナ=ハルクの本の続きを読もうとしたとき、くまゆるとくまきゅうが警告するように、「「くぅ~ん」」と鳴く。
僕は探知スキルで確認する。
探知スキルに予想外の魔物の反応があった。クラーケンとワイバーン!?
冗談じゃない。いくら大クマさんの家が頑丈とはいえ、クラーケンやワイバーンの攻撃に耐えられるか分からない。そんな実験はしたことはない。
「タカさん、くまゆるちゃんたちが」
「ちょっと、近くを魔物が通っただけだ。でも、少し危ないかもしれないから、シアたちは、ここから出ないでね」
大クマさんの家の警備をくまきゅうに任せ、僕はくまゆるを連れて大クマさんの家から出る。
まず状況を把握するため、探知スキルを使う。ヴォルガラスの数が減っている。その代わりにワイバーンの数が増えている。やっぱり、ヴォルガラスと同様に桜の木に呼び寄せられたってこのなのか。
空を見上げて桜の木があるほうを見ると、ここからでもワイバーンが上空を旋回しているのが見える。
ワイバーンはドラコンの1種。ドラゴンの中では小さい部類で、強さもどちらかといえば弱い。だからといって、普通の人が戦って、簡単に勝てる相手ではないと思う。ヴォルガラス以上にミリーラの町に近付けさせてはいけない魔物だ。
ワイバーンは魔物1万匹を討伐したときに倒したことがあるけれど、あのときは寝ていたところを倒しただけだ。実際に戦ったことはないから、本来の強さは未知数だ。戦うことになれば、初めての経験になる。
できればタールグイがヴォルガラス同様にワイバーンを食べてくれるのが1番なんだけれど。今のところワイバーンの数は減っていない。
もし、タールグイがワイバーンの対処ができないようなら、僕が討伐するしかない。ミリーラの町は離れているとはいえ、ワイバーンなら飛んでいけばすぐに町についてしまう。
それに問題はワイバーンだけじゃない。海岸沿いにいるクラーケンの存在だ。
それにしても、クラーケンが3体もいるなんて、このあたりの海ってどうなっているんだ。こないだ倒したクラーケンを入れれば4体だ。このあたりにクラーケンの巣でもあるの?って言いたくなる。
僕は自分がどうするか考えてみる、
その1 全ての魔物を討伐する。
その2 タールグイの反応を見てから行動する。
その3 島から逃げだす。
その4 原因の桜の木を切り倒す。
1はミリーラの町のためにも1番いい。逃がして、今後、ミリーラの町に来たら大変だ。問題は僕が大変なことぐらいだ。
2はクリュナ=ハルクによれば、タールグイが魔物を餌としてこの島にいたときはヴォルガラスのような小さな魔物しか現れなかった可能性もある。大型魔物相手に、どこまで対処できるか分からない。
3は僕1人で、近くに人里がなければ有りだった。でも、近くにはミリーラの町があり、孤児院の子供たちがいる。だから、3は1番あり得ない。
最後に4だけれど、島から魔物を追い払うなら1番良い方法だ。でも、いろいろな観点から却下するしかない。
まず、あの魔力の塊の巨木を 切り倒せるかの問題がある。また、攻撃を仕掛けて、タールグイに敵認識をさせる可能性。そんなことになればワイバーンやクラーケンだけではなくタールグイまで敵になってしまう可能性も出てくる。怒ったタールグイがミリーラの町に上陸でもしたら、ワイバーンどころの騒ぎではない。
それにタールグイと敵対でもしたら、クマさんの転移門を置く、僕の計画が壊れてしまう。なによりも、あの桜の木を伐採するのは日本人としてやりたくない。だから、桜の木を切り倒すのは最後の手段としておく。
と、考えているとくまゆるが「くぅ~んー」と鳴く。この鳴き方は危険をしらせるものだ。僕が探知スキルを見ると、新たに海からワイバーンがやってくる。
いったい、どれだけ集まってくるんだ。
ワイバーンが島に近づき始めたとき、地面が大きく揺れる。それと同時に海から、何かが浮き上がってくる。
なに!?
