※この作品はR-18です。

催眠パワーでいけるのか!?   作:ヒミノまろ

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25話

 今、自分はなのは、ユーノと共にアースラの中に居る。

 

 

 時空管理局 次元航行船 アースラ

 

 

 ユーノからの説明ではいくつものある次元世界を自由に移動出来る船である。

 なのはや自分が居る世界とは別に複数の世界、例えばユーノ達が暮らしている世界等にも狭間を通り自由に移動出来る船であるとのことだった。

 

 そして、それぞれの世界で干渉し合う出来事を管理しているのが時空管理局という組織であった。

 

 

 

 この辺りは元から知っている知識で大体は理解していたが、なのははまだ余りピンと来ていない顔を続けている。

 うーん。と悩む顔を続けていたが、最終的には何だかよくわからないけどスゴい船なんだね。と結論を出していた。

 

 実際自分も詳細は全然分からないから特に突っ込むことは無く、辺りを見回す。

 

 

 SF感が溢れ未来的に感じられる船内だ。魔法というファンタジー的要素でも感動したが、こう言った場所に来ると改めてなのはの世界に来ているという感動が出てくる。

 ただ、今後の行動を怠らないように、ほえーと辺りを見回すフリをしながらも気を引き締め続ける。

 

 

 そうして船内を進んでいくと、クロノが「バリアジャケットを着たままでは窮屈だろう。解除して平気だよ」と伝えてきた。

 なのははその言葉を受けてバリアジャケットの解除を実施する。ユーノの方にも元の姿に戻って良いよと伝えて、ユーノも元の少年の姿に戻った。

 そして自分の方にも目を向けて「君はデバイスを持っていないよね? 何か魔法を使っていたりするのかな?」と聞いてきた。

 自分は特に何も使用していない旨を説明して今の姿が素であると伝えた。

 

 

 ひとまず、これでやはりというべきだろう。事前にこちらの様子を確認されていたことが良くわかった。

 基本的に戦闘はなのは一人で行うことが多い、そしてもしサポートがあってもユーノが動く。こちらは魔法が使えないため、情けないが戦闘時はジッとしているしかない。

 

 それはそれとして、ユーノがフェレットに変身している状況を知っているのは分析されている結果だろう。そして自分は全く動いてないので魔力はほとんど無いが未知数であるはずなので確認されたのだ。

 デバイスを持っていない質問がやけに確信的に感じられたのも一つの要因ではある。

 

 とは言え、別に事前に調べられることは当たり前である。向こうは危険を管理するための人員を持っているのだ。

 事前情報というのはそれだけで一つの武器になる。仕事をきっちりこなすと言うことが分かれば十分であった。

 

 その結果、アースラ内部でも拘束や武器を取り上げられることはない。戦力分析を行い自分達で問題無く対処出来ると言う自信があるからこそ、こちらを招いているのだから。

 

 

 そうして、クロノが一つの部屋へ案内を行う。「艦長。来てもらいました」と入る時に声を掛け中に入る。

 こちら三人ともそれに続き部屋に入った。

 

 部屋の内部は、何と言うか無理に日本風にセッティングされた数々の品が見える。

 盆栽、鹿威し、割と本格的な茶器一式などなど、それらはSF感と合わせなんとも言えない微妙な雰囲気を感じさせた。

 部屋の中央には畳がありその上に赤い毛氈を敷いている。端には赤く大きな和傘が立てられてそれはお茶会を開催する状態のように見えた。

 そしてそこにはリンディ・ハラオウンが正座で座っているのだった。

 

 多少、知ってはいたけど……本当にミスマッチ感がスゴいな。とある意味感動してしまう。

 

 なのははもはやポカーンである。ユーノはさすがにそこまでこちらの文化には詳しく無いだろうからショックを受けている様子は感じられない。

 

