※この作品はR-18です。

催眠パワーでいけるのか!?   作:ヒミノまろ

26 / 73
23話

 これからの事を考える。

 

 

 フェイト、アルフ共に催眠は成功出来た。

 これで実際、動きがバレてしまうと自分の立場は非常に嫌われるコウモリ状態になっている。

 だがそれは覚悟している所ではあるし、ばれないよう注意しつつも、ここからが正念場だとも思っている。

 色々と考えた結果、なのは陣営、フェイト陣営の中へ入り込みそれぞれを調整していく必要があると考えていた。

 

 この段階でフェイト陣営に食い込むことは必要だと考えていたのは、何に失敗するか分からない為、それをフォロー出来るようにする為である。

 これからのストーリー進行は基本的にフェイトが心折られるシーンが多くなるはず。

 それをフォローしつつ、ストーリーを順調に進めるためにある種のマッチポンプのようなものを行って行こうと考えていた。

 

 

 大きく分けると以下をフォローする予定ではある。

 

 ジュエルシード単体の暴走

 ジュエルシードを持っていた後のプレシアからの懲罰

 海に散らばっているジュエルシードの強制覚醒によるイベント

 そして、プレシアとの最終決戦

 

 ジュエルシード単体の暴走はフェイト、なのはが同時に強い魔力を用いてジュエルシードを回収しようとして暴走状態になったはず。

 ただ、これは発生しなくてもストーリー進行自体に大きな影響は無いと思われるのとむしろこれが下手に強化されている可能性があり、未然に防げるならそれに越したことはないだろうと考えた。

 そして、お互い怪我を負う状況は避けた方が無難だと思うので、出来れば発生させないようにするべきだと感じている。

 しかし実際どうなるかは分からない為、発生時にはフォロー出来るようにしたいと考えていた。

 

 そしてプレシアの叱責対応だ。恐らくここでフェイトが更に追い込まれる。

 ストーリー上では大丈夫だったが、もし追い込まれ具合がひど過ぎると影響が出てしまうので、適度にフォローしつつなのはとの戦闘に備えさせるつもりだ。

 

 そうして改めてなのは、フェイトの戦闘が行われた時に時空管理局が出て来るはず。

 その後の海でのイベント通しそして1期のクライマックスへ向けて動くのでその辺りが行われるように何かあればフォローする予定である。

 

 そこまで無事進められれば、最後のプレシア暴走時におけるアクションである。

 ここがメインでもあるがそこまである意味辿りつければ恐らくは力と力の勝負になる。

 それに対しても対応する必要がある為、進行に応じた仕込みをしていく予定だった。

 

 

 まずはフェイト陣営の仕込みを進める。

 

 フェイトに今後の予定を聞く。推測した通り、もう少しジュエルシードを集めた後一度母さん。プレシアの元に届けにいく予定だった。

 なので、その予定は進めるように話をしつつ、フェイト・アルフ共に命令として、

 

 鏡音奏との関係性については誰にも明かしてはならない。そしてお互い鏡音奏との関係を疑問に思わない。

 鏡音奏から許可を出さない限り鏡音奏とは他人のフリをする。

 プレシアの所に戻った後、こちらの世界に戻ってきた際に誰にもバレないよう注意をして、バルディッシュも持たずに一度、自分の家に来るように。

 

 と伝えてある。特に関係性と他人のフリに関しては厳命した。

 実際、色んなパターンで催眠の命令に伴う動きを見てみたが、やはりこれは一つのチートであると再認識出来る。

 本来なら命令する内容に対して裏切り等の可能性を考慮すべきだが、そう言った面を省くことが出来るのは強い。

 催眠による絶対順守の掟は破られることはなく遂行される為、裏切りの可能性を考慮した内容を考えなくて良いのが救いだった。

 もちろん、遂行能力自体は人によって異なるし、実際行う人員によっては細かくしたりその人に合わせていく必要があるだろうとは考えている。

 

 

 ただ、どうしても感情が優先してしまう場面などでも、こちらの命令が上位に置かれるというのはこちらとしては助かってしまう。

 それは人としては最低だよな。とも思う。しかし、そういうのを全て飲み込み食らいついて行かないとあの存在には影すら踏めないとも思うし、誰もを不幸にしたいと思っている訳でもない。

 とはいえ、結局、その考え自体が傲慢か。と自虐はしつつも進める覚悟を持って次の対応を行うのであった。

 

 

 なのはとのジュエルシード探索である。

 相変わらずジュエルシード単独で見つけた場合は、圧倒的攻撃で対象を沈黙させて無事に回収出来ているがフェイトとの戦闘の時は、そちら側へ優先されてしまう。

 フェイト側はもはや回避のみに専念していて、隙を見つけては電撃のように一瞬で動いて回収していく。

 もちろん自分はなのはの魔力で守られっぱなしだ。最近、守られているピンク色の魔力がどんどん強度が増しているような気もする。

 実際、魔力自体ほぼ無いので、詳細は分からないが何となく包まれている魔力が厚いのだ。そういう空気をひしひしと感じてしまう。

 

 それはそれとして、フェイトになのはと戦うことはイヤなのか? を聞いた時があった。

 答えは極力戦いたくは無い。という返答であった。恐らくは元々心優しい少女でもある為、お互い傷つけたくは無いのだろうと考えた。

 なのはは若干戦闘よりの考えが強いが、フェイトはそこまで戦闘一本ではなかったはず。

 実際、本来お互いの性格を考慮すれば妥当な線なんだろうなと感じたのであった。

 