海から浮き上がったものはビルのように高くそびえ立つ。
「....... くび?」
海から現れたのは首長竜のような長い首だった。
「もしかして、タールグイ?」
タールグイはゆっくりとワイバーンのほうを向くと、口からレーザーのように水を吐き出した。水は空を飛ぶワイバーンに命中して、ワイバーンはそのまま海に落ちる。
ちょ....ちょっと、そんなに簡単に倒すんだ?
ワイバーンに強力な水圧の水を飛ばす。ワイバーンは避けるがタールグイは連続で水を吐き、水面に叩き落とす。
そして、今度はタールグイは首を回すと、桜の木の上あたりを飛んでいるワイバーンに向かって水を飛ばす。でも、今回は距離があったのかワイバーンはかわす。でも、タールグイは攻撃の手を
逃げれいいのに逃げださない。やっぱり、桜の木が魔物を惹きつけるたいだ。
だけど、本当にタールグイとワイバーンの戦いが始まってしまった。始まったといってもタールグイが一方的に攻撃をしているだけだけれど。僕が戦いに加わることはできそうもない。
でも、タールグイがワイバーンを倒してくれるなら助かる。空を飛んでいる魔物は
クマさん雷魔法をあるけれど、タールグイの邪魔になる。隠れているワイバーンを倒していくのも悪くわない。タールグイに恩を売れるし、売っておけば、大クマさんの家を建てさせてくれるかもしれない。
そうなると、タールグイの背中に上陸しようとしているクラーケンの相手は僕がしないといけなくなる。タールグイが対処してくれるかもしれないけれど、その間に僕の大事な果物が破壊される可能性がある。
戦うのはいいが、問題はクラーケンの数だ。1体だけでも倒すのは苦労したのに3体もいる。
本当なら戦いたくないけれど、ワイバーンと一緒で逃がすわけにはいかない。
なんてことを考えていると、後ろの方から、声が近付いてくる。僕は声のするほうに振り返ると、シアがくまきゅうに乗ってやってくる。
「どうしてきたんだ!外は危ないからって言ったのに!」
僕は、くまきゅうと現れたシアを怒鳴り付ける。
「ご......ごめんなさい。で.....でも、タカさんのことが心配で、来ちゃいました!」
「僕は、誰かを護りながら、クラーケンを3体も相手に出来ないぞ!」
「クラーケンの1体をわたしとくまきゅうに任せてくれませんか!」
僕は、考えた。今から大クマさんの家に帰すと、フィナとシュリにも被害が及ぶ、なら、クラーケンの1体をシアとくまきゅうに任せるのも良いかもしれない。シアたちを信頼して。
「わかったよ。なら、最後にタールグイに上がってきた、小さめのクラーケンを倒してくれ♪僕は、くまゆると一緒に、残りの2体を倒すから♪」
「はい!」
「くぅ~ん!」
シアとくまきゅうのいい返事が返ってくる。
シアとくまきゅうが倒すクラーケンと離すために、僕とくまゆるがクラーケンの2体を引き離す!
~~~シアとくまきゅうサイド~~~
タカさんに無理を言って、わたしとくまきゅうに任せてくれた。小さくてもクラーケン。王都で学園と冒険者として頑張っている。
「くまきゅう。わたしと一緒にあの小さいクラーケンを倒してくれるかな?」
「くぅ~ん」
わたしは、くまきゅうの返事を聞いて、気合いを入れる。
あのクラーケンは、子供なのか。陸の移動もおぼつかない。なら、タカさんからもらった、この「クマさんソード」を使おう。
小さいクラーケンが、2本の腕を振り下ろしてくる。1本をくまきゅうが爪で切り裂き、もう1本の腕をクマさんソードに魔力を流し込み、クマさんの氷魔法を放ちながら切り刻む。
クラーケンの残りの腕、8本。
「グラソン・ウルス・オングル」
クマさんの氷魔法の技で、クラーケンの腕、8本を斬り凍らせて、くまきゅうが止めの一撃を加えて、クラーケンを倒した。
~~~タカさんとくまゆるサイド~~~
僕とくまゆるのあとを、追ってきている一回り大きなクラーケンを先に倒す。
「フラム・ウルス」
なんだろう。僕って、初めてミリーラでクラーケンを倒したときより、強くなっている?
