※この作品はR-18です。

催眠パワーでいけるのか!?   作:ヒミノまろ

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28話

 __

 

 

 

「フェイトちゃん!!」

 

 一人の少女、高町なのはが広大な海の空を駆ける。海上で浮遊していた金色の髪を持つ少女、フェイト・テスタロッサへ向かい駆けるのであった。

 そして二人の少女が向かいあう。

 

「フェイトちゃん……。ジュエルシードを探しているんだよね?」

 

「…………」

 

「もし……一緒に探したらその後、それを賭けて勝負とか出来たりする……?」

 

「……」

 

 フェイトからは返答が無く、なのはは返答がなかったことで誤魔化すように、にゃははと照れ笑いのような声を上げる。

 そんななのはのことを気にかけない形でフェイトは辺りを見渡したような動作をした後、初めて言葉を発する。

 

「今日は()()?」

 

「えっ……うん。そうだけど……」

 

 

 フェイトは何か残念そうな表情を浮かべる。なのははその様子を怪訝に見つめるのであった。

 だが、フェイトは話を続ける。

 

「勝負自体は構わない」

 

 その言葉を聞いて、なのはは、やった!! と言うように顔をぱぁっと明るくする。

 ただ次に繋ぐ言葉はその少女の心を変化させてしまう。

 

「あなたの守る壁を打ち破りたいから」

 

「えっ…………?」

 

 高町なのはは最初、その言葉の意味が分からない戸惑った表情を浮かべていた。

 ただ、内容の意味が段々と頭に染みていき内容を理解し始めると共に様子が段々と変化していく。

 

「フェイトちゃん……? 何を言っているのか()()()()()()()()?」

 

「……? 言葉の意味の通りだけど……?」

 

 フェイトは急に変化した様子の高町なのはに戸惑った表情を浮かべる。

 ただ、その答えに満足が言っていないように高町なのはは言葉を荒くして告げてしまう。

 

 

「私のこの(奏くんを)護る力を壊すって言うの!!」

 

「そう。私はあなたの守る力(防御障壁)を打ち破れることを証明したい」

 

 

 現段階では結果として同じ形になるかもしれない。ただ違うのだ。

 高町なのはは魔法そのものが彼を護る力である。それを破壊するという言葉は彼女の言葉はその心に秘めている想いを壊されてしまうという恐怖、そしてそんなことは絶対にさせないという怒りのような感情があらわれてしまう。

 

 

「そう……なら、試してみる?」

 

 

 その言葉に合わせ高町なのはは「はああああああっ!!」大きく叫び声をあげ動作をする。

 声に応えるかの如くなのはの身体から今までに無いくらい膨大なピンクの魔力が吹き出るのであった。

 

 対するフェイトもその魔力に動じることは無い。むしろ結果を出せるという高揚感にも包まれ気合い十分かのように彼女からも魔力が溢れ出るのであった。

 その溢れ出る魔力はフェイト本人が剣本体と言わんばかりに圧縮され研ぎ澄まされれている。

 

 

「構わない。早いか遅いかだけで、乗り越える結果は変わらないから」

 

 

 そうなのはへ伝えフェイトは気合い十分という様にデバイスを構えるのであった。

 

 

 

 __

 

 

 

 

「なのはちゃん!! なのはちゃん!! 聞こえる?」

 

 

 エイミィが声を大きくして通信を行っている。

 妨害されているのかそれとも声を聞こえていないふりをしているのかは分からないが、なのははフェイトと対面したまま動く気配はなかった。

 

 

 アースラ内は絶賛、バタバタ中である。

 魔力観測もそうだが、二人が膨大な魔力を溢れ出していることもあってそれに呼応するかの様に海にまだ眠っているジュエルシードが目覚めそうなのだ。

 というか、何個かはもう覚醒しているっぽい。

 

 本人たちの魔力とは別に二人の周りには超常現象が発生していた。

 海上の竜巻であったり、空から嵐の様に雷や雲が押し寄せてきている。

 

 だが、二人は全くそのことに気にしていないのだ。お互いから目を離すことは無い。

 

 それは光景と合わせある意味、クライマックスの決戦の様な雰囲気すら感じられる。

 

 

