~~~冒険者ギルド前~~~
ギルド前には、我先と、建物内へきえていく。
皆、剣や杖、弓や槍を持っている。
「朝から結構人が多いな」
「ランクが低い冒険者は仕事の取り合いになりますから。いい仕事をとるために早めに来るんです」
ギルド前に着くと、ランクの低い冒険者が依頼書の取り合いをするらしい。
確かに、ランクが低いと強い魔物は倒せない。
依頼と冒険者の数が会わないと仕事の取り合いになる。
僕はゲンツさんのところへ行くフィナと別れて、僕は意を決して中に入ると視線が向けられる。
視線を無視して受付の20歳前後の受付嬢の前に行く。
「初めてなんですけど」
「あ、はい、冒険者ギルドに加入ですね」
「生計を確保したいので、冒険者になろうと思って。あと、身分証にもなるって聞いたんだけど」
「はい、冒険者ギルドカードはどの国でも使えます」
「それじゃあ、お願いいたします」
後ろから視線を感じて振り向くと、ゴブリン?がいた。
「おいおい、こんな変な格好した坊主が冒険者だと。冒険者もなめられたもんだな。おまえみたいな坊主がいるから冒険者の質が落ちるんだよ」
テンプレ?
「僕は、家計の為に冒険者になるんだけど?」
「おまえが冒険者になっても、薬草採取くらいだろ」
「受付のお姉様、この人がこんなこと言ってるけど」
「ギルドでは最低限の資格のあれば問題はありません」
「最低限?」
「年齢が13歳以上、1年以内にランクEに上がることなれなかった場合、剥奪されます」
「ランクE?」
「ゴブリンやウルフ、ランクの低い魔物の討伐ができることが条件です」
「なら、問題はないかな。ウルフなら倒せるから」
「ぎゃははは、嘘をつくんじゃねえよ。おまえみたいな坊主がウルフを倒せるわけないだろ」
「この人のランクは?」
受付嬢のお姉様に尋ねる。
「ランクDのデボラネさんです」
「後ろで野次を飛ばしている人や、笑っている人も」
「みなさん、ランクD、Eの方々になります」
ゲームの世界でもいたな。人を見た目で判断する馬鹿。僕って、喧嘩を売られた?売られたなら買う主義だ。
「フッ、この冒険者ギルド、低いんだな。この程度の人がランクDとか」
「なんだと」
「自分で言ってただろ。馬鹿なのアホなの?僕程度が冒険者になれないなら、僕に勝てないあなたたちは冒険者を辞めないとね」
「貴様......死にたいのか」
「ここで試合できるところがあるかな?」
「はい、この裏にありますが......」
「それじゃあ、あなたたちが勝ったら、僕は冒険者を諦めてここを立ち去る。あなたたちが負けたら、あなたたちが冒険者を辞めて立ち去るってことでいいかな?」
「貴様に負けたら辞めてやるよ!なあ、おまえたち」
「おお!」
男の後ろにいる冒険者もニタニタ笑いながら返事をする。面白がっている。
「受付のお姉様、今の話、聞いたよね」
「はい。ですが、謝った方が......」
受付のお姉様が、心配してくれる。
お姉様に案内されて、裏の訓練場に向かう。
後ろにデボラネを先頭に15人ほどの冒険者が着いてくる。
フィナが心配で駆け付けてくれた。
「えーと、本当にやるのですか」
「するよ。弱いのに冒険者でいるなんて、冒険者の質を落とすから、早めに辞めてもらわないと」
「貴様。生きてここから出られると思うなよ」
「つまり、あなたたちも殺される覚悟があると」
「おい、早く始めろ」
デボラネが剣を構える。
「僕の武器は、この、拳だけど?もしかして怖いの?」
頭に血が上ったのか、巨体のわりに早いが、それをひらりと交わしながら、腹に1発喰らわす。
僕の攻撃力がないのか?デボラネの防御力があるのか?
