あれからジュエルシードを巡り、フェイトとの戦闘は重ねられていく。
基本的にはなのはが突っ込む。フェイトが往なす。そしてフェイトが目的を達成して逃げる。
なのは的にはもっとがっぷり四つに組むみたいにじっくりと戦闘したい感が満載だったが、フェイトが目的以外興味が無いといった風にそれを往なす。
その中で、興味深々ななのはがフェイトに名前を聞いたりしていた。フェイトの方もやはり優しく律儀な性格をしているのだろう。名前をしっかりと伝えてくるのは好感が持てた。
と言うか、なのはさん。ジュエルシードよりフェイトさんに夢中になりすぎなんじゃ無いかと言うくらいフェイトが現れるとソワソワして速攻に突貫を仕掛ける。
そんなにフェイトが気になるのかそれとも魔法戦が好きなのか……とどちらにせよ魔法の傾倒は自分が設定した通りだし、フェイトに対しては元々同じ魔法少女としても興味があるのは分かっていたのでそこまで問題は無いかと考えた。
そして温泉街の一幕でアルフとの絡みがあった。これは直接的では無いが、物陰からコソコソとこちらの自分を含めたなのは・アリサ・すずかの様子を伺っている怪しい姿が見える。
いや……こちらからバレたら意味ないだろうとマンガ的要素に少し突っ込みを入れたくなったが、それはともかく一緒にいたすずかに軽く耳打ちをする。
あの女性の顔、姿をよく覚えておいてと。
すずかは何も言わずにこちらに視線を向けてコクリと頷く動作をしてからその女性をじっと見つめていた。
そして、その日もいつもの通りフェイトなのはの戦闘が行われつつもフェイトに逃走されて終了するのであった。
そしてある日の夜。
その日、自分はすずかに家の人に誰にもバレずに夜こちらへ訪問するように伝えていた。
そうして無事家の呼び鈴が鳴り、すずかを迎え入れようと玄関へ向かう。
そこには、
メイド姿をしたすずかが立っているのであった。
そしてぺこりとお辞儀をする所作はとても一朝一夕では出来ない洗練さを感じられる。
夜の暗さとも相まって背徳的な雰囲気も醸し出しているようにも感じた。その姿、その魅力は破壊力を持ってこちらに伝えてくるのである。
いやいやいや……。
突っ込みたいのは山々だったが……ここで騒いでも近所から怪しまれるし、気を落ち着けて家に入れる。
確かに夜、一人でこちらの家に来て欲しいと言う行為は
しかしこちらとしては別途な件であった為、その行動は想定外だったのは事実である。
だが、説明不足だった感は否めないので、何も言えないまますずかを迎え入れその姿自体は無視しつつ話を進めるのであった。
まず、魔法と言う存在。そしてそれに対して自分、なのはが関わっていると言う点。ジュエルシードという危険なものが街にあるということ。
それを今回収しているが、対抗する人たちが居るということ。
そして、それを今回、こちらから探したいという点を説明する。
あと、魔法はこちらの人にあまり知られてはいけない点を説明し、心優しいなのははそのことで悩んでいるという所を説明しつつ、なので今回は二人で探すという所となのはから説明があるまでは何も知らないふりをして欲しいというお願いをした。
すずかは自身の存在自体が魔法のようなものでもある為、話自体はすんなりと受け入れてくれた。
だがなのはのお願いをした辺りで、すずかの周りの空気が変わったような気がした。
すずかは目の前の椅子に座っていた所から移動してこちらのすぐ近くに座り頭を下げ、メイド姿でこう告げてくる。
「ご主人さまは、私にご命令してくれればそれで良いのです。こうしろとそれだけで私は素直に従います」
そして顔を上げ笑顔でさらに伝えてくる。
「ですので、私に余計な気を回さなくて大丈夫です。知らないふりをしろと。それだけで私は喜んで従います」
それはその姿と合わさり本当にご主人様と忠実な僕と言う形が出来上がる。
いや、元々ロールプレイだったよね……。確かにお願いは聞くように設定してあり、さすがに友情が壊れないようにフォローしつつ他にもバレないようにしようと思ったのだが……。
何かまずったのか……と考えたが、元々本人は
とはいえ、一先ず以前見てもらった彼女の存在を探して欲しいと伝え、あくまでその存在を遠目で見つけて気付かれることはないように注意して欲しい、もし単独であればこちらに連絡して欲しいと。
夜の一族は身体能力も高く、視力なども常人以上の成果を出せる。そしてあくまで魔法とは別なので魔法に対する隠密性が高い。それを今回利用して探す予定であった。
この時期はお互いにジュエルシード探索を繰り返しているはずなので、手分けして探している所を各個撃破する予定である。
そう考えながらすずかにより細かく説明をしていくとすずかは理解した顔を見せ最終的に
もちろん。成功の時にはご褒美は貰えるんですよね? ご主人さま?