僕は3体目のクラーケンのところに移動する。大きかった。お父さんだろうか?だとしたら、1体目のクラーケンはお母さん?
じゃあ、シアとくまきゅうに任せたクラーケンは子供だね♪
シアの実力は知っているが、小さくてもクラーケンだから、心配だ。
とはいえ、シアとくまきゅうに任せたクラーケンのことだかり、考えても仕方がない。今は、目の前の3体目のクラーケンに集中しないといけない。
が、3体目のクラーケンも「フラム・ウルス」の一撃で倒すことができた。
僕が、2体のクラーケンを倒したと同時に、シアがくまきゅうに乗って、僕とくまゆるのところに帰ってきた。
「タカさん。あのねあのね。わたしとくまきゅうで小さかったけれどクラーケンを倒せたの♪タカさんがくれた「クマさんソード」を使って♪」
「それは良かったです。僕も今、2体のクラーケンを倒したところです♪」
僕たちは、無事、3体のクラーケンを討伐し、これで帰れるかなと思った瞬間、くまゆるとくまきゅうが鳴く。くまゆるとくまきゅうを見ると上を見ている。僕とシアも上を見ると、ワイバーンが僕たち目掛けて滑空してくる。
ちょ......どうして、ワイバーンが。
くまゆるに乗っている僕は、シアを乗せているくまきゅうに避けるように指示する。
と同時に、先ほどまで僕たちがいた場所にワイバーンの鋭い爪が突き刺さる。
僕の指示が間に合ったので、
ワイバーンが地面に降り立つ。「グヴァ」と大きく口を開き、
タールグイを見ると数体のワイバーンと戦っている姿がある。そのうちの数体が僕のことろに来たみたいだ。いったい何体いるんだ。
正面のワイバーンから視線を離さないように周囲を見ていると、さらに上からワイバーンが2体目、3体目と地上に降りてくる。
そして、ワイバーンはギョロッとした目をくまゆるとくまきゅうに向け、
嘴から
ちょ、もしかして、くまゆるとくまきゅうを食べにきた?
冗談じゃない。僕とシアがくまゆるとくまきゅうとワイバーンの間に移動する。
シアはくまきゅうを守るように、僕が渡したクマさんソードを構える。僕たちのくまゆるとくまきゅうを食べようとするなんて、絶対に許さない。
「シア!そのワイバーンを頼んだよ♪」
「はい!タカさん、任せてください。くまきゅうちゃんを守るために、ワイバーンを倒します」
あっちは、シアに任せて、僕は、目の前のワイバーンに目を向ける。
わたしは先手必勝で乱れ撃つように炎魔法をワイバーンに向けて撃ち込む。だが、ワイバーンは翼を正面に閉じるようにして炎の玉を防ぐ。
それなら、これならどう。僕はクマさんの炎をワイバーンに投げる。ワイバーンは大きく翼を広げて「グワァワァワァ」と声をあげると、飛び上がってしまう。
飛ぶなんてズルい。ちゃんと正面から受け止めよう。
~~~シアとくまきゅうサイド~~~
シアとワイバーンは、睨みあっている。
数10分の硬直のあと、ワイバーンが動いた!