 そんな状況を意に介さずリンディ・ハラオウンが「お疲れさま〜。まぁ〜三人ともどうぞどうぞ楽にして〜」とのんびりとした口調で語りかけてくるのであった。

 

 

 そうして出されたお茶とお茶菓子を見ながら、お互い自己紹介を交わし話が進む。

 

 まずはジュエルシード発掘に関して、ユーノが経緯を伝えた。

 ジュエルシードをユーノが発掘し、事故にあいそれが散らばった為、自分が責任を持って集めようとしていることを伝える。

 

 それに対する評価としてリンディは「立派だわ」と優しく伝えてくる。しかしクロノはそれに合わせるように「だけど同時に無謀でもある」と厳しく捕捉した。

 その言葉を受け、ユーノは自覚しているかのようにしゅんとした表情を浮かべていた。

 

 実際、危ないは危ないからなとは思う。今回、世界がヤバイ事態になるのもジュエルシードの力があるためでもあるし、否定出来無いのも事実であった。

 

 またジュエルシードをロストロギアと呼んだことで、ロストロギアに関する疑問をなのはが伝える。

 それを受けロストロギアに関する説明が行われるのであった。

 

 

 

 

 ロストロギア

 

 異質世界の遺産

 

 次元空間の中には様々な世界が存在している。それぞれが生まれ育った世界。

 その中にごく稀に進化しすぎた世界が存在していた。

 技術や科学など進化しすぎたそれは世界を滅ぼすまでの力を生み出し結果その世界が滅んでしまう。

 その後、取り残され滅び失われた世界において危険な技術が含まれている遺産が発見されることがある。

 それは正しく扱う技術が確立されていない力であり、世界を再度滅ぼす可能性もありえる危険な物品や知識。

 それらを総称してロストロギアと呼んでいた。

 

 危険な代物をしかるべき手続きをもってしかるべき所へ保管する必要がある。

 それが時空管理局の使命でもあった。

 

 ジュエルシードは次元干渉型のロストロギアである。

 いくつか集まったところで特定の手順で実行されれば空間内に次元震を引き起こし次元断層さえ巻き起こす危険さえある。

 

 ジュエルシード自身が次元震自体を引き起こす事態はまだなかったが、戦闘で行われていたジュエルシードの力をこちらで分析した結果として伝えられる。

 もし複数個集まった状態で暴走された場合、過去に起こった隣接する世界すら崩壊してしまう次元断層の被害が出るだろうと。

 

 

 

 そしてリンディから伝えられる。ロストロギア、ジュエルシードの回収は時空管理局が全権をもって対応すると。

 

 それの後を継ぐように「君たちは今回のことは忘れてそれぞれの世界に戻り元通りに暮らすと良い」と伝えられた。

 

 なのははそれに反発するような声を上げたが、クロノは一蹴する。「次元干渉に関わる事件だ。民間人レベルに介入して貰うレベルの話では無い」と。

 

 それをフォローするかのようにリンディが言葉を伝えてきた。

「まぁ、急に言われても気持ちの整理はつかないでしょう。今夜一晩ゆっくり考えてみんなで話し合ってそれから改めて話し合いましょう」

 

 

 さて、ここまでは()()()()である。恐らくこのまま何も無ければただ帰されるだけであろう。

 そしてこちらから協力を願い出る流れを誘うのだ。

 

 ここら辺の解釈は人様々だと思う。クロノ自身は元々、真っ直ぐな気質であることは知っているので言葉自体は他意は無く恐らくは本心である可能性が高い。

 そしてリンディのフォローも本来であれば大変だった子供を気遣う言葉であり素直に受け止めるなら懐の深さを伝えてくる言葉にも見える。

 

 正直、それだったらそれで()()()()のだ。善意の塊での話であれば幾らでも後で仕込みは組み込めるだろう。

 ただ、もし裏がある場合だと後に回せば回すほど己が不利になってしまう。

 