 

 そうして、フェイトが現れた時にこちらに一瞬目を向ける時はあるが特に何も言うことは無く、何時もの通りなのはを出し抜きジュエルシードを回収していくのであった。

 とはいえ最近はなのはが色々と考えを巡らせているらしく、多少隙をわざと見せるなどの戦術を持った動きをしはじめて来ているので、なのはも順調に成長しているのだろうと感じた。

 

 

 

 時が更に少し経過したある日。

 

 夜、自分の家に来訪者が訪れた。来訪者はフェイトとアルフである。

 一旦、プレシアの元に戻り、ジュエルシードを渡したので戻って来たとアルフから説明があった。

 

 

 あれ? ジュエルシードの単体の暴走は……? 

 

 

 その話を聞いて真っ先に思ったのはジュエルシード単体暴走の件である。

 恐らくフェイトの離脱戦闘が速かったこともあり、結果としてそれ自体を未然に防いでいた感じかなと判断した。

 ひとまず発生しなければそれに越したことはないと思ったので、それはそれで良いと思い、今のフェイトの様子を確認する。

 

 今、フェイトが着ている服装はいつもの黒を基調としていながらも女の子らしさを感じる服装である。

 ただ、基本スカートをいつも履いていたはずだが、現在はスラックスのような長目のパンツを履いており、上の部分は若干余裕があるロングTシャツような服を着ていた。

 それは今までの格好から見ても、どちらも肌を隠すように見えてしまう。

 

 やはり叱責イベントは行われていたのであろう。

 フェイトに袖を捲るように伝える。フェイトは無言のまま体を若干震わせつつ袖を捲り上げはじめた。そしてそこに表れたのは線を引いたような傷痕が見えるのであった。

 

 その傷をそっと優しく触れる。肌に触れた瞬間フェイトがビクっと体を震わせ痛みを我慢するような顔を見せてくる。

 何か怒られるのでは無いかと言う怯えや泣きそうにも見える表情でこちらを見てきた。

 

 それを見て思う。最悪、催眠では痛みを感じさせることは出来ても傷そのものを癒すことは出来ないだろうなと。

 そして傷を触れられてもずっと無言のままでいるフェイト。先ほどの表情はかなり精神的に追い込まれている状態であろうと容易に推測できた。

 

 完全に傷を癒すことは出来ないし、かと言ってもし全て癒してしまうと違う展開になる恐れという罪悪感を受け止めつつ、少し心の傷は癒しておこうと考えた。

 まずは、ずっと無言のままでいるフェイトを軽くこちらに引き寄せ傷ついている部分を刺激しないように優しく触れるように抱きしめる。

 

 引き寄せた時に怒られるかもと目をギュッと閉じているフェイトを「頑張ったね」と優しく囁いてあげる。

 その言葉を聞いた瞬間、フェイトは目を大きく開けてこちらを見てくる。

 そしてホントに? という表情を見せてくるのであった。それを見て勿論だよ。と伝えつつ頭を軽くこちらの胸に押し付けてあげた。

 

 フェイトの頭を優しく抱き込んであげて刺激にならないようにそのままギュッと抱き込む。

 そうするとフェイトは少し体を震わせて嗚咽のような声を小さくあげるのであった。

 

 しばらくすると落ち着きを取り戻したのか、フェイトは顔をこちらにあげる。

 抱きしめたままであるので、その表情は崩れてはいるが先ほどの思いつめた表情から少しは開放されたかのように見える。

 

 ただ、それをそのままにする訳では無く「ただ、勿論これからするべきことは分かるよね?」と次の行動をしっかりと行うように誘導してあげる。

 その言葉を聞いてコクリと頷くフェイトを見て優しく回していた腕を開放するのであった。

 

 そしてフェイト、アルフ共に次の命令を出しておく。

 

 

 

 

 次、ジュエルシードを見つけ高町なのはと遭遇した場合、お互い正面から戦闘をして欲しい。

 

 そして、もし第三者の介入があった場合にはすぐ撤退を行うようにと。

 

 

 

 

 

 その日はすぐに来た。

 

 なのはとフェイトがジュエルシードをお互いに挟んだ状態で正面で向き合う。

 

 そしてなのはがレイジングハートを構えるとそれに応えるかのようにフェイトもバルディッシュを構えるのであった。

 

 なのははそれを見てようやくやる気になったのかと言うかのようにワクワクを隠しきれない様子が見てとれる。それはある意味、獰猛のような笑顔をフェイトへ向けるのであった。

 ただフェイトはそれを受け流すかのように冷静なままの顔で、それを受け止めバルディッシュを握る手の力が強くなる。

 

 

 

 そうしてお互いの獲物を構えて、その初撃がぶつかる直前にその間へ割り込み声が聞こえた。

 

 

 

「ストップだ! ここでの戦闘は危険すぎる。時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ」

 

 

 

 両方の攻撃を受け止めている両手はそれぞれその強さを物語っているように震えてはいるが、それでもクロノ本人の強さを表すかのように発する声に乱れは無く

 

 

「詳しい事情を聞かせて貰おうか」

 

 

 と二人に伝えるのであった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。