飛び上がってから、爪を起てて、シアとくまきゅうに向けて、急降下をしてくる。
シアとくまきゅうは左右に避け、クマさんソードに魔力を流し込み、ワイバーンの翼を斬りつける。
ワイバーンは、片翼を切り落とされ、「グキャアァァァァ」と苦しそうに叫び、自分を斬りつけたシアを睨みつけ、嘴が襲いかかる。
「あなた、片翼を失って攻撃を焦ったね♪」
シアは、ワイバーンが繰り出す嘴を避けて、残りの翼をクマさんソードで斬り落とし、止めはくまきゅうの前足が振り下ろされて、ワイバーンの首を狩る。
~~~タカとくまゆるサイド~~~
それにしても、ワイバーンがくまゆるを食べに来るとは思わなかった。食べるなら魔力が
まあ、なにがあろうと、くまゆるは絶対に僕が守る。
僕はくまゆるを送還しようとすると、くまゆるは「くぅ~ん」と鳴いて首を横に振って、後ろに下がる。
「くまゆる?」
「くぅ~ん」
イヤイヤと首を横に振る。
「戻らないと、食べられちゃうよ」
「くぅ~ん」
くまゆるは再度、首を横に振る。
いつもなら、僕の指示に従ってくれるのに、今回は嫌がる。
「もしかして、一緒に戦いたいのか?」
「くぅ~ん、くぅ~~んくぅ~~ん、くぅ~んくぅ~ん」
「え?くまきゅうは、シアと一緒に戦っているって。だから、私もタカさんと戦いたいって?」
「くぅ~ん!」
くまゆるは僕と、意思疎通ができて、嬉しそうに鳴く。
くまゆるとくまきゅうは、僕の大切な家族だ。本当なら、危険かことはさせたくない。が、くまきゅうがシアと一緒に戦ったとわかり、くまゆるも戦えると張り切っている。
くまゆるは僕と一緒に戦うと、僕の横に歩きだす。
3体いたワイバーンの1匹はシアとくまきゅうに任せたので、僕とくまゆるの目の前には、2体のワイバーンが。
「それじゃあ、一緒に戦ってくれるか?」
「くぅ~ん!」
くまゆるは嬉しそうに鳴く。
「でも、無理しないでいいからな」
「くぅ~ん」
僕とくまゆるは戦闘準備に入るを僕は空に向けて氷の矢を無数に飛ばす。ワイバーンは避けて、翼を大きく広げ、空中で留まる。そして、口を開くと、地面にいる僕に向かって炎の玉を吐き出す。僕はワイバーンの炎の攻撃を風魔法で相殺する。やっぱり、空を飛ばれると、こっちが不利だよね。
仕方がない。1体目のワイバーンに向かって、手を
そして、僕は、クマさん雷魔法を放つ!
「食らえ!トネール・ウルス」
空中に留まっているワイバーンに向かって、雷熊に貫かれ、絶命し、地面に叩きつけられた。
残り1体。
くまゆるか「くぅ~ん」と鳴く。
「どうしたの、くまゆる?」
「わたしが戦いたいって?」
「くぅ~~んくぅ~ん」
「わかったよ」
僕は最後の1体に向かって、逃げないようにクマさん風魔法を使う。そして、その風の渦、ワイバーンの上空からクマさん炎魔法が降り注ぎ、地面に叩きつけられる。起き上がれないワイバーンに向かっていく。くまゆるが襲いかかる。
やはり、僕の力は、この世界からしたら、チート能力だった。
ワイバーンは、寝ていても起きていても、変わらなかった。
シアかくまきゅうに乗って、僕のところに駆けつける。
空を見ると、長い首は消えていた。
「これで終わったのかな?」
「タカさん。どうですか?」
探知スキルを使って何度も確認しても、ヴォルガラスの反応もワイバーンの反応もクラーケンの反応もない。新しく魔物がやってくることもない。どうやら、本当に終わったみたいだ。
「もう、周囲に魔物の反応はない」
「やったね。タカさん♪」
あとはワイバーンを回収したら、フィナとシュリが待っている、大クマさんの家に向かうだけだ。
ひと休みしようと思ったら、くまゆるとくまきゅうが「くぅ~ん」と鳴く。
「とうしたの?」
「くまゆるちゃん、くまきゅうちゃん?」
くまゆるとくまきゅうが海を見ている。
僕とシアはくまゆるとくまきゅうが見ている海岸に向かう。海から心地よい風が吹く。海を見ると何か違和感を感じる。何かが変だ。
よく見ると渦潮が消え、潮の流れが変わっている。波は左から右に流れているようだ。まるで船が動いている感じだ。
僕はクマさんの地図を開く。間違いなく島が動いている。しかも、徐々に速度が上がっている。
まずい。時間が経てば、ミリーラの町から離れていく。戻るのが大変なことになる。
急いで大クマさんの家に戻らないといけない。まあ、離れすぎても、クマさんの転移門を使って帰ればいいから、僕はくまゆるに乗り、シアにはくまきゅうに乗ってもらい3体のクラーケンの回収とワイバーンの回収の任してために走り出す。
僕は、回収を終え、帰る前に確認をするために、全力で走る。
数10秒で桜の木のあるところにやってくる。桜の木の花びらの光は収まり、シャボン玉も消えて、幻想的な光景はなかった。
桜の木の周囲を確認した僕は、ここに来た目的の1つであるクマさんの転移門の設置だ。
大クマさんの家を建てているクリュナ=ハルクの石碑のところまで戻る。
僕は、安否確認のために、大クマさんの家に飛び込む!