 裏があると言うことはその分、こちら側をコントロールする意思があり良い悪いに限らず枷を付けられる可能性が高い。

 そしてその読み合いをする時間は相手側の方が魔法知識が豊富な分、上手であろう。

 未来の話をした場合なんかはむしろ拘束すらされるだろうなと思う。

 

 

 なので、意思があるかを確認するためにちょっと良いですか? と声を上げ、少し流れを変えるような発言をし始める。

 

 

「時空管理局って話を聞く限りスゴいですよね。沢山世界があってもこうして対応するために人員が来てくれるなんて」

 

「よっぽど優秀な人員が沢山居るんですねー」

 

 

 と朗らかな表情で明らかに空気が読めていない発言をした。

 なのは、ユーノは多少落ち込んでいる表情からこちらへ視線を向ける。何を言っているんだ的な表情だろう。

 

 向こうは一瞬黙り込んでリンディが答える。

 

 

「そうなのよ〜。クロノ執務官のような優秀な人材も居るんだからね〜」

 

 とクロノの方を優しくチラッと見て答えてくれた。

 クロノは満更でも無いのか照れた表情を見せてくれる。生真面目なぶんこう言った話には免疫はないのだろうと思う。

 

 

 そして思った。裏はあるなーと。勿論今のやり取りだけで全て判断することは出来ない。ただ、基本時空管理局は人員不足であるはず。

 それを自然と隠すような発言は向こうの不利となる面をこちらへ伝えない。そして質問にも答えていないのだ。

 沢山居るの? に対して答えは全くない。あくまでクロノが優秀な人員であることは伝えてきているだけである。

 

 では、なぜ隠すのか? こちらの条件をしっかりつける為に相手から譲歩を引き出したくない。とも受け取れてしまうのだ。

 勿論これが全てでは無い。ただ相手は艦長でもあり言ってしまえば役職付きである。しかも仕事が出来る役職付きだ。

 

 個人でただ仕事が出来る訳でも無い。艦長要するにそこの組織を全て預かる人間として成功を遂げている人物がただただ善良だけでは務まらないであろう。

 それほど人が組んでいる組織というのは厄介でもあるのだ。

 

 そしてそう頭が回る人間は手元の手段が多いに越したことは無いと考える。いつもあるものでやりくりする必要がある為、新たに手が出来るならそれに越したことは無い訳である。

 ただ闇雲に集めても使えない。あくまで自分が思うようにコントロール出来る必要がある。だからこそ向こう側から願い出ることでコントロール出来やすくする。

 そしてある意味の責任も回避出来る言い訳もたつ。全て自分の有利に運ぶようにしているはずだ。

 

 

 それが悪いことでは無い。むしろそれを()()()()()。別に個人的には忌避すべき内容でもない。

 何故なら自分も似たようなことをしようとしているのだから。

 

 今はまだお互い読み合いが出来る環境下だが、長期戦になればなるほど彼女へ勝てる気がしないのも事実である。

 しかしお互いの着地点は違う。現段階ではこちらの着地点の方が圧倒的に速いのでそれに向けて動きを続けた。

 

 

「そうなんですねー」と相槌を打ちつつ、次へ繋げる。

 

「そうだったら確かに自分達のような民間人は要らないですよねー」

 

 と伝えた。

 

 

 クロノは勿論だともと言わんばかりの雰囲気を出している。

 ただそれには全く興味を示さず、真っ直ぐと目を逸らさずリンディを見た。

 

 リンディはその真っ直ぐむけた目を見て一瞬考えたように沈黙する。

 ダメだよ。そこで一瞬でも沈黙しちゃうと色んな意味に捉えられちゃうよ。と何故か上から目線で頭の中が回ってしまった。

 

 あくまで一瞬であり、リンディは笑顔を見せてそのまま答えてくれる。

 

 

「えぇ。残念だけどその通りね」

 

 ですよねー。とその返答に笑顔であははと言いつつこちらも答えた。

 