と、にこやかな笑顔で舌舐めずりを軽くし瞳に艶を見せたその姿はとても淫靡に見えるのであった。
それを見てやっぱりこりゃロールプレイの一環だなと考えたのである。
そうしてすずかと共同で探索が開始された。
この時期はフェイト、アルフ共にジュエルシードを色々と探索している時期でもある為、手分けして探す作業が多いと考えていた。
そして、夜の一族の能力が凄いのか本気になっているすずかが凄いのかよく分からないが無事にアルフを単独で見つけることが出来たのであった。
すずかが連絡があったあと該当の場所へ向かう。そして郊外の人気の無い所で佇むアルフが確認出来た。
すずかには魔法関連を使用すると伝えて、撤退して貰っている。
そうして物陰からアルフの様子を伺う。
現在は人型の姿であり、元々の体毛の色を表しているであろう赤から少し薄いピンクにも近いその色は本人の明るさや優しさを表現しているようにも感じられる。
アルフはフェイトの使い魔であり、フェイトのことを常に案じている。なので、フェイトを催眠するにしてもアルフから切り崩す必要があった。
そんなことを考えつつも遠目から近くの物陰までコソリコソリと近づいていく。
勿論、左人差し指はアルフに向けている。
そうして物陰からわざと少し大きめに音を出す。
「誰だいっ!?」
アルフがそう声を上げてこちらに視線を向ける。それに合わせて視線チェックウォッチを押す。
出てきた数字は「1」であった。
無事、すずかも撤退していることと、フェイトの存在も見えないことを確認して機器をしまい左手をズボンのポケットに入れつつ、こちらの姿全体を表す。
「あんたは……あのガキと一緒にいた……」
あのガキと言うのはなのはの事だろう。アルフは周りをキョロキョロしなのはの存在を探しはじめる。
「なのはは居ないよ。今は僕だけしか居ないです」
そう告げると本人はそれをあまり信じてないようにこちらを威嚇しはじめる。
それを見つつ話を進める為。言葉を続けた。
「多分、お互い名前を教えていなかったですよね。改めまして僕は鏡音奏と言います。お姉さんの名前を教えて頂けませんか?」
「はっ。素直に答えるわけ無いだろうっ!」
ですよねー。と思いつつ話を進める。
「確かいつも一緒に居たフェイトさんがアルフと呼んでいましたので、アルフさんですよね?」
「……」
「アルフさん。実はですね。取引をしたいんですよ」
「…………」
アルフが訝しくこちらを見つめてくる。
「アルフさん?」
「……なんだいっ?」
話自体は怪しくても少し話を聞こうとする姿勢は、フェイトを助ける何かの切っ掛けになればと思ったのかも知れない。
だけど、その返事で十分だった。もう少し繰り返しながら返事を聞き出す作業を覚悟していたが、早く済んでホッとした。
取引材料などこちらには無くブラフでの話であったが、最悪こちらが撤退する状況になった時には、海に散らばっているはずのジュエルシードの存在を使う予定ではあった。
そうして、アルフが催眠状態に陥ったのを確認すると目の前にサイコロが出現した。
アルフの異変を察知しフェイトが早々にくる可能性もある為、ことを早急に進めていかないといけない。
そう思いつつサイコロを振る。
出てきた目は「6」であった。
ことを早々に進めるために特に考えずに振ってしまったのが原因なのか……なんでこのクソ時間が惜しい時にクソ面倒くさい目を引いてしまった現状を、苛立ちで言葉が崩壊しそうなくらい脳内で罵倒してしまう。
だが、早く進めないといけない為、気分をおさめるようにしつつ現れた紙を読みはじめる。
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当たり!!
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ビリッ!!
それだけしか書かれていない紙を破り捨てる。向こうの手とは言え少しでも冷静さを奪うそのやり方は落ち着けさせようとした気持ちを再燃させる。
そんな気持ちを知ってか知らずか新しい紙が再度現れるのであった。
▼▼
おめでとー!! 6は当たりだよー!!
継続内容は「催眠実行者の男性器または性交に対する命令を好きに設定する。それを1週間に1回実施する」
これは催眠の一番最初に命令してねー。なんとその命令が固定されちゃいます!!
本当な意味で自分の好きな娘に出来ちゃうよー♡(ムフフ
それじゃ、楽しんでねー!!
▲▲
ああああああああああああああああああああああ!!
面倒くさい。色々と面倒くさい。本当に面倒くさい。
軽く考えただけでも
しかしそれを洗い出して検討するにしても時間が足りなさすぎる。しかも設定後は不可逆と来たものだ。
様々な感情が浮かび上がるが、もはやある程度、要件を満たすように適当に考えて早々に次に進めようと行動に移すのであった。