 リンディ艦長は、クロノ、ユーノへと待機状態から出撃へと指示を出しはじめる。

 出撃する二人は……クロノはともかくユーノは悲壮感が見えている様な気がした。

 

 あの今にも怪獣大決戦を始めようとしている二人を宥めて、ジュエルシードを封印するという中々ハードなミッションに取り組む必要がある。

 ユーノはそれを悲観している様にも見えるがそれはさておき、流石にこのままでは原作通りに進まなくなる可能性が高い。

 彼女たちの行動自体は後で聞き出そうと思うがまずは目の前の問題をどう進めていくか考える。

 

 そして、リンディさんへ声を掛けるのであった。

 

 

「リンディ艦長!」

 

「……何かしら。奏くん?」

 

「僕もユーノ達と出撃してもよろしいでしょうか?」

 

 

 リンディは何を言っているんだ? と言わんばかりの表情を浮かべる。

 

 

「どうして? あなたが行っても戦闘には参加出来ないでしょう?」

 

「確かに戦闘には参加出来ないです。ただ、なのはを冷静にさせることは出来ます」

 

 

 実際、なのは達が冷静になれば事態は一気に緩くなる。

 あの二人が戦闘してしまうとカオスになるので、そこさえ抑えられれば何とかなると考えていた。

 

 ただ側から見ても二人は周りから声を掛けられてもすぐに冷静になるか微妙な所であろう。

 クロノが割って入ってもそちらの対応に取られてしまい、その間にジュエルシードの方が暴れてしまうためそちらを放置することも問題だ。

 ジュエルシード単体ならまだ何とかなるかもしれないが複数となると、それをユーノが抑えるには難しいであろう。

 

 その二人の立場を逆にしても、ユーノがあの二人を穏便に収めることは難しいだろう。

 ユーノが決して弱いわけでは無い。各々の役割の問題でもあるのだ。

 簡単なイメージだとなのはは前衛か砲撃としての後衛。クロノはオールラウンダーとしての中衛。ユーノは後衛メインである。それぞれがしっかりと機能する様に配置されればチームとして発揮されると思われた。

 ただ、後衛メインを前線に配備してもただ蹂躙されるだけであるのも想像は難しく無い。

 

 とは言えここで自分が無理に戦闘に参加しても役に立たないのは分かっている。

 しかし二人を冷静に戻せることに関しては問題ないだろうと思っていた。

 

 けど、自然に入り込める様にするためにもリンディさんからの許可を得る必要があった。

 

 リンディさんの方を見つめる。自分が受けた話を考えこんでいる様にも見えた。

 勿論命令で行けるのは分かっているがそんなことをすればあっという間に自分が終了するだろう。

 

 自分の存在を隠しつつ要望に応えるという点で、リンディさんはどうすべきか悩んでいるはずである。

 そしてアースラ内で行っている自分の設定ともそこまで齟齬は無く進められるであろうということも理解しているはずだ。

 

 そうして、考えが纏ったのかクロノ達に声を掛ける。

 

 

「クロノ。ユーノくん。奏くんも少しだけ出撃させることは可能?」

 

 クロノはそれを聞き、無茶です! と答えるのであった。

 

 

「一つか二つ程度声を掛けてそれで何も進展が無ければ帰還させるわ。成功出来るに越したことは無いから試してみる価値はあると思うの」

 

 

 クロノはそれでも無茶だと言わんばかりの表情だ。

 ただ、ユーノはなのはと仲が良い関係性をある程度理解してくれているので、通用出来るかもしれないとフォローを入れてくれる。

 

 若干、クロノとしこりはありつつではあったが、ユーノにフォローされる形で呼びかけを行うことになった。

 

 

 ユーノにフォローされる形でなのは、フェイトがいる海上へ向かった。

 無事、その現場に辿り着き二人の様子をみる。まだ、お互いの様子を見ている状態なのか二人は魔力を噴出したまま向かい合っている状態であった。

 クロノはジュエルシードの状況を確認に集中している。

 

 二人がまだ戦闘が行われていないことに安堵しつつユーノと話し始めた。

 

 

「そう言えば声を大きくする魔法ってあったりする?」

 

「多分あるとは思うけど、僕は使えないかな」

 