 

 

「帰る前にリンディさんと二人きりで相談したいことがあるんですが大丈夫ですか?」

 

 とチラリとなのはを見て伝える。

 

 相手もしっかりと裏を読んでくれることを期待していた。

 その言葉はクロノには許容できなかった内容で、「何を言っているんだ君は」と言ってくる。

 それに対しては「本当にごめんなさい。少し色々と家族の事情も入ってしまうのでそれを相談したかったんです」と申し訳ないように伝える。

 

 なのは、ユーノは何も言ってこない。ユーノは色々と事情を知っている為、咀嚼してくれるだろうと思っている。

 なのははジッとこちらを見つめてきた。「説明してくれるんだよね?」と言っているようにも感じる。

「後でね」と言うジェスチャーを見せ、リンディの反応を見る。

 

 

 リンディは考えているような表情を浮かべている。

 

 

 きちんと裏を読んでくれるならこう思ってくれるはず。

 三人の中で頭脳担当は自分であるはずだと。実際、何も戦闘に参加していないのにそこに居ると言うのは不自然にも感じられる。

 なら何故? の結論を与えるのだ。先ほどの質問からそっちの意図は多少理解していますよ。と言うメッセージでもある。

 そうすれば勝手に誤解をしてくれる。多少裏が読めるくらい頭が回るなら恐らくチーム内で作戦を考えたりしていたのだろうと。

 そしてこの発言自体も相手が誤解したまま説得力を持たせられる。何か裏で提案がしたいのだろうと思ってくれるはずだ。

 

 そうなると二人っきりになると言う危険性を検討するはず。とは言え、相手は子供。頭脳担当、そして調べた限り魔力は無い。なら自分だけでもどうにでもなると言う所で結論つけるはず。

 なのはに関する相談又はむしろどう言った可愛い提案をしてくれるのかと余裕に思ってくれれば万々歳だ。

 失敗したらそれはそれでそっち側の能力はなかったと思うしかない。

 

 

 そして彼女の中の結論が出たのであろう。

 

 

 

「分かりました」とこちらへ伝えてくれるのであった。

 

 

 

 クロノは最後まで抵抗していたが艦長命令で部屋から出て貰った。

 マザコンとまでは思わないがやはり母のことは心配しているのだろう。

 ただ、あなたの母は魔力も桁が違いそもそも戦闘では勝ち目はありませんよ。と心の中で思うのであった。

 

 

 改めてリンディさんがお茶を入れ直してくれている。

 紋章の確認も合間で実施済みだ。色は青色でサブである。

 現在、リンディさんはお茶を入れるため後ろを向いており、それを見つつ視線チェックウォッチを起動させる。結果は「0」を示してくれた。

 割とプライベートよりの空間なので監視の目が入ってないことが確認できた。最後の関門も突破してくれて一安心する。

 それを見たかのように機器は「0」回になった為、消滅した。

 

 どちらかと言えば後ろを見せていたのも急に攻撃をしてくる誘いをしていたのかも知れない。

 とは言え、こちらは攻撃する意思など皆無でありあくまで相談と言う名の提案と言う姿勢を崩さない。

 

 

 そして手のひらを開いている状態で正座している膝の上に乗せている。

 左人差し指は自然に膝の上でリンディさんに差し続けていた。

 

 お茶も入れ直しが終わりお互いに正面に向き合う。そして指が震えたのを感じる。

 そうして女性であり二人きりなら何かを起こす前にこちらが全てを掌握出来る奇襲を行うのであった。

 

 真剣な表情で相手を見る。リンディさんはそれをジッと視線を受け止めた。

 

 

「リンディ・ハラオウンさん」

 

 

 真剣さを伝えるように割と強めに言葉を発し相手の返事をジッと待つ。

 

 

「何かしら」

 

 

 そうして無事に返答を貰うのであった。

 

 

 

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