「フィナ!シュリ!大丈夫?怪我はない?」
「フィナちゃん!シュリちゃん!離れてごめんね」
フィナとシュリは、僕の大声を聞いて、2階から1階にかけ下りてくる。
「どうしたの、タカお兄ちゃん、シアお姉ちゃん?わたしたちは大丈夫だよ♪」
「タカ兄ちゃん、シア姉ちゃん、大丈夫」
僕とシアは、胸を撫で下ろす。
「タカお兄ちゃん、シアお姉ちゃん。外は大丈夫なんですか?」
「大丈夫なの?」
「魔物は、僕とシアが倒したから、安全だ。でも、島が動きだしたから、早く島から離れたいから」
僕たちは、2階に上がり、クマさんの転移門を置くための大きな部屋に入り、僕はクマさんボックスからクマさんの転移門を取り出して、設置する。
「本当だ。島が動いている」
今はタールグイの頭は海中に潜っている。
シュリとシアはくまきゅうに乗り、僕はくまゆるに乗る。くまゆるとくまきゅうは走り出し、島の反対側に向かう。目の前の海は進行方向になるから、ここから海に飛び出すのは危険だ。だから、タールグイの後ろと思われる方から脱出することにする。
くまゆるとくまきゅうは走る。
僕たちは島の最後尾に来ると、くまゆるとくまきゅうは海に向けてジャンプして、海に着水する。無事に島から脱出することに成功する。
いろいろとあったけれど、みんな無事に帰るきとができてよかった。
僕たちは出発した場所の海岸まで戻ってくる。
そして、くまゆるとくまきゅうに乗ったまま町の入り口まで戻ってくると、門番のおじさんに話しかけられる。
「坊っちゃんたち、遅かったな。少し、心配したぞ」」
「ちょっと、遊んでいたら遅くなってしまって」
陽が沈みかけている。
島の探索だけでなく魔物も現れてしまい、戻ってくるのが遅くなってしまった。でも、夜にならないうちに戻ってこられたからよかった。
門番のおじさんに挨拶をして門を通ると、そのまま子供たちが遊ぶ海岸まで戻ってみたけれど、子供たちの姿はなかった。
クマさんのウォータースライダーと海の家があるだけだ。
「誰もいません」
「とう、家に戻っているみたいだね」
僕たちは特大クマさんの家の向かう。
特大クマさんの家には明かりが灯っており、中に入ると、1階の食堂に院長先生と子供たちの姿があった。
「タカさん、お帰りなさい」
院長先生が声をかけてくる。
「ただいま。何もなかったですか?」
「ええ、子供たちは今日もみんな楽しく遊んでいましたよ。ただ、ノアさんがタカさんたちのことを捜していました」
やっぱり。
「.......えっと、なにか言ってましたか?」
「そうですよね。少し怒っていました」
少し、言いにくそうに言う。
「もしかして、わたしのことも?」
シアは自分を指して尋ねる。
「はい、シアさんのことも、フィナちゃんのことも。ズルいと」
「わたしも?」
フィナは困った顔をする。
ノアが頬を膨らまして、怒っている姿が容易に想像ができてしまう。
「そのノアは?」
「ミサさんと一緒にタカさんたちのお部屋にいかれたので、
4人でノアとミサが待っている3階に向かうために階段を上る。すると、ティルミナさんとすれ違う。
「あら、フィナ、シュリ、帰ってきたのね」
「お母さん、ただいま」
「ただいま~」
フィナとシュリは返事をする。
「ノアちゃんとミサちゃんがタカたちが居ないって、言っていましたよ」
「院長先生に聞きました」
「院長先生から聞いた」
ティルミナさんの目が僕の目と合う。
「タ・カ・さ・ん。夕食の後でお話があります」
「あ.......はい!」
「貴方は、わたしの彼氏でもあるので、フィナとシュリに悪いことを教えないと思いますが」