 

 そう言ったのは大体念話で行うからと言われてしまった。

 それもそうだな。と納得しつつそれだったら少しでも大きく声を伝えるため、二人へ近づく様にユーノと話を行った。

 

 そして大体、二人にも届くくらいの位置に着いたらきちんと二人に聞こえる様に大きく口を開けた。

 

 

 

『周りを見ろっ!!!!』

 

 

 

 実際、これはなのはでは無く()()()()へ向けた声である。

 フェイトの方は命令を聞く状態であるため、それを利用する形で声を掛けフェイトが落ち着けばなのはも落ち着くだろうという形でもあった。

 

 

 自分が出した声がちゃんと聞こえたのかなのはの方は「奏くん!?」と驚いた様子でこちらを見てくる。

 そしてフェイトの方は命令通りに周りを見始めて初めて状況に気づくのであった。

 

 なのはは先ほどの様子から変化して、こちらに真っ直ぐに向かってくる。

 そしてこちらに合流を果たすと、すぐに自分の周りにピンク色の防御膜が張られたのが分かった。

 

 その心遣いに感謝しつつも近づいてきたなのはを「なのは。周りをちゃんと見なきゃダメだよ」と声を掛ける。

 そこで初めてなのはは周りを見てジュエルシードの暴走が始まっていることがわかるのであった。

 

「なのは。まずはジュエルシードの封印を行うべきだよ」と伝えると「分かったの!!」と理解した様子を見せる。

 それを見てユーノと共にホッと一安心ついた。なのははそのまま暴走しているジュエルシードへと向かっていく。

 

 さりげなくフェイトの方を見る。フェイトはジッとこちらを見ている様に感じられた。

 視線をフェイトから暴走しているジュエルシードの方へ向けた後、再度フェイトの方を見つめる。

 そしてフェイト以外に誰にも気づかれない様、頭をコクンと頷く様に動かして無言の意図をフェイトへ伝えるのであった。

 

 フェイトはその動作の意図を理解したかの様にフェイトもジュエルシード回収へ向けて動き出す。

 アルフもどこに伏せていたのか分からないがフェイトと一緒に回収を手伝う。

 そうして主軸二人の行動が開始されジュエルシードが元の姿に戻るにはそう時間は掛からないのであった。

 

 

 海上に6つのジュエルシードが浮かぶ。

 それを挟む様になのは、フェイトが改めて向かい合う。ここで再度また同じことが起きるのかと思ったら「戦闘区域に次元干渉!!」とアースラ側から連絡が行われる。

 その連絡に合わせるかの如く海上の空から紫色の大きな稲妻が走った。それを見てフェイトは「母さん!?」と呟くが、稲妻は真っ直ぐフェイトに向かい直撃される。

 

 

「ああああっ!!」

 

 

 雷の衝撃を受けフェイトが声を上げる。そしてその余波がなのはにも向かった。なのはは直撃はしなくてもその余波の衝撃でフェイトから離れてしまうのであった。

 

 フェイトはその雷の直撃を受けて気絶したかの様にぐったりとしてゆっくりと飛行状態が解除される。

 それを慌ててアルフが支えている。そして二人の居なくなった場所に6つのジュエルシードが輝いている状態が残っていた。

 

 アルフはそのジュエルシードも回収しようと動く。だが、さすがにそれは許さないと言わんばかりにクロノがアルフの動きを防ぐのであった。

 しかしその動きを防いでいたクロノをアルフは力の限りに吹き飛ばす。そしてジュエルシードの方に改めて向かうのであったが、そこには6つでは無く3つのジュエルシードがあった。

 

 クロノが防いでいると同時に3つ回収していたのだ。さすが万能型であると感じたが、アルフは残っている3つを回収した後、目を晦ますかのように海へ力をぶつける。

 その力が上げる海柱はこちらの視界をしっかりと防ぎ、収まった頃には二人とも居なくなっていた。

 

 

 そうしてアースラ組だけが海上に取り残される。なんとも言えない空気の中、帰還の準備を始めた。

 自分はなんとかストーリー的に進行出来たことに一安心しつつ、いつ戻ればよかったのだろうとも思っていたりしていたのであった。

 

 

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