剣を構えて、また、攻撃してきたので、剣を白クマさんで防ぎ、黒クマさんに力を込めて、顔目掛けて、振り抜いた。
男は動かなくなった。
「それじゃあ、次は誰が相手になるんだ?」
見学している冒険者に尋ねる。誰も来ない。
「いないみたいだから。受付のお姉様、ここにいる冒険者のギルドからの脱退をお願いいたします」
僕は微笑んで受付のお姉様に促す。
「それは......」
「俺は言ってないぞ」
1人の冒険者が言った。
「俺も言っていない」
さらに1人続く。
「言ったのはデボラネだろ」
「そうだ」
デボラネを切って身を守るつもりらしい。
「僕は、訓練場に来る前に確認をとって、受付のお姉様が、聞いてたんですが?」
「はい......」
彼女が小さく返事をする。
「そこまで言うなら、俺達全員を倒してからにしな」
「そうだな、俺達をまとめて相手をしてもらおうか」
1人、2人、3人と出てくる。
どうやら、全員まとめて相手をしないといけない。
飛び出して来たけど、次々と倒れていく。
戦闘は終わった。
あっけなく終わった。
「おい、おまえたちなにをやっとる!」
厳つい男が訓練場に入ってきた。
「おい、ヘレン。どういうことか説明しろ!」
受付のお姉様が答える前に、
「あの~、すいません。僕が冒険者になると言ったら、そこに倒れている、デボラネ?がなめてるのかって、だから、どちらが強いかハッキリさせたくて」
「で、こいつらを倒して、変な格好の坊主が負けたら、ここから去ると、あいつらが負けたら、あいつらが去る」
「僕が勝ったので、そこに倒れた冒険者の脱退を」
「お前たちは、冒険者を辞めたいのか?」
僕に倒された冒険者たちが横に首を振る。
それを聞いて。
「こいつらの脱退をなしにしてもらえるか?」
「?これからは、僕が入ってきても、絡まないなら」
訓練場から戻り、ギルドカード作ってもらう。
「それでは登録しますので、名前、生年月日、職業を記入してください」
ヘレンお姉様に言われた通りに、西暦で記入してみる。
「タカくんは15歳なんですね」
次は、職業?......。
名前:タカ
生年月日:20**年*月**日
職業:クマさん
「では、この水晶板の上に手を置いてください」
ヘレンお姉様に言われた通りに、水晶板に手を置き、魔力を流した。
「登録にしばらく時間がかかりますので、その間にギルドの説明を行いますね。ギルドカードにはタカくんの情報が書き込まれています。冒険者ランク、受けた依頼の数。依頼の内容、成功数、失敗数。現在受けている依頼が登録されます。あと、依頼を受けてなくて、魔物を討伐しても、冒険者ギルドに報告してください」
「今の所、わかりました。ヘレンお姉様」
ヘレンお姉様は、お姉様呼びに、喜んでいた。
「次はギルドランクの説明をしますね。
ランクはFから始まり、E、D、C、B、A、Sと上がっていきます。ランクが上がるのは依頼の成功数と失敗数を考慮します。失敗が多い場合は上がることはありませんので、依頼を受ける時は自分の力に合った依頼を受けてください。同ランクの依頼を受け続けた場合も上がることはありません」
「どうしてだ?」
「1つランク上の依頼を10回以上目安になります。ランクが上の人と協力して依頼をこなすと、依頼をこなす回数が増えます。」
「このカードはタカさんしか使うことができません。紛失すると再発行に銀貨10枚の手数料が頂きます」
でき上がった銀色のカードを渡される。
名前:タカ
年齢:15歳
職業:クマさん
冒険者ランク:F
情報はこれしか書かれていない。
「それで、依頼を受けますか?」
「街中を散策したいので、またにします。ヘレンお姉様」
冒険者ギルドの外に出るとフィナが待っていた。
「フィナ?どうしたんだ」
「タカお兄ちゃんが心配で」
「あぁ、ごめん心配かけて、ちゃんと登録できたから大丈夫だ。フィナの方は仕事はあったか?」
「なかったです。ほとんどの冒険者さんは自分たちで解体をして持ち込んできます」
「そうなんだね。......フィナ?ここじゃなんだから、宿屋に行こうか」
~~~宿屋の部屋~~~
タカとフィナは冒険者ギルドから宿屋の部屋に帰って来た。
「タカお兄ちゃん何かあるんですか?」
「僕は。これから、冒険者としてやっていくが、解体が出来ない!だから、フィナ!僕、専属の解体職人になってくれないかな?」
「わたしが、タカお兄ちゃんが狩ってきた魔物の解体?わたしで、いいんですか?」
「フィナに、頼みたいんだ!ウルフの解体が凄いし、あと、お母さんが大変なんだよね?」
「はい、お薬が高いので。」
「今日から、僕がフィナを雇っていいかな?」
「仕事がなかったので、大丈夫ですよ」
「じゃあ、今日の仕事は、フィナに街の案内をしてもらいたいんだ」
「いいですよ。タカお兄ちゃん」
フィナに街を案内してもらうため、宿をあとにする。