「僕の彼女たちを危ない目に合わせていないです。近くの島に行って来ました」
「島....ね?わたしもその島に連れていってね♪」
「はい♪」
「ああ、タカさん。戻ってきています」
「本当です」
僕たちが2階から3階へと上がり、ノアとミサが3階から2階へと下りてきて、階段の踊り場であった。
「タカさん、どこに行っていたんですか。黙っていなくなるなんて酷いです。どこかに行くなら、わたしも連れていってください」
「タカお兄様。その時は、わたくしも連れていってください」
「次に、出掛けるときは、ノアとミサを優先するね♪」
「はい♪今夜は、わたしとミサを可愛がってください♪」
「お願いしますね、タカお兄様♪」
そして、モリンさんとアンズたちが作った料理がテーブルに並べられ、美味しくいただいた。
~~~特大クマさんの家・タカの部屋~~~
僕たちは、夕食を食べ終わり、順番にお風呂に入るが、最後だとノアとミサを可愛がる時間がなくなるので、1番に入って、3階の僕たちの部屋へ。
「タカさん。大好きです。ちゅっ.......ちゅっちゅっ......ちゅぱっ......ん.......んはっ.......」
僕は、ノアとのキスの後、自分とノアが羽織っている、クマさんバスローブを脱がして、僕は大クマさんベッドに横になり、ノアに僕のおちんちんを舐めさせる。
「ペロッ.......ペロペロッ.......チュッ.......ペロペロッ.......チュッチュッ.......ペロペロッレロ......レロレロッ......ジュボッジュボッ.......」
ノアは、上手に僕のおちんちんを舐めながら、おまんこをぐちょぐちょにして、受け入れ体制が十分なようで、ヒクヒクさせている。なので、ノアをベッドに寝かせ、股を開かせ、もう少し待ってもらう。
「よし。ミサには、どうしてもらおうかな?.......」
僕が、ミサにしてもらうことを、考えていると、ノアがオアズケが我慢できないのか、訴えてくる。
「タ......カ.......さん♪くっ......は......やく、んっ......おちんちんが、くはっ.......欲し......い......で......す♥」
「ちょっと待ってね。ミサのおまんこもぐちょぐちょにしないとね♪」
「ミサにもおちんちんをなめてもらおう」
「わかった、タカお兄様♪ちゅ......ちゅちゅ......ちゅぅぺろぺろっ.......ぺろぺろっちゅぅちゅぱっ.......」
僕が、ミサに舐めてもらっていると、ノアが潤んで。
「タカ......さん。は.......はやく、欲し......い.......です♪」
「わかったよ♪」
僕は、オアズケされ、限界を迎える寸前の、ノアのぐちょぐちょおまんこにおちんちんを挿入していく。
「じゅぼじゅぼジュボッ........んあっ♪あぁん........き.....気持ちいい♪ジュボッジュボッジュボッ........ジュボッジュボッ....ジュボッジュボッジュボッ........んっ♪....激し.......く.....してっ.....♪ジュボッジュボッジュボッジュボッジュボッジュボッジュボッ.......ジュボッジュボッジュボッジュボッ......ンハアァァァァァァン♪どぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっ♪タ......カ...さん......あり......が.....とう♪」
僕は、ノアとミサを可愛がり、そのまま眠りについた。